新商品や新メニューの値段を任されたとき、「だいたいこのくらいかな」と何となく決めたり、「競合がこの値段だから」と合わせたりしていないでしょうか。値引きを「もう少し安くして」と頼まれて、根拠を持って断れず「じゃあ100円引きで…」と感覚で応じてしまう。上司やお客様に「なぜこの値段なんですか」と聞かれても、「相場がこのくらいなので」「何となくです」としか答えられない——値段づけや値引きの相談を任され始めた頃、こんな経験はありませんか。
実は価格(値決め)は、利益を直接動かすレバーです。原価が同じでも、値段を100円変えるだけで、1杯あたりに残る利益がそのまま変わります。値引きに根拠なく応じてしまうのも、自分の中に「これ以下では売らない」という線(下限価格)を持っていないからです。kouza-022 で「粗利=売上−売上原価」、kouza-023 で「いくら売れば黒字になるか」を学びました。その次の一歩が、そもそもいくらで売るか=値決めです。
値決めには、大きくコスト・競合・価値の3つの観点があります。この講座を読み終えたあなたは、次の3つができるようになります。
- 価格設定の3つの考え方(コスト基準・競合基準・価値基準)の違いを、それぞれ「何を基準に値段を決めるか」を含めて説明できる
- コスト基準=原価+必要な利益で、その商品の下限価格を実際の数値で計算できる
- コスト(下限)・競合(相場)・価値(上限の目安)の3観点を組み合わせて、根拠つきの価格を1つ提案できる
この講座は最後まで、「あるカフェが新メニュー(カフェラテ1杯)の価格を決める」(1杯あたりの原価=材料費等で200円、目標とする利益=原価の50%=100円)という、たった1つの単純な場面だけで説明します。この同じカフェラテを、なぜ値決めが大事か→コスト基準で下限価格を出す→競合基準で相場を知る→価値基準で上限の目安をつかむ+3観点を統合、と1段ずつ組み上げていきます。まずは手を動かせるよう、価格設定ワークシートを無料でダウンロードしておくと、各章の計算や3観点の整理をそのまま埋めながら進められます。
この講座のポイント
- 価格設定の3つの考え方(コスト基準・競合基準・価値基準)の存在と違いを、「何を基準に値段を決めるか」を含めて説明できる
- コスト基準=原価+必要な利益で、その商品の下限価格を実際の数値で計算できる
- 競合基準=市場相場・競合価格を参考に、その商品が世間でいくらで売られているかの幅を説明できる
- 価値基準=顧客が感じる価値で上限の目安をつかみ、コスト(下限)・競合(相場)・価値(上限目安)の3観点を組み合わせて根拠つきの価格を1つ提案できる
なぜ値決めが大事か(価格は利益を直接動かす)
最初に、「何となく」で値段を決めることがなぜ危ういのかを、はっきりさせましょう。値決めという作業を、根拠を持った判断に変えていく土台の章です。
この章のゴール
この章を読み終えると、価格設定の3つの考え方(コスト基準・競合基準・価値基準)の存在と違いを、「何を基準に値段を決めるか」を含めて説明できるようになります。
価格は利益を直接動かすレバー
値段は、利益を直接動かすレバーです。kouza-022/023 で見た「利益=売上−費用(原価)」で言えば、原価が同じでも、価格を変えれば1個あたりの利益がそのまま変わります。たとえばカフェラテの原価が200円のとき、250円で売れば手元に残るのは50円、350円なら150円。値段を100円動かしただけで、1杯あたりの利益は3倍にもなります。
だから値決めは、「何となく」で済ませてよい作業ではありません。ある著名な経営者も、これを「値決めは経営」と呼び、経営者自身が判断すべき重要事項だと位置づけています。値段を1つ決めるという行為が、それだけ利益を左右するということです。
多くの人は「コストだけ/競合だけ」の片側で決めている
ところが多くの人は、値段を片側だけで決めてしまいます。ひとつは、原価に何となく上乗せする「コストだけ」の決め方。もうひとつは、他社の値段に合わせる「競合だけ」の決め方です。
どちらも間違いではありませんが、片側だけでは「なぜその値段か」を半分しか説明できません。コストだけで決めると、お客様がいくらまで払ってくれるか・競合がいくらで売っているかが見えません。競合だけで決めると、自分の原価でいくら利益が残るかが見えません。「相場がこのくらいなので」としか答えられないのは、競合という片側だけを見ているからです。
値決めには3つの観点がある(コスト・競合・価値)
本来、値決めには大きく3つの考え方があります。
| 観点 | 何を基準に決めるか | 教えてくれること |
|---|---|---|
| コスト基準 | 原価に必要な利益を乗せる | 価格の下限(これ以下では売らない線) |
| 競合基準 | 市場相場・競合価格を参考にする | 世間の相場(みんないくらで売っているか) |
| 価値基準 | 顧客が感じる価値で見る | 価格の上限の目安(いくらまでなら払うか) |
この3つは、コスト基準=コストプラス法(原価加算法)、競合基準=市場価格法、価値基準=知覚価値法、などと呼ばれることもあります。大事なのは名前ではなく、どれか1つではなく、3つを組み合わせること。これが値決めの本体です。コストで下限を出し、競合で相場を知り、価値で上限の目安をつかむ。3つを並べれば、「だからこの値段」と根拠を持って言えるようになります。
ここで先回りして潰しておきたい誤解が2つあります。ひとつは「安くすれば売れる」という思い込み。値下げは1個あたりの利益を直接削りますし、一度下げた値段は戻しにくく、価格競争にも巻き込まれます。値下げ=集客と短絡してはいけません。もうひとつは「価格は一度決めたら変えられない」という思い込み。実際は、観点をそろえれば見直せます。
この講座の主役、カフェラテに初めて登場してもらいましょう。原価は1杯200円です。もし「コストだけ」で決めると、「原価200円だから、何となく250円かな」と薄い利益で決めてしまう。「競合だけ」なら、「隣の店が400円だから400円」と中身を見ずに合わせてしまう。どちらも「なぜその値段か」を半分しか説明できません。このカフェラテを、これから全部の章で「立ち戻る原点」として使っていきます。
この章の確認(演習):共通例「カフェラテ」を、もし自分が「何となく」決めるとしたら何円にするか、まず書いてみてください。次に、その値段を「コスト・競合・価値のどれを基準にしたか」を自己診断し、見ていない観点を挙げてみます。値決めには3観点があると知り、自分が今どの片側で決めているかを手で言語化できたら、ゴール達成です。
コスト基準で下限価格を決める(原価+必要な利益)
3観点のうち、まず1つ目の「コスト基準」から始めます。この章は、唯一の計算の章。「これ以下では売らない」という線を、自分の手で出せるようにします。
この章のゴール
この章を読み終えると、コスト基準=原価+必要な利益で、その商品の下限価格を実際の数値で計算できるようになります。
コスト基準=原価に必要な利益を乗せて値段を出す
1つ目の観点がコスト基準です。原価(材料費・仕入れ等の、その商品にかかるコスト)に、確保したい利益を乗せて値段を出す考え方で、式にすると下限価格=原価+必要な利益となります。
原価・利益の考え方の土台は、kouza-022(粗利)・023(損益分岐点)で扱ったものの延長です。この講座では原価の細かい計算各論には踏み込まず、「原価に必要な利益を乗せて下限を出す」ことに絞ります。なお「原価」にどこまで含めるか(材料費だけか、その他の費用も含めるか)は場合によりますが、ここでは「材料費・仕入れ等の、その商品にかかるコスト」と単純に考えてください。
下限価格=これ以下では売らない最低ライン
ここで出した下限価格は、最終的な売値ではありません。「これ以下で売ると、狙った利益が残らない(場合によっては赤字になる)」という、価格の下限(最低ライン)です。
この線を持っておくと、値引きの場面で強くなれます。「もう少し安くして」と頼まれても、「下限が◯円なので、それ以下にはできません」と根拠を持って線を引けます。「じゃあ100円引きで…」と感覚で応じて、気づいたら利益が消えていた——という事故を防げます。下限はあくまで「これ以下では売らない線」であって、最終価格は次章以降の競合・価値も見て、下限より上で決めます。
必要な利益の決め方(原価の◯%/1個◯円)
下限価格を出すには、「必要な利益」をいくらにするかを決める必要があります。決め方は、「原価の◯%」や「1個あたり◯円」のように、自分でルールを持っておくのが簡単です。これを1つ決めれば、下限価格が一意に出ます。
それでは、カフェラテで計算してみましょう。1杯あたりの原価(豆・牛乳・カップ代など)は200円でした。この商品で確保したい利益を「原価の50%」と決めると、上乗せする利益=200×0.5=100円。すると、コスト基準の下限価格=原価+必要な利益=200+100=300円です。「300円より安く売ると、狙った利益(100円)が残らない」と分かります。
検算してみます。価格300円のとき、利益=300−200=100円。これは原価200円の50%にぴったり一致します。1円もズレていません。ここで第1章を思い出してください。「コストだけ」で何となく250円と置いた値は、実は下限300円を割っていました。つまり、狙った利益が残らない薄利の値段だったのです。
この章の確認(演習):共通例カフェラテで、もし原価が240円だったら下限価格はいくらになるか、計算してみてください(必要な利益=原価の50%で統一)。必要な利益=240×0.5=120円、下限価格=240+120=360円。検算は360−240=120円で、原価240円の50%と一致します。次に、自分の仕事で値段をつける商品・サービスを1つ選び、原価+必要な利益で下限価格を出してみましょう。別の数値と自分の数字で下限価格を計算し、検算まで手で確かめられたら、ゴール達成です。
競合基準で相場を知る(市場相場・競合価格を参考に)
下限が出せたら、次は2つ目の観点「競合基準」です。自分の原価から目を上げて、「世間ではいくらで売られているか」を見ます。
この章のゴール
この章を読み終えると、競合基準=市場相場・競合価格を参考に、その商品が世間でいくらで売られているかの幅を説明できるようになります。
競合基準=世間の水準(市場相場・競合価格)を知る
2つ目の観点が競合基準です。同じような商品が市場でいくらで売られているか(市場相場・競合価格)を調べ、それを参考に値段を決める考え方です。
コスト基準が「自分の都合(原価)」から下限を教えてくれるのに対し、競合基準は「世間の水準」を教えてくれます。自分の原価だけ見ていても、その値段がお客様にとって高いのか安いのかは分かりません。同じような商品が世間でいくらで売られているかを知って初めて、自分の値段が相場の中でどの位置にあるかが見えてきます。
下限と相場を並べて読む
競合基準の使いどころは、第2章で出した下限価格と、相場を並べて読むことです。
相場が下限よりずっと高ければ、下限ぎりぎりで売る必要はなく、利益を厚くできる余地があります。逆に相場が下限を下回るなら、その商品はそのコスト構造では、競合と同じ土俵では戦いにくい(コストを下げるか、価値で差をつけるか)と分かります。相場を単独で見るのではなく、必ず「自分の下限」と並べて読むのがコツです。
「競合に合わせるだけ」は危険
ここで注意したいのが、競合に合わせるだけは危険だということです。相場はあくまで参考の「幅」であって、自分の原価(下限)と顧客の価値を無視して追随すると、利益の残らない値段に引きずられてしまいます。これが第1章で触れた「競合だけ」で決める片側の危うさです。
もうひとつ、相場を1件だけ見て幅をつかまないのも危険です。たまたまの安値や高値を相場だと思い込むと、判断を誤ります。相場は2〜3件を見て、「だいたいこのくらいから、このくらいまで」という幅でつかんでください。なお、市場や競合の詳しい調べ方・分析手法は kouza-029(マーケティング)でくわしく扱います。この講座では「相場の幅を参考にする」ことに絞ります。
カフェラテで見てみましょう。近隣・同業態のラテを2〜3件調べたところ、350〜450円で売られていたとします。第2章のコスト基準の下限300円と並べると、「下限300円に対して、相場は350〜450円。下限より相場が高いので、300円ぎりぎりで売る必要はなく、相場の中で値段を考えられる」と読めます。逆に、もし相場が250円だったら、「下限300円を相場が下回る=このコストでは競合と同じ土俵では苦しい」と気づけます。相場を、下限と並べて読むわけです。
この章の確認(演習):共通例カフェラテについて、近隣のラテ価格を(仮で)3つ挙げて相場の幅を出し、第2章の下限300円と並べて「相場の中で値段を考える余地があるか」を書いてみてください。次に、自分の商品・サービスの競合価格を2〜3件調べて、相場の幅を出してみましょう。相場を幅としてつかみ、下限と並べて読む型を手で確かめられたら、ゴール達成です。
価値基準で決める+3観点を統合する(顧客が感じる価値で決める)
いよいよ3つ目の観点「価値基準」と、3観点の統合です。下限・相場・上限の目安を1本に並べて、「だからこの値段」と言える価格を1つ決めます。
この章のゴール
この章を読み終えると、価値基準=顧客が感じる価値で上限の目安をつかみ、コスト(下限)・競合(相場)・価値(上限目安)の3観点を組み合わせて根拠つきの価格を1つ提案できるようになります。
価値基準=顧客が感じる価値で上限の目安をつかむ
3つ目の観点が価値基準です。顧客がその商品に感じる価値(どれだけ嬉しいか・困りごとがどれだけ解決するか)をもとに、「いくらまでなら払ってもらえるか」で値段を見る考え方です。
コスト基準が下限を、競合基準が世間の水準を教えるのに対し、価値基準は上限の目安(顧客が納得して払える上限)を教えてくれます。同じ原価のカフェラテでも、「席が静かで作業しやすい」「ラテが丁寧」といった価値を顧客が高く感じるなら、相場より高くても払ってもらえます。逆に、価値を感じてもらえなければ、安くしても選ばれません。
価値基準=「高くすればいい」ではない
ここで先回りして潰しておきたい誤解があります。価値基準=とにかく高くすればいい、ではないということです。
価値基準は、あくまで「顧客が感じる価値の範囲で、上限を見る」考え方です。顧客が感じる価値を超えた値付けをすれば、いくら自分が高く売りたくても売れません。価値は「上限の目安」であって、青天井ではないのです。「価値で決める=強気に高くする」と誤解せず、「顧客がここまでなら納得して払う、という上限を見立てる」と捉えてください。
3観点を統合して価格を1つ決める
最後に、3観点を統合します。コスト基準の下限(これ以下では売らない)/競合基準の相場(世間の水準)/価値基準の上限目安(顧客が払える上限)の3つを並べ、「下限はここ、相場はここ、価値の上限はここ、だからこの値段」と、1つの価格を根拠つきで決めます。
カフェラテで統合してみましょう。「このカフェは席が静かで作業しやすく、ラテも丁寧」という価値があり、顧客は同じラテでも450円までなら納得して払うと見立てたとします。ここまでの3観点を並べます。
| 観点 | カフェラテの数値 | 意味 |
|---|---|---|
| コスト基準(下限) | 300円 | これ以下では売らない |
| 競合基準(相場) | 350〜450円 | 世間の水準 |
| 価値基準(上限目安) | 450円 | 顧客が払える上限 |
この3つから、「下限300円は超え、相場350〜450円の中で、価値の上限450円は超えない」420円を提案価格に決めます。実際、下限300円<提案420円<価値上限450円に収まっており、相場350〜450円の中にも入っています。3観点すべてに矛盾しない値段です。「なぜ420円か」と聞かれても、「下限が300円、相場が350〜450円、価値の上限が450円、だから420円です」と3観点で答えられます。値引きを求められても、「下限が300円なので、それ以下にはできません」と線を引けます。なお、顧客が感じる価値の詳しい分析手法は kouza-029(マーケティング)へ送ります。
気をつけたいのは、ここでどれか1つの観点(コストだけ・競合だけ)に戻ってしまわないことです。3つを並べてこそ、根拠が完成します。また、下限を下回ったり、価値の上限を超えたりする価格は、3観点の範囲を外れているので避けます。
この章の確認(演習):共通例カフェラテで、価値基準の上限目安を自分で1つ置き、第2章の下限300円・第3章の相場と並べて、3観点に収まる価格を1つ決めて「なぜこの値段か」を3観点で書いてみてください。次に、自分の商品・サービスで同じく下限・相場・価値の上限を並べ、根拠つきの価格を1つ提案してみましょう。3観点を並べ、範囲に収まる価格を1つ決め、3観点で根拠を言えるか手で確かめられたら、ゴール達成です。価格設定ワークシートを使えば、この一連の流れをそのまま埋められます。
まとめ:値段は、原価+勘でなく、コスト・競合・価値の3つで決める
おつかれさまでした。「あるカフェのカフェラテ1杯」という、たった1つのメニューを、なぜ値決めが大事か→コスト基準で下限→競合基準で相場→価値基準で上限目安+統合、と1段ずつ組み上げてきました。歩いてきた道を振り返ります。
- なぜ値決めが大事か……価格は利益を直接動かすレバー。原価が同じでも値段を100円変えれば利益が大きく動く。値決めには、コスト・競合・価値の3つの観点がある(第1章)。
- コスト基準で下限価格……下限価格=原価+必要な利益。カフェラテなら200+100=300円。これは「これ以下では売らない最低ライン」で、値引き要求に線を引く武器になる(第2章)。
- 競合基準で相場の幅……市場相場・競合価格を2〜3件調べ、世間の水準を知る。下限300円と相場350〜450円を並べて読む。競合に合わせるだけは危険(第3章)。
- 価値基準で上限目安+統合……顧客が感じる価値で上限の目安(450円)をつかむ。高くすればいい、ではない。下限300円・相場350〜450円・上限450円を並べて、提案420円を根拠つきで1つ決める(第4章)。
この4つは、すべて1つの問いに戻ります。「値段を、コスト・競合・価値の3観点から根拠を持って1つに決められているか?」。この講座でいちばん覚えて帰ってほしいのは、このひと言です——値段は、原価+勘でなく、コスト・競合・価値の3つで決める。これが身につくと、「なぜこの値段か」を3観点で説明でき、値引き要求にも下限価格で線を引けるようになります。
明日の最初の一歩:自分が値段をつける(または値引きを相談される)商品・サービスを1つ選び、まずコスト基準の下限価格=原価+必要な利益を計算してみてください。「これ以下では売らない線」を1つ持つこと——それが、何となくの値決めから抜け出す第一歩です。価格設定ワークシートを無料でダウンロードすれば、原価欄→必要な利益欄→下限価格→競合価格2〜3件+相場の幅→顧客が感じる価値+上限目安→3観点を並べて提案価格を1つ、まで一通り埋められます。
もっと深めたくなったら、その先の道も用意されています。原価・粗利の計算をくわしく知りたいなら kouza-022(粗利の計算)、固定費・変動費からいくら売れば黒字かは kouza-023(損益分岐点=コスト基準の土台)、市場・競合・顧客の調べ方(マーケティング)は kouza-029 で深められます。本講座はあくまで「値決め=コスト・競合・価値の3観点から商品の価格を根拠つきで設定すること」に絞っています。まずは自分の商品で、下限を1つ出してみましょう。
よくある質問
価格設定(値決め)とは何ですか?
商品やサービスの値段を「コスト・競合・価値」の3つの観点から根拠を持って決めることです。原価に必要な利益を乗せた下限、市場の相場、顧客が感じる価値による上限の目安を組み合わせて、最終的に1つの価格を決定します。
コスト基準・競合基準・価値基準はどう使い分けますか?
3つは使い分けるのではなく、組み合わせて使います。コスト基準で「これ以下では売らない下限」を出し、競合基準で「世間の相場の幅」を確認し、価値基準で「顧客が払える上限の目安」をつかむ——この3つを並べて初めて根拠のある価格が1つ決まります。
下限価格はどうやって計算しますか?
下限価格=原価+必要な利益です。原価に確保したい利益(例:原価の50%)を乗せて計算します。たとえば原価が200円で必要な利益を100円とすれば、下限価格は300円となり「これ以下では売らない最低ライン」を手で出せます。
値引きを求められたときはどう対応すればよいですか?
コスト基準で算出した下限価格を持っておくことが重要です。「下限が◯円なので、それ以下にはできません」と根拠を示して断ることができます。下限を知らないまま感覚で値引きに応じると、意図せず利益が消える原因になります。
競合の価格に合わせるだけではいけないのですか?
競合基準だけで値段を決めると、自分のコスト(下限)や顧客が感じる価値を無視した価格になりやすく、利益の残らない値段に引きずられるリスクがあります。相場はあくまで参考の幅として使い、必ずコスト基準の下限と価値基準の上限目安と組み合わせて判断してください。