DCF法で算定した結果から株主価値(株式価値)を求める手順として、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は C です。DCFで直接求まるのは事業価値(≒EV)であり、株主価値はそこに非事業用資産を加え、ネットデット(有利子負債−現金)を差し引いて求めます。事業価値が株主と債権者の双方に帰属する価値だからこそ、債権者の取り分であるネットデットを引いて株主の取り分を取り出すのです。EVブリッジを逆向きにたどる操作だと捉えてください。事業価値と株主価値を混同しないことが重要です。
ポイント
この問題の核心は「DCFが出すのは事業価値であって株主価値そのものではない」という点です。事業価値をそのまま株主価値と誤解するのがつまずきどころです。EVブリッジ(時価総額+ネットデット=EV)を逆にたどり、EVからネットデットを引くと株主価値になると整理しましょう。
ワンポイントアドバイス
DCFのアウトプットを見たら「これは事業価値(EV)か、株主価値か」を必ず確認してみましょう。1株あたりの理論株価を出すには、株主価値を発行株式数で割る最後の一手が必要です。事業価値→株主価値→株価という変換の流れを意識すると、評価の出口を間違えません。
解説詳細
DCFが直接求めるのは事業価値
DCFは将来のフリーキャッシュフロー(事業から生まれるCF)を割り引くため、求まるのは事業価値(おおむねEVに相当)です。これは株主と債権者の双方に帰属する価値です。
事業価値から株主価値への変換
事業価値に、事業に使っていない非事業用資産(余剰現金や投資有価証券など)を加え、ネットデット(有利子負債−現金)を差し引くと、株主に帰属する株主価値が求まります。これはEVブリッジを逆にたどる操作です。
ほかの選択肢が誤りである理由
Aは有利子負債を足しており、引くべき債権者の取り分を逆に加えてしまっています。Bは事業価値をそのまま株主価値とみなす誤りで、負債の影響を無視しています。Dは事業価値にさらに倍率を掛けるという二重評価で、論理的に成立しません。ネットデットを差し引くCが正しい手順です。