Q.
合併や株式交換などの組織再編における「対価」について、最も適切な説明はどれか。
解説まとめ
正解は D です。組織再編の対価は、買い手側の株式に限らず、金銭その他の財産を用いることができます(対価の柔軟化)。親会社株式を対価とする三角合併などもこの考え方に含まれます。対価=必ず株式、あるいは必ず現金、という固定的な理解は誤りです。
ポイント
対価の核心は「株式・金銭・その他財産から選べる柔軟性がある」点です。対価を株式に固定したり現金に固定したりする選択肢は、いずれも一面的で誤りになります。さらに対価額は交渉で決まるものであり、純資産額と一致させる決まりもない、という点もつまずきどころです。
ワンポイントアドバイス
再編の対価設計を議論するときは、「株式で払うのか現金で払うのか、その組み合わせか」をまず整理しましょう。対価の選び方は、買い手の資金負担や売り手の税務・継続関与の意向に直結します。対価の柔軟性を前提に、当事者の狙いから逆算すると効果的です。
解説詳細
なぜ D が正解か
会社法上、合併・株式交換などの組織再編では対価が柔軟化されており、存続会社等の株式のほか、金銭その他の財産を対価とすることが認められています。親会社の株式を対価とする三角合併もこの枠組みで説明されます。したがって D が正解です。
なぜ A・B・C が誤りか
A の「株式に限られる」と B の「つねに現金でなければならない」は、いずれも対価を一種類に固定する点で誤りです。実際には複数の対価から選べます。C の「純資産額と必ず一致させる」も誤りで、対価額は当事者の交渉やバリュエーションによって決まり、簿価純資産額に一致させる義務はありません。のれんが生じるのは対価が純資産を上回るからであり、両者が常に一致するわけではありません。