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オンボーディング入門

オンボーディング入門

来月から、あなたのチームに中途入社の佐藤さんが1人入ります。初めて後輩を持つあなたは、何をすればいいかよく分からないまま、とりあえず席とPCを手配しました。初日、「分からないことがあったら、いつでも聞いてくださいね」と伝えたものの、その日からあなたは自分の仕事で忙しく、気づけば佐藤さんを放っておいてしまった——こんな受け入れ方になっていませんか。

新メンバーが「何をすればいいのか分からない」「放っておかれている」と感じる立ち上がりは、本人のやる気の問題ではありません。受け入れる側に、計画がないサインです。同じ「新メンバーを1人受け入れる」場面でも、席とPCだけ用意して本人任せにする人と、来る前から「最初の数十日をどう支えるか」を1枚の計画にしている人がいます。違いは、人を見る目があるかでも、面倒見がいいかでもありません。立ち上がりを「本人任せ・運任せ」にするか、準備→つながりと期待→任せて振り返るの順で計画にするか、だけです。

この「立ち上がりを計画で支えること」を、オンボーディングと呼びます。オンボーディングは、歓迎会をすることでも、OJTを現場に丸投げすることでもありません。新メンバーが独り立ちできる状態までを、受け入れる側が支えることです。この講座を読み終えたあなたは、次の3つができるようになります。

  1. オンボーディングを「歓迎会・OJTの丸投げ」ではなく、新メンバーが独り立ちするまでを準備→つながりと期待→任せて振り返るの受け入れ計画で支えるプロセスとして説明できる
  2. 来る前に整える準備と、最初の数週間で作るつながり(関係・居場所)と期待(何を・いつまでに・どこまで)のすり合わせを、具体的な項目として書き出せる
  3. 仕事を段階で渡し、定期的な振り返りで軌道修正する流れを、準備→つながりと期待→任せて振り返るの受け入れ計画として1枚に作成できる

この講座は最後まで、「初めて後輩を持つあなたが、来月、中途入社の佐藤さんを1人受け入れる」という1つの場面だけで説明します。同じ佐藤さんの受け入れを、オンボーディングとは何か→準備→つながりと期待→任せて振り返る、と1段ずつ組み上げ、最後には1枚の受け入れ計画が完成します。各章末には手を動かす演習を置いているので、受け入れ計画テンプレートを無料でダウンロードして、埋めながら読み進めてみてください。

この講座のポイント

  • オンボーディングを「歓迎会・初日のあいさつ」や「OJTの丸投げ」ではなく、新メンバーが独り立ちできる状態までを受け入れ計画で支えるプロセスとして説明できる
  • 新メンバーが来る前(初日まで)に整えておく準備を、モノ・予定・人・伝えることの具体的な項目として書き出せる
  • 最初の数週間で作る「つながり(関係・居場所)」と「期待(何を・いつまでに・どこまで)のすり合わせ」を、具体的な項目として書き出せる
  • 仕事を段階で渡し、定期的な振り返りで軌道修正する流れを、受け入れ計画として書き出せる

オンボーディングとは何か(受け入れ計画の地図)

まずは、「分からなければ聞いて」と言ったきり放っておいてしまうモヤモヤの正体を、はっきりさせましょう。オンボーディングという言葉を、自分の受け入れに使えるようにする土台の章です。

この章のゴール

この章を読み終えると、オンボーディングを「歓迎会・初日のあいさつ」や「OJTの丸投げ」ではなく、新メンバーが独り立ちできる状態までを受け入れ計画で支えるプロセスとして説明できるようになります。

「分からなければ聞いて」で放置していないか

あなたの面倒見が悪いわけではありません。多くの場合、席とPCは用意したけれど、その先に何をするかを決めていない——これが、新メンバーを放っておいてしまう正体です。

「分からないことがあったら聞いてね」は、一見やさしい言葉です。でも、入ったばかりの佐藤さんからすると、何が分からないのかも、誰に・どのタイミングで聞いていいのかも分かりません。あなたが忙しそうにしていれば、なおさら声をかけづらい。こうして佐藤さんは「放っておかれている」と感じ、あなたは「聞いてくれれば教えるのに」と思う——すれ違いが起きます。

ここで覚えてほしい背骨はひとつです。新メンバーの立ち上がりは、本人の頑張り任せでなく、“受け入れ計画”で支える。来る前から、最初の数十日をどう支えるかを計画にしておく——それが、この講座のゴールです。

オンボーディング=独り立ちまでを受け入れる側が支えるプロセス

オンボーディングとは、新しく入ったメンバーが、仕事のやり方・チームの人・職場のルールや雰囲気に慣れ、独り立ちして力を発揮できる状態になるまでを、受け入れる側が支えるプロセスです。人事の世界では、この流れを「組織社会化」と呼ぶこともあります。要は、入ったばかりの人が、ちゃんと戦力になるまで伴走することだと思ってください。

ここで先回りして潰しておきたい誤解があります。「オンボーディング=歓迎会・初日のあいさつ回りのこと」という受け止め方です。歓迎ランチもチームへのあいさつも、大切な入口の一部ですが、それで終わりではありません。逆に、「即戦力で採ったんだから、あとは自分でキャッチアップしてくれるだろう」とOJTを現場に丸投げするのも、オンボーディングではありません。歓迎して終わりでも、丸投げの放置でもなく、独り立ちまでを受け入れる側が設計して支えるのがオンボーディングです。佐藤さんのような中途入社の人も、新卒と同じく立派な対象です。

なぜ最初が肝心なのでしょうか。新メンバーは、入った直後ほど不安が大きく、「ここでやっていけそうか」を早い段階で見極めています。実際、厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」(令和4年3月卒)では、新規大卒就職者の約3割(33.8%)が、就職後3年以内に離職しています。もちろん離職の理由はさまざまで、すべてが受け入れ方のせいではありません。それでも、最初の立ち上がりでつまずかせないことが、その後の定着と戦力化を左右する——これは押さえておきたいところです。

受け入れ計画は3ステップ:準備→つながりと期待→任せて振り返る

では、立ち上がりを本人任せにしないために、何をすればいいのか。やることを、3つのステップに分けて考えます。これが受け入れ計画=1枚の地図です。

ステップいつやること
①準備来る前(初日まで)モノ・予定・人・伝えること を整える
②つながりと期待最初の数週間関係・居場所を作り、何を・いつまでに・どこまでを合わせる
③任せて振り返るその後仕事を段階で渡し、定期的に短く会って軌道修正する

よく聞く「プレボーディング」「30-60-90日」「1on1」「OJT」といった言葉は、すべてこの地図のどこかに乗る部品です。プレボーディングは①準備、1on1やOJTは③任せて振り返るの中の道具、というふうに。だから、いきなり「歓迎会をやろう」「OJTを誰に頼もう」と打ち手から入るのではなく、まず準備→つながりと期待→任せて振り返るの順で地図を描く——これが第1章でいちばん持って帰ってほしいことです。

この章の確認(演習):共通例「佐藤さんの受け入れ」について、いきなり打ち手(歓迎会・OJT)を考えるのをやめて、①来る前の準備②最初の数週間のつながりと期待③その後の任せ方と振り返り、の3つの枠を“空欄のまま”書き出してみてください(中身はまだ埋めません)。そのうえで、「オンボーディングとは、この3ステップで新メンバーの独り立ちを支えることだ」を、自分の言葉で1〜2行に書いてみます。受け入れ計画テンプレートの3つの枠に、これから1つずつ中身を入れていきます。

準備(来る前に整える)

第1章で立てた3つの枠の、いちばん最初。新メンバーが来る前に整えておく「準備」を、この章で埋めます。

この章のゴール

この章を読み終えると、新メンバーが来る前(初日まで)に整えておく準備を、モノ・予定・人・伝えることの具体的な項目として書き出せるようになります。

立ち上がりのつまずきは「準備すれば防げたこと」が多い

立ち上がりでつまずく場面の多くは、実は初日に集中しています。「席がない」「PCが使えない」「何をすればいいか分からない」「誰に聞けばいいか分からない」——どれも、来る前に準備しておけば防げたことばかりです。

逆に言えば、入社前の準備にこそ、受け入れの成否がかかっています。事前に整っていると、佐藤さんは「ちゃんとしている会社だな」と安心でき、あなたへの信頼も生まれます。だから、受け入れ計画の最初のステップは「来る前に整える」。こうした入社前から始める準備をプレボーディングと呼びますが、名前は覚えなくてかまいません。大事なのは、初日を待ってから動くのでは遅い、ということです。

準備は4つに分ける:モノ・予定・人・伝えること

来る前に整えるものを、4つに分けて考えると、抜け漏れがなくなります。

分類中身
モノ席・PC・メールやチャットのアカウント・入館証・備品
予定初日の流れ・最初の1週間で誰と何をするか
相談役(最初に頼れる相手)を1人決める
伝えること初日の集合時間・場所・持ち物・最初に任せる仕事

ここで肝心なのは、準備の合格ラインを「完璧」に置かないことです。すべてを完璧に整えようとすると、かえって手が止まって、結局何も用意できないまま当日を迎えてしまいます。準備の合格ラインは、初日に新メンバーを手持ち無沙汰にしない・迷子にさせないこと。これさえ満たせば十分です。

特に「人」は見落とされがちですが、とても効きます。「分からないことはみんなに聞いて」だと、佐藤さんは結局、誰に聞いていいか分からず、誰にも聞けません。そうではなく、最初の1か月、何でも最初に聞ける相手を1人——たとえば同じチームの先輩を相談役に決めて、佐藤さんにも先輩にも「この件はこの人に」と伝えておく。窓口を1人にするだけで、佐藤さんの「聞けない」は大きく減ります。

佐藤さんの準備を4欄で埋める

では、佐藤さんの来る前の準備を、4つの欄で具体的に埋めてみましょう。

モノは、席・PC・メールとチャットのアカウント・入館証を初日までにそろえます。予定は、初日の午前にチーム紹介と職場のルール説明、午後には最初の小さな仕事を1つ用意し、最初の1週間で誰と何をするかをざっくり決めておきます。人は、同じチームの先輩を相談役に1人決めて、本人と先輩の両方に伝えておきます。伝えることは、初日の集合時間・場所・持ち物、そして「最初はこの仕事をお願いします」という内容を、できれば事前に渡しておきます。

これだけで、佐藤さんは初日に「何をすればいいか・誰に聞けばいいか分からない」状態になりません。準備とは、特別なことではなく、当たり前のことを、当日でなく前もってやっておくことなのです。

この章の確認(演習):共通例「佐藤さん」の準備を、モノ・予定・人・伝えること の4つの欄に書き出してみてください。次に、自分が今度受け入れる(または直近で受け入れた)新メンバーで、同じ4欄を埋めてみます。受け入れ計画テンプレートの「準備」欄が、これで1つ埋まります。

つながりと期待(最初の数週間で関係・居場所を作り、期待をすり合わせる)

準備が整い、いよいよ佐藤さんが出社しました。ここからの最初の数週間が、立ち上がりの土台になります。第1章で立てた2つめの枠「つながりと期待」を、この章で埋めます。

この章のゴール

この章を読み終えると、最初の数週間で作る「つながり(関係・居場所)」と「期待(何を・いつまでに・どこまで)のすり合わせ」を、具体的な項目として書き出せるようになります。

早く離れる理由は、仕事の難しさより「居場所と期待の不在」

新メンバーが早い段階で離れてしまうとき、その理由は、案外「仕事が難しすぎた」ではありません。多くは、「居場所がない・誰とも話せない・何を期待されているのか分からない」という不安です。どんなに能力の高い人でも、チームになじめず、入った直後に感じたギャップや違和感を抱え込んだままでは、力を発揮できず、それが離れる原因になっていきます。

だから、最初の数週間でやることは2つに絞れます。1つめがつながり=関係と居場所を作ること。2つめが期待のすり合わせ=何を求めているかを言葉にして合わせること。この2つを、佐藤さんで見ていきましょう。

つながり:関係と居場所を作る

つながりとは、佐藤さんが「ここにいていい」と思える居場所を作ることです。具体的には、こんな打ち手があります。

第2章で決めた相談役の先輩と、毎日5分でいいので振り返りの時間を持つ。チームの全員に佐藤さんを紹介し、最初の週に一度はランチや雑談の場を作る。そして何より、「分からないことは、何度聞いてもいいですよ」と、最初にはっきり伝える。質問していい雰囲気があるかどうかで、佐藤さんの動きやすさはまったく変わります。

ここで気をつけたいのは、歓迎会“だけ”で満足してしまうことです。歓迎ランチは盛り上がっても、その後に定期的な接点がなければ、居場所は続きません。つながりは、一度のイベントでなく、続く小さな接点で作られます。

期待のすり合わせ:何を・いつまでに・どこまでを言葉にして合わせる

つながりと並んで大切なのが、期待のすり合わせです。これは、「何を・いつまでに・どこまでできるようになってほしいか」を言葉にして、佐藤さんと合わせることです。

ここが、立ち上がりでいちばんすれ違いやすいところです。期待を言葉にせず「見ていれば、そのうち覚えるだろう」で済ませると、佐藤さんは「何をすればいいのか分からない」まま空回りし、あなたは「なんでできないんだ」とモヤモヤする。お互い悪気はないのに、すれ違う。期待は、口に出して初めて共有できるのです。

佐藤さんの場合なら、たとえばこう伝えます。「最初の1か月は、まず日報の作成と、お客様への一次対応を、1人でできるようになってほしいです。2か月目からは、提案資料の下書きをお願いしたいと思っています」。このように、できるようになってほしいことを、時期つきで言葉にします。

そしてもう一つ大事なのは、期待を一方的に渡さないことです。あなたが決めた期待を押しつけるのではなく、佐藤さんの希望や不安も聞いて、合わせる。「2か月目から提案資料、と考えていますが、どうですか」「ここが不安、というところはありますか」と。すり合わせとは、双方向です。こうすると、佐藤さんは「居場所があり、何を求められているかも分かる」状態で走り出せます。

この章の確認(演習):共通例「佐藤さん」について、つながり(関係・居場所を作る具体策)と、期待(何を・いつまでに・どこまで)を書き出してみてください。期待は「○○ができるようになってほしい(いつまでに)」の形で2〜3個書き、それを佐藤さんとどう話して合わせるかも、一言添えます。受け入れ計画テンプレートの「つながり」「期待」欄が、これで埋まります。

任せて振り返る(仕事を段階で渡し、定期的に短く会って軌道修正する)

期待を合わせたら、いよいよ仕事を渡していきます。第1章で立てた3つめの枠「任せて振り返る」を、この章で埋めれば、受け入れ計画が1枚に仕上がります。

この章のゴール

この章を読み終えると、仕事を段階で渡し、定期的な振り返りで軌道修正する流れを、受け入れ計画として書き出せるようになります。

仕事は段階で渡す:一緒にやる→横で見る→任せて確認

期待を合わせたからといって、いきなり全部を丸投げしてはいけません。「即戦力なんだから、最初から1人でできるだろう」と全部任せると、佐藤さんはつまずいて自信をなくしてしまいます。仕事は、段階で渡すのがコツです。

段階とは、たとえばこの3ステップです。最初は一緒にやって見せる→次は横で見ながら本人にやってもらう→できたら任せて、結果だけ確認する。任せる範囲を、いきなり広げずに、少しずつ広げていきます。

佐藤さんの日報で言えば、こうなります。最初の週は、あなたが一緒に日報を作って見せる。2週目は、横で見ながら佐藤さんに書いてもらい、気になったところだけ補う。3週目からは、1人で書いてもらって、あなたは確認だけする。同じ「日報を書く」でも、渡し方を段階にするだけで、佐藤さんは無理なく独り立ちに近づきます。

渡しっぱなしにせず、定期的に短く会って振り返る

仕事を段階で渡したら、次に大事なのが、渡しっぱなしにしないことです。任せた後に何も見ていないと、ズレに気づくのが、ずっと先の評価のタイミングになってしまいます。それでは遅すぎます。

そこで、定期的に短く会って振り返る時間を作ります。長い面談である必要はありません。たとえば毎週金曜に15分、「今週、困ったことは?」「できるようになったことは?」「来週、任せることは?」の3つを一緒に確認するだけで十分です。ここでズレが見つかれば、その場で軌道修正できます。

このとき気をつけたいのは、振り返りを詰問や評価の場にしないことです。「なんでできてないの」と問い詰める場にしてしまうと、佐藤さんは困りごとを言えなくなり、振り返りの意味がなくなります。振り返りは、評価面談ではなく、立ち上がりを一緒に支えるための軌道修正の場です。なお、こうした1対1の対話をどう進めるかは、kouza-058(1on1)でくわしく扱います。

節目(30日・60日・90日)で、期待にどこまで近づいたか見直す

毎週の短い振り返りに加えて、もう少し大きな節目でも立ち止まります。節目としてよく使われるのが30日・60日・90日で、90日間を30日ごとに区切って立ち上がりを見ていく「30-60-90日プラン」という呼び方もあります。

佐藤さんなら、30日の節目で「最初の1か月の期待だった、日報と一次対応を1人で、にどこまで近づいたか」を見直します。できていれば予定どおり2か月目の提案資料の下書きへ進み、まだなら振り返りのペースを上げたり、任せる範囲を少し戻したりして調整します。節目で見直すからこそ、任せる範囲と振り返りのペースを、佐藤さんに合わせて変えていけるのです。

こうして、佐藤さんは放置されるでも丸投げされるでもなく、段階を踏みながら、独り立ちに近づいていきます。

この章の確認(演習):共通例「佐藤さん」について、任せる仕事を1つ選び、それを段階で渡す順序(一緒にやる→横で見る→任せる)と、振り返りのペース(いつ・何分・何を確認するか)・節目(30日で何を見直すか)を書き出してみてください。最後に、第2章から第4章で埋めた準備・つながりと期待・任せて振り返るを、1枚の受け入れ計画として並べて見直します。これで、受け入れ計画テンプレートが1枚、完成です。

まとめ:新メンバーの立ち上がりは、本人の頑張り任せでなく“受け入れ計画”で支える

おつかれさまでした。「佐藤さんを1人受け入れる」という、たった1つの場面を、オンボーディングとは何か→準備→つながりと期待→任せて振り返る、と1段ずつ組み上げてきました。歩いてきた道を振り返ります。

  1. オンボーディングとは……歓迎会でもOJTの丸投げでもなく、新メンバーが独り立ちできる状態までを、受け入れる側が支えるプロセス。立ち上がりは本人任せ・運任せにせず、3ステップの受け入れ計画で支える(第1章)。
  2. 準備(来る前に整える)……モノ・予定・人・伝えること を初日までにそろえる。合格ラインは「初日に手持ち無沙汰・迷子にさせない」。相談役を1人決めるのが効く(第2章)。
  3. つながりと期待(最初の数週間)……相談役との接点・チーム紹介・質問していい雰囲気で居場所を作り、「何を・いつまでに・どこまで」を言葉にして本人とすり合わせる。一方的に渡さない(第3章)。
  4. 任せて振り返る(その後)……仕事は段階で渡す(一緒にやる→横で見る→任せる)。渡しっぱなしにせず、定期的に短く会って振り返り、30日・60日・90日の節目で見直す(第4章)。

この4つは、すべて1つの問いに戻ります。「新メンバーの立ち上がりを、本人任せでなく、準備→つながりと期待→任せて振り返る の受け入れ計画で支えられているか?」。この講座でいちばん覚えて帰ってほしいのは、このひと言です——新メンバーの立ち上がりは、本人の頑張り任せでなく、“受け入れ計画”で支える。これができると、新メンバーを「何をすればいいか分からない・放っておかれた」状態にせずにすみます。

明日の最初の一歩:今度受け入れる(または直近で受け入れた)新メンバーを1人、思い浮かべてください。そして、①来る前の準備(モノ・予定・人・伝えること)②最初の数週間のつながりと期待(何を・いつまでに・どこまで)③その後の任せ方と振り返り(段階・ペース・節目)を、準備から順に、1枚に書き出してみます。きれいでなくてかまいません。立ち上がりを「本人任せ」でなく「計画で支える」に変えられたら、それが第一歩です。受け入れ計画テンプレートを無料でダウンロードすれば、準備欄→つながり欄→期待欄→任せ方・振り返り欄まで、順に埋めるだけで1枚の計画になります。

もっと深めたくなったら、その先の道も用意されています。そもそも誰に入ってもらうか(採用・面接)は kouza-064(採用入門)/kouza-065(面接設計)、受け入れ計画の中で使う対話の道具は、kouza-058(1on1)/kouza-059(目標設定)/kouza-060(フィードバック)/kouza-061(部下育成)で深められます。本講座はあくまで「最初の数十日の立ち上がりを、準備→つながりと期待→任せて振り返る の受け入れ計画で支えること」に絞っています。まずはこの流れを、自分の新メンバーで回せるようにしておきましょう。

よくある質問

オンボーディングとは何ですか

新メンバーが仕事のやり方・チームの人・職場のルールに慣れ、独り立ちして力を発揮できる状態になるまでを、受け入れる側が支えるプロセスです。歓迎会や初日のあいさつで終わるものではありません。

中途入社の人もオンボーディングの対象になりますか

なります。即戦力として採用した場合でも、チームのやり方や期待値のすり合わせは必要です。OJTを現場に丸投げするのではなく、準備→つながりと期待→任せて振り返る の受け入れ計画を用意することが大切です。

受け入れ計画はどこから始めればよいですか

「来る前の準備」から始めます。席・PC・相談役の確保など、初日に新メンバーを手持ち無沙汰にさせない・迷子にさせないことが合格ラインです。まずモノ・予定・人・伝えることの4欄を書き出してみましょう。

期待のすり合わせとはどういうことですか

「何を・いつまでに・どこまでできるようになってほしいか」を言葉にして、新メンバーと合わせることです。期待を口に出さずにいると、互いに悪気がなくてもすれ違いが起きます。一方的に渡さず、本人の不安や希望も聞いて双方向でそろえます。

振り返りはどのくらいの頻度で行えばよいですか

毎週15分程度の短い振り返りが目安です。「今週困ったことは・できるようになったことは・来週任せることは」の3点を確認するだけで、ズレをその場で軌道修正できます。加えて30日・60日・90日の節目で、期待にどこまで近づいたかを見直します。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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