経営
契約・ビジネス法務問題集
Q.
「履行遅滞」と「履行不能」の違いとして、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は D です。履行遅滞は、履行が可能なのに期限を過ぎても果たされていない状態です。履行不能は、履行そのものが(社会通念上)不可能になった状態です。「できるのに遅れている」か「もうできない」かで区別します。取れる対応が変わるため、この線引きが重要です。
ポイント
核心は「履行が今も可能か否か」という線引きです。遅滞は催促して履行を促す余地がありますが、不能はもはや履行を求められません。両者を同一視すると、待つべきか、賠償・解除へ進むべきかの判断を誤ります。
ワンポイントアドバイス
納期が過ぎたときは「まだ実現できるのか、もう無理なのか」を相手に確認してみましょう。実現可能なら期限を切って履行を促し、不可能なら代替手配や賠償・解除へ早めに切り替えます。状態を見極めることで、待ち続けて損失を広げる事態を避けられます。
解説詳細
履行遅滞と履行不能の線引き
履行遅滞は、履行が可能であるのに、期限を過ぎても債務が果たされていない状態です。これに対し履行不能は、履行そのものが社会通念上不可能になった状態を指します。両者を分ける軸は「今なお履行が可能かどうか」であり、ここが対応を分ける分岐点になります。
区別が対応に直結する
遅滞であれば、相手に履行を催促し、なお実現を期待できます。不能であれば、もはや履行は望めないため、代わりの賠償を求めたり契約を解除したりする方向で考えます。同じ「約束が守られていない」状況でも、可能か不可能かで次の一手が大きく変わります。
ほかの選択肢が誤りである理由
Aは遅滞を「債務が未発生」と説明していますが、遅滞は債務がある前提の話です。Bは不能を「間に合った状態」としており、定義が逆です。Cは両者を同義としていますが、可能か不可能かで明確に異なります。可能なら遅滞・不可能なら不能と区別するDが正解です。