Q.
DCF(ディスカウンテッド・キャッシュフロー)法の基本的な考え方として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は A です。DCF法は、企業が将来生み出すフリーキャッシュフロー(FCF)を、割引率(資本コスト)で現在価値に割り引き、それらを合計して企業価値を求める手法です。将来のキャッシュ創出力と時間価値・リスクを反映する点が特徴で、インカムアプローチの代表手法です。
ポイント
DCFの核心は「将来のキャッシュフロー × 割引(時間価値・リスク)」で価値をとらえる点です。過去利益の平均、株価ベース、帳簿価額ベースはそれぞれ別の発想(過去・市場・コスト)であり、将来CFを割り引くというDCFの本質とは異なります。何を割り引いているのかを意識しましょう。
ワンポイントアドバイス
DCFの数字を見るときは、「将来CFの前提(成長率・利益率)」と「割引率」の二つの前提を確認しましょう。この二つを少し動かすだけで評価額は大きく変わります。前提の妥当性を問う視点を持つと、評価額を鵜呑みにせず検証できるようになります。
解説詳細
なぜ A が正解か
DCF法は、将来の各期に生み出されると見込まれるフリーキャッシュフローを、資本コストである割引率で現在価値に割り引き、それらを合計(継続価値を含む)して企業価値を算定する手法です。将来のキャッシュ創出力を、時間価値とリスクを反映して評価する点に特徴があり、これが A の説明です。
なぜ B・C・D が誤りか
B の「過去の純利益の平均をそのまま価値とする」は、将来CFの割引というDCFの本質を欠いています。C の「株価×株式数」は時価総額(マーケットアプローチ的発想)であってDCFではありません。D の「帳簿価額の合計」はコストアプローチ(簿価純資産)の考え方で、これもDCFとは異なります。いずれも将来CFを割り引くという要素を含んでいません。