管理会計とは|リーダーが判断に使う固定費・変動費・限界利益の読み方 | マナビズ

管理会計とは|リーダーが判断に使う固定費・変動費・限界利益の読み方

管理会計とは|リーダーが判断に使う固定費・変動費・限界利益の読み方

「うちのチーム、結局のところ儲かっているのか」——月次の数字は上から渡されるのに、その数字を自分の判断には結びつけられない。値引きしていいのか、この案件を受けるべきか、どの仕事を先に回すべきか。毎回、勘と経験で決めてしまう。もしそんな手応えがあるなら、原因は能力ではなく「使っている数字の種類」にあります。

会計には2つの顔があります。ひとつは決算書を作って外部へ報告するための会計(財務会計)。もうひとつは、社内で意思決定するための会計(管理会計)です。渡される数字の多くは前者で、外部報告のために設計されています。だから現場の判断には、そのままでは使いにくいのです。

この講座は「管理会計 とは」何かを、財務会計と対比しながら、リーダー・管理職が日々の判断に数字を使えるようになることを目的に進めます。この60分で、次の3つができる状態を目指します。①管理会計が「社内の意思決定のための数字」であることを、財務会計との違いを挙げて説明できる。②自チームの費用を固定費と変動費に分けられる。③値引き・受注・優先順位といった身近な場面で、数字を根拠に判断を説明できる。

先に住み分けを宣言します。本講座は「判断に数字を使う」管理会計の地図だけを描きます。仕訳や帳簿づけは簿記入門(kouza-132-boki-basic)、会計全般の土台は会計の基本(kouza-020-accounting-basic)、決算書そのものの読み方は財務諸表の読み方(kouza-021-financial-statements)が正本です。本講座はこれらの細かい手順には踏み込みません。代わりに、全章を通じて「あるチームが1件の値引き案件を受けるかどうかを、限界利益と固定費の回収から数字で判断する」という1つの場面を使い回し、判断の型を身につけていきます。

この講座のポイント

  • 管理会計が「社内の意思決定のための数字」であることを、財務会計との違いを挙げて説明できる
  • 自チームの費用を固定費と変動費に分けられる
  • 限界利益と損益分岐点の考え方で、自チームの損益構造を読み取れる
  • 値引き・受注・優先順位といった身近な判断場面で、管理会計の数字を根拠に意思決定を説明できる

管理会計とは何か——財務会計との違いを押さえる

この章のゴール

管理会計が「社内の意思決定のための数字」であることを、財務会計との違いを挙げて説明できるようになります。

会計には外部報告と社内判断の2つの顔がある

「会計」と聞くと、決算書づくりや税務署への報告を思い浮かべる方が多いはずです。それは会計の片方の顔、財務会計です。財務会計とは、一言でいえば「社外の利害関係者向けの会計」です。投資家・銀行・取引先・税務署といった社外の相手に向けて、定められた会計基準にもとづいて決算報告書(財務諸表)を作成し、外部に開示します。そしてこれは、法律によってすべての企業に義務付けられています。

もう片方の顔が、本講座で扱う管理会計です。管理会計とは「社内向けの会計」です。経営者や管理職が、自社の状況把握・経営分析・意思決定・改善施策に役立てるために行います。財務会計と決定的に違うのは、管理会計には法律による制限や決まった会計基準がなく、取り入れるかどうかも企業の任意だという点です。誰かに見せて承認をもらうための数字ではなく、自分たちが決めるための数字なのです。

ルールが決まっている会計と、自由に設計できる会計

この2つは、対比で整理すると一気に見通しが良くなります。利用者・目的・ルール・対象期間の4点で並べてみます。

財務会計の利用者は社外の利害関係者で、会計基準にもとづいて行い、書式は財務諸表として法律で定められ、対象期間は会計期間(1年・半年・四半期)です。過去から現在の実績を、決められた形でまとめるものだと考えてください。

これに対して管理会計の利用者は社内の経営管理者で、内容は企業ごとに任意、書式も任意、対象期間も任意(年・月・週など自由)です。さらに、これからの予算や計画といった未来の情報を扱うことも多いのが特徴です。「この案件を受けたらどうなるか」「来月この値引きをしたら利益はどう動くか」——まだ起きていないことを数字で先読みできるのは、ルールに縛られない管理会計だからこそです。

つまり財務会計が「決められた形で過去を外に報告する数字」なら、管理会計は「自社の目的に合わせて未来を内側で決める数字」です。同じ「会計」でも、向いている方向が正反対なのです。

決算書では見えない数字を、管理会計で作る

ここで共通例のチームに登場してもらいましょう。1つのサービスを提供する小さなチームを思い浮かべてください。財務会計の決算書を見ても、分かるのは会社全体の利益だけです。「このチームは儲かっているのか」「この案件単体では採算が合うのか」は、決算書からは読み取れません。会社全体の数字の中に溶け込んでしまっているからです。

管理会計なら、この溶け込んだ数字を「このチーム単位」「この案件単位」で切り出して見ることができます。書式が自由だからこそ、自分が判断したい単位で数字を組み直せるのです。だから値引き案件の採算も、本講座の後半で見ていくように、案件1件の数字として取り出して判断できます。

ここでつまずきやすいのが2点。ひとつは「会計=経理が作る難しいもの」と身構えてしまうこと。管理会計に必要なのは精密な簿記の知識ではなく、判断に数字を使う感覚です。もうひとつは、財務会計の用語や数字をそのまま社内判断に持ち込んで混乱すること。決算書の利益と、判断に使う利益は、後述するように区切る費用が違います。同じ「利益」でも別物だと割り切ってください。

普段あなたが見ている数字が「外部報告向け(財務会計)」なのか「社内判断向け(管理会計)」なのか。まずこの仕分けの視点を持つことが、管理会計のスタートラインです。

この章の確認(演習)

自チームについて「もっと知りたい数字」を1つ挙げてください(例:この商品単体の儲け、この案件の採算、この値引きで残る利益)。そのうえで、その数字が財務会計の決算書では見えにくく、管理会計でなら見えるようになる理由を、利用者・目的・対象期間のいずれかの違いに触れて1〜2文で説明してください。

費用を固定費と変動費に分ける——コストの見方を変える

この章のゴール

自チームの費用を固定費と変動費に分けられるようになります。

「売上が2倍になったら増えるか」で費用を仕分ける

管理会計の出発点は、費用を「売上に連動するかどうか」で2つに分けることです。勘定科目の名前ではなく、売上との関係性で見るのがポイントです。

ひとつめが変動費です。変動費とは、売上や生産量に比例して増減する費用のこと。代表例は、材料費(原材料費)、仕入高、販売手数料、外注費、荷造運賃などです。理屈のうえでは、売上がゼロなら変動費もゼロになります。売れた分だけ発生する費用、と覚えてください。

ふたつめが固定費です。固定費とは、売上の有無や増減に関わらず、一定期間に継続して発生する費用です。代表例は、基本給・賞与・役員報酬、家賃(賃借料)、減価償却費、福利厚生費、保険料、広告宣伝費など。ここで注意したいのは、「固定費」とは「金額が固定されている費用」という意味ではないということです。売上や生産量に直接比例せず、一定の期間内では比較的安定して発生する費用、という意味です。

仕分けの問いはシンプルです。それぞれの費用について「売上が2倍になったら、この費用も増えるか?」と問う。増えるなら変動費、変わらないなら固定費です。

現場の費用をどちらに置くか

共通例のチームの費用を、この問いで仕分けてみましょう。サービス1件を提供するたびにかかる材料や外注費、販売手数料は、売上が増えれば増えるので変動費です。一方、オフィスの家賃や、毎月決まって発生する基本給は、案件があってもなくてもかかるので固定費です。

実際の手順はこうです。①まず費用を一覧に書き出す。②それぞれに「売上が2倍になったら増えるか?」と問い、増えるなら変動費、変わらないなら固定費に振り分ける。③1件あたりにかかる変動費がいくらか(例:1件あたり〇〇円)を出しておく。この「1件あたりの変動費」が、次章の限界利益を出す材料になります。

曖昧な費用は実態で判断する

ここで最大のつまずきが人件費です。人件費を一律に固定費へ、あるいは一律に変動費へと機械的に振ってしまう人が少なくありません。実態はもっと細かく分かれます。基本給・賞与・役員報酬は固定費です。一方、繁忙期だけ雇う派遣社員・パート・アルバイトの給与は、売上(仕事量)に応じて増えるため変動費になりえます。同じ「人件費」でも、売上に連動するかどうかで置き場所が変わるのです。勘定科目名にとらわれず、実態で判断してください。

そもそも、費用を固定費と変動費に分ける作業(固変分解)に、絶対的な基準はありません。すべての経費をきれいに二分できるわけではないのです。実務では、勘定科目ごとに割り振る勘定科目法(最も多く使われます)や、売上高と総費用の関係から統計的に分ける回帰分析法(最小二乗法)が使われます。固定部分と変動部分が混ざっているような曖昧な費用は、無理にどちらかへ寄せきろうとせず、主たる性質のほうへ寄せておけば、判断に使うには十分です。費用の性質を細かく積み上げて製品・サービス単位の原価を出す詳しい計算は、原価計算(kouza-141-cost-accounting)が正本ですので、踏み込みたくなったらそちらへ進んでください。

完璧な分類を目指す必要はありません。判断に使えるだけのざっくりした仕分けで十分、というのが管理会計の感覚です。

この章の確認(演習)

自チームの主な費用を5つ挙げてください。それぞれに「売上が2倍になったら増えるか?」と問い、増えるものを変動費、変わらないものを固定費に仕分けてください。そのうえで、変動費の合計が「1件あたりおよそいくらか(例:〇〇円)」を書き出してください。人件費が含まれる場合は、固定の部分と売上に連動する部分を分けて考えてみましょう。

限界利益と損益分岐点で損益構造を読む

この章のゴール

限界利益と損益分岐点の考え方で、自チームの損益構造を読み取れるようになります。

売上から変動費を引いた残りが固定費の回収に回る

費用を固定費と変動費に分けられたら、次は損益構造を読む番です。鍵になるのが限界利益です。

限界利益とは、売上高から変動費を引いた残りのことです。式にすると、限界利益=売上高−変動費。商品が1個(1件)売れたとき、その売上と変動費の差額が限界利益です。この限界利益は、固定費の回収に貢献する利益で、販売量に比例して増えていきます。言い換えれば、限界利益は「家賃や給与といった固定費を支払うための元手」です。まずこの元手を稼ぎ、固定費を全部回収しきって、初めて会社に利益が残ります。

限界利益が固定費の合計を超えれば黒字、超えなければ赤字。この一文が、損益構造を読む背骨です。

ここで限界利益を売上で割ったものを限界利益率(=限界利益÷売上高)と呼びます。売上のうち何%が固定費の回収と利益に回るかを示す比率で、これが高い商品・サービスほど、少ない売上で固定費を回収できる「稼ぐ力が強い」ものだといえます。

損益分岐点は黒字転換の売上ライン

限界利益で固定費をちょうど回収しきり、利益がゼロになる点が損益分岐点です。売上高と総費用(固定費+変動費)が等しくなる売上で、ここを1円でも超えて初めて黒字になります。

損益分岐点の売上高は、次の式で求められます。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率

限界利益率は「売上のうち固定費回収に回る割合」でしたから、固定費をその割合で割り戻せば、固定費を回収しきるのに必要な売上が出る、という理屈です。

リーダーにとって実感が湧くのは、これを件数に置き換えたときです。

損益分岐点販売量 = 固定費 ÷ 1件あたりの限界利益

固定費を、1件売るたびに積み上がる限界利益で割れば、「あと何件売れば固定費を回収できるか=黒字になるか」の目安がつかめます。共通例のチームでいえば、(例)1件あたりの限界利益が〇〇円で、月の固定費が△△円なら、「固定費を回収するには月に□□件」というラインが見えます。ここで使う金額・件数はすべて例示です。実際の数字は、第2章で仕分けたあなたのチームの費用に置き換えてください。損益分岐点を図で押さえ、計算の練習まで踏み込みたい場合は損益分岐点(kouza-023-break-even-point)が正本です。

限界利益と粗利の違いに注意する

ここが第1章で予告した「同じ利益でも別物」の正体です。決算書に出てくる粗利(売上総利益)は、売上から売上原価を引いたものです。この売上原価には、製造現場の家賃や職人の給料といった固定費の一部が含まれています。一方、限界利益は売上から変動費だけを引いたもので、固定費は一切含めません。区切る費用が違うのです。

なぜこの違いが大事かというと、「安売りしてでも受注すべきか」「この値引きで利益は残るか」という判断には、粗利ではなく限界利益を使うからです。固定費は受注してもしなくても発生するので、案件単位の判断からはいったん外して考えるのが正しい。次章でこの判断を具体的に扱います。粗利そのものの基礎を固めたい場合は粗利の基本(kouza-022-gross-profit)へ進んでください。

最後に、損益分岐点を「絶対の正解」と思い込まないことです。この考え方(CVP分析と呼ばれます)は、費用と売上の関係を直線的とみなし、固定費・変動費が一定という短期の前提に立っています。さらに、固変分解の仕方しだいで結果が変わります(第2章で見たとおり、分け方に唯一の正解はありません)。だから損益分岐点は「だいたいこのあたりが黒字ライン」という目安であって、前提が変われば動く数字だと心得てください。

この章の確認(演習)

第2章で仕分けた費用を使って、自チームの「1件あたりの限界利益(=1件の売上−1件あたりの変動費)」を計算してください(金額は例で構いません)。次に、月の固定費をその1件あたり限界利益で割り、固定費を回収するのに必要なおよその件数(損益分岐点販売量のイメージ)を書き出してください。

数字を根拠に判断する——値引き・受注・優先順位

この章のゴール

値引き・受注・優先順位といった身近な判断場面で、管理会計の数字を根拠に意思決定を説明できるようになります。

値引き案件は限界利益で判断する

ここまでの数字は、すべてこの章の判断のためにありました。管理会計のゴールは計算そのものではなく、判断です。

共通例のチームに、値引きの相談が来た場面を考えます。「いつもの価格より下げてほしいが、受けてもらえないか」。このとき迷う必要はありません。見るべきは限界利益です。

判断の原則はこうです。値引き後の価格でも限界利益がプラスなら、その案件は固定費の回収に貢献するので、受ける価値があります。なぜなら、固定費は案件を受けても受けなくても発生するからです。値引きしても変動費を上回る分が手元に残るなら、その残りはまるごと固定費の穴埋めに回る。何もしなければゼロだった貢献が、プラスに変わるのです。

逆に、値引き後の限界利益がマイナスになるなら断ります。限界利益がマイナスとは、売れば売るほど現金が流出している危険な状態。営業努力をするほど傷口が深くなるので、この案件は受けてはいけません。

ここで強調したいのは、たとえチーム全体の営業利益が赤字でも、限界利益さえプラスなら、その案件は固定費の一部を肩代わりしているという貢献をしている、という点です。赤字だからと反射的に全部断ってしまうと、固定費の回収先が減り、かえって全体の赤字が拡大しかねません。判断の軸は「全体が黒字か」ではなく「この案件の限界利益はプラスか」です。

受注の優先順位を限界利益で並べ替える

案件が複数あって、すべては手が回らない。どれを優先するか——これも限界利益で答えが出ます。

原則は、限界利益(額・率)の大きい案件、つまり全体の利益への貢献度が高いものに、人や時間といった経営資源を重点的に投入することです。限界利益の大きい仕事を増やせば、会社全体の利益を最大化できます。「売上が大きいから」「お得意様だから」ではなく、「この案件は1件あたり・1時間あたりの限界利益がいくら残るか」で並べ替えるのが、数字を根拠にした優先順位づけです。

判断は前提とセットで示す

数字で判断すると言っても、機械的に計算結果へ従えばよいわけではありません。2つ、心に留めてほしいことがあります。

ひとつは、過去に使ってしまったお金(埋没原価・サンクコスト)を判断に持ち込まないことです。埋没原価とは、すでに支出済みで回収できず、どの選択肢を選んでも変わらない費用のこと。これは意思決定には影響させず、判断から除外します。やっかいなのは、「ここまで投資したのにもったいない」「今さらやめたら批判される」という心理が、合理的な判断を邪魔してくることです。過去への未練は断ち切り、これから先に動く数字だけで比べてください。

もうひとつは、機会費用を意識することです。機会費用とは、ある選択肢を選んだために断念した、もう一方の選択肢なら得られたはずの利益のこと。たとえばこの案件を受けることで、別のもっと限界利益の高い案件を断ることになるなら、その失った利益も判断材料に入れます。「やったこと」だけでなく「やらなかったことで失ったもの」まで見るのが、資源が限られたチームの判断です。

つまずきは2方向に出ます。ひとつは「赤字でも売上が立つから受ける」と感覚で決めてしまうこと(限界利益で必ず確かめる)。もうひとつは逆に、本来は案件単位の判断に関係しないはずの長期固定費まで持ち込んで、過度に保守的になり受けるべき案件まで断ってしまうことです。すべての固定費が常に判断から外せる埋没原価とは限りませんが、少なくとも「受けても受けなくても変わらない費用」は判断に含めない、と切り分けてください。

だからこそ、判断は必ず前提とセットで言語化します。「1件あたり限界利益が(例)〇〇円残り、固定費は受注の有無で変わらないので、この値引き案件は受ける」。そして「ただし変動費が値上がりして限界利益がマイナスになるなら、断りに変わる」と、結論がひっくり返る前提も添える。前提が変われば結論も変わる、を口癖にすると、判断の質が一段上がります。この判断を組織の予算と実績の管理サイクルに乗せて回す進め方は予算管理(kouza-027-budget-management)、設備投資など長期の採算判断はROIの基本(kouza-028-roi-basic)が正本です。

この章の確認(演習)

共通例の値引き案件について、「受ける/断る」のどちらかを、限界利益を根拠に1文で説明してください(例:1件あたり限界利益が〇〇円残り、固定費は受注の有無で変わらないので受ける)。そのうえで、その判断がひっくり返る前提条件を1つ挙げてください(例:変動費が△△円上がって限界利益がマイナスになる場合)。

まとめ——会計は報告のためだけじゃない、決めるための数字でもある

管理会計とは、決算書を作って外部へ報告するための会計(財務会計)ではなく、社内で意思決定するための数字でした。この60分で身につけた型は、次の3ステップに集約できます。

第一に、費用を固定費と変動費に分ける。「売上が2倍になったら増えるか」で問い、勘定科目名ではなく実態で仕分ける。第二に、売上から変動費を引いて限界利益を出す。限界利益は固定費を回収する元手であり、これが固定費を超えれば黒字、超えなければ赤字。固定費÷1件あたり限界利益で「あと何件で黒字か」が見える。第三に、その限界利益を根拠に判断する。値引き案件は限界利益がプラスなら受ける価値があり、優先順位は限界利益の大きい案件から。過去のサンクコストは判断から外し、機会費用は判断に入れ、結論は必ず前提とセットで示す。

明日からの一歩は簡単です。次に値引き・受注・優先順位の判断を迫られたら、決める前に、関係する限界利益(売上−変動費)と固定費を一度だけ書き出してみてください。勘で決めていたものが、数字で説明できる判断に変わります。

ここからの深掘りは、目的に合わせて各講座へ。黒字ラインの計算と図解は損益分岐点(kouza-023-break-even-point)、製品・サービス単位の原価の積み上げは原価計算(kouza-141-cost-accounting)、判断を組織で回す仕組みは予算管理(kouza-027-budget-management)が正本です。

固定費・変動費・1件あたり限界利益を1枚で整理できる「管理会計の判断シート」を用意しました。値引きや受注の判断に迷ったとき、書き込むだけで「受ける/断る」の根拠が見えるテンプレートです。メルマガ登録でダウンロードできます。

よくある質問

管理会計と財務会計の違いを一言でいうと?

財務会計は社外への報告のための会計で、会計基準にもとづき法律で義務付けられています。管理会計は社内の意思決定のための会計で、ルールや書式は自由、導入も任意です。

限界利益と粗利(売上総利益)はどう違うの?

限界利益は売上から変動費だけを引いた利益で、粗利は売上から売上原価(固定費の一部を含む)を引いた利益です。値引きや受注の判断には、固定費を含まない限界利益を使います。

固定費と変動費の分け方に正解はある?

絶対的な基準はなく、すべての費用をきれいに二分はできません。実務では勘定科目法などで「売上に連動するか」を実態で判断し、曖昧なものは主たる性質へ寄せれば、判断に使うには十分です。

小さなチームでも管理会計は使えますか?

使えます。管理会計に必要なのは精密な計算より、費用を固定費と変動費に分け、限界利益で判断する感覚です。1件の値引きを受けるかどうかの判断から、すぐに始められます。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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