「この商品、いくらで作れているんですか?」——そう聞かれて、すぐに材料費を答える方は多いと思います。ですが、その数字に、作業した人の時間や、工房の電気代・家賃は入っているでしょうか。原価を材料費だけで考えてしまうと、本当はかかっているお金を数え落とし、原価を実際より小さく見積もってしまいます。「赤字じゃないはずなのに、なぜか手元にお金が残らない」——その一因は、原価を一部しか数えていないことにあるかもしれません。
原価計算とは、製品やサービスにかかったお金を3つの箱(材料費・労務費・経費)に集め、共通でかかる費用を基準で割り付けて、1単位あたりに積み上げる作業です。覚えて帰っていただきたいのは、「集めて・割り付けて・積み上げる」という順番です。本講座は、この「製品1単位の原価を作る」ことだけに絞ります。出した原価から粗利(売上から売上原価を引いた儲け)を計算する話は粗利の基本(kouza-022-gross-profit)が、原価を含む会計全体の地図は管理会計入門(kouza-133-management-accounting)が正本です。原価を値段に使う値決めは kouza-024-pricing-basic、いくら売れば黒字かという損益分岐点は kouza-023-break-even-point が扱うので、本講座ではそれぞれの計算各論には踏み込みません。
この講座を終えると、次の3つができるようになります。原価が材料費・労務費・経費の3つの積み上げであることと、直接費と間接費の違いを説明できること。共通でかかる費用(間接費)を生産量などの基準で各製品に割り付け、その計算式を書き出せること。そして、1つの製品について3要素を集計して1単位あたりの原価を計算できることです。本講座では、ある小さな工房(例)が作る製品A(例:手作りの焼き菓子1箱)の原価を題材に、第1章で対象を決め、第2章で直接ひもづく費用を集計し、第3章で共通費用を割り付け、第4章で1箱あたりの原価を確定する、という1本の流れで進めます。なお、計算に出てくる金額はすべて説明用の架空の数値(例)で、全章で同じ数字を使います。
この講座のポイント
- 原価が材料費・労務費・経費の3つの積み上げであることを説明でき、原価計算が必要になる場面を挙げられる。
- 直接費と間接費(共通でかかる費用)の違いを説明でき、製品にひもづく費用を集計できる。
- 共通でかかる費用(間接費)を生産量などの基準で各製品に割り付け、その計算式を書き出せる。
- 材料費・労務費・経費を集計し、共通費用を割り付けたうえで、製品1単位あたりの原価を計算できる。
原価とは何か——3要素と、原価計算が必要になる場面
この章のゴール
原価が材料費・労務費・経費の3つの積み上げであることを説明でき、原価計算が必要になる場面を挙げられる。
原価は「材料・人・その他」にかかったお金の積み上げ
原価とは、製品やサービスを顧客に提供するまでにかかる費用のことです。その費用を構成する要素として、材料費・労務費・経費の3つがあります(出典:J-Net21「第1回 原価とは」)。この3つを、ここでは「材料の箱・人の箱・その他の箱」と呼んで考えていきます。
材料費は、製品をつくるための原材料や包装材料などにかかったお金です(出典:J-Net21「第1回 原価とは」)。共通例の工房(例)の製品A(焼き菓子1箱)なら、小麦粉や砂糖、卵、そして箱や包装が材料費にあたります。
労務費は人件費のことですが、製造原価に入る労務費は「人件費のうち工場で製造に関わる人の分」だけです。営業担当の人件費は販売費、総務や経理の人件費は一般管理費となり、原価には入りません(出典:J-Net21「第5回 労務費の考え方」)。製造に関わる人の分には、賃金のほか、パートやアルバイトの雑給、賞与手当、退職給付費用、社会保険の会社負担分である法定福利費などが含まれます(出典:J-Net21「第5回 労務費の考え方」)。工房の例で言えば、焼き菓子を作る人の作業時間にかかる人件費が労務費です。
経費は、材料費・労務費を除いたすべての費用です(出典:J-Net21「第1回 原価とは」)。外注加工費や設計料、工場の建設・設備に関する減価償却費や賃借料、燃料費・電力料、水道光熱費などが該当します(出典:J-Net21「第6回 経費となるもの」)。工房なら、オーブンの電気代や工房の家賃が経費です。ここで注意したいのは、同じ費目でも所属で扱いが変わる点です。たとえば旅費・交通費は、営業担当が使えば販売費、工場の技術者が使えば製造原価になります(出典:J-Net21「第6回 経費となるもの」)。
製造原価は「作るのにかかった費用」をそろえること
3つの箱を意識すると、原価とは「作るのにかかった費用の集合」だと見えてきます。本講座が組み立てるのは、この製品を作るのにかかった費用、すなわち製造原価です。製造原価は作るモノによって材料も工程も違うため、求め方も製品ごとに変わります(出典:J-Net21「第1回 原価とは」)。だからこそ、思いつきで数えるのではなく、3要素の箱に漏れなく入れてから計算する、という順番が効いてきます。なお、出した製造原価を売上から差し引いて利益(粗利)を見る計算は粗利の基本(kouza-022-gross-profit)が正本なので、本講座は製造原価を正確に作るところに集中し、売上原価や粗利の計算式そのものには踏み込みません。
材料費は「仕入れた分」ではなく「使った分」で数える
材料費でつまずきやすいのが、「仕入れた材料の代金=製品の材料費」と考えてしまうことです。仕入れた材料がすべてその製品に使われるとは限りません。原則は「使用した分だけを材料費とする」ことで、計算式は「材料費=消費数量×消費単価」です(出典:J-Net21「第4回 材料費の計算方法」)。まとめ買いで安く仕入れた月でも、原価に乗るのは実際に使った分だけ、と覚えておきましょう。
原価計算が必要になるのはどんな場面か
原価とひとことで言っても、作るモノによって材料も製造工程も違うため、製造原価の求め方も変わります。だからこそ、費用を適正に把握し、「どのような費用を、どのように集計し、どのように計算するか」という決まった手順で計算する必要があるのです(出典:J-Net21「第1回 原価とは」)。原価が必要になるのは、たとえば「この商品はちゃんと利益が出ているのか」と問われたとき、「値段を見直すべきか」を考えるとき、「どの製品に力を入れるか」を決めるときです。いずれも、まず1単位の原価が分かっていないと判断できません。たとえば共通例の工房で、製品Aと別の製品のどちらに力を入れるかを決めたいとき、勘で答えるのではなく、それぞれ1箱あたりの原価が分かっていれば、売価との差でどちらがどれだけ手元に残るかを数字で比べられます。逆に原価があいまいなままだと、「よく売れているのに儲かっていない製品」を見落としかねません。なお、本講座が出すのは製品を作るのにかかった製造原価です。そこから売上原価や粗利を計算する手順は粗利の基本(kouza-022-gross-profit)に譲ります。
ここでのつまずきは、材料費だけを原価だと思い込み、自分や従業員の作業時間(労務費)やその他の費用(経費)を入れ忘れることです。3つの箱がそろって、はじめて原価になります。
この章の確認(演習)
自社の製品・サービスを1つ選び、それにかかっている費用を「材料費・労務費・経費」の3つに仕分けて書き出してください。書き終えたら、3つの箱のどれかが空になっていないか、特に作業した人の時間(労務費)と、電気代・家賃のようなその他の費用(経費)を入れ忘れていないかを見直しましょう。
直接費と間接費を分け、ひもづく費用を集計する
この章のゴール
直接費と間接費(共通でかかる費用)の違いを説明でき、製品にひもづく費用を集計できる。
その製品だけにかかる費用(直接費)と、共通でかかる費用(間接費)
3要素に分けた費用は、もう一つの軸でも分けられます。ある製品をつくるためにかかった原価のうち、直接つかめるものが「直接費」、どれだけかかったかの区分が難しいものが「間接費」です(出典:J-Net21「第3回 製造原価を『直接費』と『間接費』に分類する」)。そして、材料費・労務費・経費はそれぞれ直接費と間接費に分けることができます(出典:J-Net21「第3回」)。
ラーメン屋を例にすると分かりやすいでしょう。麺やスープの材料費、麺をゆでる人の人件費、ゆでる燃料費は、その一杯に直接ひもづくので直接費です。一方、出前の配達の人件費やガソリン代は、どのラーメンにどれだけかかったかを直接はつかめないので間接費になります(出典:J-Net21「第3回」)。工房の製品Aで言えば、1箱分に使った材料や、その箱を焼く作業の時間は直接費、工房全体の電気代や家賃は1箱に直接ひもづかない間接費です。間接費は第3章で割り付けるので、ここではいったん横に置きます。
見分け方のコツは、「その1箱に、いくらかかったかを直接たどれるか」と問うことです。製品Aの生地に使った小麦粉は、レシピと使用量から1箱分をたどれるので直接費です。一方、工房全体の照明や冷暖房の電気代は、製品Aの1箱分だけを取り出すことができません。こうした費用は、いったん全体でまとめておき、後で基準を決めて各製品に割り付けます。迷ったら「直接たどれるなら直接費、たどれないなら間接費」と判断すれば、仕分けで手が止まりにくくなります。
直接ひもづく材料費と作業時間を素直に足す
まずは直接費だけを集計します。手順はシンプルです。費用を「この製品だけにかかったか/複数で共通か」で2つに分け、直接ひもづく材料費を足し、直接ひもづく作業時間に時間単価を掛けて足し、直接費の小計を出します。
労務費の直接費は、もう少し具体的に見ておきましょう。製造現場で働く人を、加工・包装など直接的な作業をする「直接工」と、それ以外の「間接工」に分けます。直接工の作業時間のうち、手待ち時間を除いた直接作業時間に「賃率」(時給のようなもの)を掛けたものが直接労務費です(出典:J-Net21「第5回 労務費の考え方」)。
共通例の製品A(例)で集計してみます。1箱分の直接材料費を(例)300円とします。これは、第1章で見たとおり「使った分」で数えた金額です。次に直接労務費です。直接の作業時間を1箱あたり(例)0.2時間、時間単価をここでは計算をシンプルにするため仮に(例)1,500円と置くと、直接労務費は0.2時間×1,500円=(例)300円になります。したがって、製品A 1箱の直接費の小計は、直接材料費300円+直接労務費300円=(例)600円です。時間単価は本来、直接作業時間に掛ける賃率として別途求めますが、本講座では仮置きの数値として扱い、後で「仮置き」と明示します。
集計のとき、漏れと二重計上を防ぐ
直接費を集計するときのコツは、製品1単位を作る作業を実際に頭の中でたどることです。材料を計量し、生地を混ぜ、焼き、箱に詰める——この一連を思い浮かべながら、使った材料と、その作業にかかった時間を一つずつ書き出すと、入れ忘れが減ります。逆に、工房全体でまとめて払っている家賃や電気代を、ここで1箱に丸ごと乗せてはいけません。それらは複数の製品で共通して使う間接費なので、第3章で基準を決めて割り付けます。直接費の段階では「この製品だけに、はっきりひもづく費用」だけを積む——この線引きを守ることが、後の計算をぶれさせないコツです。
この章の確認(演習)
第1章で選んだ製品について、費用を直接費と間接費に仕分けてください。その製品だけにかかった材料費と、その製品の作業に直接かけた時間×時間単価(仮置きで構いません)を足して、直接費だけの小計を計算します。工房の家賃や共通の電気代のように複数で共通の費用は、間接費として次の章へまわします。つまずきやすいのは、共通でかかる費用まで無理に1製品へ全部乗せてしまうことなので、そこは分けておきましょう。なお、自分の作業時間をコストとして見る発想は kouza-026-cost-awareness でも扱っています。
共通でかかる費用を各製品に割り付ける(配賦)
この章のゴール
共通でかかる費用(間接費)を生産量などの基準で各製品に割り付け、その計算式を書き出せる。
共通費用は「割り付けの基準」で各製品に分ける
間接費は、どの製品にどれだけかかったかを直接把握できない費用です。それでも原価には変わりがないので、なんらかの方法で各製品に配分する必要があります。この割り付けを配賦(はいふ)と呼びます(出典:J-Net21「第3回」)。製品別に原価を計算するには、この間接費の按分が欠かせません(出典:J-Net21「最終回 原価計算の手順」)。
割り付けには基準が必要です。これをコストドライバー(間接費按分基準)と呼びます。たとえば、間接材料費は製品の生産数量、間接労務費は直接作業時間、間接経費は外注加工費の請求比率を基準にして按分します(出典:J-Net21「最終回 原価計算の手順」)。大事なのは、基準を一つ選び、「なぜその基準にしたか」を自分の言葉で言えることです。基準が変われば、各製品に乗る金額も変わるからです。
共通費用÷基準の総量=1単位あたりの共通費用
割り付けの手順はこうです。まず共通でかかる費用を一つにまとめます。次に割り付けの基準(生産個数や作業時間など)を一つ選びます。そして「共通費用÷基準の総量=1単位あたりの共通費用」を計算し、それを製品1単位に乗せます。
共通例で計算してみましょう。工房のひと月の共通費用(電気代・家賃などの合計)を(例)100,000円とします。割り付けの基準を生産個数とし、その月の総生産個数を(例)1,000個(製品Aや他の製品を合わせた数)とします。すると、1個あたりの共通費用は100,000円÷1,000個=(例)100円です。これを製品A 1箱に乗せます。もし基準を作業時間に変えれば、作業時間の長い製品ほど多く負担することになり、配分は変わります。どの基準が自社の実態に合うかを考えて選ぶ、ということです。
間接費は本来、種類ごとに合う基準で割り付ける
共通例では説明をシンプルにするため、共通費用を一つにまとめて生産個数で割りました。ただ、実務ではもう一歩進めて、間接費を種類ごとに分け、それぞれに合う基準で割り付けると精度が上がります。出典の手順では、間接材料費は製品の生産数量、間接労務費は直接作業時間、間接経費は外注加工費の請求比率を基準にしています(出典:J-Net21「最終回 原価計算の手順」)。たとえば、機械を多く使う製品なら電気代は作業時間で、共通材料は使った量で割り付ける、というように、その費用の「増え方」に近い基準を選ぶわけです。最初は共通費用をまとめて1つの基準で割り付ける形から始め、慣れてきたら種類ごとに基準を分ける——そう段階を踏めば十分です。いずれにせよ、選んだ基準と理由をセットで残しておくことが、後で見直すときに効いてきます。
なお、固定費・変動費に分けて「全体でいくら売れば黒字になるか」を出す損益分岐点は、本講座の範囲外です。そちらは損益分岐点(kouza-023-break-even-point)が正本で、原価計算が「製品1単位にいくらか」を出すのに対し、損益分岐点は「全体でいくら売れば黒字か」を出す、と目的が異なります。
この章の確認(演習)
自社の共通でかかる費用を1つ取り上げ(たとえば家賃や共通の電気代)、割り付けの基準を1つ選んでください。そのうえで「共通費用÷基準の総量=1単位あたりいくら乗るか」を計算式の形で書き出します。書けたら、なぜその基準を選んだのかを一言添えましょう。基準を決めずに感覚で割り振ると、後で説明できなくなります。
3要素を合算して1単位あたりの原価を確定する
この章のゴール
材料費・労務費・経費を集計し、共通費用を割り付けたうえで、製品1単位あたりの原価を計算できる。
直接費(第2章)+割り付けた間接費(第3章)=1単位の原価
ここまで来れば、あとは合算するだけです。原価計算の全体の流れは、①材料費・労務費・経費を集計してそれぞれを直接費と間接費に分類し、②基準(コストドライバー)で間接費を各製品に按分し、③直接費と按分した間接費を合計して、生産数量で割り1単位あたりの原価を出す、という3ステップです(出典:J-Net21「最終回 原価計算の手順」)。直接費に間接費を配分した合計が原価になる、という関係がここでも軸になります(出典:J-Net21「第3回」)。
共通例の製品A(例)で確定させましょう。第2章で出した直接費の小計は1箱あたり(例)600円(直接材料費300円+直接労務費300円)でした。第3章で割り付けた共通費用は1箱あたり(例)100円です。したがって、製品A 1箱の原価は、600円+100円=(例)700円となります。最初に材料費だけで考えていたら300円ですが、人の時間とその他の費用、そして共通費用まで積み上げると700円。数え落としていた分が、これだけあったわけです。
この差は、そのまま「気づかない赤字」につながります。仮に製品Aを1箱700円で作っているのに、原価を材料費の300円だと思い込んで値段を決めれば、売れば売るほど人件費や共通費用の分だけ持ち出しになります。「赤字じゃないはずなのに手元にお金が残らない」という冒頭の状態は、こうして生まれます。3つの箱をそろえ、共通費用まで割り付けて積み上げる——この一手間が、見えていなかった原価を見えるようにします。
出した原価は「数えた範囲・割り付け基準・仮置き」とセットで根拠になる
原価の金額は、それ単体では再現できません。「どこまでの費用を数えたか」「どんな基準で共通費用を割り付けたか」「時間単価などを仮に置いたか」を一行添えて、はじめて他の人が確かめられる根拠になります。共通例なら、「製品A 1箱=700円(直接材料費300円+直接労務費300円+共通費用100円、共通費用は生産個数を基準に配賦、時間単価1,500円は仮置き/いずれも例)」と書けば、計算の前提までそろいます。前提を添えておけば、後で時間単価の実額が分かったときや、割り付け基準を見直したときに、どこを直せばよいかがすぐに分かります。原価は一度出して終わりではなく、前提を更新しながら作り直していくものだと考えておきましょう。
つまずきやすいのは、間接費を足し忘れて原価を小さく見積もることと、前提を書かずに金額だけ示して再現できなくすることです。出した原価は、この後の使い道につながります。原価から粗利(売上−売上原価)を計算するのは粗利の基本(kouza-022-gross-profit)、出した原価をもとに値段を決めるのは値決め・価格設定(kouza-024-pricing-basic)が正本です。本講座は、その手前の「1単位の原価を正しく積み上げる」ところまでを担います。
この章の確認(演習)
これまでの章で計算した直接費の小計と、割り付けた共通費用を合算して、対象製品の1単位あたりの原価を出してください。書き方は「計算式+前提1行」です。たとえば「1個=◯◯円(直接材料費△△+直接労務費△△+共通費用△△、基準は◯◯、時間単価は仮置き)」のように、数えた範囲と割り付け基準、仮置きした単価まで添えて書き出しましょう。
まとめ
原価とは、材料にかかったお金・人にかかったお金・その他にかかったお金の積み上げです。直接ひもづく費用(直接費)は素直に集計し、複数の製品に共通でかかる費用(間接費)は基準を選んで各製品に割り付け(配賦し)、両者を合算して1単位あたりの原価を出します。覚えて帰る型は、「3要素を集める → 直接費と間接費に分ける → 共通費用を基準で割り付ける → 合算して1単位あたりにする」。原価は、集めて・割り付けて・積み上げるものです。そして出した金額は、数えた範囲・割り付け基準・仮置きした前提とセットで、はじめて根拠になります。
明日の一歩として、自社の製品・サービスを1つ選び、3要素を集計し、共通費用を基準で割り付けて、1単位あたりの原価を計算式で書き出してみてください。一度この手順を通せば、「この商品、いくらで作れているのか」に根拠を持って答えられるようになります。次のステップとして、出した原価から粗利を計算するなら粗利の基本(kouza-022-gross-profit)、原価を値決めに使うなら値決め・価格設定(kouza-024-pricing-basic)、原価計算を含む会計全体の地図をつかむなら管理会計入門(kouza-133-management-accounting)へ進みましょう。
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よくある質問
原価は材料費だけではないのですか
違います。原価は材料費・労務費・経費の3つの積み上げです。作業した人の人件費や、電気代・家賃などのその他の費用まで含めて、はじめて1単位の原価になります。
直接費と間接費は何が違うのですか
その製品にどれだけかかったかを直接つかめるのが直接費、直接はつかめず区分が難しいのが間接費です。間接費は基準を選んで各製品に割り付けて原価に含めます。
配賦の基準はどう選べばよいのですか
費用の性質に合う基準を選びます。たとえば生産数量や直接作業時間などです。大切なのは基準を一つ決め、なぜその基準にしたかを説明できるようにしておくことです。
出した原価はどう使えばよいのですか
利益が出ているかの確認や値決めの土台に使います。粗利の計算は粗利の基本講座、値段の決め方は値決め講座が正本なので、本講座で作った原価をその入力として渡します。
製造原価と売上原価は同じものですか
厳密には別の見方です。本講座が作るのは製品を作るのにかかった製造原価で、それを売上と対応させて利益を見る売上原価・粗利の計算は粗利の基本講座が正本として扱います。