カスタマージャーニー入門|顧客の購買行動を1枚に図解する作り方 | マナビズ

カスタマージャーニー入門|顧客の購買行動を1枚に図解する作り方

カスタマージャーニー入門|顧客の購買行動を1枚に図解する作り方

広告も出している、SNSも更新している、メルマガも送っている。施策は一通り打っているのに、いざ「うちのお客さんって、どこで知って、何で迷って、最後は何で決めているんですか」と聞かれると、言葉に詰まってしまう。多くのマーケ担当がこの“見えなさ”を抱えています。その正体は、施策を一つひとつ「点」で見ていて、顧客の側に立った「流れ」で見ていないことです。広告は広告、SNSはSNS、メルマガはメルマガと別々に動いていて、1人のお客さんの頭の中でそれらがどうつながっているかが見えていない。だから、どこに手を打てば効くのかも判断できないのです。

カスタマージャーニーとは、この施策を「点」で見るのをやめて、顧客が知る→迷う→決める→使い続けるまでの行動と気持ちの“流れ”を、1枚の図にまとめて見えるようにすることです。目的は、きれいな矢印の図を描くこと自体ではありません。流れにしてみて初めて見える、手を打つべき「弱い段階」を1つ見つけることです。

この講座を終えると、次の3つができるようになります。1つ目は、カスタマージャーニーとは何かを、購買段階(認知→興味→比較→購入→継続)に分けて自分の言葉で説明できること。2つ目は、1つのサービスについて、各段階の「行動・気持ち・接点」を1枚のマップに図解できること(これが到達目標の核です)。3つ目は、そのマップから離脱や接点不足が起きている段階を見つけ、次に手を打つべき1段階を挙げられることです。覚えて帰る型は「段階に分ける → 行動・気持ち・接点を埋める → 弱い段階を1つ見つける」。本講座では、あるオンライン学習サービスを、初めて知った1人の人が申し込んで使い続けるまでの流れを共通例として、全章で追いかけます。

本講座が答えるのは「カスタマージャーニーとは何か/どう図解するか/どう読み解くか」だけです。マーケティングの全体像(誰に・どんな価値を・どう届けるか)はマーケティングの基礎が、ターゲットを誰に絞るかの決め方はSTP分析入門が、それぞれの正本です。本講座はそこには深入りせず、顧客の行動の“流れ”を図解することに絞ります。

この講座のポイント

  • カスタマージャーニーとは何かを、購買段階(認知→興味→比較→購入→継続)に分けて、自分の言葉で説明できる。
  • ジャーニーマップの骨組み(横軸=購買段階、縦軸=何を書くか)を、自分で引ける。
  • 1つのサービスについて、各段階の行動・気持ち・接点を埋めたジャーニーマップを、1枚に図解できる。
  • 完成したマップから、離脱や接点不足が起きていそうな段階を見つけ出し、次に手を打つべき1段階を挙げられる。

カスタマージャーニーとは何か——顧客の行動を「点」でなく「流れ」で見る

この章のゴール

カスタマージャーニーとは何かを、購買段階(認知→興味→比較→購入→継続)に分けて、自分の言葉で説明できる。

カスタマージャーニーは顧客の体験を時系列で可視化したもの

まず言葉の意味を押さえます。カスタマージャーニー(マップ)とは、ユーザーが製品やサービスを利用する一連の体験を可視化し、その思考や行動を分析するための手法です(出典:J-Net21「カスタマージャーニーマップによる価値提案の描き方」)。ポイントは「一連の体験を時系列で」見るところ。広告で知った瞬間、口コミを調べている時、申し込みボタンを押す直前、使い始めて数週間たった頃——こうした場面を別々の点としてではなく、1人の顧客がたどる1本の流れとしてつなげて見る。それがカスタマージャーニーです。

共通例で具体的にたどってみましょう。あるオンライン学習サービスを、Aさんという1人の社会人が使い始めるまでの流れです。SNSで偶然そのサービスの投稿を見かける(知る)。「ちょっと気になるな」と公式サイトを開いてみる(気になる)。他社の似たサービスと料金や内容を見比べ、口コミも調べる(迷う・調べる)。納得して申し込む(決める)。そして毎週ログインして使い続ける(使い続ける)。この一連の流れ全体が、Aさんのカスタマージャーニーです。

「点」で見る視点と、顧客の側から「流れ」で見る視点

ここで大事なのが視点の置き場所です。施策を打つ側、つまり企業の視点でいると、どうしても「広告をどう打つか」「SNSで何を投稿するか」と、自社がすることを点で考えがちになります。カスタマージャーニーはその逆で、観察によって顧客の思考・行動を理解し、顧客の側から体験を描く考え方です(出典:J-Net21「カスタマージャーニーマップ…」)。

この「企業視点から顧客視点へ」という捉え直しは、マーケティングの世界では古くから重視されてきました。たとえば売り手目線に偏りがちな「4P」という枠組みを、買い手・顧客の視点から捉え直したのが「4C」だと整理されています(出典:J-Net21「マンガでわかる『マーケティングの4P』」)。カスタマージャーニーも同じ発想で、「自社がしてほしいこと」ではなく「顧客が実際にすること・感じること」を起点に流れを描きます。マーケティング全体の中でこの顧客視点がどこに位置づくかをもっと知りたい場合は、マーケティングの基礎で全体像を押さえてください。

購買段階は「これが唯一の正解」ではない——代表的なモデルを手がかりに

顧客の流れを段階に分けるとき、手がかりになるのが購買行動モデルです。インターネットが普及する前は、AIDMA(A:注意、I:関心、D:欲求、M:記憶、A:行動)という購入プロセスが広く知られていました(出典:総務省 平成23年版情報通信白書「購買行動の変化」)。インターネットが普及した後は、注意(Attention)→関心(Interest)→検索(Search)→比較(Comparison)→検討(Examination)→行動=購入(Action)→共有(Share)という流れ、いわゆるAISCEASが一般化したとされています(出典:総務省 平成23年版情報通信白書「購買プロセスの変化」)。同白書では、テレビで見て気になったシャツを検索し、他ブランドと比較し、店員の評判も聞いて検討してから購入し、最後に同僚に話して共有する、という具体例が紹介されています。

注意したいのは、段階の数や名前に「これが唯一の正解」はないということです。商材や目的によって切り方は変わります。本講座では、学習サービスを使い続けるところまでを追いたいので、最後を「共有」ではなく「継続」に置いて、(例)認知→興味→比較→購入→継続という5段階で進めます。AIDMAやAISCEASは、あくまで段階に分けて考えるための代表的なモデルの一例として参考にしてください。提唱者や年号を覚える必要はありません。大切なのは、インターネットが普及して「検索」や「比較」という顧客の能動的な動きが流れの中に入ってきた、という事実です。顧客はもう、企業が一方的に流す情報を受け取るだけの存在ではなく、自分で調べ、見比べて決めています。だからこそ、その動きを流れとして捉える必要があるのです。

なぜマーケ担当に「流れ」で見る視点が必要か

ここまで読んで、「段階に分けるのは分かったが、わざわざ図にする意味は」と感じたかもしれません。理由は、施策が“点”のままだと、どの段階に手を打てば効くのかを判断できないからです。たとえば申込数が伸び悩んでいるとき、点で見ていると「とりあえず広告を増やそう」「SNSの投稿を増やそう」と、手前の認知段階ばかりに手を打ちがちです。けれど本当の弱点が比較段階(他社と見比べて迷い、決めきれない)にあったなら、認知をいくら増やしても、迷っている人が増えるだけで申込にはつながりません。流れにして見ると、どの段階で顧客が止まっているかが見え、限られた予算と時間を効く段階に向けられます。これが、マーケ担当が点ではなく流れで見るべき理由です。

つまずきやすい2つの入り方

ここでつまずきやすいのが2つあります。1つは「カスタマージャーニー=かっこいい矢印の図」と、形から入ってしまうこと。図はあくまで道具で、目的は弱い段階を見つけることです。もう1つは、段階を会社都合で切ってしまうこと。「自社の販促ステップ」(広告を出す→キャンペーンを打つ→申込フォームへ誘導)を並べても、それは企業視点であって、顧客視点の流れにはなりません。顧客が実際にどう動き、何を感じるかで段階を切る——ここを外さないようにしましょう。

この章の確認(演習)

あなた自身が最近、“顧客として”何かを買った経験を1つ思い出してください。たとえばサブスクのサービス、家電、講座などです。それを知ってから、迷い、決めるまでの自分の行動を、3〜5段階で書き出してみましょう。「広告で知った→口コミを調べた→他社と比べた→申し込んだ」のように、自分が実際にした行動の言葉で書くのがコツです。

マップの骨組みをつくる——横軸=購買段階、縦軸=行動・気持ち・接点

この章のゴール

ジャーニーマップの骨組み(横軸=購買段階、縦軸=何を書くか)を、自分で引ける。

マップは「横軸×縦軸」の1枚の表で考える

第1章で「流れを1枚にする」と言いました。その1枚の中身が、ジャーニーマップです。難しく考える必要はありません。横軸に購買段階を時系列で並べ、縦軸に各段階で見たいことを書き込んだ、1枚の表だと考えてください。カスタマージャーニーマップは、顧客の一連の体験を可視化し、思考・行動を分析する手法でしたから(出典:J-Net21「カスタマージャーニーマップ…」)、表の形にして「いつ・何を・どう感じ・どこで」を一覧できるようにするわけです。

縦軸には欲張らず、まずは次の3行から始めるのをおすすめします。本講座が薦める最小構成(例)です。

認知興味比較購入継続
行動(顧客がすること)
気持ち(感じること)
接点(顧客が触れる場所)

「接点」とは、顧客が触れる場所のことです。白書では、購入前の情報収集の場として、ウェブ検索サイト、企業のウェブサイト、口コミサイト、SNS・ブログ・個人のサイト等が挙げられています(出典:総務省 平成29年版情報通信白書「直接効果と間接効果」)。販促の場としても、新聞・テレビ・雑誌の広告、ホームページ、SNS、キャンペーンなどがあります(出典:J-Net21「マンガでわかる『マーケティングの4P』」)。これらはすべて接点です。商品を実際に手に取って評価する「店頭」も接点の一つです(出典:総務省 平成20年版情報通信白書「認知・情報収集・選択肢評価」)。

まず対象を1つのサービス・1人の顧客に絞る

骨組みを引く前に、対象を絞ります。「全顧客の流れ」を1枚に描こうとすると、人によって行動も気持ちもバラバラで、表が発散して埋まりません。カスタマージャーニーは、観察によって顧客の思考・行動を理解するアプローチですから(出典:J-Net21「カスタマージャーニーマップ…」)、観察できる対象、つまり1つのサービス・1人の顧客像にまず絞ります。共通例なら「あのオンライン学習サービスを、社会人のAさんが使う」という1サービス・1人に固定します。なお、その「1人」を誰に設定するか、どんな顧客像を選ぶかの決め方は本講座では深入りしません。ターゲットの絞り方そのものはSTP分析入門が正本です。

まず1マスだけ書いて感覚をつかむ

空の表ができたら、いきなり全部を埋めようとせず、まず1マスだけ書いてみましょう。共通例の「比較」段階の3行を埋めてみます。行動=他社サービスと料金や内容を見比べる。気持ち=損したくない、失敗したくない。接点=比較サイト・口コミ。これだけでも、「比較段階のAさんは、損を避けたくて口コミを頼りにしている」という顧客の姿が立ち上がってきます。1マス埋まれば、残りも同じ要領で進められます。

つまずきやすいのは、縦軸を最初から増やしすぎることです。「課題」「期待」「KPI」などを足したくなりますが、行が多いほど埋まらず止まります。まずは行動・気持ち・接点の3行から。物足りなくなってから足せば十分です。

この章の確認(演習)

自社、または身近なサービスを1つ選んでください。そのサービスについて、横軸に購買段階(認知→興味→比較→購入→継続など、3〜5段階でかまいません)を並べ、縦軸に「行動・気持ち・接点」の3行を引いた“空のマップ”を1枚作ります。中身はまだ埋めなくて大丈夫です。この章では「空の骨組みを引けた」状態がゴールです。

各段階の行動・気持ち・接点を書き込む——マップを図解する

この章のゴール

1つのサービスについて、各段階の行動・気持ち・接点を埋めたジャーニーマップを、1枚に図解できる。

「自社がしてほしいこと」ではなく「顧客が実際にすること」で埋める

いよいよ中身を埋めます。ここが到達目標の核、マップを1枚完成させる工程です。埋めるときの大原則は、顧客視点を崩さないこと。マーケティングで大切なのは顧客ニーズの把握であり、自社が売りたい商品ではなく、顧客が求めるものを見つけることが中心だと整理されています(出典:J-Net21「マンガでわかる『マーケティングの4P』」)。マップも同じで、「自社が顧客にしてほしいこと」ではなく「顧客が実際にすること・感じること」を書きます。

埋め方の手順はシンプルです。各段階について、(1)顧客が「すること」を動詞で書く、(2)そのとき抱く「気持ち」を一言で書く、(3)触れる「接点」を具体名で書く、(4)顧客視点になっているか(自社都合の言葉が混じっていないか)を見直す、の4ステップです。実際、顧客は段階ごとに違う行動をとります。検索して情報を集め、製品を比較し、検討してから購入する——白書もこうした検索・比較・検討という具体行動を段階ごとに描いています(出典:総務省 平成23年版情報通信白書「購買プロセスの変化」)。情報収集には、企業のウェブサイトやショッピングサイト、口コミサイト等が使われます(出典:総務省 平成20年版情報通信白書「認知・情報収集・選択肢評価」)。

共通例の空マップを最後まで埋める

第2章で引いた空マップを、共通例のオンライン学習サービスで最後まで埋めると、たとえば次のようになります(中身は説明用の例です)。

認知興味比較購入継続
行動SNSで偶然投稿を見る公式サイトを開いて眺める他社と料金・内容を見比べ、口コミを読む申し込み手続きをする毎週ログインして使う
気持ちふーん、程度ちょっと気になる損したくない・失敗したくないこれで合っているか少し不安続けられるか不安
接点SNS投稿公式サイト比較サイト・口コミ申込フォームアプリ・サポート

1枚にすると、Aさんの心の動きが見えてきます。最初は「ふーん」だった気持ちが、比較段階では「損したくない」という不安に変わり、購入後も「続けられるか」という別の不安が残っている。点で施策を見ていた時には見えなかった、顧客の感情の起伏がひと目で分かります。

気持ちは「不安・迷い」で具体化し、接点に施策名を書かない

埋めるときのつまずきが2つあります。1つは、気持ちの行が「便利」「満足」のような曖昧語になること。これでは後で読み解く材料になりません。「何に不安か」「何に迷うか」で具体化します。たとえば比較段階なら「便利そう」ではなく「他社より高くないか不安」と書く。もう1つは、接点の行に施策名を書いてしまうこと。「リスティング広告を強化」などと書くと、それは企業がすること=施策であって、顧客が触れる場所ではありません。接点は、検索サイト・口コミサイト・SNS・店頭・アプリのように、顧客が触れる“場所”で書きます。なお、こうして洗い出した接点で得た顧客の情報を、どう記録して次の打ち手に活かすかはCRM入門が正本です。本講座はマップを描くところまでに絞ります。

この章の確認(演習)

第2章で引いた空のマップを、行動・気持ち・接点の3行すべて埋めて、1枚完成させてください。気持ちの行は「便利」「満足」で済ませず、「何に不安か・何に迷うか」まで書き込みます。接点の行には、施策名ではなく顧客が触れる場所を書きます。3行が全段階で埋まれば、このマップが次の章の読み解きの材料になります。

マップから「次に手を打つ段階」を見つける——読み解いて使う

この章のゴール

完成したマップから、離脱や接点不足が起きていそうな段階を見つけ出し、次に手を打つべき1段階を挙げられる。

マップは描いて終わりではなく「弱い段階を見つける道具」

マップは完成させて満足するためのものではありません。流れにしたからこそ見える「弱い段階」を見つけ、そこに手を打つための道具です。では、どこを「弱い」と読むのか。本講座では、次の3つの観点でマップを読み解くことをおすすめします。1つ目は、気持ちの行がマイナスに振れている段階(不安・面倒・迷いが強いところ)。2つ目は、接点の行が空白、または薄い段階(顧客が触れる場所が用意できていないところ)。3つ目は、段階と段階のつなぎ目で顧客が脱落していそうな箇所です。これらは事実の断定ではなく、マップを見るときの着眼点だと考えてください。

この読み解きには手がかりがあります。総務省の白書は、購買プロセスの中でも特に「検索」「比較・検討」「共有」の段階でインターネットによる変化が大きいと指摘しています(出典:総務省 平成23年版情報通信白書「購買プロセスの変化」)。つまり、比較・検討の段階は顧客が手間をかけて慎重に動く重い段階になりやすい。実際、白書の調査では、高額で購入頻度の少ない商品ほど「いつも情報収集する」「いつも比較している」という人が多い傾向が示されています(出典:総務省 平成20年版情報通信白書「認知・情報収集・選択肢評価」)。学習サービスのように、ある程度の金額と継続を伴う商材なら、比較・検討の段階が重くなりやすい、と当たりをつけられます。

段階ごとに、合う接点は違う

もう一つの手がかりが、接点には特性があるということです。白書は、テレビや新聞などのマスメディアは認知拡大に適している一方、ウェブサイトは理解促進に有効だと整理しています(出典:総務省 平成20年版情報通信白書「認知・情報収集・選択肢評価」)。これをマップの読み解きに使うと、「認知段階なのに、認知を広げる接点が薄い」「比較・検討段階なのに、理解を深める情報が用意されていない」といった、段階と接点のミスマッチが見えてきます。どの段階が弱いかは、気持ち・接点・段階の重さを合わせて読みます。

弱い段階は1つだけ選ぶ

共通例の完成マップを読み解いてみましょう。比較段階を見ると、気持ちは「損したくない」と強い不安に振れているのに、接点は「比較サイト・口コミ」任せで、自社からの情報がほとんど用意されていません。気持ちがマイナスで、かつ接点が薄い——この2つが重なる比較段階が、このマップでは弱い段階だと読めます。ここで「まず比較段階の不安を解く」と、次に手を打つ方向(段階)を1つに決めます。

なぜ1つに絞るのか。それは、弱い段階を1つに決めることで、次の行動が具体的になるからです。「比較段階の不安を解く」と決まれば、「他社との違いが分かる比較表を用意する」「実際に使った人の声を見せる」といった次の一手の方向が自然に見えてきます。逆に「全段階を良くしよう」と広げると、結局どこから手をつけるか決まらず、施策はまた点に戻ってしまいます。マップを描く目的は、この「1点に絞る」を可能にすることだと言ってもいいでしょう。

つまずきは2つです。1つは、弱い段階をいくつも同時に直そうとして力が散ること。まずは1つだけに絞ります。もう1つは、そもそも気持ちの行を埋めていなくて、読み解く材料がないこと。気持ちが空欄だと、どの段階が不安に振れているかが分からず、弱い段階を見つけようがありません。その場合は第3章に戻って気持ちを埋め直しましょう。なお、選んだ段階が「継続」だった場合、つまり使い続けてもらうための実務(オンボーディングや解約防止)は本講座の射程外です。継続段階の打ち手はカスタマーサクセス入門が正本なので、そちらへ進んでください。本講座では、具体的な施策の良し悪しや効果の数値には踏み込まず、「どの段階に手を打つか」を見つけるところまでを扱います。

この章の確認(演習)

第3章で完成させたマップを読み、手を打つべき段階を1つだけ選んでください。選び方は、(1)気持ちがマイナスの段階に印をつける、(2)接点が空白・薄い段階に印をつける、(3)段階のつなぎ目で脱落しそうな箇所を見る、の3観点です。最も効きそうな1段階を選んだら、「なぜその段階か」を1〜2文で書いてください。

まとめ

カスタマージャーニーとは、施策を「点」で見るのをやめて、顧客が知る→迷う→決める→使い続けるまでの行動と気持ちの“流れ”を1枚に図解することです。守りたいのは、きれいな図を描くことではなく、手を打つべき弱い段階を見つけること。覚えて帰る型は「段階に分ける → 行動・気持ち・接点を埋める → 弱い段階を1つ見つける」の3ステップです。横軸に購買段階を並べ、縦軸に行動・気持ち・接点の3行を引き、顧客視点で埋めて、気持ちと接点を手がかりに弱い段階を1つ選ぶ。これだけで、点ではつながらなかった顧客の姿と、次に動くべき場所が見えてきます。

明日の一歩として、自社のサービスを1つ選び、購買段階×行動・気持ち・接点のマップを1枚描いてみてください。そして弱い段階を1つ指して、「ここに手を打つべきだと思う、理由はこうだ」と同僚に説明してみる。それがカスタマージャーニーの最初の実務です。さらに進んで、マップで見えた接点を顧客の情報として記録し、次の打ち手の判断に活かす考え方はCRM入門へ進むのが次のステップです。

本講座の特典として、横軸(購買段階)×縦軸3行(行動・気持ち・接点)の空シートと記入例をセットにした「ジャーニーマップ作成テンプレート」をご用意しています。テンプレートの入手案内と、顧客理解やマーケティングに役立つ実務情報のお届けは、メルマガ登録からどうぞ。

よくある質問

カスタマージャーニーとカスタマージャーニーマップは違うものですか

カスタマージャーニーは顧客が知って買って使い続けるまでの行動と気持ちの流れそのもの、マップはその流れを横軸×縦軸で可視化した1枚の図です。図にして初めて弱い段階が見えます。

購買段階はいくつに分ければよいですか

決まった正解はありません。商材や目的で変わります。本講座は学習サービスを例に認知→興味→比較→購入→継続の5段階を使いますが、まずは3〜5段階で自社に合う切り方から始めれば十分です。

マップの縦軸は何を書けばよいですか

まずは行動・気持ち・接点の3行から始めます。行動は顧客がすることを動詞で、気持ちは不安や迷いを具体的に、接点は顧客が触れる場所を具体名で書きます。物足りなければ後から足します。

マップを描いたあと、何をすればよいですか

弱い段階を1つ見つけます。気持ちがマイナスの段階、接点が空白・薄い段階、つなぎ目で脱落しそうな箇所の3観点で読み、最も効きそうな1段階に絞って手を打つ方向を決めます。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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