Q.
DCF法において、ほかの条件が同じであれば、割引率が高くなると企業価値(評価額)はどうなるか。
解説まとめ
正解は B です。DCF法では将来CFを割引率で割って現在価値にするため、ほかの条件が同じなら割引率が高いほど現在価値は小さくなり、企業価値(評価額)は下がります。割引率はリスクの大きさを反映するので、リスクが高い対象ほど評価は保守的(小さく)になる、という関係です。
ポイント
ここでの核心は「割引率↑ → 現在価値↓ → 評価額↓」という方向の理解です。割引率は分母にあたるため、大きくなるほど現在価値は縮みます。割引率を将来CFそのものと混同したり、影響しないと考えたりするのがつまずきどころです。割引率=リスク・時間価値の対価と捉えましょう。
ワンポイントアドバイス
評価額に違和感があるときは、割引率の前提を確認してみましょう。割引率を低く置けば評価額は容易に膨らみます。割引率の根拠(リスクの織り込み方)を問うことで、評価が楽観的すぎないかを見抜けるようになります。前提の保守性を確かめる癖が効果的です。
解説詳細
なぜ B が正解か
DCF法では、将来CFを (1+割引率) で割って現在価値を求めます。割引率は計算上の分母にあたるため、割引率が大きくなるほど各期の現在価値は小さくなり、その合計である企業価値も小さくなります。割引率はリスクと時間価値を反映するので、リスクが高いほど評価額は下がる、という直感とも整合します。これが B の理由です。
なぜ A・C・D が誤りか
A の「割引率が高いほど価値が大きくなる」は分母と分子を取り違えた誤りです。C の「影響しない」は誤りで、割引率は評価額を左右する中心的な前提です。D の「将来CFそのものが増える」も誤りで、割引率は将来CFの金額を変えるものではなく、それを現在価値へ換算する係数です。割引率の変化はCFの大きさではなく現在価値の大きさに効きます。