Q.
簿外債務(帳簿に載っていない債務)を買い手が意図せず引き継いでしまうリスクが、最も高くなりやすいスキームはどれか。
解説まとめ
正解は C です。株式譲渡は会社という器ごと取得するため、帳簿に載っていない保証債務や未払債務、係争リスクなども会社に残ったまま引き継いでしまう可能性があります。引き継ぐ対象を選べる事業譲渡に比べ、簿外債務リスクは構造的に高くなります。だからこそ株式譲渡ではDDが重要になります。
ポイント
簿外債務リスクの大小は「会社ごと引き継ぐか、対象を選べるか」で決まります。株式譲渡=包括的に引き継ぐ=見えない債務も付いてくる、という因果を押さえることが核心です。同じ会社を買うのでも、スキーム次第でリスクの遮断度が変わる点がつまずきどころです。
ワンポイントアドバイス
株式譲渡を選ぶ場面では、財務DD・法務DDで偶発債務や保証債務を洗い出し、見つかったリスクは表明保証や補償条項でカバーする設計をセットで考えましょう。「スキームでリスクを遮断できない分は契約とDDで補う」という発想が効果的です。
解説詳細
なぜ C が正解か
株式譲渡では会社が存続したまま支配権だけが移ります。会社に帰属する債務は、帳簿に計上されているか否かにかかわらず会社に残るため、買い手は会社ごとそれらを引き継ぐことになります。簿外の保証債務・未払残業代・係争中の損害賠償などが後から表面化するリスクがあり、これが C を正解とする理由です。
なぜ A・B・D が誤りか
A・B・D はいずれも事業譲渡や個別移転を前提とした選択肢で、移転対象を特定・限定できるため、明示的に引き継いだもの以外の簿外債務は原則として買い手に移りません。引き継ぐ対象を選べる以上、想定外の債務を背負うリスクは株式譲渡より低くなります。したがってこれらは「最も高くなりやすい」スキームには当たりません。