Q.
特許における「進歩性」の説明として、新規性との違いを踏まえて最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は B です。進歩性とは、その分野の通常の知識を持つ者が、既存の技術から容易には思いつけないことを指すからです。Aの「まだ知られていないこと」は新規性、Cは産業上の利用可能性の説明です。Dの「社会的有用性」は進歩性の判断基準そのものではありません。進歩性は「容易に思いつけないか」という難易の問題です。
ポイント
この設問の核心は、新規性と進歩性を「知られているか」と「容易に思いつけるか」という別の物差しで区別することです。新しくても、専門家が既存技術から簡単に導けるものは進歩性を欠きます。二つの要件は別々の関門であり、混同すると特許の可否判断を誤る、という点を押さえておきましょう。
ワンポイントアドバイス
発明を評価するときは、「世の中に無い」だけでなく「専門家でも容易には思いつけないか」まで踏み込んで考えてみましょう。既存技術の単純な組み合わせにとどまっていないかを点検する視点が役立ちます。新規性と進歩性を分けて検討する習慣をつけると、出願の見通しを立てやすくなります。
解説詳細
なぜ B が正解か
進歩性とは、その技術分野で通常の知識を持つ者が、出願時の既存技術をもとにして容易には発明できなかったといえることを指します。新規性が「まだ知られていないか」という事実の問題であるのに対し、進歩性は「容易に思いつけるか」という難易の問題であり、両者は別の物差しです。新しくても容易に導けるものは、進歩性を欠くと評価されます。
なぜ他の選択肢が誤りか
Aの「まだ知られていないこと」は新規性の説明であり、進歩性とは別の要件です。Cの「産業上利用できること」は産業上の利用可能性という、これも別個の要件です。Dの「社会的に有用であること」は、進歩性の判断基準そのものではありません。進歩性は「容易に思いつけないか」を問うものだ、という点で新規性と切り分けて理解しましょう。