ノート術入門|要点とタスクを書き分け後から取り出す仕事のノートの書き方 | マナビズ

ノート術入門|要点とタスクを書き分け後から取り出す仕事のノートの書き方

ノート術入門|要点とタスクを書き分け後から取り出す仕事のノートの書き方

打ち合わせをびっしり書き取ったのに、翌日そのページを開いても「何が決まったのか」「自分は何をすればいいのか」がすぐに出てこない——そんな経験はありませんか。全部書いたはずなのに、見返すと何も残っていない。仕事で役立つノート術の差は、書いた量ではなく「書き方」にあります。

ここで言うノート術とは、聞いたことをきれいに速く全部書き取る力ではありません。要点・自分のタスク・疑問を書き分け、後から取り出せる形に整えること。ノートは書く道具ではなく、後で取り出す道具です。本講座は「自分用の思考整理ノートの書き方」だけに絞り、拾った要点を短く3行にまとめ直すコツや、関係者に配る公式な議事録に仕立てる手順、記憶定着といった学習法そのものには踏み込みません(それぞれの送客先は各章で示します)。

この講座を終えると、次の3つができるようになります。ノートが散らかる原因を説明できること、要点・自分のタスク・疑問を記号や余白で書き分けられること、後から結論と自分のやることを取り出せる思考整理ノートを書けることです。覚えて帰る型は「目的を決める → 記号で書き分ける → 見返して整える」。本講座では、30分の打ち合わせを1ページにとり、後から「決まったこと・自分のタスク・確認したい点」をすぐ取り出す場面を全章で追いかけます。

この講座のポイント

  • ノートが散らかる原因を説明でき、思考を整理するノートとは何かを自分の言葉で説明できる。
  • 要点・自分のタスク・疑問を、記号や余白を使って書き分けられる。
  • 後から見返して結論と自分のやることを取り出せる、思考を整理するノートを書ける。

仕事のノート術が散らかる理由——思考を整理するノートとは何か

この章のゴール

ノートが散らかる原因を説明でき、思考を整理するノートとは何かを自分の言葉で説明できる。

ノートの目的は「全部記録する」ことではなく「後で使える」こと

まず、ノートを取る目的をはっきりさせます。良いノートとは、後から自分が使えるノートのことです(出典:Cornell University Learning Strategies Center「Note Taking Strategies」)。ノートには2つの役割があります。話に集中して内容を頭に取り込むことと、後から復習・確認できるように情報を残しておくことです。ただし「書き写すだけ」では頭に入りません。自分のノートを後から自分の言葉で読み直して初めて身につきます(出典:University of Michigan「Developing Your Personal Note Taking Style」)。つまりノートは、書いた瞬間ではなく「後で取り出して使うとき」に価値が出る道具なのです。

仕事のノート術が散らかる3つの理由

原因は大きく3つに整理できます。

1つ目は、聞いた言葉を端から、全部を同じ強さで書き取ろうとすること。発言をそのまま書き写すと、情報を自分の言葉に置き換える作業が起きず、浅い処理のまま手だけが動きます(出典:Mueller, P. A. & Oppenheimer, D. M. (2014)「The Pen Is Mightier Than the Keyboard」, Psychological Science)。全部書こうとすると、書くのに忙しくて聞けなくなり、孤立した事実が並ぶだけで全体像を取りこぼすため、主要なアイデアと重要な概念に絞るよう勧められています(出典:UC Berkeley Student Learning Center「Strategic Reading, Writing, & Note-Taking」、University of Michigan「Developing Your Personal Note Taking Style」)。

2つ目は、決まったこと・自分のタスク・ただのメモが、ページの上で同じ大きさで混ざること。発言を端から書き写すと、「来週までに提出」という自分の宿題も、雑談も、決定事項も見た目が同じになり、自分が何をすればいいのかが埋もれて出てきません。

3つ目は、書いて満足し、見返さないこと。後から自分のノートを読み直してこそ身につくのに、書きっぱなしで終わってしまう。この3つが重なると、ページは文字で埋まっているのに頭の中は整理されない状態になります。

きれいに書こうとして止まる、速く全部書こうとして聞き逃すつまずき

起きやすいつまずきが2つあります。1つは、きれいに書こうとして手が止まること。もう1つは、速く全部書こうとして肝心の要点を聞き逃すことです。どちらも「書くこと」に意識が向きすぎて、「聞いて理解すること」がおろそかになっています。聞いた内容を自分の言葉に置き換えてメモするほど、書いている時点で理解が進みます。手書きが学習に向くとされるのも、発言をそのまま写すより、自分の言葉に直して書く割合が増えるからです(出典:Harvard University Academic Resource Center「Note-Taking」)。

ですから、書き始める前に一度だけ立ち止まって、「このノートで後から何を取り出したいのか」を決めておきます。目的が定まると、全部を同じ強さで書く必要はなくなり、要点を選んで聞けるようになります。なお、これは紙でもメモアプリでも通じる「書き方」の話で、ツールの優劣には踏み込みません。Notionで一元管理したい場合の具体的な操作はNotion入門の講座へ進んでください。

この章の確認(演習)

自分の直近のノートやメモを1つ選んで見返してください。そのうえで、散らかる3つの理由——①全部を同じ強さで書き取っている、②決定事項・自分のタスク・ただのメモが混ざっている、③書いて見返していない——のうち、どれに当てはまるかを書き出します。最後に、「自分のノートが後で使いにくいのはなぜか」を、自分の言葉で1文にまとめてみましょう。

要点とタスクを書き分ける——記号・余白の使い方

この章のゴール

要点・自分のタスク・疑問を、記号や余白を使って書き分けられる。

書きながら「要点/タスク/疑問/ただのメモ」を仕分ける

散らかる原因が分かったら、次は書き分けです。コツは、書き取りながら「これは要点(結論)か、自分のタスクか、疑問か、ただのメモか」を仕分けて置くことです。後でまとめて分けようとすると、結局どれが何だったか分からなくなります。聞きながらその場で種類を分けるのが基本です。

このとき役立つのが記号です。ノート本文とそれ以外の情報を分け、不明な箇所を後から見つけられるように、記号のコードを決めておきます。たとえば「? = まだよく分からない点」「! = 重要」「課題・提出期限」「自分のコメント」といった印を使い分ける方法が勧められています(出典:UC Berkeley Student Learning Center「Strategic Reading, Writing, & Note-Taking」)。

本講座では、この考え方を自分用に3つだけに絞ります。★=要点(決まったこと)、□=自分のタスク(やること・期限)、?=疑問(後で確認したい点)。記号の形は覚えやすいものに置き換えてかまいません。大事なのは「重要・自分のやること・疑問」の3つを見た目で区別できることです。打ち合わせ中に「来週までに提出」と聞いたら脇に □ を付けてタスクとして寄せ、決まったことには ★、引っかかった点には ?。書きながら種類を分けておくと、後から目で拾えます。

★要点・□タスク・?疑問を、余白と配置で後から拾える状態にする

記号と並んで効くのが、余白と配置です。ページにはあらかじめ空白をたっぷり残し、その余白に疑問・自分宛のメモ・後から気づいたことを書き足します(出典:University of Michigan「Developing Your Personal Note Taking Style」)。余白は、不明点や自分への注意書きを置くのにちょうどよい場所です(出典:UC Berkeley、同上)。

配置をはっきり分ける方法もあります。ページに1本線を引いて2欄に分け、片方に話の内容をそのまま書き、もう片方に自分の要約・疑問・気づきを書くやり方です(出典:University of Michigan、同上)。同じ発想を整理したのがコーネル式と呼ばれるレイアウトで、ページを「記録する欄」「キーワードや質問を書くキュー欄」「要約欄」に分け、どこに何を置くかを最初から決めておきます(出典:Cornell University Learning Strategies Center「The Cornell Note-Taking System」)。本講座は、このうち「書き分けて後から取り出す」という考え方だけを借ります。手順は3つです。①ページに「要点/自分のタスク/疑問」の置き場所をゆるく決める。②書き取りながら ★・□・?の記号を付ける。③余白に、後で気づいたことを足せる空きを残す。

記号を増やしすぎず、本文とタスクを混ぜないつまずき回避

ここでのつまずきは2つあります。1つは、記号を増やしすぎて運用が続かないこと。ノートは簡潔が基本で、文章で足りるところに長く書かず、語で足りるならフレーズにとどめます(出典:UC Berkeley、同上)。記号も ★・□・?の3つ程度に絞るほうが続きます。もう1つは、本文と自分のタスクを同じ流れの中に混ぜて書き、後から探せなくなることです。タスクは □ を付けて決まった場所に寄せる、と決めておくだけで、後から「自分のやること」だけを拾い出せます。

なお、こうして拾った要点をさらに短い文章に削ってまとめ直す技術は本講座の範囲外です。要点を1〜3行に圧縮するコツは要約力の講座へ、書き分けたものを関係者に配る公式な議事録に仕立てる手順は議事録の講座へ進んでください。本講座は、自分用に「拾える状態で残す」ところまでを扱います。

この章の確認(演習)

短い打ち合わせ(例:30分の社内ミーティング)を1つ思い浮かべ、その発言メモに記号を付けてみましょう。決まったことには ★、自分がやること・期限には □、後で確認したい点には ?を付けて仕分けます。付け終えたら、□ の付いた行だけを目で追って、「自分のタスク」がひと目で拾えるかを確認してください。

見返して思考を整理する——後から取り出すノートにする

この章のゴール

後から見返して結論と自分のやることを取り出せる、思考を整理するノートを書ける。

ノートは「書いて終わり」ではなく「書いた直後に整える」

ここまでで、目的を決め、記号で書き分けられるようになりました。最後の山が「整える」です。ノートは書いて終わりではありません。自分のノートを後から読み直して再解釈して初めて、内容が本当に身につきます(出典:University of Michigan「Developing Your Personal Note Taking Style」)。ただ書き写すだけでは記憶の助けにならず、情報を組み替えて自分の言葉でまとめ直すほうが有効です。だからこそ、打ち合わせが終わったらできるだけ早く見直し、読みにくい所を直し、抜けを補います(出典:UC Berkeley Student Learning Center「Strategic Reading, Writing, & Note-Taking」)。記憶が新しいうちに整えるのがコツです。

終わりがけに要点と自分のタスクをページ上部・端へ集める

整えると言っても、難しいことはしません。打ち合わせ直後に、1ページの上か端へ「決まったこと/自分のタスク/確認したい点」を書き出し、本文に付けた ★ や □ と突き合わせて抜けがないかを見るだけです。要点には印を付けてラベルを立て、重要な点は色を変えて目立たせ、自分の気づきは相手の発言とは分けて記しておきます(出典:UC Berkeley、同上)。コーネル式でも、ページの下部にそのページの要約を書く欄が設けられています(出典:Cornell University Learning Strategies Center「The Cornell Note-Taking System」)。要点と自分のやることをページの決まった場所に集めておけば、後から数分で「結論」と「自分が何をするか」を取り出せます。

なお、ここで言う「見返し」は、要点を上に集めて取り出しやすくするところまでです。覚えたことを定着させる復習のタイミングや学習計画そのものは学習法の領域になるため、ノートを学びの定着に活かす方法は効果的な学習法の講座へ進んでください。

見出し・日付を付け、疑問は次の行動につなげる

後から探せるノートにするための仕上げが2つあります。

1つは、見出しと日付です。書き終わりに、そのページのテーマと日付を付け、ページに番号を振っておきます(出典:University of Michigan、同上)。打ち合わせごとに新しいページから始め日付を入れておくと、後から「あの打ち合わせはどこに書いたか」をすぐ見つけられます(出典:UC Berkeley、同上)。「どこに書いたっけ」を防ぐ、地味だけれど効く一手です。

もう1つは、疑問(?)を放置しないことです。見返したとき、よく分かる箇所にはチェックを、自分で調べ直すか誰かに聞いて確かめるべき箇所には ?を付けておきます(出典:Harvard University Academic Resource Center「Note-Taking」)。そして ?が残ったら、「誰に・いつ確認するか」まで書いておきます。打ち合わせで生じた疑問は、後で相手やメンバーに聞いて解消し、足りない情報は資料で埋めるのが基本です(出典:UC Berkeley、同上)。疑問を「次の行動」に変えておくと、ノートはただの記録から、自分を動かす道具に変わります。

この章の確認(演習)

第2章で記号を付けたノート(例)をもう一度見返してください。ページの上部か端に、「決まったこと/自分のタスク/確認したい点」の3つを書き出します。次に、本文の ★・□・?と突き合わせて、書き出した内容に抜けがないかを確認します。最後に、?が残っている疑問について、「誰に・いつ確認するか」を1つ書き添えて、取り出せる形に仕上げましょう。

まとめ

思考を整理するノートとは、聞いたことを全部書き取ることではありません。要点・自分のタスク・疑問を書き分け、後から取り出せる形に整えることです。きれいに書くことではなく、後で使えることが目的。覚えて帰る型は「目的を決める → 記号で書き分ける(★要点・□タスク・?疑問)→ 見返して整える」の3ステップです。ノートは、書く道具ではなく、後で取り出す道具——この一言を覚えて帰ってください。

明日の一歩として、次の打ち合わせで「★要点・□自分のタスク・?疑問」の3記号を使ってノートをとり、終わりがけにページ上部へ要点と自分のタスクを集めてみてください。それだけで、後から「決まったこと」と「自分が何をするか」が3分で取り出せるノートに近づきます。さらに進んで、拾った要点を短く3行にまとめ直すコツを身につけたい方は、要約力の講座が次のステップです。

本講座の特典として、要点・タスク・疑問の3欄をそのまま書き込める「思考整理ノートのテンプレート」をご用意しています。テンプレートのダウンロードは、無料会員登録からどうぞ。

よくある質問

ノート術とは、結局どんな力のことですか

きれいに速く全部書く力ではなく、要点・自分のタスク・疑問を書き分け、後から取り出せる形に整える力です。後で使えることが目的です。

全部書き取らないと、大事なことを逃しませんか

逆です。全部書こうとすると聞くのがおろそかになり要点を逃します。重要・タスク・疑問の3つに絞って記号を付け、書きながら仕分けます。

記号は ★□?でなければいけませんか

いいえ。形は覚えやすいものに変えて構いません。大事なのは「重要・自分のやること・疑問」の3つを見た目で区別できることです。

紙のノートとメモアプリ、どちらがいいですか

本講座の書き方は紙でもアプリでも通じます。書く量よりも、目的を決め、記号で書き分け、見返して整える流れのほうが大切です。

見返す時間が取れません。最低限どこをやればいいですか

打ち合わせ直後に、要点と自分のタスクをページ上部へ集めるところだけでも効果があります。記憶が新しいうちに整えるのがコツです。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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