数字
資金繰り・資金調達問題集
Q.
売上が急拡大している成長期の企業で、利益は黒字なのに資金繰りが苦しくなりやすい理由として、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はDです。売上が急拡大すると、それに比例して売掛金(未回収の売上)や在庫が増え、現金として拘束される額が大きくなります。さらに、仕入や人件費の支払いは入金より先に来るため、立て替える運転資金が膨らみます。利益が黒字でも、この立替が資金を飲み込むため、成長期ほど資金繰りが苦しくなるのです。
ポイント
「増収=楽になる」ではなく「増収=運転資金が増える」という逆説が核心です。売上が伸びるほど売掛金・在庫が膨らみ、回収より先払いの支払いが増えます。成長そのものが現金を吸い上げる、という構造を理解しておくことが、成長期の資金管理の出発点です。
ワンポイントアドバイス
急成長の局面では、売上計画と同時に必要運転資金の増加額を試算し、調達の手当てを前倒しで進めましょう。回収サイトの短縮や在庫の適正化に加え、運転資金枠の融資をあらかじめ確保しておくと、注文が増えたときに現金切れで失注する事態を防げます。
解説詳細
なぜDが正解か
成長期は受注と仕入が同時に膨らみますが、仕入代金や人件費の支払いは入金より先に発生します。加えて売上拡大で売掛金と在庫が増え、現金が回収・販売されるまで拘束されます。この立替(運転資金)の増加が、黒字でも手元現金を圧迫します。Dはこの構造を正しく説明しているため正解です。
他の選択肢が誤りである理由
Aの「売上が増えると利益率が必ず下がる」は一般則ではなく、利益率は条件次第で上がることもあり、資金繰り悪化の本質ではありません。Bの「費用が一切増えない」は誤りで、売上拡大には仕入・人件費の増加が伴います。Cの「配当の増額が法律で義務」は事実に反し、配当は法律で強制されるものではありません。