目標設定の基本 | マナビズ

目標設定の基本

目標設定の基本

「お客さま対応をがんばって、リピーターを増やします」——期初の面談に向けて、今期の目標シートにそう書いて上司に出したあなたは、こう返されました。「いい意気込みだね。でも、これ、期末に“達成できた”って、どうやって判断するの?」「何を、どれだけ、いつまでに?」。やる気は伝わったはずなのに、なぜかやり直し。直し方も分からないまま、「しっかり」「もっと」と形容詞を足したり引いたりして、結局またあいまいなまま出してしまう。目標を立てた経験がまだ少ないと、こういう場面でつまずきますよね。

でも、安心してください。スラスラ通る目標を書く先輩と、やり直しになるあなたの違いは、やる気でも文章力でもありません。目標が「達成したかどうかを、期末に誰が見ても○×で判断できる形」になっているか——たったそれだけです。そして、その「判断できる目標」は、センスがなくても、ある道具を使えば誰でも作れます。その道具が、この講座でお渡しする SMART という5つの観点です。

この講座を読み終えたあなたは、次の3つができるようになります。

  1. 良い目標とは「やる気が出る立派な言葉」ではなく、「達成したかどうかを、期末に誰が見ても判断できる目標」だということを、あいまいな目標が評価のときに困る理由とあわせて説明できる
  2. あいまいな目標を、SMART の5観点(具体的・測れる・達成可能・仕事に関係・期限)でチェックして、足りない観点を埋めて書き換えられる(数字が出しにくい仕事でも、できた/できてないが分かる形にできる)
  3. SMART を満たした、達成基準が明確な目標を1つ、文章として作成でき、期末に○×で振り返れる形にできる

この講座は最後まで、「入社2年目のたくみさんが、目標シートに最初に書いた『お客さま対応をがんばって、リピーターを増やす』を、達成基準が明確な目標に作り替える」という、たった1つの場面だけで進めます。この同じ目標を、あいまいさを見つける→「何を・どれだけ」に直す→「届く高さ・関係・期限」を足す→1文に完成させる、と1マスずつ作り替えていきます。各章末には手を動かす演習も置いているので、自分の今期の目標でも、書きながら読み進めてみてください。そして、今日の型をそのまま使える SMART 目標設定テンプレートも用意しています(最後にダウンロードできます)。まずは、たくみさんの目標を一緒に作り替えていきましょう。

この講座のポイント

  • 良い目標とは「やる気が出る立派な言葉」ではなく、「達成したかどうかを、期末に誰が見ても判断できる目標」だということを、あいまいな目標が評価のときに困る理由とあわせて説明できる
  • あいまいな目標を、S(具体的=何を)と M(測れる=どれだけを数や状態で)に書き換えられる
  • S と M で具体化した目標に、A(達成可能)・R(仕事に関係)・T(期限)を加えて、現実的で意味のある、期末に振り返れる目標にできる
  • SMART の5観点を1文に統合して、達成基準が明確な目標を1つ作成でき、期末に○×で振り返れる形にできる

良い目標とは「達成を後で判断できる」目標

まずは、「がんばる」と書いた目標がやり直しになってしまう、そのモヤモヤの正体をはっきりさせましょう。目標という言葉を、「立派なことを書く欄」から、自分で使える道具に変える土台の章です。

この章のゴール

この章を読み終えると、良い目標とは「やる気が出る立派な言葉」ではなく、「達成したかどうかを、期末に誰が見ても判断できる目標」だということを、あいまいな目標が評価のときに困る理由とあわせて説明できるようになります。

「がんばる」が書き直しになる正体

たくみさんの目標「お客さま対応をがんばって、リピーターを増やす」に、上司が「期末に達成できたって判断できる?」と返したのは、たくみさんのやる気が足りないからでも、文章が下手だからでもありません。正体は、この一文に達成基準(何を・どれだけ・いつまでに)が無いことです。

考えてみてください。「お客さま対応をがんばる」と言っても、何をどこまでやれば「がんばった」ことになるのでしょう。「リピーターを増やす」と言っても、1人増えればいいのか、10人なのか。期末になって、たくみさんは「私はがんばりました」と言い、上司は「本当に?」と思う。お互いの頭の中の基準がバラバラなので、達成できたかどうかを誰も判断できないのです。

ここで覚えてほしい背骨は、ひとつです。良い目標は“やる気”ではなく、“期末に○×で判断できるか”。この一点を満たすために、あいまいな「がんばる」を「いつまでに・何を・どれだけ」に変えていく——それが、この講座でやることのすべてです。

目標の役割は「期末に同じ基準で○×を判断できる」こと

そもそも、目標は何のためにあるのでしょうか。立派な意気込みを見せるためではありません。目標の本当の役割は、期末に、自分と上司が“同じ基準”で「できた/できてない」を判断できることです。

判断できない目標を立てると、困ったことが3つ起きます。1つめ、振り返れない。「達成できたか分からない」ので、何がよかったのか・何が足りなかったのかが見えません。2つめ、次に活かせない。振り返れないので、次の目標も同じようにあいまいなまま。3つめ、評価で揉める。たくみさんは「がんばった」、上司は「成果が見えない」——基準がないと、どちらも自分の感覚で話すしかなく、納得感のない評価になってしまいます。

逆に言えば、「期末に○×で判断できる目標」さえ立てられれば、振り返れて、次に活かせて、評価でも揉めません。だから、良い目標の条件は「やる気の大きさ」ではなく「判断できるかどうか」なのです。

あいまいさを消す道具=SMART

では、どうすれば「判断できる目標」になるのか。目標のあいまいさを、5つの観点でチェックして消していく道具があります。それが SMART です。

SMART は、アメリカのジョージ・T・ドランという人が1981年に提唱した、目標の書き方の考え方です。S・M・A・R・T という5つの頭文字が、それぞれ「目標があいまいになっていないか」をチェックする観点になっています。ここで大事なのは、SMART は目標を立派に見せるための道具ではなく、あいまいさを消すための道具だということ。難しい理論ではありません。5つの観点で、自分の目標に足りないところを順番に埋めていくだけです。

5つの観点は、ざっくり次のとおりです。今は全部覚えなくて大丈夫。「あいまいさを消すチェック項目が5つあるんだな」とだけ掴んでください。中身は、第2章から1つずつ一緒に埋めていきます。

頭文字読みひとことで言うと
S具体的何を(どんな行動か)
M測れるどれだけ(数か、できた/できてない状態か)
A達成可能がんばれば届く高さか
R仕事に関係チームや自分の役割につながっているか
T期限いつまでに

たくみさんの「お客さま対応をがんばって、リピーターを増やす」を、この5観点で見ると、すでに穴が見えてきます。何を(S)も、どれだけ(M)も、いつまでに(T)も、書かれていません。だからこそ、上司は「判断できない」と言ったのです。次の章から、この穴を1つずつ埋めていきましょう。

この章の確認(演習)

たくみさんの目標「お客さま対応をがんばって、リピーターを増やす」(または、いまあなた自身が立てている目標)を見て、「期末に達成できたって判断できる?」という問いに答えられない“あいまいポイント”を3つ、書き出してみてください。

ヒントは、「何を」「どれだけ」「いつまでに」の3つです。この目標には、このうちどれが欠けているでしょうか。まだ直さなくて大丈夫です。「どこがあいまいなのか」を自分の目で見つけられたら、この章はゴールです。次の章から、この3つを1つずつ埋めていきます。

S(具体的)とM(測れる)— 「何を・どれだけ」に変える

ここからは、SMART の観点で目標を実際に作り替えます。この章では、最初の2つ、S(具体的)と M(測れる)。あいまいな目標を「判断できる形」にする、いちばんの土台です。

この章のゴール

この章を読み終えると、あいまいな目標を、S(具体的=何を)と M(測れる=どれだけを数や状態で)に書き換えられるようになります。

S(具体的)=「がんばる」を「○○する」に直す

SMART の最初の観点は S(Specific=具体的)です。やることを、誰が・何をするのかという行動レベルまで具体的にする、ということです。

たくみさんの「お客さま対応をがんばる」を見てみましょう。「対応」も「がんばる」も、ふわっとしています。電話で丁寧に話すこと? クレームに早く返すこと? 人によって思い浮かべるものがバラバラです。これを、具体的な行動に直します。たとえば、「既存のお客さまに、購入後1週間以内にフォローの連絡(メールか電話)をする」。こうすると、たくみさんが何をするのかが、誰にでも同じように伝わります。

ここで一つ注意です。「意識する」「心がける」は、行動のように見えて、実は姿勢です。「お客さまを大切にすることを意識する」と書いても、外からは何をしているか見えません。Sでは、外から見て「やった/やってない」が分かる行動に直すのがコツです。

M(測れる)=「増やす」を「△から□に」に直す

次の観点は M(Measurable=測れる)です。達成したかどうかを、または観察できる状態で測れるようにする、ということです。

たくみさんの「リピーターを増やす」を見てみましょう。「増やす」は、どこからどこまでなのかが分かりません。これを、数で測れる形に直します。たとえば、「リピート率を△%から□%に上げる」。ポイントは、基準値(今の数字)から目標値(目指す数字)へ、と書くことです。「増やす」だけだと1人増えても達成、「△%から□%に」と書けば、期末に数字を見て○か×かがはっきりします。

行動の量で測ってもかまいません。たとえば「毎週○件、フォロー連絡をする」。これも「やった件数」で測れるので、立派な M です。大事なのは、「増やす・減らす・向上する」で止めず、どこまでやればOKなのかを、数で言い切ることです。

数字が出せない仕事は「状態」で測る

ここで、「自分の仕事は数字なんて出せない」と感じた人もいるかもしれません。大丈夫です。M は、必ずしも数字でなくてかまいません。「やった/やってない」「できる状態/できない状態」が、誰が見ても分かる形になっていれば、それも立派に「測れる」目標です。

たとえば、「業務のマニュアルを整える」という目標。これだと「整える」があいまいですが、「○○業務の手順マニュアルを1本作って、チームに共有する」とすれば、「作って共有した/していない」で誰でも判断できます。数字が出しにくい仕事は、このように「完成した状態」「できるようになった状態」を、ゴールとして言葉にすればいいのです。

S(何を)と M(どれだけ)の2つが入ると、目標は一気に「期末に○×で判断できる」形に近づきます。たくみさんの目標も、「お客さま対応をがんばってリピーターを増やす」から、「既存のお客さまに購入後1週間以内のフォロー連絡をして、リピート率を△%から□%に上げる」へ。だいぶ、姿がはっきりしてきましたね。

この章の確認(演習)

たくみさんの目標に、S(何を:具体的な行動)と M(どれだけ:数か状態)を入れて、書き換えてみてください。

コツは2つです。「がんばる」を「○○する」という行動に直すこと。「増やす」を「△から□に」という基準値→目標値に直すこと(△=今の数字、□=目指す数字です)。もし数字が出しにくい目標なら、「○○を作って共有した/していない」のように、できた/できてないが誰にでも分かる状態で書いてみましょう。S と M が入って「何を・どれだけ」が見えたら、この章はゴールです。

A(達成可能)・R(仕事に関係)・T(期限)— 現実に着地させる

S と M で、目標は「判断できる形」になりました。でも、それだけでは、まだ「絵に描いた餅」や「自分だけが満足する目標」になりかねません。この章の残り3観点で、目標を現実に着地させます。

この章のゴール

この章を読み終えると、S と M で具体化した目標に、A(達成可能)・R(仕事に関係)・T(期限)を加えて、現実的で意味のある、期末に振り返れる目標にできるようになります。

A(達成可能)=がんばれば届く高さにする

3つめの観点は A(Achievable=達成可能)です。目標を、がんばれば届く高さに調整する、ということです。

ここで先回りして、ありがちな思い込みを潰しておきます。「目標は高ければ高いほどえらい」という思い込みです。実は、これは逆効果です。高すぎる目標は、最初から「どうせ無理」とあきらめてしまい、行動につながりません。かといって、低すぎる目標も、達成は簡単でも自分が伸びません。だから A では、高すぎず・低すぎず、背伸びすれば手が届く高さを狙います。

たくみさんの「リピート率を△%から□%に」も、この目盛りを確認します。今の担当件数で、毎週のフォロー連絡を続けて、本当にそこまで届きそうか。届かない高さなら少し下げ、簡単すぎるなら少し上げる。A は、目標を「やる気の数字」から「届く数字」に調整する観点です。

R(仕事に関係)=チームや役割につながっているか

4つめの観点は R(Relevant=仕事に関係)です。その目標が、チームの目標や、自分の役割につながっているかを確認する、ということです。

どんなに具体的で測れる目標でも、それが自分のやりたいことだけで、チームの方向とズレていたら、「自己満足の目標」になってしまいます。たとえば、チームが「既存のお客さまを大切にして離れないようにする」を目指している期に、たくみさんが「新規のお客さまを100人集める」を個人目標にしたら、方向がちぐはぐです。R では、「この目標は、何のため? チームや会社のどの目標につながっている?」と問い直します。

たくみさんの「リピート率を上げる」は、チームの「既存のお客さまを維持する」目標にまっすぐつながっています。だからこの目標は、たくみさん個人にとっても、チームにとっても意味がある。R がそろうと、目標は「やって意味のある目標」になります。

T(期限)=いつまでに

5つめの観点は T(Time-bound=期限)です。「いつまでに達成するか」を入れる、ということです。

期限の無い目標は、「いつかやろう」と後回しになり、気づけば期末。しかも、いつ達成すればよかったのかが決まっていないので、振り返ることもできません。たくみさんの目標にも、「○月末までに」と期限を入れます。たったこれだけで、目標は「いつでもいい願望」から「締め切りのある約束」に変わります。

ここまでで、SMART の5観点がそろいました。S・M で「何を・どれだけ」を判断できる形にし、A・R・T で「届く高さ・チームと関係・締め切り」を加えて、現実に着地させる。たくみさんの目標は、ずいぶん"使える目標"になってきました。次の章で、これを1つの文章にまとめ上げます。

この章の確認(演習)

第2章で S・M を入れたたくみさんの目標に、A・R・T を足して、SMART の5観点をそろえてみてください。

書き添えるのは、それぞれ一言ずつで十分です。A は「この高さは、がんばれば届きそうか?(高すぎ・低すぎないか)」。R は「これは何のための目標か? チームや自分の役割のどの目標につながっているか?」。T は「いつまでに達成するか(期限の月)」。この3つを足して5観点が埋まったら、この章はゴールです。

SMART で「達成基準が明確な目標を1つ」完成させる

いよいよ仕上げです。ここまでで集めた5観点を、1つの文章にまとめ上げて、「達成基準が明確な目標」を完成させます。これが、この講座のゴールです。

この章のゴール

この章を読み終えると、SMART の5観点を1文に統合して、達成基準が明確な目標を1つ作成でき、期末に○×で振り返れる形にできるようになります。

5観点を1文に統合する型:T+S+M を骨に

5観点を、バラバラのメモのままにしておくと、結局あいまいな目標に逆戻りしてしまいます。最後は、1つの文章に統合します。

組み立ての骨は、シンプルです。「T(いつまでに)+S(何を)+M(どれだけ)」。この順番で並べると、自然に「判断できる1文」になります。そして、その1文が A(届く高さ)と R(チーム・役割との関係)を満たしているかを、最後に確認する。これだけです。たとえば「(T)○月末までに、(S)○○をして、(M)△を□にする」という形ですね。

たくみさんの目標、完成形(Before→After)

では、たくみさんの目標の Before と After を並べてみましょう。

目標
Before(第1章)お客さま対応をがんばって、リピーターを増やす
After(第4章)○月末までに、既存のお客さま全員へ購入後1週間以内のフォロー連絡を行い、リピート率を△%から□%に引き上げる

同じ目標とは思えないほど、姿が変わりましたね。この After を、SMART の5観点でチェックすると、こうなります。

観点たくみさんの目標では
S(具体的)既存のお客さまへ購入後1週間以内のフォロー連絡をする
M(測れる)リピート率を△%から□%に
A(達成可能)今の担当件数で、無理なく回せる範囲
R(仕事に関係)チームの「既存顧客を維持する」目標につながる
T(期限)○月末までに

5観点すべてに○が付きました。この目標なら、期末に「○月末までにフォロー連絡をやり切って、リピート率は□%に届いた?」と、誰が見ても○か×かで振り返れます。第1章のあいまいな1行が、達成基準が明確な1文に作り替わった——これが、SMART でやりたかったことです。

立てて終わりにしない+よくある失敗

最後に、2つだけ補足します。

1つめ、目標は立てて終わりではありません。立てた目標は、節目(たとえば月1回)で「今どこまで進んでいるか」を見て、ズレていたら直す。立てっぱなしで期末に初めて見返す、では間に合いません。

2つめ、よくある失敗を3つだけ覚えておいてください。①数字(M)だけ立派にして、A(届く高さ)や R(チームとの関係)を見ない=届かない目標や、意味のない目標になる。②5観点を別々のメモのままにして、1文に統合しない=結局あいまいに戻る。③期限(T)が抜ける=後回しになる。この3つを避けるだけで、目標の質はぐっと上がります。

なお、立てた目標を評価や成長につなげていく仕組みとして、目標管理(MBO)や OKR、上司とのフィードバック面談といった考え方もあります。これらは、今日学んだ「良い目標を1つ立てる」という土台の、さらに先にあるものです。まずは、目の前の1つの目標を、SMART で“判断できる形”にできれば十分です。

この章の確認(演習)

いよいよ、自分の目標を1つ選び、SMART の5観点を満たした1文として完成させてみてください。

「T(いつまでに)+S(何を)+M(どれだけ)」を骨にして書き、A(届く高さ)と R(チーム・役割との関係)を満たしているか最終チェックします。書けたら、最後に「これは、期末に○×で判断できるか?」と自分に問い直してみましょう。判断できる1文になっていたら、それがこの講座の到達点です。

手を動かしやすいように、今日の型をそのまま使える SMART 目標設定テンプレートを用意しています。ダウンロードして、今期の目標を1つ、このテンプレートに沿って作ってみてください。

まとめ:良い目標は“やる気”ではなく“期末に○×で判断できるか”

おつかれさまでした。「たくみさんの目標シート」という、たった1つの場面を、あいまいさを見つける→S・M で「何を・どれだけ」に→A・R・T で「届く高さ・関係・期限」に→1文に統合、と1マスずつ作り替えてきました。第1章のあいまいな1行が、最後には SMART を満たす1文になりましたね。要点を振り返ります。

  1. 良い目標とは……「やる気が出る立派な言葉」ではなく、「達成したかどうかを、期末に誰が見ても○×で判断できる目標」。あいまいな目標は、振り返れず・次に活かせず・評価でも揉める(第1章)。
  2. S(具体的)と M(測れる)……「がんばる」を「○○する」という行動に、「増やす」を「△から□に」という数か状態に。数字が出せない仕事は「できた/できてないが分かる状態」で測る(第2章)。
  3. A(達成可能)・R(仕事に関係)・T(期限)……がんばれば届く高さに(高すぎ注意)、チームや役割につながっているか確認し、「いつまでに」を入れる(第3章)。
  4. 1文に統合……「T(いつまでに)+S(何を)+M(どれだけ)」を骨に、A・R を満たした1文にする。期末に○×で振り返れる形に(第4章)。

この4つは、すべて1つの問いに戻ります。「この目標、期末に○×で判断できる?」。目標を書いたら、出す前にこの問いを自分に投げかけてみてください。答えられなければ、SMART の5観点で足りないところを埋める。それだけで、あなたの目標は「やり直し」から「一度で通る」に変わります。この講座でいちばん覚えて帰ってほしいのは、このひと言です——良い目標は“やる気”ではなく“期末に○×で判断できるか”。あいまいな『がんばる』を、SMART で『いつまでに・何を・どれだけ』に変える

明日の最初の一歩:いま自分が抱えている目標(または次に立てる目標)を1つ選び、SMART の5観点でチェックして、足りない観点(多くは M=測れる と T=期限です)を埋めて、1文に書き直してみてください。完璧でなくてかまいません。「期末に○×で判断できる形」になったら、それが第一歩です。ちなみに、この型は、自分の目標を立てるときだけでなく、もしあなたが将来チームを持って、部下の目標シートを見る立場になったときにも、そのまま使えます。

そして、今日の型をそのまま使える SMART 目標設定テンプレートを、ぜひダウンロードして、今期の目標を1つ作ってみてください。さらにその先——立てた目標を評価や成長につなげていく目標管理(MBO)、目標と成果指標をセットで管理する OKR、上司との面談で目標を育てるフィードバックの進め方——は、今日描いた「良い目標を1つ立てる」土台の上に積み上がっていきます。まずは、目の前の目標を1つ、「期末に○×で判断できる形」にできるようになりましょう。それが、すべての出発点です。

よくある質問

SMART とはどういう意味ですか

SMART は、Specific(具体的)・Measurable(測れる)・Achievable(達成可能)・Relevant(仕事に関係)・Time-bound(期限)の5つの頭文字です。あいまいな目標をチェックして、期末に○×で判断できる形にするための5つの観点です。

数字が出せない仕事でも SMART を使えますか

使えます。M(測れる)は必ずしも数字でなくてかまいません。「マニュアルを1本作って共有した/していない」のように、誰が見ても「できた/できてない」が分かる状態をゴールとして書けば、測れる目標になります。

目標は高ければ高いほどよいのですか

そうではありません。A(達成可能)の観点で、がんばれば届く高さに調整することが大切です。高すぎる目標は最初から諦めにつながり、低すぎる目標は成長につながりません。背伸びすれば手が届く高さを狙いましょう。

目標を立てたあとは何をすればよいですか

立てて終わりにせず、月1回などの節目で進み具合を確認し、ズレていたら修正することが重要です。期末に初めて振り返るのでは遅く、途中の確認が目標を実際の成果につなげるカギになります。

SMART 以外の目標管理の考え方はありますか

MBO(目標管理)やOKR(目標と成果指標のセット管理)、上司とのフィードバック面談といった考え方があります。これらはいずれも、SMART で「判断できる目標を1つ立てる」という土台の上に積み上がるものです。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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