Q.
「事業譲渡」スキームの性質として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は A です。事業譲渡は、譲渡する資産・負債・契約・従業員などを個別に特定して移転する手法で、特定承継と呼ばれます。引き継ぐ対象を選べる一方、負債や契約の移転には相手方や債権者の同意が原則必要になります。会社ごと自動で引き継ぐ株式譲渡とは対照的な仕組みです。
ポイント
事業譲渡の核心は「移転対象を選べるが、一つひとつ手当てが要る」点です。包括承継(自動で全部引き継ぐ)か特定承継(個別に移す)かという区別が、スキーム理解の背骨になります。同意取得や名義変更の手間がかかるのは、個別移転であるがゆえの裏返しだと理解しましょう。
ワンポイントアドバイス
「不採算部門や簿外リスクは引き継ぎたくない」というニーズが出たら、事業譲渡が候補になります。実務では「移すもの・残すもの」の線引きと、契約・許認可の引継ぎ手続をリスト化してみましょう。手続の重さを先に見積もると、株式譲渡との比較が具体的になります。
解説詳細
なぜ A が正解か
事業譲渡は、会社が営む事業を構成する資産・負債・契約・従業員などを個別に特定して買い手へ移す手法です。何を移すかを当事者が選べるため特定承継と呼ばれます。移転には個別の手続(債権者の同意、契約相手の同意、名義変更など)が伴います。これが A の説明にあたります。
なぜ B・C・D が誤りか
B の「自動的にすべて包括して引き継ぐ」は包括承継の説明で、合併や株式譲渡(会社ごと)に近く、事業譲渡とは逆です。C の「株主が変わるだけ」は株式譲渡の説明であり、事業譲渡では資産・負債が現に移転します。D の「裁判所の認可が必須」は誤りで、事業譲渡は当事者の合意と社内手続(重要な事業譲渡では株主総会特別決議など)で行われ、裁判所の認可を前提とする手続ではありません。