Q.
損益計算書上は黒字(利益が出ている)にもかかわらず会社が資金不足で倒産してしまう「黒字倒産」を読み解くうえで、最も重要な考え方はどれか。
解説まとめ
正解はDです。黒字倒産は、損益計算書では利益が出ていても、支払いに充てる現金が不足すると起こります。利益は発生主義で計算される一方、実際の支払いには現金が必要で、両者はずれるためです。だからこそ三表を連携して読み、利益(PL)と現金(CF)、財政状態(BS)を合わせて点検する必要があります。
ポイント
黒字倒産の核心は「利益と現金は別物」という点です。売上債権の回収遅れや過大な在庫・設備投資で現金が先に枯渇すると、帳簿上は黒字でも支払いが滞り倒産しえます。PLの利益だけを見て安心せず、CFで現金、BSで安全性を確認する三表連携が欠かせません。
ワンポイントアドバイス
会社の健全性を判断するときは、PLの利益・CFの営業キャッシュフロー・BSの自己資本のバランスを三点セットで確認してみましょう。利益は出ているのに営業CFが細っていれば、黒字倒産の予兆ととらえられます。三表を行き来して読む癖をつけるのが効果的です。
解説詳細
黒字倒産が起きる仕組み
損益計算書の利益は発生主義で計算されるため、現金の動きとは一致しません。売上を掛けで計上して利益が出ても代金が未回収であったり、在庫や設備に現金を投じすぎたりすると、手元の現金が先に尽きます。支払期日に充てる現金がなくなれば、帳簿が黒字でも支払いが滞り、事業は立ち行かなくなります。これが黒字倒産です。
他の選択肢がなぜ誤りか
Aは現金がなくても支払いを続けられるとしていますが、支払いには現金が必要なので誤りです。Bの純資産がプラスなら倒産しないという主張も、純資産と手元現金は別物であり成り立ちません。Cの当期純利益が大きいほど現金も必ず多いという関係も、利益と現金のずれを無視しており誤りです。利益と現金を別物として扱うDが正しい考え方です。