意思決定の基本 | マナビズ

意思決定の基本

意思決定の基本

「業務効率化ツールを、この3つから選んでおいて」と任されたとき、あなたの周りには何人かのタイプがいます。第一印象で「なんとなくこれ」と決めて、後で上司の「なんでこれにしたの?」に詰まる人。各候補のレビューを延々と見比べたあげく「どれも一長一短で決められない」と保留して、締め切りを過ぎる人。一方で、3つの候補を並べ、何を大事にするか(軸)を決めて比べ、「この軸を重視したのでこれを選びました」と理由を言える人がいます。違いは勘の良さでも情報量でもありません。意思決定の選び方(プロセス)を持っているか、それだけの差です。

「なんとなく・直感でこれにして、後で後悔する」「どれも良く見えて迷って決められない」「決めた理由を聞かれると、ちゃんと説明できない」「選んでいいのか不安で、つい先延ばしにする」——心当たりがあるなら、それは結論を当てにいこうとして、選び方を持っていないサインです。意思決定は「正解を当てる」ことではありません。根拠を持って選び、後から説明できるようにすること。同じ「Aを選ぶ」でも、なんとなく選んだAと、軸で比べた結果のAでは、説明できるかがまるで違います。

この講座を読み終えたあなたは、次の3つができるようになります。

  1. 良い意思決定は「選んだ結論そのもの」ではなく「選び方(プロセス)」で見るものだと、なんとなく・直感で決めることとの違いを含めて説明できる
  2. 1つの判断について、複数の選択肢と評価軸(基準)を出して、比較表を作れる
  3. 評価軸に重みをつけて各選択肢を評価し、根拠を示して1つを選び切れる

この講座は最後まで、「業務効率化ツールを3つの候補(A・B・C)から選ぶ」という、選定・判断を任される1つの場面だけで説明します。同じ判断を、意思決定とは何か→選択肢と評価軸を出す→比較表で評価する→重みづけして根拠を示して選ぶ、と順に組み上げていきます。手を動かせるように、「意思決定シート」を無料でダウンロードすれば各章の演習をそのまま埋められるので、これから紙とペンを手元に置いて読み進めてください。あわせて、選んだ後に原因→打ち手まで整理して実行する段階は問題解決(kouza-014)、評価軸や選択肢の前提を疑う見方はクリティカルシンキング(kouza-016)、情報を集めきる前に仮の答えを立てて確かめる進め方は仮説思考(kouza-015)で深められます。

この講座のポイント

  • 良い意思決定は選んだ結論そのものでなく「選び方(プロセス)」で見るものだと、なんとなく・直感で決めることとの違いを含めて説明できる
  • 1つの判断について、複数の選択肢と、目的から導いた評価軸(基準)を出せる
  • 選択肢を評価軸ごとに比べた比較表を作り、各選択肢の評価を埋められる
  • 評価軸に重みをつけて各選択肢を評価し、根拠を示して1つを選び切れる

意思決定とは(結論でなく「選び方」で決まる)

まずは、上司の「なんでこれにしたの?」に詰まる正体を見て、意思決定が結論でなく選び方で見るものだと手に入れましょう。

この章のゴール

この章を読み終えると、良い意思決定は選んだ結論そのものでなく「選び方(プロセス)」で見るものだと、なんとなく・直感で決めることとの違いを含めて説明できるようになります。

「なんでこれにしたの?」に詰まる正体

「ツールを3つから選んで」と任されたとき、頭の中ではこんなことが起きています。「使ったことのあるAが安心かな、いや、評判のいいBか、Cも気になる…」と思いが行き交って、結局なんとなくAに飛びつく。あるいは逆に、A・B・Cのレビューを延々と見比べて「どれも一長一短だな」と感じ、決めきれないまま保留する。

そのまま、たまたま選んだもので発注すると、後から上司に「なんでこれにしたの?」と聞かれても、「使いやすそうだったので…」としか言えません。問題は、あなたの能力ではありません。結論(どれにするか)を直接当てにいこうとして、どう選んだかという選び方を持っていないせいで、理由が言葉にならないのです。

ここで背骨になる考え方を最初に渡します。良い意思決定かどうかは、結果がたまたま当たったかだけでなく、「どう選んだか(選び方・プロセス)」で見るのがコツです。選び方を持っていれば、後から「なぜこれを選んだか」を説明できますし、思い込みや偏りにも気づけます。

意思決定=複数から根拠を持って1つを選ぶこと

意思決定とは、目的(何を実現したいか)に照らして、複数の選択肢の中から根拠を持って1つを選ぶことです。ここで大事な前提が2つあります。1つは「選ぶ」には選択肢が複数いること。1つしか見ていなければ、それは「採るか採らないか」であって、比べて選んではいません。もう1つは、最終的にどれにするかを決めるだけでなく、そこに至る過程(選択肢を並べる・比べる・評価する)と、選んだ後の見直しまで含む営みだということです。

なんとなく・直感で選ぶと、たまたま良い結果が出ても次に再現できず、悪い結果なら「なぜそうしたか」を説明できません。これに対して、(1)選択肢を複数並べ、(2)何を大事にするか(評価軸)を決め、(3)それで比べて、(4)根拠を持って選ぶ、という手順を踏めば、後から「なぜこれを選んだか」を評価軸と根拠で説明できます。規定の手順を踏んでおくと、その判断が適切だったかを後から見直せますし、複数の目でチェックすれば個人の思い込みや偏りも是正できる、と整理できます。

直感は全否定でなく「選択肢の1つ」として土俵に乗せる

「じゃあ直感は捨てなさい」という話ではありません。なんとなく・直感の判断は速くて便利な場面もあります。ただ、自分の知識や経験の範囲に限られ、最初の印象や慣れに引きずられやすいという限界があります。だからといって直感を捨てる必要はなく、直感で浮かんだ候補も「選択肢の1つ」として土俵に乗せ、軸で比べて確かめればよいのです。

共通例で、3つのタイプを並べてみましょう。

  • なんとなく型……使ったことのあるAに第一印象で飛びつく。理由を聞かれると詰まる。
  • 迷って決められない型……A・B・Cを延々と見比べて「どれも一長一短」と保留し、締め切りを過ぎる。
  • 意思決定型……3つを並べ、大事にする軸を決めて比べ、「この軸を重視したのでこれ」と根拠を持って選ぶ。

注目してほしいのは、なんとなく型と意思決定型が、同じ「Aを選ぶ」に行き着くこともある、という点です。それでも、なんとなく選んだAと、軸で比べた結果のAでは、上司に説明できるかがまるで違います。良い意思決定は、選んだ結論そのものでなく、この選び方の違いに表れます。

ここでよくあるつまずきを、先に潰しておきます。1つ目は、「結果が良ければ良い意思決定」と、結果と選び方を混同すること。たまたま当たっただけでは、次に再現できません。2つ目は、選択肢を1つしか見ずに飛びつくこと。これはそもそも比べていないので「選んで」いません。3つ目は、「直感はダメ」と直感を全否定して、かえって動けなくなること。直感の候補も軸で確かめればよいだけです。

この章の確認(演習):共通例「業務効率化ツールを3候補から選ぶ」で、自分なら「なんとなく」どれを選びそうか1つ書いてください。次に、「その理由を上司に説明するとしたら何と言うか」を書いてみます。感覚だけだと説明に詰まることを確認できたら、ゴール達成です。

選択肢と評価軸を出す(目的から軸を決める)

選び方を持つと決めたら、その第一歩です。意思決定の土台になる「選択肢」と「評価軸」を出していきます。

この章のゴール

この章を読み終えると、1つの判断について、複数の選択肢と、目的から導いた評価軸(基準)を出せるようになります。

まず選択肢を2〜3つ以上並べる

第1章で「複数から1つ選ぶのが意思決定」と押さえました。だから出発点は、選択肢を2〜3つ以上、土俵に並べることです。1つしか見ていなければ、それを採るか採らないかの判断で、比べて選んではいません。

共通例なら、候補を「ツールA・B・C」の3つに並べます。「いつも使っているAでいいか」と1つだけで考え始めるのではなく、まず比べる相手を出す。これだけで「選んで」いる土俵に立てます。

評価軸(比べる基準)は「目的」から逆算して決める

選択肢を並べたら、次は評価軸(比べる基準)を決めます。ここが肝心で、軸は思いつきで並べるのではなく、「このツールで何を実現したいのか」という目的から逆算するのがコツです。

共通例で、目的を「毎日の手入力を減らして残業を減らす」と置いてみます。すると、そこから自然に軸が出てきます。

  • ① 操作の覚えやすさ(チームがすぐ使えるか)
  • ② 既存の勤怠ツールとの連携
  • ③ 月額コスト

この3つは、「手入力を減らして残業を減らす」という目的に直結しています。覚えやすければチームがすぐ使い始められ、連携できれば二重入力が減り、コストは続けられるかに関わります。

逆に、目的を置かずに「なんとなく良さそう」で軸を「デザイン」「知名度」にしてしまうと、本来の目的(作業を減らす)とずれて選び損ないます。見た目がよくても入力作業が減らなければ、残業は減りません。軸を先に決めずに選択肢を眺めても、何を見ればいいか分からず迷うだけ。軸が決まって初めて「どこで比べるか」がはっきりするのです。なお、その評価軸や選択肢の前提そのものを「本当にそれでよいか」と疑う見方は、クリティカルシンキング(kouza-016)で深められます。

軸は3つ前後に絞る

軸は多ければよいわけではありません。5つ6つと増やすと比べきれず、また「どれも一長一短」の迷いに戻ってしまいます。3つ前後に絞るくらいが、比べやすさの目安です(何個が正解と決まっているわけではなく、多すぎると比べきれないので絞る、という考え方です)。3つに絞ると、各選択肢を「この3点でどうか」とだけ見ればよくなり、判断がぐっと軽くなります。

ここでのつまずきは3つ。選択肢を1つしか出さず、それを採るかどうかだけで考える。目的を決めずに軸を思いつきで並べ、目的とずれた基準で比べる。軸を増やしすぎて比べきれず、また迷いに戻る。どれも「まず複数並べる/目的から軸を逆算する/3つ前後に絞る」で防げます。

この章の確認(演習):共通例とは別に、自分が最近「どれにするか」を任された(または任されそうな)判断を1つ選んでください。その選択肢を2〜3つと、目的から導いた評価軸を3つ書き出します。軸は思いつきでなく「何を実現したいか」から逆算し、3つ前後に絞れたら、ゴール達成です。

比較表(マトリクス)で評価する

選択肢と評価軸がそろいました。次は、それを1枚の表にして、頭の中の「どれも一長一短」を目に見える形にします。

この章のゴール

この章を読み終えると、選択肢を評価軸ごとに比べた比較表を作り、各選択肢の評価を埋められるようになります。

行=選択肢・列=評価軸の比較表にして見比べる

選択肢と評価軸が出たら、表にします。行に選択肢、列に評価軸を取り、各マスに「その選択肢がその軸でどうか」を○△×(または1〜3点などの点数)で埋めます。こうした表は、意思決定マトリクス(比較表)などと呼ばれます。

共通例で作ってみましょう。行にA・B・C、列に「覚えやすさ/連携/月額コスト」を取ります。

選択肢覚えやすさ連携月額コスト
ツールA
ツールB
ツールC

表にすると、頭の中で漠然と「どれも一長一短」と感じていたものが、「Aは安いが覚えにくい」「Bは覚えやすいがコストは普通」「Cは連携に強いが少し高い」と、どこで差がつくかが目に見えてきます。一長一短が、どの軸での一長一短なのかがはっきりするのです(数字や○△×はあくまで説明用の一例で、実在のツールや料金を表すものではありません)。

評価は印象でなく事実で埋める/曖昧なら「要確認」

各マスは、思い込みや「なんとなく良さそう」でなく、料金表・試用・レビューなどで確かめた事実に基づいて埋めます。比較表のよさは、属人的・主観的になりがちな判断を、同じ基準で並べて客観的に見られることにあります。印象で埋めてしまうと、せっかくの表が「なんとなく」の言い換えになってしまいます。

埋まらない、または曖昧なマスは、無理に埋めず「要確認」と印を付けておきます。共通例なら、「Bの連携は実際どうか、試用して確認」とメモしておく。後で料金表を見たり試したりして、確かめた事実で埋め直します。

この時点ではまだ合計しない

ここで一度ブレーキです。比較表を埋めても、この段階ではまだ合計しません。第3章のゴールは、全マスを埋めて、各選択肢の長所短所を一覧にするところまでです。「どの軸が大事か(重み)」を考えて点数をまとめる作業は、次の第4章で行います。まず長所短所を並べきってから、重みづけに進む——この順番を守ると、評価が落ち着いてできます。

ここでのつまずきは3つ。表を作らず頭の中だけで比べ、結局「なんとなく」に戻る。マスを印象で埋め、事実で確かめない。全部のマスを埋める前に「もうこれでいい」と途中で1つに飛びつく。どれも「表に出す/事実で埋める/先に全マスを埋めてから次へ」で防げます。

この章の確認(演習):第2章で出した自分の選択肢と評価軸で、行=選択肢・列=評価軸の比較表を作り、各マスを○△×で埋めてください。印象でなく、確かめた事実で埋めます。埋まらないマスには「要確認」と書いておけたら、ゴール達成です。

重みづけして選び、根拠を示す(決め切る)

全マスが埋まりました。最後に、軸の大事さに差をつけて点数化し、根拠を持って1つに決め切ります。

この章のゴール

この章を読み終えると、評価軸に重みをつけて各選択肢を評価し、根拠を示して1つを選び切れるようになります。

評価軸の「大事さ(重み)」は同じではない

比較表を埋めても、3つの軸が横並びに同じ大事さとは限りません。今回の目的は「毎日の手入力を減らして残業を減らす」でした。だとすれば、チームがすぐ使えるかどうか(覚えやすさ)は特に大事で、コストはそれに次ぐ、連携はあれば嬉しい、という優先度がつきます。そこで、各評価軸に重み(優先度)をつけます。「今回はコストより覚えやすさが大事」なら、覚えやすさの軸を重く扱う、ということです。

重みをかけて点数化し、根拠を言葉にする

重みをつけたら、各選択肢をスコア×重みで点数化し、合計が高いものを選びます。この、軸に重みをつけてスコア×重みで合計する進め方は、重み付け評価(加重スコアリング)などと呼ばれます。

共通例でやってみます。◎=4点・○=3点・△=2点・×=1点とし、重みを「覚えやすさ×3/コスト×2/連携×1」と置きます(この点数も倍率も説明のための一例で、推奨値ではありません)。第3章の表に重みをかけて合計すると、こうなります。

選択肢覚えやすさ(×3)連携(×1)コスト(×2)合計
ツールA△2 → 6○3 → 3◎4 → 817
ツールB◎4 → 12○3 → 3○3 → 621
ツールC○3 → 9◎4 → 4△2 → 417

いちばん重視した覚えやすさが◎のBが、合計でも頭一つ抜けて最高点になりました。そこでBを選びます。大事なのはここからで、点数が高い方を見るだけで終わらせず、「なぜそれを選んだか」を1〜2文で言葉にすることです。上司に「なぜB?」と聞かれたら、「3軸で比べ、今回いちばん重視した覚えやすさでBが抜けたため、合計でもBが最高でした」と、表と重みで根拠を示せます。何を重視したか(軸の重み)と、各選択肢が基準をどれだけ満たすか(スコア)を分けて見ているので、選んだ理由が「重視した軸で勝ったから」とはっきり言えるのです。

決めたら根拠を理由に決め切り、迷い直さない

選び終えたら、その根拠を理由に決め切ります。情報を集め続けて決められないのは、意思決定とは別の「決められない」問題です。完璧な情報も完璧な計画も手に入りません。世の中の情報をすべて集めることはできないのですから、「今ある情報と軸で、十分に良いと言えたらそこで選ぶ」とどこかで区切ることが必要です。決めた後に新しいレビューを見ても軽々に覆さず、発注に進みます。

なお、Bを選んだ後の「では具体的にどう導入して定着させるか(原因→打ち手の整理・実行)」は、問題解決(kouza-014)の領域です。この講座は「根拠を持って1つを選び切る」ところまでを型にします。

ここでのつまずきは3つ。軸の重みをつけず全部同じ重さで合計し、本当に大事な軸が埋もれる。決めた後も情報を集め続けて選び直し、いつまでも決まらない。「点数が高い方」だけ見て、なぜその軸を重視したのか(根拠)を言葉にしない。どれも「大事な軸を重く/どこかで区切って決め切る/根拠を1〜2文で言葉にする」で防げます。

この章の確認(演習):第3章で作った比較表の各軸に重みをつけ、合計して1つを選んでください。そのうえで、「◯◯を重視した結果これを選んだ」という根拠を1〜2文で書きます。点数だけでなく、なぜその軸を重視したかまで言葉にできたら、ゴール達成です。

まとめ:迷ったら、軸を決めて比べる

おつかれさまでした。「業務効率化ツールを3つの候補(A・B・C)から選ぶ」という、たった1つの判断を、意思決定とは何か→選択肢と評価軸を出す→比較表で評価する→重みづけして根拠を示して選ぶ、と1段ずつ組み上げてきました。道のりを振り返ります。

  1. 意思決定とは……目的に照らして、複数の選択肢から根拠を持って1つを選ぶこと。良し悪しは結論そのものでなく「選び方(プロセス)」で見る。なんとなく・直感は速いが限界があり、候補の1つとして軸で確かめればよい(第1章)。
  2. 選択肢と評価軸を出す……まず選択肢を2〜3つ並べ、評価軸は目的から逆算して決め、3つ前後に絞る(第2章)。
  3. 比較表で評価する……行=選択肢・列=評価軸の比較表(意思決定マトリクス)にし、各マスを事実に基づいて○△×で埋める。曖昧なら「要確認」。この段階では合計しない(第3章)。
  4. 重みづけして選び切る……軸に重みをつけてスコア×重みで点数化し、合計が高いものを選ぶ。「◯◯を重視した結果これ」と根拠を1〜2文で言葉にし、決めたら軽々に覆さない(第4章)。

この4つは、すべて1つの考え方に戻ります。意思決定は当てずっぽうや直感でなく、選択肢を評価軸で比べ、重みをつけて、根拠を持って1つを選ぶこと。良し悪しは結果でなく選び方で見る。 この流れを踏めば、「なんとなく」で後悔せず、「迷って決められない」で止まらず、上司の「なぜこれを選んだの?」に評価軸と重みで答えられます。この講座でいちばん覚えて帰ってほしいのは、このひと言です——迷ったら、軸を決めて比べる。選び方で決まる。

明日の最初の一歩:明日いちばん「どれにするか決めて」と任されそうな件を1つ思い浮かべてください。ツール選び、発注先選び、進め方の判断、何でもかまいません。いきなり1つに飛びつかず、まず選択肢を2〜3つ並べて、目的から「比べる軸」を3つ書き出してみます。軸を3つ書き出すだけで、何を見て比べればいいかが絞られ、「なんでこれにしたの?」に詰まらなくなります。

この一歩を後押しするために、「意思決定シート」を無料でダウンロードできます。判断したいこと欄→選択肢2〜3つ欄→目的欄→評価軸3つ欄→比較表(行=選択肢×列=評価軸、○△×か点数)→各軸の重み欄→重み付き合計→選んだもの+「◯◯を重視した結果」の根拠欄、と並んでいるので、上から順に埋めるだけで、今日学んだ4手順がそのまま1枚になります。

最後に、さらに深めたい方への案内です。本講座は「複数の選択肢を評価軸で比較し、根拠を示して1つを選ぶ」ことに絞っています。選んだ後に原因→打ち手まで整理して実行する段階は問題解決(kouza-014)、評価軸や選択肢の前提を「本当にそれでよいか」と疑う見方はクリティカルシンキング(kouza-016)、情報を集めきる前に仮の答えを立てて確かめる進め方は仮説思考(kouza-015)で深められます。この3つを続けて学ぶと、選び方の型がさらに確かなものになります。

よくある質問

意思決定とは何ですか?

目的に照らして、複数の選択肢の中から根拠を持って1つを選ぶことです。良い意思決定かどうかは、選んだ結論そのものでなく「どう選んだか(選び方・プロセス)」で判断します。

直感で決めてはいけないのですか?

直感を全否定する必要はありません。直感で浮かんだ候補も「選択肢の1つ」として比較表に乗せ、評価軸で確かめることで、根拠のある選択に変えられます。

評価軸はいくつ設定すればよいですか?

3つ前後が目安です。軸を増やしすぎると比べきれなくなり、「どれも一長一短」という迷いに戻ってしまうため、目的から逆算して3つ程度に絞ることが推奨されます。

評価軸に重みをつけるのはなぜですか?

軸ごとに大事さは異なるためです。全軸を同じ重さで合計すると、本当に優先すべき基準が埋もれます。「今回いちばん重視する軸」を重く設定することで、選んだ理由を根拠として言葉にしやすくなります。

決めた後も情報を集め続けてよいですか?

判断に必要な情報を十分に集めたら、そこで区切って選ぶことが重要です。完璧な情報は手に入らないため、「今ある情報と評価軸で十分に良いと言えたら選ぶ」と決め切り、決めた後は軽々に覆さないことが意思決定の基本姿勢です。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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