PREP法入門 | マナビズ

PREP法入門

PREP法入門

「A社への提案、どうなった?」と上司に聞かれて、「先週訪問したんですが担当者が不在で、再訪問して…」と話し始めたら、「で、結局どうなったの?」と途中でさえぎられた——。働き始めて、こんな経験はありませんか。

同じ内容を報告しても、最後まで「で、結局?」と聞き返される人と、最初の一言で「了解」と返される人がいます。違いは話の中身ではなく、話す順番です。順番に説明しているのに伝わらないのは、経緯から話し始めて、結論が最後になっているから。聞き手は着地点が見えないまま、あなたの話を抱え続けることになります。その順番を整える型が PREP法——結論から話す型です。

この講座を読み終えたあなたは、次の3つができるようになります。

  1. PREPの4要素(結論・理由・具体例・結論)が何かを説明できる
  2. 自分の意見や報告を、PREPの順で30秒の説明に組み立てられる
  3. 日々の報告・チャット・メールに、PREPの型を当てはめられる

この講座は最後まで、「上司への進捗報告(“A社への提案、どうなった?”に答える場面)」という、たった1つの場面だけで説明します。同じ報告を、結論→理由→具体例→結論と、前から1ブロックずつ組み上げていきます。

この講座のポイント

  • PREPの4要素(結論・理由・具体例・結論)が何かを説明できる
  • 自分の意見や報告の結論を、1文で言い切れる
  • 結論のあとに理由と具体例を添え、最後にもう一度結論で締めて、30秒の説明に組み立てられる

PREP法とは何か

まずは「順番に話しているのに伝わらない」というモヤモヤの正体を、はっきりさせるところから始めましょう。

この章のゴール

この章を読み終えると、PREPの4要素(結論・理由・具体例・結論)が何かを説明できるようになります。

「順番に話しているのに伝わらない」の正体

あなたが伝え下手なわけではありません。多くの場合、話す順番が「経緯から」になっているだけです。

「先週訪問して、担当者が不在で、再訪問して…」と時系列で話すと、聞き手は最後まで聞かないと結論が分かりません。着地点が見えないまま情報を抱えるのは、相手にとって負担です。だから「で、結局?」と聞き返されます。日本語の会話は経緯や状況説明から入りがちですが、ビジネスの報告では、まず結論を置くだけで、同じ話が一度で伝わります。伝わらないのは内容ではなく、順番。これがこの講座の背骨です。

PREP=結論→理由→具体例→結論の4要素

その順番の型が PREP法(プレップ法)です。次の4つの頭文字をとった、文章や説明の構成の型で、ビジネスで広く使われています。

  • Point(結論)……相手の問いへの答え。一番伝えたいこと
  • Reason(理由)……なぜそう言えるのか
  • Example(具体例)……理由を裏づける数字・事実・実際の発言
  • Point(結論)……最後にもう一度、結論を短く

結論を先に置くと、聞き手は最初に「何の話か」が分かり、続く理由・具体例を結論の裏づけとして聞けます。最初と最後に結論があるので、記憶にも残りやすいとされています。

経緯から話す(NG)と結論から話す(PREP)を比べる

同じ報告を2通りで並べてみましょう。

経緯から話す例:「A社の件ですが、先週訪問して、担当者が不在で、再訪問して、ようやく話ができて…」。聞き手は受注できたのかどうか、最後まで分かりません。

結論から話す例:「A社、受注できました。理由は…」。最初の一言で結果が伝わり、上司は安心して続きを聞けます。

中身(情報)は同じです。変えたのは順番だけ。「順番を変えるだけでしょ」と軽く見られがちですが、聞き手の負担はこれだけで変わります。やることは2つ。①相手の問いへの結論を1文で用意する ②理由→具体例の順に並べ替える。「だと思います」で濁さず、言える範囲で言い切るのがコツです。

この章の確認(演習):共通例の報告を、(a)経緯から (b)結論から の2通りで一行ずつ書き、読み比べてみてください。どちらが「で、結局?」と聞き返されないか、自分で確かめられたらゴール達成です。

結論を1文で言い切る

PREPの最初のP、つまり結論の作り方を身につけましょう。ここが決まれば、報告の半分は終わったようなものです。

この章のゴール

この章を読み終えると、自分の意見や報告の結論を、1文で言い切れるようになります。

PREPの精度は最初のPでほぼ決まる

最初の結論を外すと、後ろの理由や具体例がどれだけ良くても伝わりません。聞き手は冒頭で「何の話か」をつかめないと、続きを整理しながら聞けないからです。だから、まず最初のP(結論)に力を入れます。

結論=相手の問いへの直接の答え

結論とは、相手の問いにそのまま答える1文です。「どうなった?」と聞かれたら「〜できました/できませんでした」、「どう思う?」と聞かれたら「私は〜だと考えます」。前置き・経緯・言い訳を、結論の前に置かないのが基本です。

何を結論にするかは、相手が一番知りたいことで決まります。上司が知りたいのが「受注できたか」なら、結論は受注の可否。同じ案件でも、聞かれていることが違えば結論も変わります。

共通例で直してみましょう。「A社の件ですが、いろいろありまして…」は前置きです。これを削って、問いへの答えに置き換えます。「A社は受注できました」。これが最初のPです。

結論の1文を作る手順

手順はシンプルです。①相手の問いを確認する ②問いにそのまま答える1文を書く ③その1文を話の冒頭に置く。この順でやれば、前置きから入る癖を防げます。

つまずきやすいのは2つ。1つは背景説明から入ってしまうこと。これは手順の③で、答えの1文を必ず冒頭に置けば防げます。もう1つは結論をぼかして「どうしましょうか?」と相手に判断を丸投げすること。事実は事実として言い切り、判断が必要なら「〜と考えます、ご判断ください」と、結論+依頼の形で言い切ります。言い切るとは断定口調を強制することではなく、不確かなら「現時点では〜」と正直に言い切る、ということです。

なお「結論から話すと冷たい」と感じる人もいますが、それは結論“だけ”を突きつけた場合の話。PREPは結論の後ろに理由と具体例を必ず添える型なので、言いっぱなしにはなりません。「まず要点からお伝えしますね」と一言添えれば、なお丁寧です。

ここで、今日からそのまま使えるPREPテンプレ(結論/理由/具体例/結論の4ブロック穴埋め)とチェックシートを、無料会員登録でダウンロードできます。白紙から考えるより、型に沿って結論の1文を埋めるほうがずっと早く書けます。

この章の確認(演習):共通例とは別に、自分が今日した(する)報告を1つ選び、結論の1文だけを書いてみてください。相手の問いにそのまま答える形で、前置きなしの1行に。書けたらゴール達成です。

理由・具体例を添えて30秒に組み立てる

結論の1文ができたら、後ろにR(理由)・E(具体例)・P(結論)を足して、30秒の報告に組み上げます。これでPREPが完成します。

この章のゴール

この章を読み終えると、結論のあとに理由と具体例を添え、最後にもう一度結論で締めて、30秒の説明に組み立てられるようになります。

結論の次は理由(R):1〜2個に絞る

結論だけでは「で、なぜ?」が残ります。そこで、結論の次に理由(なぜそう言えるか)を添えます。ただし理由を3つ4つ並べると長くなり、要点がぼけます。30秒に収めるために、理由は1〜2個に絞るのがコツです。

理由を裏づける具体例(E)と、締めの結論(P)

理由の次は具体例です。具体例は、理由を裏づける数字・事実・実際の発言で書きます。「いい感じでした」「うまくいきました」のような抽象的な言葉では根拠になりません。「担当者から『これなら社内を通せる』と言われました」のように、実際の発言を1つ入れると、理由が「ただの主張」から「根拠のある話」に変わります。

最後に、もう一度結論を短く言い直して締めます。最初と最後に結論を置くことで、相手の記憶に残ります。

30秒で話せる分量は、だいたい150〜180字が目安です。アナウンサーが1分間に約300字を目安に話す、という話す速さから換算した目安なので、内容の難しさや間の取り方で前後します。「150字でなければ」と厳密に数えるより、声に出して数十秒で言い切れる長さ、とゆるくとらえてください。

P→R→E→Pの4ブロックを埋めて30秒に組み立てる

手順は、4つのブロックを順に埋めるだけです。①結論(P)②理由(R・1〜2個)③具体例(E・数字や実際の発言)④結論の言い直し(P)。

共通例を完成させましょう。第2章で作った結論にR・E・Pを足します。

A社、受注できました(P)。 先方の課題に当社のサービスが合ったためです(R)。先週の打ち合わせで、担当者から『これなら社内を通せる』と言われました(E)。明日、契約書を送ります(P)。」

これで30秒ほどの報告になりました。経緯から話していた最初の例と、中身は同じです。順番を整え、理由と具体例を1つずつ添えただけで、一度で伝わる報告に変わりました。

この章の確認(演習):第2章で書いた自分の結論に、理由・具体例・締めの結論を足して、P→R→E→Pの4ブロックを埋めてください。そして声に出し、30秒で言えるか測ってみましょう。言い切れたらゴール達成です。

まとめ:結論は、最初の一言

おつかれさまでした。「上司への進捗報告」という、たった1つの場面を、結論→理由→具体例→結論と前から組み上げてきました。最後に、歩いてきた道を1枚にまとめます。

  1. PREP法とは……結論→理由→具体例→結論の4要素で話す型。伝わらないのは内容ではなく順番(第1章)。
  2. 結論を1文で言い切る……結論=相手の問いへの直接の答え。前置きを後回しにし、冒頭に置く(第2章)。
  3. 理由・具体例を添えて30秒に……理由は1〜2個、具体例は数字や実際の発言で。最後にもう一度結論で締める(第3章)。

この3つは、すべて1つの問いに戻ります。「相手の問いへの結論を、最初の一言で言い切れているか?」。この講座でいちばん覚えて帰ってほしいのは、このひと言です——結論は、最初の一言

明日の最初の一歩:明日の最初の報告(朝礼・チャット・1on1のどれか1つ)を、結論の一言から始めてみてください。前置きや経緯を後回しにして、相手の問いへの答えを最初に置く。それだけで、「で、結局?」と聞き返されにくくなります。

さらに深めるなら:話す「順番」の型が身についたら、次は中身です。何を理由・根拠にするかという組み立ては ロジカルシンキング(kouza-010) で、報告を資料で見せる方法は 資料作成(kouza-007) で深められます。本講座は「話す順番の型」に絞っていますので、中身と見せ方はそちらでどうぞ。

明日の報告から使えるように、PREPテンプレ(4ブロック穴埋め)とチェックシートを、無料会員登録でダウンロードしておきましょう。1枚あてはめるだけで、結論ファーストが習慣になります。会員登録は無料です。

よくある質問

PREP法とは何ですか?

結論・理由・具体例・結論の4要素の頭文字をとったビジネス向けの話の構成の型です。結論を最初に置くことで、聞き手が着地点を把握したまま続きを聞けるようになります。

経緯から話すことの何がいけないのですか?

聞き手は結論が分かるまで情報を抱え続けなければならず、負担がかかります。「で、結局?」と聞き返されるのは内容ではなく、結論が最後になっている順番の問題です。

理由はいくつ挙げればよいですか?

30秒に収めるために1〜2個に絞るのがコツです。理由を3つ4つ並べると長くなり、要点がぼけてしまいます。

具体例はどう書けばよいですか?

「いい感じでした」のような抽象的な言葉ではなく、実際の発言・数字・事実で書きます。「担当者から『これなら社内を通せる』と言われました」のように、裏づけのある言葉を1つ入れると根拠になります。

結論から話すと冷たい印象になりませんか?

結論「だけ」を突きつけた場合の話です。PREPは結論の後ろに理由と具体例を必ず添える型なので、言いっぱなしにはなりません。「まず要点からお伝えしますね」と一言添えるとより丁寧です。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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