Q.
M&Aで生じる「のれん」の説明として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は A です。のれんとは、買収対価が、受け入れた識別可能な純資産(時価ベース)を上回る部分の差額をいいます。ブランド力や顧客基盤、超過収益力といった、貸借対照表に個別計上されない価値への対価とされます。対価が純資産を下回る逆のケースとは区別します。
ポイント
のれんの核心は「対価 − 受入純資産(時価)の“超過”分」である点です。対価が純資産を下回る場合は負ののれん(バーゲン・パーチェス)であり、方向が逆になります。株式数や手数料とも無関係です。何から何を引いた差額なのかを正確に押さえることがつまずき防止になります。
ワンポイントアドバイス
買収価格を検討するときは、「純資産に対していくら上乗せ(のれん)を払うのか」を意識しましょう。のれんの大きさは、買い手が将来の超過収益にいくら期待しているかの表れでもあります。のれんの根拠を説明できるかを問うと、価格の妥当性を議論しやすくなります。
解説詳細
なぜ A が正解か
のれんは、買収対価が、被取得企業から受け入れた識別可能純資産の時価を上回る場合の超過額として認識されます。これは、個別に資産計上できないブランド・顧客関係・超過収益力などへの対価とされます。対価が純資産(時価)を上回る差額、という A の説明が正しい定義です。
なぜ B・C・D が誤りか
B は対価が純資産を下回るケースで、これは「負ののれん(バーゲン・パーチェス)」であり、通常ののれんとは方向が逆です。C の「増えた発行済株式数」は資本に関する数値であって、のれん(差額の価値)ではありません。D の「仲介手数料の総額」は取引コストであり、のれんとは別物です。いずれも「対価 − 受入純資産(時価)の超過額」という定義に合致しません。