企画1枚化——課題→打ち手→効果を通す | マナビズ

企画1枚化——課題→打ち手→効果を通す

「いいアイデアだとは思うけど、で、結局どうしたいの?」。企画を出したあとに、上司からこう返された経験はありませんか。せっかく時間をかけて広げて、絞って、これだと思う1案を持っていったのに、判断が出ない。これは、あなたのアイデアが悪いからではありません。多くの場合、その1案が「読み手が即判断できる1枚」になっていないだけです。

このコースでは、思い込みを外し、制約や分解、組み合わせでアイデアを広げ、実現性とインパクトで1案に絞るところまで歩いてきました。最後のピースが、この「1枚化」です。どんなに良い案でも、課題と打ち手と効果が一本の筋でつながっていなければ、決裁者はGOを出せません。逆に、この筋さえ通っていれば、長い資料は要りません。

この最終講座を読み終えると、あなたは次の3つができるようになります。企画書を「目的」と「読み手」から書き始める理由を説明できる。課題→打ち手→効果の筋をPREP法で1枚に構成できる。そして、絞り込んだ1案を、読み手がその場で判断できる企画書1枚に作成できる。最後まで、「部署の販促の小さな企画を、上司(決裁者)に通す」という1つの場面だけで説明します。

この講座のポイント

  • 企画書を「目的」と「読み手」から書き始めるべき理由を、自分の言葉で説明できる
  • 課題→打ち手→効果の筋をPREP法で1枚に構成できる
  • 絞り込んだ1案を、読み手がその場で判断できる企画書1枚に作成できる

企画書は「目的」と「読み手」から始まる

良い1枚は、書き出す前に勝負がついています。まず決めるのは、文章でも装飾でもなく、「何のために」「誰に」読ませる1枚かです。

この章のゴール

この章を読み終えると、企画書を「目的」と「読み手」から書き始めるべき理由を、自分の言葉で説明できるようになります。

「分量が多いほど熱意が伝わる」という誤解を捨てる

通らない企画書には、共通のクセがあります。思いついた背景を時系列で並べ、調べたことを全部詰め込み、ページ数で熱意を示そうとする。「これだけ調べました」を伝えたい気持ちはわかります。でも、決裁者が知りたいのはそこではありません。分量が多いほど熱意が伝わるまず背景や思いつきから書けばいい——この2つは、企画が通らなくなる典型的な誤解です。読み手は熱意ではなく、「やるか・やらないか」を判断するための材料を探しています。

先に決めるのは「目的」と「読み手のニーズ」

企画立案の基本は、まず「目的」と「対象者(読み手)」を明確にし、相手のニーズや関心に合わせて構成することだと整理されています。順番が逆になりがちなのです。多くの人は中身を書いてから「誰に出そうか」と考えますが、それでは相手の関心とズレます。先に読み手を1人に決め、その人が何を知りたいかから逆算します。

共通例で考えましょう。あなたは部署の販促企画を、決裁者である上司に通したい。すると、書き出す前に置くべきは次の2つです。

  • 目的……この企画で、最終的に何を達成したいのか(例:来店客数を増やす)
  • 読み手と関心……上司は決裁者。知りたいのは「いくらかかって、何が良くなり、本当に回せるのか」

この2行が決まると、1枚に何を書き、何を捨てるかが自動的に決まります。読み手の関心に答えない情報は、どれだけ調べたものでも1枚からは外します。

この章の確認(演習)

お題:いま抱えている企画について、「目的」「読み手」「読み手の関心」を3行で書いてみてください。

読み手は1人に絞ります。「上司は、この企画の何を一番知りたいか?」に1文で答えられれば、1枚に載せる中身が見えてきます。

1枚をPREPで構成する(課題→打ち手→効果)

目的と読み手が決まったら、いよいよ1枚の中身を組み立てます。とはいえ白紙から書くと迷います。そこで、決まった「型」に流し込みます。

この章のゴール

この章を読み終えると、課題→打ち手→効果の筋をPREP法で1枚に構成できるようになります。

PREPで「課題→打ち手→効果」を一本の筋にする

1枚企画書の構成には、PREP法(Point→Reason→Example→Point)が有効だと紹介されています。結論から話すロジカルシンキングの型と同じ骨組みを、企画書1枚に当てはめるイメージです。4つのブロックに、こう割り付けます。

  • P=Point(課題と目的)……背景・現状の課題・解決したい目的を簡潔に
  • R=Reason(打ち手と効果)……提案する打ち手と、読み手が得る価値(効果)、実施計画・リソース配分で実現性を示す
  • E=Example(予算・リスク)……予算や財務、デメリット、リスクと対策、実施後の次ステップ
  • P=Point(再強調)……もう一度、目的を強調して締める

最初のP(課題)と、R(打ち手と効果)が一直線につながっているか。ここが1枚の背骨です。「この課題があるから、この打ち手を打つと、この効果が出る」。声に出して読んで、途中で「なぜ?」が湧かなければ、筋は通っています。

1セクションは1〜2文か、3〜4個の箇条書きに絞る

ここで効くのが分量の制約です。1枚企画書では、各セクションを1〜2文、または3〜4個の箇条書きに制限して端的に書く、とされています。書ききれないのは、まだ自分の中で要点が絞れていないサインです。販促企画なら、こう収まります。

  • P(課題)……販促の打ち手が場当たりで、来店客数が伸び悩んでいる
  • R(打ち手と効果)……既存客へ月1回のクーポン配信を始める/来店頻度の底上げを狙う
  • E(予算・リスク)……配信ツール費は月◯円/効果が出なければ3か月で停止
  • P(再強調)……来店頻度を上げ、販促の無駄打ちをなくすための一手です

数字の「◯」は、あなたが実際の見積もりで埋める空欄です。出せない数字を盛らず、読み手が判断に使える事実だけを置きます。

この章の確認(演習)

お題:自分の1案を、PREPの4ブロック(課題/打ち手と効果/予算・リスク/再強調)に割り付けてみてください。

各ブロックを1〜2文に収められるかを確認します。収まらないときは、まだ要点が絞れていない箇所です。

絞った1案を1枚に落とす(実践)

型がわかったら、前の講座で絞り込んだ1案を、実際に1枚へ流し込みます。ここがコースのゴールです。

この章のゴール

この章を読み終えると、絞り込んだ1案を、読み手がその場で判断できる企画書1枚に作成できるようになります。

絞った1案だけを1枚に流し込む

前の講座で、広げた案を実現性×インパクトの2軸で1案に絞りました。1枚化では、その1案だけを扱います。ボツにした案を「検討しました」と並べたくなりますが、読み手の判断には不要です。情報を入れすぎると、肝心の筋が埋もれます。第2章のPREPの4ブロックを、そのまま1枚の見出しにして、各ブロックに第1章で決めた目的と読み手の関心に答える中身だけを置きます。

声に出して「課題→打ち手→効果」がつながるか点検する

書き上げたら、最後に必ず点検します。やり方はシンプルで、1枚を上から下まで声に出して読むだけです。「この課題があり(P)、だからこの打ち手を打つと(R)、この効果が出る。予算とリスクはこう(E)。だからやる価値がある(P)」。この音読の途中で、自分でも「なぜそう言える?」と引っかかったら、そこが筋の切れ目です。前の講座で出てきたように、発想直後の案は実現性やコストを無視した理想論になりがちです。1枚に落とす段階で、その穴を自分で埋めておきます。

この章の確認(演習)

お題:実際の1案を、PREPの1枚テンプレに書き出し、声に出して読んでみてください。

課題から効果まで、途中で「なぜ?」が湧かずに読み切れれば、読み手も即判断できる1枚になっています。詰まった箇所は、事実か打ち手のどちらかが足りないサインです。

まとめ:課題→打ち手→効果を、1枚で通す

おつかれさまでした。このコースで歩いてきた道を、最後に1枚の地図にまとめます。

  1. 思い込みを外す……「発想は才能」という思い込みを外し、アイデアは手順で出せると知った。
  2. 制約と分解で広げる……あえて制約をかけ、要素に分解して別案を広げた。
  3. 組み合わせ・転用で広げる……SCAMPERの問いで、さらに案を広げた。
  4. 評価軸で絞る……実現性×インパクトで、広げた案を1案に絞った。
  5. 1枚化する(本講座)……絞った1案を、目的と読み手から始め、PREPで課題→打ち手→効果を1枚に通した。

通る企画書を分けるのは、文章量ではありません。課題→打ち手→効果が、1本の筋で1枚に通っているか。それだけです。覚えて帰るひと言は、これです。

課題→打ち手→効果を、1枚で通す。

明日の最初の一歩:いま抱えている1案を、白紙からではなく、「目的」と「読み手」の1行を書くところから始めてみてください。その1行が決まれば、あとはPREPの4ブロックに流し込むだけ。広げて、絞って、1枚にする——この一連の流れが、あなたのアイデアを「通る企画」に変えます。

よくある質問

企画書は何枚くらい書けばいいですか?

判断に必要なら1枚で十分です。課題・打ち手・効果・予算/リスクが筋でつながっていれば、枚数より「即判断できるか」が通る基準になります。

たくさん書いたほうが熱意は伝わりますか?

伝わりません。読み手が探しているのは熱意でなく判断材料です。各セクションを1〜2文か3〜4個の箇条書きに絞るほうが、筋が伝わります。

アイデアは良いのに、なぜ企画が通らないのですか?

多くは中身でなく構成の問題です。目的と読み手から書き始め、課題→打ち手→効果を一本の筋にすると、同じ案でも判断が出やすくなります。

監修
マナビズ編集部

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