Q.
当期の生産量が販売量を上回り在庫が増加した。固定製造間接費の扱い以外の条件が同じとき、全部原価計算と直接原価計算の営業利益の関係として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はBです。在庫が増加した期は、全部原価計算では固定製造間接費の一部が在庫(資産)として次期へ繰り延べられ、当期費用が減るため、営業利益が直接原価計算より大きくなるからです。直接原価計算は固定製造間接費を全額その期の費用にするため、在庫増加期には利益が相対的に小さく出ます。
ポイント
この問題の核心は「固定製造間接費が在庫に乗るかどうか」です。全部原価計算は固定費を製品原価に含めるため在庫に繰り延べられ、直接原価計算は固定費を期間費用にするため繰り延べが起きません。在庫が増える期は全部原価計算が有利、減る期は逆になる、という方向性を押さえてください。
ワンポイントアドバイス
利益が思ったより良いとき、在庫が積み上がっていないかを確認しましょう。全部原価計算では在庫増で利益が水増しされて見えることがあります。社内の意思決定では、在庫変動の影響を受けにくい直接原価計算の利益も併せて見ると、実態をつかみやすく効果的です。
解説詳細
なぜBが正解か
全部原価計算では固定製造間接費を製品原価に算入するため、売れ残った在庫の中に固定費の一部が含まれ、その分が当期の費用から外れて翌期へ繰り延べられます。生産量が販売量を上回り在庫が増えた期は、この繰延額だけ当期費用が小さくなり、営業利益が直接原価計算より大きくなります。よってBが正解です。
なぜ他の選択肢が誤りか
Aは関係が逆で、在庫増加期に利益が大きくなるのは固定費を繰り延べる全部原価計算のほうです。Cの「必ず一致」は在庫が変動しない(生産量=販売量)特殊なケースでのみ成り立ち、在庫が増えた本問では一致しません。Dは固定製造間接費の扱いの差こそが利益差の原因であるという本質を否定しており、誤りです。