マナビズ

コラム#生成AIの基礎・実務活用#学び直し・リスキリング

生成AIパスポート ガバナンス 出題範囲|新4章の中項目9つと演習5問

公開 2026.10.19

「生成AIパスポートのガバナンスって、どこまで出るのか」——2027年2月試験を受けるなら、先に結論です。

ガバナンスとAI倫理は、第4章「生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス」の中項目9つのうち、少なくとも3つ(AI倫理とAI事業者ガイドライン/AIガバナンスと社内ガイドライン/AI法・国際ルール・AI安全保障)が直接の出題範囲です。 さらにシャドーAIと「AI出力の評価と検証」も組織の管理に直結します。この記事は、公式シラバスPDFの該当項目を原文で突合し、旧シラバスとの違い、区別表、オリジナル演習5問をまとめました。

この記事の要点

  • 出題範囲の正本は公式シラバス。2027年2月試験から第4章が「生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス」に再編され、中項目は9つ。
  • ガバナンス直結の中項目は「AIガバナンスと社内ガイドライン」。旧シラバスでは独立した中項目ではなく、新設扱い(旧は別の中項目内の学習項目)。
  • 旧にあった「AI新法」の中項目は「AI法・国際ルール・AI安全保障」へ拡張。シャドーAIは新設。
  • 後半にオリジナル演習5問(4択)と解説、似た用語の区別表あり。

更新日・情報確認日: 2026年10月19日(出典は記事末)


ガバナンス・AI倫理は、第4章9中項目のうち組織と社会を扱う部分が出題の中心になる

結論として、第4章は「個人の判断」から「組織の管理」「社会のルール」へ並ぶ構成です。公式シラバス(2027年2月試験以降)の第4章は、次の9つの中項目で構成されています。

中項目(公式シラバス第4章)学習目標の要点本記事での扱い
生成AI利用者の基本マインドセットAIは補助者で最終責任は人間。使う・慎重に使う・避ける場面の判断要点のみ
生成AIの代表的リスク出力・情報管理・権利侵害・倫理・セキュリティの観点で全体像を理解詳細は別記事
シャドーAIと企業コンプライアンス発生理由、企業と従業員それぞれの守るべきルール中心
AI出力の評価と検証用途と影響度に応じた検証レベル、ファクトチェック、採否判断中心
個人情報・プライバシー・秘密保持個人情報保護法の基本、入力してよいかの判断詳細は別記事
著作権・知的財産・生成物の権利入力・生成・利用の各段階の権利、AI生成物の権利詳細は別記事
AI倫理とAI事業者ガイドラインAI倫理、ELSI、共通の指針、社会への影響中心
AIガバナンスと社内ガイドライン社内ガイドラインの整え方、ツール選定、承認、見直し中心
AI法・国際ルール・AI安全保障AI法の枠組み、国際ルール、安全保障、国産AI・AI人材中心

ガバナンス・AI倫理に関する詳細キーワードは、シラバスの原文で次のように明記されています(抜粋)。

  • AI倫理とAI事業者ガイドライン: AI倫理、ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)、AI事業者ガイドライン、人間中心、安全性、公平性、プライバシー保護、セキュリティ確保、透明性、アカウンタビリティ、教育・リテラシー、公正競争確保、イノベーション、人間による監督、責任体制、過度な依存、環境負荷 など
  • AIガバナンスと社内ガイドライン: AIガバナンス、アジャイル・ガバナンス、社内ガイドライン、APIキー、レート制限、利用ログ、モニタリング、インシデント対応、SLA、ISMS(ISO/IEC 27001)、SOC 2、シングルサインオン(SSO)、多要素認証、閉域網、オンプレミス、ローカルLLM、承認済みツール、コスト管理 など
  • AI法・国際ルール・AI安全保障: AI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)、AI基本計画、AI戦略本部、適正性確保指針、G7広島AIプロセス、EU AI Act(EU AI規則)、リスクベース・アプローチ、安全保障、国産AI、AI人材、リスキリング、ソフトロー など
  • シャドーAIと企業コンプライアンス: シャドーAI、シャドーIT、承認済みツール、個人アカウント、未承認ツール、ブラウザ拡張機能、アクセス管理、利用履歴、トレーサビリティ、入力可能な情報 など

避けたい判断 / こうすればOK

  • 避けたい: 「ガバナンスは経営者向けの話だから、一般の受験者は流し読みでいい」
  • こうすればOK: 詳細キーワードにSSO・レート制限・SLAなど管理側の語が多く含まれる点を踏まえ、「会社は何を決め、従業員は何を守るか」の役割分担で整理する

出題数の配分(第4章から何問出るか)は、公式の試験概要・シラバスからは確認できません。出題は「シラバスより」と公式に記載されているため、上記の詳細キーワードが学習の土台になります。


旧シラバスから、ガバナンスは「学習項目の一部」から「独立した中項目」へ格上げされた

旧シラバス(2026年10月試験まで)の第4章は「情報リテラシー・基本理念とAI社会原則」で、中項目は6つでした。公式の改訂表では、第4章について「生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンスを軸とする構成へ大幅に再編」と説明されています。ガバナンス関連の変化は次のとおりです。

観点旧シラバス(〜2026年10月)新シラバス(2027年2月〜)区分
章タイトル情報リテラシー・基本理念とAI社会原則生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス変更(再編)
中項目の数6つ9つ増加
AIガバナンス中項目「AIを取り巻く理念と原則・ガイドライン」内の学習項目「AI ガバナンスの構築」(環境・リスク分析、AIガバナンス・ゴール、AIマネジメントシステム)独立した中項目「AIガバナンスと社内ガイドライン」(社内ガイドライン、承認フロー、モニタリング等)新設(格上げ)
AI倫理・事業者ガイドライン「共通の指針」等として記載中項目「AI倫理とAI事業者ガイドライン」に再編。ELSI、偽情報、過度な依存、環境負荷などのキーワードが明記拡張
AI新法中項目「AI新法」(必要性、基本構造、内容、リスク、AI事業者ガイドラインとの関連)中項目「AI法・国際ルール・AI安全保障」。G7広島AIプロセス、EU AI Act、安全保障、国産AIなどを追加拡張(名称変更)
シャドーAI該当する中項目なし中項目「シャドーAIと企業コンプライアンス」新設
基本マインドセット・AI出力の評価と検証該当する中項目なしそれぞれ独立した中項目新設
旧「AI社会の基本理念」(Dignity/Diversity & Inclusion/Sustainability)、事業活動の3つの主体、AIマネジメントシステム詳細キーワードとして記載新シラバスの第4章の詳細キーワードには、英語表記と3理念のセットでは見当たらない(「人間の尊厳」はAI倫理の詳細キーワードにある)。3つの主体、AIマネジメントシステムも見当たらない試験で出ないとは確認できない

最後の行は注意が必要です。新シラバスに語が載っていないことは、出題されないことの保証にはなりません。公式の改訂表は「何が追加・拡充されたか」を中心に説明しており、旧項目の扱いを個別に説明していません。そのため「削除された」とは書けず、旧項目が新シラバスの範囲で出るかどうかは、公式情報からは確認できません。旧テキストで学んだ人は、新シラバスの詳細キーワードを基準に学習範囲を引き直してください。


似た用語は「誰の・何のルールか」で分けると混同しない

ガバナンス分野の失点は、似た語の取り違えから生まれます。シラバスの用語を「主体」と「性質」で整理した区別表です。

用語何を指すか(シラバスの位置づけ)主体・範囲混同ポイント
AI倫理人間の尊厳、人間による監督、公平性などの価値判断。ELSI(倫理的・法的・社会的課題)も含む社会全体法令そのものではない。守るべき価値の話
AI事業者ガイドライン人間中心、安全性、公平性、透明性、アカウンタビリティなど共通の指針を示すもの事業者国の法律(AI法)とは別の、事業者向けの指針。法的拘束力の有無は公式シラバスからは確認できない
AIガバナンス企業がAIを安全かつ持続的に活用するための管理の仕組み(アジャイル・ガバナンスも含む)組織倫理(価値)を、組織のルールと体制に落とした実務
社内ガイドライン入力可能な情報、承認済みツール、利用目的などを定める具体的なルール個社ガバナンスの「手段」。ガバナンスそのものではない
AI法正式名称は人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律。AI基本計画やAI戦略本部の語と併せて学ぶ国事業者ガイドライン・社内ガイドラインより上位の国の法律
EU AI Act(EU AI規則)シラバスの詳細キーワードにリスクベース・アプローチと並ぶ海外の規則EU日本のAI法と別物。シラバスでは国際ルールの文脈
シャドーAI会社が承認していないAIツールを従業員が業務で使うこと従業員の行為承認済みツールでも出力確認が不要になるわけではない(別の中項目)
シャドーIT承認されていないIT機器・サービス全般の利用従業員の行為シャドーAIはその中でAIに特化したもの

覚え方は「国(AI法)→事業者(事業者ガイドライン)→組織(AIガバナンス)→個社の手段(社内ガイドライン)→個人の行為(シャドーAI)」の順に、範囲が狭くなる並びです。この並びは学習用の整理で、公式がこの順序を示しているわけではありません。

著作権・個人情報・ディープフェイクなど、リスクごとの詳細は別記事に分けています。生成AIパスポート 著作権 出題、生成AIパスポート ハルシネーション 出題、生成AIパスポート プロンプトインジェクション 出題もあわせて参照してください。


オリジナル演習5問で、ガバナンス分野の理解度を確かめる

以下は編集部が公式シラバスの範囲で作成した**オリジナル問題(例・架空)**です。実際の試験問題や過去問ではありません。総合的な模試は生成AIパスポート 模試・過去問で扱います。

問1. 次のうち、シャドーAIに該当する事例として最も適切なものを1つ選びなさい。

① 会社が契約し、利用ルールを定めた生成AIサービスを業務で使う ② 会社が承認していない個人アカウントの生成AIに、業務の資料を入力する ③ 生成AIの出力を、上司の確認を受けてから社外へ送る ④ 社内ガイドラインに従い、入力できる情報の範囲を確認して使う

問2. AI事業者ガイドラインが示す共通の指針に含まれる考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

① アカウンタビリティ(説明と責任) ② 利益の最大化を最優先とすること ③ 出力の確認を省略して自動化を進めること ④ 学習データを一律で公開すること

問3. 生成AIの出力の検証に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

① 承認済みのAIツールの出力であれば、検証は不要である ② 用途と影響度に応じて検証レベルを変え、影響が大きい用途では専門家による確認も検討する ③ 検証は、すべての用途で同じ手順・同じ深さで行う ④ 出力に誤りがあれば、修正せずに必ず全文を破棄する

問4. 企業が新しい生成AIツールを導入する際の社内ルールとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

① 部署ごとの判断で、承認なしに自由に導入できるようにする ② 申請と承認のフローを設け、ツールごとに入力してよい情報のレベル分けを定める ③ 利用ログを残さないことで、情報漏えいリスクを減らす ④ 一度ルールを決めたら、見直しは行わない

問5. EU AI Act(EU AI規則)に関連する「リスクベース・アプローチ」の説明として最も適切なものを1つ選びなさい。

① すべてのAIに、同じ内容の規制を一律に課す ② AIの利用を原則として全面禁止する ③ リスクの大きさに応じて、規制の強さを変える(リスクベース・アプローチ) ④ 規制を一切設けず、事業者の自主判断に委ねる

解説と正解

問1の正解: ②。 シャドーAIは、承認されていないAIツールを業務で使うことです。シラバスの詳細キーワードに「未承認ツール」「個人アカウント」「入力可能な情報」が含まれます。①③④は承認・ルールに沿った利用です。

問2の正解: ①。 シラバスの詳細キーワードには、人間中心、安全性、公平性、プライバシー保護、セキュリティ確保、透明性、アカウンタビリティ、教育・リテラシー、公正競争確保、イノベーションが挙がっています。②③④はこれらに当てはまりません。

問3の正解: ②。 シラバスは「用途と影響度に応じた検証レベル」と「専門家確認」を挙げ、「承認されたAIでも出力確認が必要な理由」も学習項目にしています。①は誤り。③は用途と影響度を無視しています。④は、シラバスの「採用・修正・破棄・専門家確認」の判断を踏まえると、修正して使う選択肢があるため不適切です。

問4の正解: ②。 「新しいAIツールの申請と承認フロー」「AIツールのレベル分けと入力情報のルール」が学習項目です。③は「利用ログ」「モニタリング」を詳細キーワードに挙げるシラバスの方針と逆。④は「モニタリングと継続的な見直し」に反します。

問5の正解: ③。 シラバスの詳細キーワードにEU AI Act(EU AI規則)と「リスクベース・アプローチ」が挙がっています。リスクの大きさに応じて規制の強さを変える考え方と整理します。EUの規則の細かな条文は、シラバスの範囲では確認できません。

補足: 5問中3問以上で迷った場合は、上の区別表と、公式シラバス第4章(PDF)の該当ページを読み直してください。


学習は「区別表→詳細キーワード→演習」の3段階で進めると効率がよい

新シラバスの試験を受ける場合は、次の順で進めます。

  1. 範囲の確認: 公式シラバスPDFで第4章の中項目と詳細キーワードを通読する。
  2. 区別表で整理: 上の区別表を自分の言葉で書き直し、主体(国・事業者・組織・個人)を答えられるようにする。
  3. 演習で確認: 分野別の演習を解き、間違えた語を詳細キーワードに戻って確認する。

公式テキスト(2027年試験シラバス対応、翔泳社発行)は、予約購入分が2026年11月24日(火)から順次発送予定と公式が案内しています。教材の選び方は生成AIパスポート テキスト、全体の進め方は生成AIパスポート 勉強法、日程は生成AIパスポート 日程 2027、難易度の見通しは生成AIパスポート 難易度にまとめています。


まとめ

  • ガバナンス・AI倫理は、2027年2月試験の第4章(中項目9つ)のうち、AI倫理・AIガバナンス・AI法・シャドーAI・AI出力の評価と検証が中心。
  • 旧シラバスでは「AIガバナンスの構築」が学習項目の一つだったが、新シラバスでは独立した中項目に。シャドーAIは新設、AI新法は「AI法・国際ルール・AI安全保障」に拡張。
  • 旧「AI社会の基本理念」(Dignity等)・3つの主体・AIマネジメントシステムが新範囲で出るかは、公式情報から確認できない。
  • 用語は「国→事業者→組織→個社の手段→個人の行為」の範囲の違いで整理する。

用語の理解が固まったら、まずは無料会員登録のうえ、公式シラバスの第4章を見ながら本記事の演習5問をもう一度、解説を隠して解いてみてください。登録後は、関連する診断や演習で、ガバナンス以外のリスク分野(著作権・個人情報など)の理解度もあわせて確認できます。

参照した一次情報(取得日: 2026年10月19日)

よくある質問

生成AIパスポートのガバナンス分野は、どこから出題されますか?

公式シラバス(2027年2月試験以降)の第4章「生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス」です。中項目は9つで、ガバナンスに直結するのは「AI倫理とAI事業者ガイドライン」「AIガバナンスと社内ガイドライン」「AI法・国際ルール・AI安全保障」「シャドーAIと企業コンプライアンス」です。出題数の配分は公式では確認できません。

旧シラバスと比べて、ガバナンスの扱いはどう変わりましたか?

旧シラバスでは「AIを取り巻く理念と原則・ガイドライン」内の学習項目「AI ガバナンスの構築」でした。新シラバスでは中項目「AIガバナンスと社内ガイドライン」として独立し、社内ガイドライン、ツールの承認フロー、モニタリングなどが具体化されました。公式の改訂表は、第4章を「生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス」と説明しています。

「AI新法」は新シラバスでも出ますか?

新シラバスでは中項目が「AI法・国際ルール・AI安全保障」に名称変更され、AI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)に加え、AI基本計画、G7広島AIプロセス、EU AI Act、安全保障、国産AIなどの詳細キーワードが並びます。旧シラバスより範囲が広がっています。詳しくは生成AIパスポート AI新法 出題を参照してください。

シャドーAIとは何ですか?試験ではどう問われますか?

シラバス上は、会社が承認していないAIツール(個人アカウントやブラウザ拡張機能など)を業務で使うことを指す中項目として新設されています。発生する理由、企業と従業員がそれぞれ守るべきルール、情報漏えいなどの影響が学習項目です。承認済みツールでも出力確認が必要という点も別の中項目で問われる論点です。

AI倫理とAIガバナンスの違いは何ですか?

AI倫理は人間の尊厳や公平性など守るべき価値の考え方で、ELSIも含みます。AIガバナンスは、企業がAIを安全かつ持続的に活用するための管理の仕組みで、社内ガイドラインやツールの承認、モニタリングなどが含まれます。倫理の価値を、組織のルールと体制に落としたものがガバナンスと整理すると混同しにくくなります。

旧シラバスにあった「AIマネジメントシステム」や「AI社会の基本理念」は、新しい試験で出ますか?

新シラバスの第4章の詳細キーワードには、旧にあった「AIマネジメントシステム」は見当たらず、基本理念も英語表記(Dignity・Diversity & Inclusion・Sustainability)と3理念のセットでは見当たりません(「人間の尊厳」はAI倫理の詳細キーワードにあります)。ただし、語が載っていないことは出題されない保証にはならず、公式情報からは新範囲で出るかどうかは確認できません。新シラバスの詳細キーワードを基準に学習してください。

関連する記事