部下から「有給って何日もらえるんですか」「この残業、続いても大丈夫なんですか」と聞かれて、根拠を持って答えられず固まった——人事担当になりたての人や、初めて部下を持った管理職なら、一度は経験があるのではないでしょうか。その都度ネットで検索したり、先輩に確認したりして、勤怠の承認も「たぶん大丈夫だろう」でなんとなく進めてしまう。労務という言葉が固くて、どこから手をつければいいか分からない、という声もよく聞きます。
けれども労務管理は、難しい法律や複雑な計算をすべて暗記することではありません。本質は、「働く時間」と「休む権利」のルールの地図を持ち、「この勤怠は原則どおりか、それとも確認が要るか」を自分の言葉で説明できることです。労務管理とは、働く人の労働時間と休む権利を、法律で決まった最低基準を下回らない形で管理することだ、と言い換えてもいいでしょう。
この講座では、その地図を4枚に分けてお渡しします。終えると、次の4つができるようになります。労務管理が扱う範囲となぜ最低ルールが法律で決まっているのかを説明できること、労働時間・休憩・休日の基本的な考え方を説明できること、時間外労働(残業)と割増・上限の考え方を説明できること、そして年次有給休暇の付与・取得の基本ルールを部下の質問に答える形で説明できることです。覚えて帰る型は、「原則の上限を知る → 例外(残業)には取り決め・割増・上限がつく → 有給は権利として扱う」。本講座では、初めて部下を持ったあなたが、ある部下(仮にAさんとします)の勤怠——残業が続く週や、有給を続けて取りたいという申請——をルールに照らして説明・判断する場面を、全章を通して追いかけます。
ひとつだけ先にレーンをお伝えします。本講座は労働時間と休暇の「基本ルールの仕組み」を説明できることに絞ります。残業時間を実際の残業代・割増賃金の金額に直す計算は給与計算入門、ハラスメントの線引きや対応はハラスメント防止入門、法令を守る体制づくりはコンプライアンス入門、長時間労働を抑える健康面の施策は健康経営入門が、それぞれの正本です。本講座はそこには踏み込みません。
この講座のポイント
- 労務管理が扱う範囲(労働時間・休憩・休日・休暇)と、なぜ最低限のルールが法律で決まっているのかを、自分の言葉で説明できる。
- 法定労働時間・休憩・休日の基本的な考え方を、自分の言葉で説明できる。
- 時間外労働と割増の基本的な考え方、そして上限規制が存在することを説明できる。
- 年次有給休暇の付与・取得の基本ルールを、部下の質問に答える形で説明できる。
労務管理とは何か——守る側の地図を持つ
この章のゴール
労務管理が扱う範囲(労働時間・休憩・休日・休暇)と、なぜ最低限のルールが法律で決まっているのかを、自分の言葉で説明できる。
労務管理は「働く時間」と「休む権利」を最低ルールに沿って管理すること
労務管理という言葉は固く聞こえますが、日々あなたが部下Aさんの勤怠で見ているものを思い浮かべると、扱う範囲はそれほど広くありません。中心になるのは、労働時間・休憩・休日・休暇の4つです。実際、会社の就業規則に必ず書かなければならない事項(絶対的必要記載事項)の中にも、「始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇」が挙げられています(出典:栃木労働局「就業規則の作成・変更・届出の義務」)。つまり、働く時間をどう区切り、どう休ませるか——この4領域を最低ルールに沿って管理することが、労務管理の土台なのです。
なぜ「最低ルール」という言い方をするのか。それは、働く時間や休む権利には、立場の弱い働く側を守り、働きすぎを防ぐために、法律(労働基準法)が最低限の基準を定めているからです。会社が独自にルールを決められる部分は確かにありますが、その独自ルールも法律の基準を土台にしなければなりません。
法律の最低基準 → 就業規則 → 個別の運用、という3層で考える
労務管理は、3つの層が重なっていると考えると整理しやすくなります。一番下に、誰に対しても下回れない「法律の最低基準」があります。その上に、会社ごとのルールである「就業規則」が乗ります。さらにその上に、Aさんの今日の勤怠をどう承認するかという「個別の運用」があります。
ここで大事なのは、層の上下関係です。就業規則は、労働基準法などの関係法令に反してはいけないとされています(出典:栃木労働局・同上)。言い換えると、会社のルールは法律が定める最低ラインを下回ることはできない、という関係です。だから、あなたが勤怠を承認するときに迷ったら、「これは会社が自由に決めていいことなのか、それとも法律で最低ラインが決まっていることなのか」をまず切り分ければよいのです。ちなみに、就業規則そのものは、常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成して労働基準監督署長に届け出る義務があります(出典:栃木労働局・同上)。
具体的に考えてみましょう。Aさんの勤怠を見ていると、「始業を何時にするか」「休憩を何時に回すか」「有給の申請をどの書式で出させるか」といった、会社の裁量で決めてよいことが並んでいます。その一方で、「1日に何時間まで働かせてよいか」「休憩を何分与えるか」「有給を何日付与するか」といった、最低ラインが法律で決まっていることも混在しています。両者が同じ勤怠表の上に並んでいるからこそ、あなたが地図を持っていないと、どこまでが自由でどこからが守るべき一線なのかが見えなくなります。この章で持ち帰ってほしいのは、その境目を意識する目です。
「会社のルール」と「法律の最低基準」を混同するつまずき
つまずきやすいのは2つです。1つは、「うちの会社のルール」と「法律で決まった最低基準」を混同してしまうこと。たとえば休憩の取らせ方や有給の扱いを、すべて会社の裁量で決められると思い込むと、知らないうちに法律の最低ラインを割ってしまうことがあります。もう1つは、すべてを暗記しようとして全体像を見失うことです。労務管理に必要なのは、細かい条文の丸暗記ではなく、「ここは原則どおり、ここは確認が要る」と切り分けられる地図です。なお、ルールを守る体制づくりそのものを設計したい場合は、コンプライアンス入門が正本です。本講座は、まず労働時間と休暇の基本ルールを地図として持つところに絞ります。
この章の確認(演習)
自分の職場の勤怠まわりについて、「会社が自由に決めていること」と「法律で最低ラインが決まっていそうなこと」を、それぞれ1つずつ挙げて区別してみてください。たとえば「始業時刻を何時にするか」は会社が決めること、「1日8時間を超えて働かせるとき何が要るか」は法律が関わること、というように。そのうえで、迷ったときにどちらに当たるかを自分の言葉で説明してみましょう。
労働時間のルール——働く時間の上限と休憩・休日
この章のゴール
法定労働時間・休憩・休日の基本的な考え方を、自分の言葉で説明できる。
働く時間には「原則これを超えさせてはいけない」上限がある
最初の地図は、労働時間の上限です。労働基準法では、労働時間は原則として1日8時間、1週間40時間を超えて労働させてはならないと定められています(出典:厚生労働省「労働時間・休憩・休日関係」/審議会資料)。これを法定労働時間と呼びます。これを超える労働が、いわゆる残業(法定時間外労働)です。
ここで混同しやすいのが、所定労働時間と法定労働時間の違いです。所定労働時間は会社が決めた働く時間、法定労働時間は法律が定めた上限です。たとえば会社が所定労働時間を1日7時間と決めていれば、7時間が会社のルール上の基準になりますが、法律の上限はあくまで8時間です。この差は、Aさんの残業を見るときに効いてきます。所定の7時間を超えて8時間まで働いた1時間は、会社のルール上は「定時を超えた時間」ですが、法律の上限である8時間には収まっています。一方、8時間を超えた分は、法律の上限を超える「法定時間外労働」になります。残業が「法律の上限を超えているか」を見るときは、会社の所定時間ではなく、法定労働時間を物差しにする——この物差しの取り違えが、よくあるつまずきです。なお、一定の条件を満たすと、一定期間を平均して1週40時間に収める変形労働時間制などの弾力的な制度もありますが(出典:厚生労働省・同Q&A)、本講座ではまず「原則の上限がある」ことを押さえれば十分です。
一定時間を超えて働くなら休憩を与える義務がある
次の地図は休憩です。労働基準法第34条では、労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、勤務時間の途中で与えなければならないとされています(出典:厚生労働省「休憩時間は法律で決まっていますか」)。ポイントは、休憩は労働者が労働から離れられる時間でなければならないことです。たとえば昼休み中に電話番や来客対応をしていれば、それは休憩ではなく労働時間とみなされ、別に休憩を与え直す必要があります(出典:厚生労働省・同Q&A)。残業が続くAさんの週を見るときも、「休憩が形だけになっていないか」は確認すべき観点です。
週に最低限の休日を与える義務がある
3つ目の地図は休日です。使用者は労働者に、毎週少なくとも1回、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません(出典:厚生労働省「時間外労働の上限について」/時間外労働の上限規制パンフレット)。これを法定休日といい、曜日は問いません。労働時間の上限、休憩、休日——この3つは、ばらばらのルールに見えて、「働きすぎを防ぎ、働く人の心身を守る」という1つの目的でつながっています。
つまずきやすいのは、「残業は本人が同意すれば青天井でOK」という思い込みです。実際には、原則の上限を超えるには別の手続きが必要で、それは次の章で扱います。まずは、原則の上限・休憩・休日という3つの土台を、Aさんの勤怠に当てて「ここは原則どおり、ここは確認が要る」と見分けられるようにしましょう。
この章の確認(演習)
Aさん(または自社の誰か)の、ある1週間の勤怠(例)を思い浮かべてください。そのうえで、①1日の労働時間は原則の8時間に対してどうか、②休憩は労働時間に応じて取れているか、③その週に休日は確保されているか、の3点を、「ここは原則どおり」「ここは確認が要る」に仕分けしてみましょう。仕分けた理由を、法定労働時間・休憩・休日の言葉で1文ずつ説明できれば合格です。
時間外労働と割増の考え方——残業をルールで語る
この章のゴール
時間外労働と割増の基本的な考え方、そして上限規制が存在することを説明できる。
原則の上限を超えて働いてもらうには「取り決め」が要る
前の章で、労働時間には原則1日8時間・1週40時間という上限があると確認しました。では、その上限を超えて働いてもらうにはどうするか。ここで登場するのが取り決めです。法定労働時間を超えて、または法定休日に労働させるには、従業員の過半数を代表する者(過半数組合または過半数代表者)と労使協定を結び、労働基準監督署長に届け出る必要があります。この協定は労働基準法第36条に規定されているため、「36協定(サブロク協定)」と呼ばれます。届け出てその範囲内で働かせるのであれば、法律違反には問われません(出典:厚生労働省「時間外労働の上限について」)。
つまり残業は、「原則ダメ。ただし取り決めをすれば、その枠内で例外的に認められる」という構造です。Aさんの残業を見るときも、まず「そもそも会社に36協定という取り決めがあり、その枠内に収まっているか」が最初の観点になります。逆に言えば、取り決めがないのに法定労働時間を超えて働かせれば、それ自体が原則のルールを外れた状態だということです。「本人が残業したいと言っているから」という理由だけでは、この取り決めの代わりにはなりません。例外を認めるための入口に、必ず取り決めと届出がある——この順番を押さえておきましょう。
超えた分には通常より高い賃金(割増)を払う考え方がある
例外として残業してもらう以上、対価の考え方も変わります。使用者は、時間外または深夜(午後10時から午前5時まで)に労働させた場合、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません(出典:厚生労働省・審議会資料)。残業した時間には、通常より高い賃金がつく——これが割増の基本的な考え方です。
ただし、ここから先の「実際にいくら払うか」という金額計算は、本講座の射程外です。管理職に必要なのは、「この時間は割増の対象になりそうか」を見分ける目までで、休日労働や深夜が重なったときの率の組み合わせや、具体的な金額の計算は、給与計算入門が正本です。残業時間を実際の残業代・割増賃金の金額に直したくなったら、そちらへ進んでください。本講座では、「例外には割増という対価がつく」という仕組みを押さえれば十分です。
「いくらでも残業させていい」わけではない——上限規制がある
例外には条件がつくだけでなく、上限もあります。時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。たとえ特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも、時間外労働は年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満かつ2〜6か月平均で80時間以内、そして月45時間を超えられるのは年6回までと定められています(出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」)。この上限規制は、大企業では2019年4月、中小企業では1年猶予されて2020年4月から適用されています(出典:同上)。
ここから分かるのは、「本人が望めば上限なく残業できる」という理解は誤りだということです。残業には、取り決め(36協定)・割増・上限という3つの条件がつく。だから管理職は、Aさんの残業を見たときに「取り決めの枠内か」「割増の対象になる時間か」「上限に近づいていないか」を確認できればよいのです。金額の計算や、業種ごとの細かな特例まで覚える必要はありません。
この章の確認(演習)
Aさんの残業ケース(例)を1つ取り上げ、①会社の取り決め(36協定)の枠内に収まっているか、②割増の対象になる時間か、③月45時間などの上限に近づいていないか、の3観点で口頭説明する練習をしてみましょう。金額の計算には踏み込まず、「ここは枠内」「ここは確認が要る」と切り分けられれば十分です。確認が要ると判断した点は、就業規則や専門家に当たる、という締めくくりまでセットにしてください。
年次有給休暇のルール——休む権利を正しく説明する
この章のゴール
年次有給休暇の付与・取得の基本ルールを、部下の質問に答える形で説明できる。
年次有給休暇は「恩恵」ではなく法律上の「休む権利」
最後の地図は、休む権利——年次有給休暇です。ここで最初に押さえたいのは、有給は会社が温情で与える恩恵ではなく、要件を満たした働く人に法律上与えられる権利だということです。労働基準法では、雇入れの日から6か月間継続して勤務し、その6か月間の全労働日の8割以上を出勤した労働者には、原則として10日の年次有給休暇を与えなければならないとされています(出典:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」/「年次有給休暇」確かめよう労働条件)。その後は勤続年数に応じて日数が加算されていきます(上限あり)。Aさんから「自分は有給を何日もらえますか」と聞かれたら、まずこの「6か月・8割出勤で初回10日」という付与の考え方が出発点になります。
なお、所定労働日数が少ないパート・アルバイトの方でも、一定の要件を満たせば有給は発生し、所定労働日数に応じて比例付与されます(出典:同上)。「パートだから有給はない」というのは誤解です。
取得は原則として本人が希望する時季に
付与の次は取得です。年次有給休暇は、働く人の心身のリフレッシュを目的として、原則として労働者が請求する時季に与えることとされています(出典:厚生労働省・同わかりやすい解説)。つまり、いつ取るかを決めるのは、原則として働く本人です。Aさんの「来月、有給を続けて取りたい」という相談も、本来は本人が希望する時季に取れるのが原則だ、という前提で受け止めるのが出発点になります。だからこそ、有給を「会社が与える恩恵」と捉えて取得を渋るのは、ルールの考え方と逆向きです。
会社には「年5日は確実に取らせる」義務もある
近年の論点として、会社側の義務も押さえておきましょう。2019年4月から、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、使用者は年5日について時季を指定して確実に取得させることが義務付けられました(出典:厚生労働省・同わかりやすい解説)。つまり、有給は「本人が希望すれば取れる」だけでなく、「会社が放っておかず、最低でも年5日は確実に取らせる」ところまで踏み込んだルールになっています。有給は取らせて当たり前、というスタンスで運用するのが、いまの基本姿勢です。
つまずきやすいのは、付与日数や要件を就業規則で確認せずに、口頭の記憶だけで部下に答えてしまうことです。たとえば「Aさんはあと何日残っているか」「半日や時間単位で取れるか」「いつまでに使わないと消えるか」といった個別の論点は、会社の制度設計や記録によって変わります。だからこそ、基本ルール(恩恵でなく権利・6か月8割で初回10日・原則は本人が希望する時季・年5日は確実取得)は地図として頭に持ちつつ、Aさん個人の正確な残日数や、勤続年数に応じた付与日数の細かい表は、就業規則や年休管理の記録で確認する——この切り分けができれば十分です。「いまの基本ルールはこうです、あなたの正確な残日数だけ記録で確認しますね」と答えられれば、部下からの信頼は十分に得られます。長時間労働を抑え、休みを取りやすい職場をつくる健康面の施策まで踏み込みたい場合は、健康経営入門が正本です。
この章の確認(演習)
Aさんの「来月、有給を続けて取りたい」という相談(例)に対して、付与の考え方(6か月・8割出勤で初回10日、勤続で加算、パートも比例付与)と、取得の考え方(原則は本人が希望する時季に取れる)を使って、1〜2分の口頭回答を作ってみましょう。そのうえで、「就業規則や年休の記録で確認すべき点」を1つ挙げ、自分で即答する部分と確認に回す部分を切り分けてください。
まとめ
労務管理とは、働く人の「労働時間」と「休む権利」を、法律で決まった最低基準を下回らない形で管理することです。地図は4枚でした。労働時間には原則1日8時間・1週40時間の上限があり、労働時間に応じた休憩と週の休日を与える義務がある。原則の上限を超える残業には、取り決め(36協定)・割増・上限という3つの条件がつく。そして有給は恩恵ではなく権利で、原則は本人が希望する時季に取れ、会社には年5日を確実に取らせる義務がある。覚えて帰る型は、「原則の上限を知る → 例外(残業)には取り決め・割増・上限がつく → 有給は権利として扱う」です。
管理職に必要なのは、細かい計算や条文の丸暗記ではなく、「この勤怠は原則どおりか、確認が要るか」を根拠で説明できることでした。次に部下から「有給」「残業」の質問が来たら、本講座の基本ルールでまず口頭説明し、Aさん個人の確定数値だけ就業規則や記録で確認する——この切り分けを、明日から一歩として試してみてください。さらに進んで、残業時間を実際の給与・残業代の金額に直すステップへ踏み出したい方は、給与計算入門が次のステップです。
本講座の特典として、労働時間・休憩・休日・有給のチェック観点を1枚にまとめた「労務の基本ルール早わかりシート」をご用意しています。勤怠の承認で迷ったときに「原則どおりか/確認が要るか」を切り分けるための入手案内は、無料会員登録からどうぞ。
よくある質問
労務管理ではまず何を覚えればいいですか
労働時間・休憩・休日・休暇の4領域と、「会社のルールは法律の最低基準を下回れない」という関係です。細かい計算より、原則どおりか確認が要るかを切り分ける地図を先に持ちます。
残業はどこまでさせてよいのですか
原則は月45時間・年360時間が上限で、特別な事情があっても年720時間などの上限を超えられません。まず36協定の取り決めがあるか、その枠内かを確認します(出典:厚生労働省)。
有給は何日もらえて、いつ取れますか
6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤すると原則10日付与され、以後は勤続で加算されます。取得は原則として本人が希望する時季です。正確な残日数は就業規則や記録で確認します。
残業代の金額はこの講座で計算できますか
いいえ。本講座は「割増の対象になるか」を見分けるところまでです。実際の残業代・割増賃金の金額計算は給与計算入門で扱います。