あるプロジェクトで、当初予算 500 万円・期間 5 か月の計画に対し、追加要望によって作業量が増えたが、納期と予算は据え置きのまま増員もしないと決まった。QCD のトレードオフの観点から、最も起こりやすい結果はどれか。
解説まとめ
正解は D です。作業量(やること)が増えたのに、納期・予算・人員という資源を据え置けば、どこかにしわ寄せが行きます。多くの場合、品質を削るか、見えない残業でコストや遅延のリスクが膨らみます。資源を変えずに範囲だけ増やすと QCD が破綻する、という構造を押さえておきましょう。
ポイント
この問題の核心は「範囲を増やしたのに、それを支える資源(時間・お金・人)を増やさない」という矛盾です。トレードオフを無視すると、犠牲は品質や現場の負荷という見えにくい形で必ず現れます。
ワンポイントアドバイス
「予算も納期もそのままで、機能だけ追加して」という依頼が来たら、影響を数字や言葉で見える化して関係者に示してみましょう。何を譲るのかを決めずに引き受けると、品質低下や隠れ残業という形で誰かが無理を被ります。トレードオフを正直に提示するのが PM の役割です。
解説詳細
範囲を増やせば資源にしわ寄せが行く
QCD はトレードオフの関係にあり、品質・コスト・納期のどれかを動かせば他に影響が出ます。本問では、追加要望によって作業量(実質的なスコープ)が増えたにもかかわらず、納期も予算も増員も据え置くという前提が置かれています。やることが増えたのに、それを支える時間・お金・人という資源を一切増やさなければ、増えた負荷はどこかで吸収するしかありません。
犠牲になりやすいのは品質と隠れコスト
このとき現実によく起きるのは、テストや確認を削るなどして品質が下がること、あるいは見かけ上は予算内でも現場の残業という形で実質コストが増え、結果として遅延リスクが高まることです。いずれも、据え置いた制約のしわ寄せが目立たない場所に現れる典型例です。
なぜ他の選択肢が誤りか
A の「すべて計画どおりに収まる」は、トレードオフを無視した楽観であり、資源を増やさずに範囲だけ増やせば成立しません。B の「コストが自動的に半分に下がる」や C の「期間が自動的に延長される」は、据え置きという前提に反し、根拠もありません。資源を変えずに範囲を増やしたときに起こりやすい現実的な結果は D なので、これが正解です。