Excel基礎入門 | マナビズ

Excel基礎入門

Excel基礎入門

「先月の売上、Excelで集計しておいて」——配属されて間もないあなたは、そう頼まれて、画面に並んだ数字を電卓で1件ずつ足し、合計欄に手で打ち込みました。件数は目で数えます。やっと終わったと思ったら、「1件、入力モレがあったから直して」と言われ、また最初から足し直し。さらに「カテゴリ別にも出して」と重ねられて、今度は完全に手が止まってしまった——Excelを「マス目に数字を打ち込む表」だと思っていると、こういう場面でつまずきます。

でも、安心してください。集計をサッと終わらせる先輩と、電卓で固まってしまうあなたの違いは、難しい関数をたくさん覚えているかどうかではありません。データを正しい形でためて、=(イコール)から始まる関数と、フィルタを、決まった順番で使えるかだけです。その順番こそが、この講座で渡す1本の道です。

実は、Excelの本当の力は「きれいな表を作ること」ではありません。データをためておけば、関数が自動で計算してくれることです。電卓で手入力するのをやめて、ためて・集計して・切り出して、最後に「集計表」を作る——それがこの講座のゴールです。読み終えたあなたは、次の3つができるようになります。

  1. Excelを「マス目に打ち込む表」ではなく、データをためて→関数で集計し→フィルタで切り出して集計表を作る道具として、また関数は=で始め=関数名(範囲)の形で書くことを、自分の言葉で説明できる
  2. SUM(合計)・AVERAGE(平均)・COUNT/COUNTA(件数)・MAX/MIN(最大・最小)の基本関数と、並べ替え・フィルタ使い分けられる
  3. SUMIF(範囲・検索条件・合計範囲)とCOUNTIF(範囲・検索条件)カテゴリ別の「集計表」を作成でき、その合計が全体合計と一致するか検算して確かめられる

この講座は最後まで、「雑貨店『ペン太』のアルバイトのあなたが、ある週の売上記録10件を集計して報告する」という、たった1組のデータだけで説明します。この同じデータを、リスト形式でためる→基本関数で集計する→並べ替え・フィルタで切り出す→SUMIF・COUNTIFで集計表を作る、と1段ずつ組み上げていきます。各章末には手を動かす演習も置いているので、実際にExcelを開いて、書きながら読み進めてみてください。そして、この流れを自分の仕事のデータでも使えるようにしたくなったら、無料会員登録で続きの講座(関数の応用・ピボットテーブル・グラフなど)に進めます。まずはこの1本で、集計の土台を作りましょう。

この講座のポイント

  • Excelを「マス目に打ち込む表」ではなくためる→集計→切り出す道具だと説明でき、集計の土台になる1行=1件・1列=1項目・見出し行つきのリスト形式でデータを入力できる
  • リスト形式のデータに対し、SUM(合計)・AVERAGE(平均)・COUNT/COUNTA(件数)・MAX/MIN(最大・最小)を、=関数名(範囲) の形で書いて、電卓を使わず計算できる
  • 並べ替えで大きい順・日付順に整え、フィルタで「条件に合う行だけ」を表示して、必要なデータだけを切り出せるようになります。そして、フィルタは行を消すのではなく隠すことを、自分の言葉で説明できる
  • SUMIF(範囲・検索条件・合計範囲)とCOUNTIF(範囲・検索条件)でカテゴリ別の合計・件数を出した「集計表」を作成でき、その合計が全体合計と一致するか検算できる

Excelとは何か+データを正しい形でためる

まずは、「電卓で足して手入力」から抜け出す第一歩として、Excelがそもそも何をする道具なのかと、集計の土台になる「データのためかた」を押さえます。ここがすべての出発点です。

この章のゴール

この章を読み終えると、Excelを「マス目に打ち込む表」ではなくためる→集計→切り出す道具だと説明でき、集計の土台になる1行=1件・1列=1項目・見出し行つきのリスト形式でデータを入力できるようになります。

「電卓で足して手入力」をやめるのが第一歩

あなたの計算が遅いわけでも、不器用なわけでもありません。電卓で1件ずつ足して合計欄に手で打ち込み、件数を目で数え、データが変わるたびに最初からやり直す——この使い方をしているかぎり、何件あっても、何回直されても、毎回ゼロから計算し直すことになります。これが、集計を頼まれて時間がかかり、数え間違い・打ち間違いが起きる正体です。

ここで覚えてほしい背骨は、ひとつです。Excelは「電卓で手入力」をやめて、ためて・集計して・切り出して集計表を作る道具。データを正しい形でためておけば、合計も件数も平均も、Excelが自動で計算してくれます。電卓は、もう脇に置いて大丈夫です。

Excel=データをためて関数が自動計算する道具

Excelの画面は、たくさんの四角いマスでできています。このマス1つひとつをセルと呼びます。横の並びが、縦の並びがです。そして、どのセルかを示す住所のような記号がセル番地で、たとえば「A列の1行目」ならA1、「E列の2行目」ならE2と表します。覚えることは、いまはこれだけで十分です。

大事なのは、ここにデータをためておけば、関数(自動で計算してくれる仕組み)がそのデータを使って計算してくれるということです。あなたが電卓で足した答えを打ち込むのではなく、「このマスからこのマスまでを合計して」と関数にお願いすれば、Excelが瞬時に答えを出します。難しい機能をたくさん暗記する必要はありません。まずは「Excelは、データをためて、関数に計算させる道具なんだ」と掴んでください。具体的な関数の書き方は、第2章でひとつずつ渡します。

集計の土台はリスト形式(1行1件・1列1項目・見出しつき)

ただし、ひとつだけ最初に守ってほしいことがあります。それは、データを「リスト形式」でためることです。後で使う関数も、並べ替えも、フィルタも、このきれいなリストの上でこそ正しく動きます。逆に、ここが崩れていると、せっかくの関数がうまく効きません。リスト形式のルールは、たった4つです。

  • 1行=1件:1件のデータ(1回の売上)を、横一列の1行に入れる
  • 1列=1項目:日付・カテゴリ・担当者・金額を、それぞれ別の列に分ける
  • 先頭に見出し行:いちばん上の行に「日付」「カテゴリ」などの見出しを付ける
  • 空行・空列・セル結合を作らない:見やすさのために間を空けたりマスをくっつけたりしない

共通例「ペン太の売上記録」をためてみる

では、この講座をずっと一緒に歩く共通例に登場してもらいましょう。あなたは雑貨店「ペン太」のアルバイトで、ある週の売上記録10件を、店長から「Excelで集計して」と頼まれました。まずは、その10件を、さきほどのリスト形式でためます。

No日付カテゴリ担当者金額
16/2文具田中1,200
26/2雑貨佐藤800
36/3文具田中1,500
46/3文具佐藤2,000
56/4雑貨田中1,000
66/4文具佐藤1,800
76/5雑貨佐藤1,200
86/5文具田中2,500
96/6雑貨田中600
106/6文具佐藤1,800

見出し行(No・日付・カテゴリ・担当者・金額)が1行目にあり、その下に1件ずつ、1行に1件で並んでいます。項目は列で分かれていて、空行もセル結合もありません。これが「正しい形でためた」状態です。この表では、見出しが1行目なので、金額のデータはE列の2行目から11行目、つまりE2からE11までに入っています。このE2:E11という範囲を、第2章以降で何度も使います。

この章では、まだ合計も件数も出しません。データを正しい形でためる——それだけができれば十分です。この10件の表を、これから全部の章で「立ち戻る原点」として使い回していきます。

この章の確認(演習)

実際にExcelを開いて、共通例「ペン太の売上記録」10件を、1行=1件・1列=1項目・見出し行つきで入力してみてください(手元に自分の仕事のデータがあれば、それを1つ、この形に整えるのでもかまいません)。

入力するときの注意は、ひとつだけ。金額のセルには「1,200」と数値だけを入れ、「1,200円」のように「円」の文字を混ぜないことです。文字が混ざると、Excelがその列を「計算できる数値」として扱えなくなります。最後に、「Excelとは、データをこの形でためて、関数とフィルタで集計する道具だ」を、自分の言葉で1〜2行に書いてみましょう。正しい形でためる感覚を、自分の手で言葉にできたら、この章はゴールです。

基本関数で集計する(SUM・AVERAGE・COUNT・MAX・MIN)

データを正しい形でためられたら、いよいよ電卓を置いて、関数に計算させます。この章で、合計・平均・件数・最大・最小を、自分の手で出せるようになります。

この章のゴール

この章を読み終えると、リスト形式のデータに対し、SUM(合計)・AVERAGE(平均)・COUNT/COUNTA(件数)・MAX/MIN(最大・最小)を、=関数名(範囲) の形で書いて、電卓を使わず計算できるようになります。

関数は「=」で始める:=関数名(範囲) の形

関数とは、決まった計算を自動でやってくれる仕組みです。使い方には、たったひとつの型があります。それは、必ず=(イコール)で始めて、=関数名(範囲)の形で書くことです。

たとえば合計を出すSUM関数なら、=SUM(E2:E11)と書きます。先頭が=で、次に関数名(SUM)、そのあとのかっこの中に「どこからどこまでを計算するか」という範囲を入れます。範囲は、E2:E11のようにキーボードで打ってもいいですし、マウスでE2からE11までをドラッグして選んでもかまいません。書き終えてEnterキーを押すと、そのセルに答えが表示されます。

この「=で始める」が、関数の合言葉です。これを忘れると、ただの文字としてそのまま表示されてしまい、計算されません。逆に言えば、=さえ付ければ、あとは関数名と範囲を入れるだけ。難しい暗記は要りません。

基本の5つ:SUM・AVERAGE・COUNT・MAX・MIN

まず覚える関数は、5つだけで十分です。どれも=関数名(範囲)の同じ型で書けます。

関数何をするか書き方の例
SUM範囲の合計を出す=SUM(E2:E11)
AVERAGE範囲の平均を出す(合計÷個数)=AVERAGE(E2:E11)
COUNT数値の入ったセルの個数を数える=COUNT(E2:E11)
MAX範囲の中の最大値を出す=MAX(E2:E11)
MIN範囲の中の最小値を出す=MIN(E2:E11)

AVERAGE(平均)は、「合計を、個数で割った値」です。たとえば 2, 3, 3, 5, 7, 10 という6個の数なら、合計30を6で割って、平均は5になります。Excelなら=AVERAGE(範囲)と書くだけで、この計算を自動でやってくれます。

ここで、件数を数えるCOUNTに、ひとつ注意点があります。COUNTは「数値」が入ったセルだけを数えます。だから、金額のような数字の列の件数は、COUNTでちゃんと数えられます。けれど、カテゴリや担当者のような「文字」が入った列の行数を数えたいときは、COUNTでは0になってしまいます。文字も含めて、空白でないセルの個数を数えたいときは、COUNTAという別の関数を使います。「数値を数えるならCOUNT、文字も数えるならCOUNTA」と、セットで覚えておいてください。

関数のいちばんの利点:データを直すと自動で計算し直される

ここが、電卓との決定的な違いです。関数は、もとのデータを直すと、答えも自動で計算し直されます

電卓で合計を出していたときは、1件直されるたびに、最初から全部足し直していましたよね。でも、=SUM(E2:E11)と書いておけば、E列のどこかの数字を直した瞬間に、合計が自動で新しい数字に変わります。1件追加されても、その行を範囲に含めておけば、やはり自動で計算し直されます。「直すたびにやり直し」から、あなたは解放されるのです。

共通例で基本関数を当てる

では、ペン太の売上記録で実際に計算してみましょう。金額はE2からE11に入っているので、範囲はE2:E11です。

  • =SUM(E2:E11) → 合計 14,400円
  • =AVERAGE(E2:E11) → 平均 1,440円
  • =COUNT(E2:E11) → 件数 10件
  • =MAX(E2:E11) → 最大 2,500円
  • =MIN(E2:E11) → 最小 600円

電卓で10回足してやっと出していた合計14,400円が、=SUM(E2:E11)の一行で出ました。平均の1,440円も、自分で「合計÷件数」を計算するなら 14,400÷10=1,440円 ですが、=AVERAGEなら一発です。最大が2,500円、最小が600円とすぐ分かるのも、関数ならではです。

この章の確認(演習)

ペン太の金額列(E2:E11)に、SUM・AVERAGE・COUNT・MAX・MIN をそれぞれ書いてみてください。合計14,400・平均1,440・件数10・最大2,500・最小600 になれば、正解です。

そのうえで、ためしに1件、たとえばどれかの金額を別の数字に直してみてください。=SUMの合計と=AVERAGEの平均が、その場で自動で変わるのが分かるはずです。電卓のように足し直す必要がないこと——これが、関数を使ういちばんのうれしさです。=の付け忘れ(付け忘れるとただの文字になります)と、範囲が1行ズレていないか(見出し行や空欄を含んでいないか)だけ気をつければ、もう電卓は要りません。

並べ替え・フィルタで必要なデータだけ切り出す

合計や平均が出せるようになりました。次は、「文具だけ見たい」「金額の大きい順に並べたい」といった、必要なデータだけを切り出す操作です。ここで使うのが、並べ替えとフィルタです。

この章のゴール

この章を読み終えると、並べ替えで大きい順・日付順に整え、フィルタで「条件に合う行だけ」を表示して、必要なデータだけを切り出せるようになります。そして、フィルタは行を消すのではなく隠すことを、自分の言葉で説明できるようになります。

並べ替え:大きい順・日付順でデータを並び替える

並べ替えは、データをある順番に並び替える機能です。金額を大きい順(または小さい順)に、日付を古い順(または新しい順)に、名前を五十音順に——といった具合に、列を基準にして表全体を並び替えられます。

たとえばペン太の売上記録を「金額の大きい順」に並べ替えると、いちばん売れた2,500円(No8)が表のいちばん上に来て、いちばん小さい600円(No9)が下に来ます。「よく売れたのはどれか」が、ひと目で分かるようになります。操作は、表の中のセルをどれか1つ選んでから、画面上の「データ」タブにある並べ替えのボタンで、基準にする列(金額)と、大きい順か小さい順かを選ぶだけです。

フィルタ:条件に合う行だけ表示し、他は「隠す」

フィルタは、条件に合う行だけを表示して、それ以外の行を一時的に隠す機能です。ここで、いちばん大事なことを先に言います。フィルタは、条件に合わない行を「消す」のではありません。「隠す」だけです。だから、あとで元に戻せます。

使い方は、「データ」タブの「フィルター」を押すと、見出しの各セルに小さな「▼」ボタンが付きます。たとえばカテゴリの▼を押して「文具」を選ぶと、文具の行だけが表示され、雑貨の行は画面から隠れます。消えたのではなく、隠れているだけです。

フィルタには、もうひとつ便利な性質があります。重ねて絞り込める(累積的)ことです。カテゴリで「文具」を選んだあと、さらに担当者の▼で「田中」を選べば、「文具で、かつ、田中さんが売ったもの」だけに絞り込めます。条件を重ねるほど、表示される行は少なくなっていきます。

見終わったら、フィルターをクリア(解除)します。すると、隠れていた行がすべて戻ってきて、元の10件全部が表示されます。隠していただけなので、データは1件も失われていません。

切り出しと集計は別物:見た目を電卓で足さない

ここで、ひとつ落とし穴を先回りして潰しておきます。フィルタで「文具だけ」に絞ると、文具の6行だけが画面に見えます。このとき、つい「この見えている6行を電卓で足せば、文具の合計だな」とやりたくなります。でも、それでは電卓に逆戻りです。

フィルタは、あくまで「目で見て、必要な行を切り出す」ための機能です。条件ごとの合計や件数を出すのは、次の第4章で習う関数(SUMIFとCOUNTIF)の仕事です。フィルタで「どんなデータがあるか」の見当をつけ、関数で「いくつ・いくら」を自動集計する——この役割分担を覚えておいてください。

共通例で並べ替え・フィルタを使う

ペン太の売上記録でやってみましょう。まず金額の大きい順に並べ替えると、2,500円(No8)が先頭、600円(No9)が末尾に来ます。次に、フィルタでカテゴリ=「文具」を選ぶと、文具の6行だけが表示され、雑貨の4行は隠れます。さらに担当者=「田中」を重ねると、「文具かつ田中」の行だけに絞られます。最後にフィルターをクリアすれば、また10件全部が戻ってきます。

この章の確認(演習)

ペン太の売上記録で、まず金額を大きい順に並べ替えて、いちばん大きい行(2,500円)といちばん小さい行(600円)を確認してみてください。次に、フィルタでカテゴリ=文具を表示し、続けて担当者=田中を重ねて絞り込んでみます。そして最後に、フィルターをクリアして10件に戻すところまでやってみましょう。

仕上げに、「フィルタは行を消すのではなく、隠しているだけだ」を自分の言葉で1行に書いてみてください。これが腹落ちしていると、次の章で「フィルタで見た目を足す」のではなく「関数で集計する」へ、自然に進めます。

関数とフィルタを組み合わせて集計表を作る(SUMIF・COUNTIF)

いよいよ、この講座のゴールです。「カテゴリ別に出して」に手が止まっていたあなたが、ここでカテゴリ別の集計表を、関数で作れるようになります。

この章のゴール

この章を読み終えると、SUMIF(範囲・検索条件・合計範囲)とCOUNTIF(範囲・検索条件)でカテゴリ別の合計・件数を出した「集計表」を作成でき、その合計が全体合計と一致するか検算できるようになります。

条件をつけて集計する:SUMIF と COUNTIF

第2章のSUMやCOUNTは、「全部の合計」「全部の件数」を出すものでした。でも、店長が求めているのは「カテゴリ別の」合計や件数です。そこで登場するのが、条件をつけて集計する関数です。

  • SUMIF:条件に合う行だけを合計する関数(例:カテゴリが「文具」の金額だけ合計する)
  • COUNTIF:条件に合う行だけを数える関数(例:カテゴリが「文具」の行数を数える)

SUM・COUNTに「IF(もし〜なら)」が付いた名前だと思うと、覚えやすいです。「もし文具なら、合計する/数える」というイメージです。

書き方:=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)=COUNTIF(範囲, 検索条件)

2つの関数の書き方を、正確に覚えましょう。ここは、引数(かっこの中に入れるもの)の順番が大事なので、1通りに固定してしまいます。

SUMIF(合計する)は、引数が3つです。

=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)

  • 範囲:どの列で条件を見るか(例:カテゴリの列)
  • 検索条件:何を探すか(例:"文具")
  • 合計範囲:どの列を合計するか(例:金額の列)

COUNTIF(数える)は、引数が2つです。

=COUNTIF(範囲, 検索条件)

  • 範囲:どの列で数えるか(例:カテゴリの列)
  • 検索条件:何を数えるか(例:"文具")

ここで取り違えやすいのが、SUMIFは3つ、COUNTIFは2つという引数の数の違いです。SUMIFは「どこを見て・何を探して・どこを合計するか」の3点、COUNTIFは「どこを見て・何を数えるか」の2点。数えるだけのCOUNTIFには「合計する列」が要らないので、引数が1つ少ないわけです。もうひとつ、検索条件の文字("文具")は、元のデータの表記とぴったり同じにしてください。全角・半角が違ったり、余分なスペースが入っていたりすると、合うものが見つからず0になってしまいます。

集計表に落とす+検算(合計の和=全体合計)

それでは、ペン太の売上記録で、カテゴリ別の集計表を作ります。カテゴリはC列(C2:C11)、金額はE列(E2:E11)に入っています。

文具について書くと、こうなります。

  • 文具の合計:=SUMIF(C2:C11,"文具",E2:E11)10,800円
  • 文具の件数:=COUNTIF(C2:C11,"文具")6件

同じように、雑貨についても書きます。

  • 雑貨の合計:=SUMIF(C2:C11,"雑貨",E2:E11)3,600円
  • 雑貨の件数:=COUNTIF(C2:C11,"雑貨")4件

これを、小さな表にまとめます。これが「集計表」です。

カテゴリ合計件数
文具10,800円6件
雑貨3,600円4件
合計14,400円10件

最後に、いちばん大切な仕上げ——検算です。カテゴリ別の合計を足すと、全体合計に戻るはずです。文具10,800円+雑貨3,600円=14,400円。第2章で=SUMで出した全体合計14,400円と、ぴったり一致しました。件数も、6件+4件=10件で、全体件数10件と一致します。この「カテゴリ別の合計の和が、全体合計と合う」を確かめれば、集計表が正しくできた、と自信を持って提出できます。もし合わなければ、どこかで条件の文字がズレていたり、範囲がずれていたりするサインなので、見直します。

これで、あなたは「カテゴリ別に集計して」に、電卓ではなく関数で答えられるようになりました。しかも、もとの売上データに1件追加されても、関数の範囲に含めておけば、集計表は自動で計算し直されます。

この章の確認(演習)

ペン太の売上記録で、文具・雑貨それぞれの合計と件数を、SUMIFとCOUNTIFで出し、カテゴリ/合計/件数の集計表を1枚作ってみてください。そして、合計の和が14,400円・件数の和が10件になるか、必ず検算します。

慣れてきたら、同じやり方で担当者別(田中・佐藤)の集計表も作ってみましょう。担当者はD列にあるので、=SUMIF(D2:D11,"田中",E2:E11)のように、条件を見る列をカテゴリから担当者に変えるだけです。答えは、田中6,800円・5件/佐藤7,600円・5件。こちらも、6,800+7,600=14,400円、5+5=10件で、全体と一致します。「カテゴリ別・担当者別に出して」に、電卓ではなく関数で答えられるようになったら、この講座のゴールに到達です。条件をもっと増やしたいとき(SUMIFS)や、クリック操作だけで集計表を組み替えたいとき(ピボットテーブル)の方法は、無料会員登録後の講座で扱います。

まとめ:Excelは“電卓で手入力”をやめて、ためて・集計して・切り出す道具

おつかれさまでした。「雑貨店ペン太の売上記録10件」という、たった1組のデータを、リスト形式でためる→基本関数で集計する→並べ替え・フィルタで切り出す→SUMIF・COUNTIFで集計表を作る、と1段ずつ組み上げてきました。歩いてきた道を振り返ります。

  1. Excelとは何か+ためる……Excelは「マス目に打ち込む表」ではなく、データをためて関数が自動計算する道具。集計の土台は、1行=1件・1列=1項目・見出し行つきのリスト形式(空行やセル結合を避け、金額は数値だけ)(第1章)。
  2. 基本関数で集計する……関数は=で始め、=関数名(範囲)の形で書く。=SUM=合計、=AVERAGE=平均(合計÷個数)、=COUNT=数値の件数(文字も数えるなら=COUNTA)、=MAX=MIN=最大・最小。ペン太なら合計14,400・平均1,440・件数10・最大2,500・最小600。データを直すと自動で計算し直される(第2章)。
  3. 並べ替え・フィルタで切り出す……並べ替えは大きい順・日付順に並び替える。フィルタは条件に合う行だけ表示し、他は消さずに隠す(クリアで戻る・重ねて絞れる)。見た目を電卓で足さず、条件別の集計は関数で出す(第3章)。
  4. 集計表を作る……=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)で条件別の合計、=COUNTIF(範囲, 検索条件)で条件別の件数。ペン太なら文具10,800円・6件/雑貨3,600円・4件。必ず合計の和=全体合計(10,800+3,600=14,400・6+4=10)を検算する(第4章)。

この4つは、すべて1つの問いに戻ります。「『集計して』に、電卓で手計算するのでなく、ためる→集計→切り出す→条件で集計 の順に関数とフィルタを使い、集計表を作って検算できているか?」。この講座でいちばん覚えて帰ってほしいのは、このひと言です——Excelは“電卓で手入力”をやめて、ためて・集計して・切り出して集計表を作る道具。順番は、ためる→集計→切り出す→条件で集計。これが身につくと、「先月の売上をカテゴリ別に集計して」と頼まれても、データをリスト形式に整え、=SUMで全体を出し、フィルタで中身を確かめ、=SUMIF=COUNTIFで集計表を作って「合計が全体と一致しています」と添えて、数分で提出できるようになります。

明日の最初の一歩:自分の手元のデータ(経費・売上・名簿など、何でもかまいません)を1つ選び、次の4つを、電卓を使わずにやってみてください。①1行1件・1列1項目のリスト形式に整える ②=SUM=COUNT=AVERAGEを1回ずつ書く ③フィルタを1回かけて、条件で切り出してみる ④=SUMIF=COUNTIFでカテゴリ別の集計表を1枚作り、合計の和が全体合計と一致するか検算する。きれいにまとめる必要はありません。「集計して」に、電卓ではなく関数で答えられたら、それが第一歩です。

そして、この「ためる→集計→切り出す→集計表」の土台を、もっと広げたくなったら、その先の道も用意されています。条件を2つ以上に増やすSUMIFSやIF、別の表から情報を引っぱってくるVLOOKUP・XLOOKUP、クリック操作だけで集計表を自由に組み替えるピボットテーブル、数字を見やすく見せるグラフ——これらは、今日作った土台の上に乗る、次のステップです。続きは、無料会員登録で次の講座に進めます。まずはこの「ためる→集計→切り出す→集計表」を、自分のデータで1枚作れるようにしておきましょう。それが、Excelのすべての土台になります。

よくある質問

Excelの関数は、どうやって書き始めればいいですか?

必ずセルに=(イコール)を入力してから関数名を続けます。たとえば合計なら=SUM(範囲)のように、=・関数名・かっこ内の範囲という3点セットで書きます。=を付け忘れると、ただの文字として表示されて計算されません。

COUNTとCOUNTAはどう使い分ければいいですか?

COUNTは数値が入ったセルだけを数えます。金額などの数字列の件数を数えるときに使います。COUNTAは文字も含めて空白でないセルを数えます。カテゴリや担当者名のような文字列の列の行数を数えたいときはCOUNTAを使います。

フィルタをかけるとデータが消えてしまうのではないですか?

データは消えません。フィルタは条件に合わない行を「隠している」だけです。「データ」タブのフィルターをクリアすると、隠れていた行がすべて元通り表示されます。削除とは異なりますので、安心して使えます。

SUMIFとCOUNTIFの引数の数が違うのはなぜですか?

SUMIFは「どの列で条件を見るか・何を探すか・どの列を合計するか」の3つが必要なため引数が3つです。COUNTIFは「行を数えるだけ」なので合計する列の指定が不要で、引数は「どの列で数えるか・何を数えるか」の2つになります。

集計表を作ったあと、検算はどのようにすればいいですか?

カテゴリ別の合計をすべて足した和が、=SUMで出した全体合計と一致するかを確認します。件数も同様に、カテゴリ別の件数の和が全体件数と一致すれば正しく集計できています。ズレがあれば検索条件の文字の全角・半角や範囲指定を見直します。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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