Q.
「資本コスト」の説明として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はAです。資本コストとは、資金の出し手である投資家が、その会社にお金を投じる見返りとして期待する最低限の収益率を指します。株主も債権者も、リスクに見合うリターンを求めて資金を出すからです。会社側から見れば、この期待に応えるために最低限稼がなければならない収益率にあたります。
ポイント
資本コストは「支払った金額」ではなく「率(パーセント)」でとらえる点が核心です。資金の出し手の期待リターンであり、会社にとっては超えるべきハードルレートになります。費用の実額や利益の累計と混同しないよう、誰の期待を表す数字なのかを意識しておきましょう。
ワンポイントアドバイス
自社の投資判断資料を見るとき、「この案件は何パーセント以上稼げば合格なのか」という基準値を探してみましょう。その基準値こそが資本コストの考え方を反映したものです。率でハードルをとらえる習慣をつけると、投資の良し悪しを一段深く読めるようになります。
解説詳細
資本コストは「出し手の期待リターン」
資本コストは、株主や債権者といった資金の出し手が、その会社に資金を提供する代わりに期待する収益率です。お金には機会費用があり、ほかの投資先でも一定のリターンが得られるため、投資家はそれに見合うリターンを会社に求めます。会社にとっては、この期待に応えられて初めて資金を集め続けられるため、超えるべき最低ラインとして機能します。Aがこの定義を正しく述べています。
他の選択肢が誤りである理由
Bの人件費の合計額は損益計算書上の費用であり、資金の出し手の期待リターンとは関係がありません。Cの現金残高は貸借対照表上のストックの金額であって、収益率ではありません。Dの利益の累計額は利益剰余金に近い概念で、過去の実績を示すものにすぎず、これから期待されるリターンの率とは別物です。いずれも「率としての期待リターン」という資本コストの本質から外れています。