Q.
有利子負債よりも保有する現金が多い(ネットキャッシュの)会社について、EVと時価総額の関係として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は B です。EV = 時価総額 + 有利子負債 − 現金 で計算するため、現金が有利子負債を上回ると、加える有利子負債より引く現金の方が大きくなり、EVは時価総額より小さくなります。これはネットデットがマイナス(ネットキャッシュ)の状態です。実質無借金で手元現金が厚い会社で起こります。式の符号どおりに考えれば自然に導けます。
ポイント
この問題の核心は、EVブリッジの符号を具体的な状況に当てはめる力です。「負債が多いとEVは時価総額より大きい」「現金が多いとEVは時価総額より小さい」という対応を、機械的でなく式から導けるかがつまずきどころです。ゼロや必ず一致といった極端な結論にはならない点も押さえましょう。
ワンポイントアドバイス
手元現金が潤沢な会社を分析するときは、時価総額だけで割高・割安を判断せず、EVベースの倍率も確認してみましょう。現金を差し引いたEVで見ると、見かけより割安に映ることがあります。BSの現金残高を意識して読む習慣が、評価の精度を上げます。
解説詳細
式の符号から導く
EV = 時価総額 +(有利子負債 − 現金)です。現金が有利子負債より大きいと、カッコ内(ネットデット)はマイナスになります。マイナスを足すのですから、EVは時価総額より小さくなります。
ネットキャッシュ企業の特徴
実質無借金で現金を多く抱える会社は、EVが時価総額を下回ります。買い手から見れば、手に入れた現金で取得コストの一部を回収できるイメージです。
ほかの選択肢が誤りである理由
Aは負債超過のときに起こる関係で、本問の前提と逆です。Cの「必ずゼロ」は、時価総額が残るため成立しません。Dの「必ず一致」は、ネットデットがゼロのときだけの特殊例で、本問の前提では一致しません。現金超過でEVが小さくなるBが正解です。