Q.
診断の結果、「現場は問題を感じているが、原因を関係性ではなく個人の能力のせいだと捉えている」と分かった。組織開発として最も適切な次の一手はどれか。
解説まとめ
正解はAです。問題の原因を個人の能力に帰している状態のままでは、犯人探しに向かい関係がさらに悪化しがちです。組織開発では、その見方を関係やプロセスの問題として捉え直す対話の場をつくり、間で何が起きているかに目を向け直してもらいます。個人だけに研修を当てたり、入れ替えに動いたりするのは、関係の問題を温存します。視点の転換を促すのが要です。
ポイント
この問題の核心は、診断で見えた「現場の見立てのゆがみ」自体に働きかける点です。原因を個人に押し付ける見方を放置すると、誰かを責める力学が強まります。診断結果をそのまま受け入れるのではなく、見方を組み替える介入が必要だと気づけるかが、つまずきどころです。
ワンポイントアドバイス
「あの人がダメだから」という声が出たら、「その人が動きにくくなっている状況は何か」と問いを足してみましょう。原因を個人から状況へ広げると、責め合いが共同の課題に変わります。具体的な場面で何が起きたかを一緒に振り返ると、関係の問題が見えてきます。
解説詳細
見立てのゆがみに働きかける
診断で「原因を個人の能力に帰している」と分かった場合、その帰属の仕方そのものが問題を固定しています。組織開発では、関係やプロセスへ視点を移す対話を設計し、個人を責める構図から、間で何が起きているかを共に見る構図へ組み替えます。これにより、犯人探しではなく協働的な改善に向かう土台ができます。
他の選択肢がなぜ誤りか
Bは個人にだけ研修を当て他を関与させないため、原因を個人と決めつけた現場の見方を追認し、関係の問題を残します。Cは見立てをそのまま受け入れて様子を見るだけで、ゆがんだ帰属を放置します。Dの入れ替え提案は、関係性の問題を個人の交代で解こうとするもので、構造が残れば次の誰かに同じ問題が再現します。いずれも視点の転換という介入を欠いています。