役員・従業員承継(社内承継)における後継者の担い手として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はBです。役員・従業員承継(社内承継)は、親族ではないものの自社の事業をよく理解している役員や従業員へ経営を引き継ぐ方法です。社内の事情に通じた人材が後継者となるため事業の継続性を保ちやすい一方、株式の買取資金の確保が課題になりやすい類型です。親族はAの親族内承継、外部ファンドや社外の弁護士は社内の担い手ではありません。
ポイント
社内承継の判定軸は「親族ではないが社内の人」である点を押さえることが核心です。親族内承継との違いは血縁の有無、M&Aとの違いは後継者が社内か社外かにあります。3類型の境界を担い手で引けるかが問われています。社内の右腕=社内承継、という対応関係を覚えるとつまずきません。
ワンポイントアドバイス
社内に承継候補がいるなら、その人が「経営を理解しているか」だけでなく「株式を買い取る資金をどう用意するか」まで早めに一緒に考えてみましょう。買取資金は社内承継最大の壁になりがちです。資金計画を後回しにせず、候補者選びとセットで検討を始めるのが効果的です。
解説詳細
社内承継とはどういう方法か
役員・従業員承継、いわゆる社内承継は、経営者の親族ではないものの、自社で長く働き事業内容や取引先、現場の実情をよく理解している役員や従業員へ経営を引き継ぐ方法です。後継者がすでに社内の事業に精通しているため、引継ぎがスムーズに進みやすく、従業員や取引先にとっても顔なじみの人が経営を継ぐことで安心感が得られます。事業の継続性という観点で大きな利点を持つのがこの類型で、その担い手を正しく示しているのが選択肢Bです。
社内承継特有の課題は「資金」
社内承継で最も大きな壁になりやすいのが、株式の買取資金です。経営権を確実に引き継ぐには、後継者が会社の株式を取得して議決権を集める必要がありますが、役員や従業員が個人で多額の株式を買い取る資金を用意するのは容易ではありません。そのため、金融機関からの融資や、経営陣が会社を買い取るMBOといった手法が検討されます。社内承継を考えるときは、担い手の適性と同時に、この資金面の手当てを早くから計画することが欠かせません。
なぜ他の選択肢が誤りなのか
選択肢Aの「経営者の子や配偶者などの親族」は、親族内承継の担い手であり、社内承継とは別の類型です。選択肢Cの「取引のない外部の投資ファンド」は、社外の第三者であり、これはM&A(社外への引継ぎ)に分類されます。選択肢Dの「社外の弁護士事務所」も会社の外部の存在であり、顧問として助言する立場ではあっても、経営を引き継ぐ社内の後継者ではありません。CとDはいずれも「社外」である点で、社内承継の担い手という条件を満たさないため誤りです。