Q.
EVの計算で使われる「ネットデット(純有利子負債)」の定義として、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は D です。ネットデット(純有利子負債)とは、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いた、正味の借入額を表します。EVブリッジでは、株式時価総額にこのネットデットを加えてEVを求めます。現金が有利子負債を上回ると、ネットデットはマイナス(ネットキャッシュ)になります。「借金から手元現金を引いた残り」と覚えてください。
ポイント
この問題の核心は「正味の負債=有利子負債−現金」という引き算です。総資産−総負債(純資産)や、売掛金−買掛金(運転資本の一部)と混同しやすいのがつまずきどころです。ネットデットはあくまで有利子(利息のつく)負債と現金の差である点に注意しましょう。
ワンポイントアドバイス
財務分析では、純資産(自己資本)とネットデットを別物として区別して見てみましょう。ネットデットがマイナスの会社は実質無借金に近く、EVが時価総額より小さくなります。BSを見たら有利子負債と現金をペアで拾う癖をつけると、EVの土台がすぐ作れます。
解説詳細
ネットデットは「正味の借入」
ネットデットは、有利子負債の総額から、すぐ返済に充てられる現金及び現金同等物を差し引いた金額です。会社が「実質どれだけ借りているか」を表し、EVを株主価値から橋渡しする際の加算項目になります。
ネットキャッシュの状態
現金が有利子負債を上回ると、ネットデットはマイナスになります。これをネットキャッシュと呼び、この場合はEVが時価総額より小さくなります。
ほかの選択肢が誤りである理由
Aは運転資本に関わる項目で、有利子負債とは別物です。Bは総資産−総負債で、これは純資産(自己資本)の定義です。Cは利益から配当を引いた内部留保的な概念で、負債とは無関係です。有利子負債と現金の差を表すのはDだけです。