経営
契約・ビジネス法務問題集
Q.
火災による損害に備えて保険に加入する対応は、リスク対応の4分類のうちどれにあたるか。
解説まとめ
正解は A です。保険への加入は、損害が生じたときの負担を保険会社という第三者へ移すため、リスクの移転にあたります。リスクそのものをなくすわけではなく、負担の引受け先を移す対応です。移転・回避・低減・受容の違いを具体例で押さえましょう。
ポイント
核心は「移転=負担を第三者へ移す」という点です。回避(活動をやめる)・低減(確率や影響を下げる)・受容(そのまま保有する)と混同しやすいのがつまずきどころです。保険や免責条項のように、誰が損失を負うかを移す工夫が移転だと整理しましょう。
ワンポイントアドバイス
新しい取り組みを始めるときは「このリスクは移すのか、減らすのか、避けるのか、受け入れるのか」を一つずつ当てはめてみましょう。保険や契約上の責任分担は移転の代表例です。手段を4分類で並べると、コストと効果を見比べて選びやすくなります。
解説詳細
リスクの移転とは
リスクの移転とは、リスクが現実化したときの損失や負担を、自分以外の第三者に引き受けてもらう対応です。保険加入はその典型で、損害が出たときの金銭的負担を保険会社に移します。契約で相手方に責任を負わせる取り決めも、移転の一種と捉えられます。
4分類の中での位置づけ
リスク対応には、移転のほかに、回避(リスク源となる活動自体をやめる)、低減(発生確率や影響を下げる対策を打つ)、受容(許容して保有する)があります。保険は活動をやめるわけでも、火災の確率を下げるわけでもなく、負担の引受け先を移す点で移転に分類されます。
ほかの選択肢が誤りである理由
Bの回避は、火災リスクのある活動そのものをやめる対応で、保険加入とは異なります。Cの低減は、防火設備の設置のように確率や影響を下げる対策で、これも保険とは別です。Dの受容は、対策せずそのまま保有する対応で、保険でカバーする行為と矛盾します。負担を移す保険は移転にあたり、Aが正解です。