REINTERPRET / STORY 03・学園祭の出店
学園祭の出店から学ぶ売上と利益
1日で6万円売れた焼きそば屋台。では、手元にはいくら残ったのだろう?
架空の学習用ストーリー約10分読み物+経験マップ(任意)

SCENE 01 / 1日目の夕方
6万円、けっこういった?
学園祭の1日目が終わった夕方、テニスサークルの屋台の裏で、会計係の結衣はノートを広げた。
焼きそばは1皿400円。今日売れたのは150皿。売上は400円×150皿で6万円だった。
「6万円!けっこういったね」と部長の翔が言う。
SCENE 02 / ノートの計算
売上から、引かれていくもの
「でも、ここから材料費が引かれるよ」と結衣は電卓をたたいた。麺・キャベツ・豚肉・ソースで、1皿あたり180円。150皿分で2万7千円。それに、鉄板とガスボンベのレンタル代が1日1万円かかる。
「6万円から2万7千円と1万円を引くと、残るのは2万3千円」
翔は少し驚いた顔をした。「売上の半分もないんだ」
SCENE 03 / 値下げか、セットか
安くすれば、本当に増える?
そこへ、2年の大輝が提案した。「明日は350円に値下げしようよ。安くすればもっと来るって」
結衣はもう一度ノートを見た。「350円にすると、1皿あたりの残りは350−180で170円。今日は1皿220円残ってたから、220円×150皿で3万3千円。そこからレンタル代1万円を払って2万3千円だった。同じ利益を出すには、3万3千円÷170円で、195皿くらい売らないといけない」
「45皿も多く……鉄板一つで、そんなに焼けるかな」と翔。
しばらく黙っていた1年の葵が言った。「隣のクラスが、ペットボトルのお茶を箱で安く仕入れたって言ってました。焼きそばとお茶のセットを500円にするのはどうですか?」
お茶の仕入れは1本40円。セットにすれば、焼きそば単品より100円多くもらえて、そのうち60円が残る。
SCENE 04 / 2日目
数字で確かめる
2日目、屋台の前に「焼きそば+お茶 500円」の看板を出した。お客さんは160人。そのうち80人が単品、80人がセットを選んだ。売上は単品3万2千円とセット4万円で、合計7万2千円。一人あたりの客単価は450円になった。
材料費は焼きそば160皿分で2万8千8百円、お茶80本で3千2百円、合わせて3万2千円。レンタル代1万円を引いて、利益は3万円。前日より7千円多かった。
片づけのあと、結衣はノートの最後に書いた。「売上を増やす方法は、値下げだけじゃない」
※ このストーリーは、よくある場面をもとにした架空のエピソードです。登場人物・数字は学習用に作ったもので、写真はイメージです。
TURNING POINT
「売れた」と「儲かった」は、別の数字だった。
売上6万円は大きく見えましたが、材料費とレンタル代を引くと、残ったのは2万3千円でした。値下げは客数を増やすかもしれませんが、1皿あたりの残りを減らします。結衣たちは、客単価を上げるという別の動かし方を見つけました。
EXPERIENCE BREAKDOWN
経験を分解してみる
- 01
「6万円!」と売上だけで喜んでいた
行動材料費とレンタル代を引いて、残る金額を計算した
ビジネスの言葉売上と利益の区別(利益=売上−原価−固定費)
- 02
材料費は皿数に応じて増え、レンタル代は何皿売っても同じだった
行動費用を「1皿ごとにかかるもの」と「1日いくらのもの」に分けて考えた
ビジネスの言葉変動費と固定費(費用の性質で分けると、利益の動きが読める)
- 03
「値下げすればもっと来る」という提案が出た
行動1皿あたりの残り(粗利)から、同じ利益に必要な皿数を逆算した
ビジネスの言葉損益の試算(値下げは1件あたりの利益を削るので、数量で補う必要がある)
- 04
お茶とのセット案が出た
行動客数を大きく増やさず、一人あたりの支払額を上げる方法を選んだ
ビジネスの言葉売上=客数×客単価(客単価を上げるという打ち手)
- 05
2日目の終わり
行動実際の数字で前日と比べ、学びをノートに残した
ビジネスの言葉実績の振り返り(予想と結果を数字で比べ、次に活かす)
WHAT WE CAN LEARN
売上=客数×客単価、原価と利益
会社の数字を見るとき、最初に押さえておきたいのが 「売上」と「利益」は別もの だということです。売上が大きくても、原価や費用が大きければ、手元に残る利益は小さくなります。
基本の式は二つです。
- 売上=客数×客単価(何人に、一人いくら買ってもらうか)
- 利益=売上−原価(変動費)−固定費
この式を知っていると、打ち手を比べられるようになります。値下げは客数を増やすかもしれませんが、1件あたりの利益が減ります。客単価を上げる工夫(セット・追加商品)や、原価を見直す工夫など、どの数字を動かすのかを分けて考えるのがポイントです。
職場では、たとえば「キャンペーンで値引きしたら売上は増えたが、利益は減っていた」という場面がよくあります。新人のうちから、売上の数字を見たら「利益はいくら残るのか」「客数と客単価のどちらが動いたのか」と一歩踏み込んで考える習慣をつけると、数字の話がぐっと分かりやすくなります。
2日目に利益が増えたのは、セットが選ばれたからだけとは限りません。天気や来場者数など、1日目と条件が違うことも考えておく必要があります。
YOUR EXPERIENCE MAP
あなたの経験に置き換えてみる。
似た経験でなくても構いません。何かを工夫した、困った、考え直した出来事を一つ思い出してみましょう。取り組まなくても、ストーリーは読み終えています。
思い浮かばなければ:アルバイト先の売上目標や日報を見たとき/サークルや部活の会計・イベント予算の管理/フリマアプリでの出品(売値・送料・手数料)
STEP 1 / 4
書き始めると、この端末に下書きが保存されます
経験マップのまとめ
- 場面
- 未記入
- 行動
- 未記入
- 結果
- 未記入
- 学び
- 未記入
未記入の項目があっても、そのまま残せます(空欄を自動で補うことはありません)。経験マップは自分の経験を整理するための記録です。内容から能力や職種への向き不向きを判定することはありません。
STORY TAKEAWAY
学生経験の見方が、ひとつ増えました。
売上は「客数×客単価」、利益は「売上−原価−費用」。売上を増やす方法は値下げだけではなく、どの数字を動かすかで結果が変わる。
あなたの記録
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- 読んでいる途中
- 経験マップ
- 未作成(任意)
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