Q.
WACCの計算で使う「税引後負債コスト」を求める式として正しいものはどれか。負債コストを rD、実効税率を t とする。
解説まとめ
正解はCです。税引後負債コストは、負債コスト rD に (1 − t) を掛けて求めます。支払利息は税務上の損金(費用)となり、その分だけ税金が減る「節税効果」があるためです。たとえば税率が30%なら、利息1円につき0.3円の節税が働き、実質的な負担は rD × 0.7 に下がります。
ポイント
この問題の核心は、負債コストに対してのみ (1 − t) を掛けるという点です。利息は損金算入できるため節税効果が生まれますが、株主への配当にはこの効果がありません。掛けるのは「足す」でも「割る」でもなく、(1 − t) を「掛ける」点を正確に覚えておきましょう。
ワンポイントアドバイス
税引後負債コストを計算するときは、まず税率 t を決め、(1 − t) を先に求めてから rD に掛ける、という手順を固定してみましょう。順番を決めておくと、税率を足してしまうといったケアレスミスを防げます。
解説詳細
利息の節税効果が (1 − t) を生む
支払利息は税務上の損金となるため、利息を支払うとその分だけ課税所得が減り、税金が軽くなります。これを利息の節税効果(タックスシールド)と呼びます。負債コストが rD でも、節税により実質負担は rD × (1 − t) まで下がります。税率30%なら (1 − 0.30) = 0.70 を掛けるので、実質コストは負債コストの7割になります。Cがこの式を正しく表しています。
他の選択肢が誤りである理由
Aの rD ÷ (1 − t) は割り算で、コストをむしろ大きくしてしまい方向が逆です。Bの rD × (1 + t) は税率分だけコストを増やしており、節税効果を無視するどころか負担を増す誤りです。Dの rD + t は率に税率を単純加算しており、節税効果の構造を全く反映していません。節税効果は必ず「掛け算で (1 − t) を掛けて減らす」と覚えてください。