グラフは全部入れたのに、「結局どこを見ればいいのか分からない」と言われる。きれいに作ったつもりが、見る人によって読み取る結論が違う。定例のたびに作り直していて時間ばかりかかる——数字をまとめて見せる画面を任されると、多くの人がこの壁にぶつかります。一目で判断できるダッシュボードの作り方は、グラフの数や見栄えではなく、作る前に決める「設計の手順」で決まります。散らかってしまう原因は、集計の精度でもツールの選び方でもなく、「何のための画面か」を決めずにグラフを並べ始めてしまうことにあります。
ダッシュボードとは、複数の数字を1画面にまとめ、見た人が一目で状況を把握してすぐ動けるようにした画面です(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards: Making Charts and Graphs Easier to Understand」)。本講座は、この「決まった数字を、判断できる1画面にどう見せるか」という見せ方の設計だけに絞ります。そもそも並べる指標(KPI)そのものをどう決めるかはKPIの設計が、手元の数字を集計して傾向を出す進め方はデータ分析の進め方が、余白や揃えといった1枚資料の汎用デザイン原則は資料デザインの基本が、それぞれ正本です。本講座はそこには踏み込みません。
この講座を終えると、次の3つができるようになります。ダッシュボードを「グラフを並べた画面」ではなく「誰が・何を・どの頻度で判断するための画面か」という目的から逆算して作るものとして説明できること、1つの目的に対し判断に効く指標を絞り込み、それぞれを何で見せるかを決められること、そして絞った指標を視線が自然に流れる順で配置し、色と基準で一目で判断できる画面に仕上げられることです。覚えて帰る型は「目的を1文で決める → 指標を絞る → 最重要を起点に置く順で配置する → 色と基準で即読みに仕上げる」。本講座では、営業チームの週次状況を上司が定例前に確認するダッシュボード(例)を題材に、バラバラなグラフだらけの既存版を一目で判断できる1画面に作り直す、という場面を全章で追いかけます。
この講座のポイント
- ダッシュボードを「グラフを並べた画面」ではなく、「誰が・何を・どの頻度で判断するための定点観測の画面か」という目的から逆算して作るものとして、自分の言葉で説明できる。
- 1つの目的に対し、判断に効く指標を絞り込み、それぞれを何で見せるか(現在値・推移・比較・割合のどれか)を決められる。
- 絞った指標を、最重要を起点に視線が自然に流れる順でレイアウトできる。
- 色と比較基準を使って状況の良し悪しを即読みできる形に整え、毎回同じ構成で更新できる画面に仕上げられる。
目的から逆算するダッシュボードの作り方——「グラフを並べた画面」ではない
この章のゴール
ダッシュボードを「グラフを並べた画面」ではなく、「誰が・何を・どの頻度で判断するための定点観測の画面か」という目的から逆算して作るものとして、自分の言葉で説明できる。
ダッシュボードは一度きりの分析レポートではなく「定点観測」の画面
ダッシュボードは、定期的に更新される情報を、見る人が繰り返しモニターするための道具です(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards…」)。ここが、一度作って終わりの分析レポートとの決定的な違いです。レポートは「この四半期に何が起きたか」を深く掘り下げて一度きりで提出しますが、ダッシュボードは毎回同じ構成のまま中身だけを更新し、「今どうなっているか」「先週と比べてどう変わったか」を繰り返し見るためにあります。
Nielsen Norman Group は、ダッシュボードを自動車のダッシュボードにたとえています。運転手は速度計や燃料計を、考え込むことなく一目で読み取って「スピードを出しすぎていないか」「ガソリンが切れそうではないか」を判断します。データのダッシュボードも同じで、複雑なデータを広く探索するための画面ではなく、最小限の操作と頭の負担で素早く読み取るための画面だと位置づけられています(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards…」)。言い換えれば、ダッシュボードが担う仕事はただ一つ、「重要な情報を伝えること」に絞られています。
作る前に「誰が・何を・どの頻度で判断するか」を1文で決める
だからこそ、グラフを置き始める前に決めるべきことがあります。「誰が・何を・どの頻度で判断する画面か」です。共通例で考えましょう。営業チームの週次ダッシュボード(例)なら、目的を「上司が・今週の進み具合が目標に足りているかを・週に1回判断する画面」と1文で定めます。この1文が、後で「何を載せ、何を載せないか」を決めるときの判断基準になります。
同じ営業のデータでも、目的が変われば載せる中身は変わります。Nielsen Norman Group は、ダッシュボードを大きく「運用ダッシュボード」と「分析ダッシュボード」に分け、サーバーの稼働状況や手術中のバイタルのように即座の対応を迫られる時間に敏感な画面が前者、1日1回更新される営業の売上ダッシュボードのように、即時の緊急対応ではなく変化を把握してのちの分析につなげる画面が後者だと説明しています(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards…」)。本講座の共通例は、まさにこの分析ダッシュボードの典型です。上司が週1回見て進み具合を判断する画面と、経営層が月1回見る画面とでは、見る人も頻度も判断したいことも違うので、載せる指標もおのずと変わります。だから、まず目的の1文を固めることが出発点になります。
見やすさは飾りではなく「判断にかかる時間の短さ」で測る
ここで、「見やすい画面」の意味をはっきりさせておきます。見やすさとは、色がきれいだとかグラフが凝っているということではありません。Nielsen Norman Group の定義に立てば、ダッシュボードの良し悪しは「一目で・素早く・頭を使わずに必要な答えにたどり着けるか」で決まります(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards…」)。つまり、見やすさは飾りではなく、見た人が判断にかかる時間の短さで測るものだと考えてください。
ここでのつまずきは2つあります。1つは、目的を決めずに「とりあえず手元のグラフを全部載せる」こと。何を判断する画面か決まっていないので、要るものと要らないものを区別できず、画面が散らかります。もう1つは、一度きりのレポートと定点観測の画面を混同して、毎回レイアウトを作り変えてしまうことです。構成が毎回変わると、見る人は毎回読み方を覚え直すことになり、過去との比較もできなくなります。「目的を1文で決める」だけで、この2つのつまずきの大半は防げます。なお、そもそもどの指標を判断材料に選ぶかという指標そのものの設計は、本講座の範囲を超えます。指標の良し悪しを見分けたい場合はKPIの設計へ進んでください。
この章の確認(演習)
自分が関わる数字を1つ選び、「誰が・何を・どの頻度で判断するための画面か」を1文で書いてください。たとえば「上司が・今週の受注の進み具合が目標に足りているかを・週に1回判断する画面」のように、主語(誰が)・判断対象(何を)・頻度(どの頻度で)の3つを必ず入れます。書けたら、その1文を声に出して読み、「この画面はこの判断のためにある」と言い切れるかを確認しましょう。
載せる指標を絞り込む——増やさず、判断に効くものだけ
この章のゴール
1つの目的に対し、判断に効く指標を絞り込み、それぞれを何で見せるか(現在値・推移・比較・割合のどれか)を決められる。
散らかる最大の原因は「指標の入れすぎ」
目的の1文が決まったら、次は載せる指標を絞ります。画面が散らかる最大の原因は、指標の入れすぎだからです。Nielsen Norman Group は、複雑な画面ほど見る人が目当ての情報を探す「視覚的な探索」に手間取ると指摘し、重要な情報を目立たせるための有効な方法として「不要なグラフィックやアイコンを取り除くこと」を挙げています。装飾や余計な要素を削ると、残ったデータが際立つというのです(出典:Nielsen Norman Group「8 Design Guidelines for Complex Applications」)。同じことは指標そのものにも当てはまります。「あれば便利」を足すほど主役の数字が埋もれ、見る人は毎回どこを見ればいいか探すことになります。
絞り込みの基準はシンプルです。「それを見て、次の行動が変わるか」で取捨します。Nielsen Norman Group が掲げる原則は、見る人が重要な情報を見つけて行動できるよう、重要な要素を周囲から目立たせること(出典:Nielsen Norman Group「8 Design Guidelines for Complex Applications」)。裏を返せば、見ても何も判断が変わらない数字は、その画面には要らないということです。共通例の週次ダッシュボード(例)なら、候補の指標を一通り洗い出したうえで、「目標達成率」「受注件数」「商談数」のように、見れば上司が次に何をするか決められるものに絞ります。「先週も同じだった豆知識的なグラフ」は、判断を変えないので外します。一般に、1つの目的に対して載せる指標は3〜5個程度(例)に抑えると主役が立ちますが、大事なのは数の正解を当てることより、「行動が変わるか」で1つずつ判断することです。
各指標を「何で見せるか」は見たい問いから選ぶ
絞り込んだら、各指標を「何で見せるか」を決めます。ここは、見たい問いから逆に選ぶのがコツです。総務省統計局「なるほど統計学園」は、目的に応じたグラフの使い分けを次のように整理しています。量の大小を比べたいなら棒グラフ、増えているか減っているかという変化の方向を見たいなら折れ線グラフ、全体の中での構成比を見たいなら円グラフ、構成比どうしを比べたいなら帯グラフです(出典:総務省統計局「なるほど統計学園 グラフの種類」)。
これをダッシュボードに当てはめると、見せ方は「見たい問い」で決まります。「今いくつか」を知りたいだけの指標は、無理にグラフにせず大きな数値1つで見せれば十分です。「どう動いているか(変化の方向)」を見たいなら折れ線で推移を、「内訳はどうか(構成比)」を見たいなら円グラフや帯グラフを、「どれが大きいか(量の比較)」を見たいなら棒グラフを選びます。共通例なら、目標達成率は「今いくつか」なので大きな数値1つで、受注件数の動きは「変化の方向」なので折れ線で推移を見せる、というように、指標ごとに見たい問いとグラフを対応させます。ここでのつまずきは、見たい問いと合わないグラフを選ぶこと、たとえば構成比を知りたいのに推移の折れ線を出してしまうことです。問いから選べば、こうしたミスマッチは避けられます。
なお、この章で扱うのはあくまで「決まった指標を何で見せるか」までです。その指標が数値で測れるか・期限があるか・行動につながるかといった指標そのものの良し悪しの見分け方はKPIの設計が、手元の数字を集計して傾向を出す進め方はデータ分析の進め方が正本なので、踏み込みたい場合はそちらへ進んでください。
この章の確認(演習)
第1章で定めた目的に対して、載せる指標を3〜5個程度に絞ってください。絞るときは1つずつ「これを見て、次の行動が変わるか」を自問し、変わらないものは外します。残した指標それぞれについて、「現在値(数値1つ)/推移(折れ線)/割合(円・帯)/比較(棒)」のどれで見せるかを、「何を知りたいか」という問いとセットで書き出しましょう。
配置で“見る順”を作る——視線の流れと優先順位
この章のゴール
絞った指標を、最重要を起点に視線が自然に流れる順でレイアウトできる。
同じ指標でも「置く位置」で伝わり方が変わる
載せる指標と見せ方が決まったら、次は配置です。同じ指標でも、画面のどこに置くかで伝わり方が変わります。鍵になるのは、人が画面を見るときの視線の動きです。Nielsen Norman Group のアイトラッキング(視線追跡)研究によると、手がかりのない画面で人はおおむね「F字型」に視線を動かします。まず上部を横方向に読み、次に少し下で前より短く横方向に読み、最後に左側を縦方向にたどる、という3つの動きです(出典:Nielsen Norman Group「F-Shaped Pattern of Reading on the Web」)。左から右に読む読み方では、上と左にある情報ほど読まれ、右や下にある情報は読み飛ばされやすくなります。
ここで注意したいのは、このF字型は「望ましい読み方」ではないということです。Nielsen Norman Group は、F字型は視線を導く手がかりが無いときに、見る人が最小限の労力で生じてしまうデフォルトの動きであり、ユーザーにとってもビジネスにとっても好ましくないと述べています。なぜなら、ただ右側にあるというだけで重要な情報が読み飛ばされてしまうからです。そして、優先順位をつけて適切にフォーマットすれば、見てほしいものへ視線を導くことができ、F字型の悪影響は減らせるとしています(出典:Nielsen Norman Group「F-Shaped Pattern of Reading on the Web」)。つまり、放っておくと視線は左上に偏るのだから、その性質を逆手にとって、一番判断に効く指標を視線が最初に落ちる起点(左から右に読むなら左上)に置く、という設計をすればよいのです。
一番効く指標を起点に置き、関連する指標を近くにまとめる
配置の原則は2つです。1つ目は、最重要の指標を起点に置くこと。共通例なら、上司が真っ先に知りたい「目標達成率」を左上の起点に大きく置きます。2つ目は、関連する指標を近くにまとめることです。Nielsen Norman Group は、色や形は量を正確に伝えるのは苦手でも、どれが同じグループに属するかというカテゴリを伝えるのに有効で、空間的な近さ(近接)も意味的なまとまりを示すと説明しています(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards…」)。だから、達成率の裏づけになる「受注件数」「商談数」は達成率のすぐ近くにまとめて置けば、見る人は「次にどこを見ればよいか」を自然にたどれます。参考程度の情報は、視線が最後に届く端へ寄せます。
大きさと位置で優先順位を表現する
全部の指標を同じ大きさ・同じ強さで並べると、どれが主役か分からなくなります。ここで効くのが、人の知覚の特性です。Nielsen Norman Group によれば、長さ・面積・位置・色といった一部の視覚的な属性は、意識を向けなくても素早く知覚され、たとえば同じ大きさの線が並ぶ中で1本だけ長い線は、探さなくても「ぱっと目に飛び込んで」きます(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards…」)。これを配置に使えば、最重要の指標を大きく・起点に置くだけで、それが自然と目立ちます。逆に、データが揃った順や作った順に上から均等サイズで並べると、この効果が使えず主役が埋もれます。大きさと位置で優先順位を表現する——これが、見る順を設計するということです。
なお、ここで扱うのはダッシュボード固有の「どの指標を、どこに、どの大きさで置くか」という配置の設計です。1枚あたりの余白・揃え・強調といった汎用的なデザイン原則は資料デザインの基本が正本なので、そちらと合わせて使うと仕上がりが安定します。
この章の確認(演習)
第2章で絞った指標を使って、見る順を設計したレイアウト案を1つ作ってください(手書きの枠で構いません)。最重要の指標を、左から右に読むなら左上の起点に、大きく置きます。その裏づけになる関連指標をすぐ近くにまとめ、参考情報は端へ寄せます。できたら、バラバラに並んだ既存版(例)と並べて、「最初にどこを見るか」がどう変わったかを言葉にしてみましょう。
迷わせない仕上げ——色・基準・更新で“定点観測”にする
この章のゴール
色と比較基準を使って状況の良し悪しを即読みできる形に整え、毎回同じ構成で更新できる画面に仕上げられる。
色は「意味」で使い、色だけに頼らない
配置まで決まったら、最後の仕上げです。仕上げの役割は、「見れば分かる」を「見た瞬間に判断できる」に変えることです。まず色から。色は装飾ではなく、意味を表す道具として使います。Nielsen Norman Group は、色はどれが同じグループかというカテゴリ情報を伝えるのに有効だと述べています(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards…」)。これを応用して、「良い/注意/悪い」といった状態を、一貫した少数の色で表します。意味のないカラフルさは、かえって読み手を迷わせます。
ここで気をつけたいのが、色だけに頼らないことです。色の見え方には多様性があり、色の組み合わせによっては見分けにくい人がいます。カラーユニバーサルデザインのガイドラインでは、赤と緑と茶、青と紫などは混同されやすいとされ、色だけでなく「形の違い」「線種や塗り分けパターンの違い」を併用し、明るい色と暗い色で明度差(コントラスト)をはっきり付けることが原則として挙げられています。グラフの線は色を変えるだけでなく実線・点線・破線を使い分け、凡例も色だけでなく形で区別し、文字や記号も併用するとよい、とされています(出典:川崎市「カラーUDガイドライン」)。大切なのは、これは「色を使うな」という話ではないということです。カラーユニバーサルデザインの考え方は色の使用を禁じるものではなく、概念を理解して色を上手に使うことを求めるものです(出典:川崎市「カラーUDガイドライン」)。見分けやすい色の組み合わせは、カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)などが推奨配色セットとして公開しているので、迷ったら参照するとよいでしょう(出典:NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構)。色そのものの使い方や配色の基礎をさらに学びたい場合は資料デザインの基本へ進んでください。
数値には「比べる基準」を添える
色で良し悪しを伝えるには、その前に「何と比べて良いのか・悪いのか」がはっきりしている必要があります。数値だけを置いても、それが良い数字なのか悪い数字なのかは判断できません。そもそもKPIダッシュボードは、KPIに対する「実績」、つまり目標(ターゲット)に対してどれだけ達成しているかを一目で示すツールです(出典:Microsoft Power BI「KPI ダッシュボードとは」)。だから、各指標には比べる相手を添えます。たとえば目標達成率には目標線を引き、達成していれば良色、未達なら注意色に統一すれば、見た瞬間に状況が読めます。比べる相手は、目標のほか前期や前年など、その指標の「良し悪し」が分かる相手を選びます(具体的な目標値や前年比の数値は、共通例の数値(例)として扱います。個社や時期で変わるためです)。
毎回同じレイアウト・同じ定義で更新して「定点観測」にする
最後に、この画面を「定点観測」にする仕上げです。第1章で触れたとおり、ダッシュボードは定期的に更新される情報を繰り返しモニターするための画面でした(出典:Nielsen Norman Group「Dashboards…」)。これが成り立つのは、毎回同じレイアウト・同じ指標の定義で更新したときだけです。構成や定義を毎回変えてしまうと、過去と比べられず、変化を追うという目的そのものが崩れます。共通例なら、タイトルに「いつ時点のデータか」を明記し、来週も同じ枠の中身だけを差し替えれば済む形にしておきます。あわせて、「ここを最初に見て、赤ければこの内訳を掘る」という見る順のメモを画面に添えておくと、上司が代わっても同じ読み方で判断できます。ここまで来て初めて、誰が見ても説明なしで一目で状況を判断できる定点観測の画面になります。
この章の確認(演習)
第3章で作ったレイアウト案に、3つの仕上げを加えてください。1つ目は「色の意味」——良い/注意を表す色を決め、色だけに頼らず記号やラベルも併用します。2つ目は「比較基準」——各指標に、目標・前期・前年など比べる相手を添えます。3つ目は「データの時点表示」——タイトルに「いつ時点か」を明記します。仕上げたら、「来週、中身だけ差し替えればそのまま使えるか」を自己チェックしましょう。
まとめ
ダッシュボードは、グラフを並べる画面ではなく、「誰が・何を判断するか」から逆算して作る定点観測の画面です。良し悪しは見た目の派手さではなく、見た人が判断にかかる時間の短さで決まります。だから、足すのではなく絞り、並べ、整えます。覚えて帰る型は「目的を1文で決める → 判断に効く指標を絞る → 最重要を起点に視線が流れる順で配置する → 色と基準で即読みに仕上げ、毎回同じ構成で更新する」の4ステップです。足すほど見えなくなる。絞って、並べて、一目で判断できる画面にする——これが本講座の背骨です。
明日の一歩として、今ある散らかったダッシュボード(または新規)で、まず「誰が・何を・どの頻度で判断する画面か」を1文書き、指標を3〜5個程度に絞り直してみてください。それだけで画面はぐっと読みやすくなります。さらに進んで、並べる指標そのものを設計し直したい方はKPIの設計へ、数字の集計・分析から見直したい方はデータ分析の進め方へ進むのが次のステップです。
本講座の特典として、「目的を1文/指標を3〜5個/配置の見る順/色の意味と比較基準」を順に埋めるだけで、散らからないダッシュボードの骨格が固まる「ダッシュボード設計チェックシート」をご用意しています。チェックシートの入手案内と、データの見せ方・伝え方に役立つ実務情報のお届けは、メルマガ登録からどうぞ。
よくある質問
ダッシュボードと分析レポートはどう違うのですか
レポートは一度きりで深く掘り下げる資料、ダッシュボードは毎回同じ構成で更新し変化を繰り返しモニターする画面です。定点観測が目的なので、構成は固定して使います。
載せる指標はいくつまでに絞ればよいですか
数の正解より「見て次の行動が変わるか」で取捨するのが基本です。目安として3〜5個程度に抑えると主役が立ちますが、行動を変えない指標は数に関係なく外します。
一番大事な指標はどこに置けばよいですか
左から右に読む読み方では、視線がまず左上に落ちます。最重要の指標を左上の起点に大きく置き、関連指標を近くにまとめると、見る順が自然に決まります。
色はどう使えば見やすくなりますか
色は装飾でなく良い/注意などの意味で使い、少数に絞ります。色だけに頼らず記号やラベル、明度差を併用すると、色の見え方が異なる人にも伝わります。