Q.
すでに支払い済みで取り戻せない費用(サンクコスト)の、意思決定における正しい扱い方はどれか。
解説まとめ
正解はAです。サンクコスト(埋没費用)は、すでに支払い済みで何をしても取り戻せない費用です。将来の意思決定では、これから得られる価値とこれからかかる費用だけを比べるべきで、取り戻せない過去の費用は判断から外すのが原則です。過去の投入額に引きずられて不利な案を続けることを、サンクコストの誤謬と呼びます。
ポイント
この問題の核心は、判断は「これから先」だけで行うという原則です。過去にいくら使ったかは、将来の損得を変えません。「ここまでやったのだから」という気持ちは自然ですが、それを判断材料にすると、損を広げる方向に進みがちです。
ワンポイントアドバイス
撤退すべきか迷ったら、「もし今ゼロから始めるとして、この案に新たに投資するか」と問い直してみましょう。これまで使った費用をいったん忘れ、これから先の損得だけで考えると、過去への執着で続けるのを防げます。すでに使ったお金や時間は、惜しんでも戻ってきません。
解説詳細
なぜAが正解か
サンクコストは、選択肢のどれを選んでも変わらない、回収不能な過去の支出です。将来の意思決定で比べるべきは、これから生まれる価値とこれからかかる費用であり、すでに固定された過去の費用は判断を左右しません。だから判断材料から外します。Aはこの原則を正しく述べています。
なぜ他の選択肢が誤りか
Bの「多く投じた案ほど継続すべき」は、まさにサンクコストの誤謬で、過去の投入を将来判断に持ち込んでいます。Cの「回収できるまで撤退禁止」は、取り戻せない費用を取り戻そうとして損を拡大します。Dの「過去の費用が大きいほど将来価値も大きい」は、過去の支出と将来価値を取り違えた誤りです。いずれも過去の費用を将来の判断に不当に混入させています。