不特定多数を相手とする取引で用いられる「定型約款」が契約内容に組み入れられるための考え方として、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は A です。定型約款が契約内容になるには、約款を契約内容とする旨の合意や、あらかじめ相手方へ表示するなど、一定の要件を満たす必要があります。事業者が作れば無条件に全部組み入れられるわけではありません。組入れには手続的な前提がある、と押さえましょう。
ポイント
核心は「定型約款の組入れには要件がある」点です。作れば当然に全部有効(B)でも、一字一句の読み上げが必要(D)でもありません。利用者保護の観点から、合意や表示といった手続が前提になる、という中庸の理解がつまずき防止になります。
ワンポイントアドバイス
自社サービスで約款を使うときは「契約内容にする旨をどこで合意・表示しているか」を確認してみましょう。申込画面での同意取得や事前の掲示が、組入れの前提になります。利用者がアクセスできる形で約款を示しておくと、後の「聞いていない」を防げます。
解説詳細
定型約款の組入れの考え方
定型約款とは、不特定多数を相手とする定型取引で、契約内容とすることを目的に準備された条項の総体です。これが契約内容に組み入れられるためには、約款を契約内容とする旨の合意があるか、または取引に際してあらかじめ相手方へ表示しておくなど、一定の要件を満たすことが前提とされます。
なぜ要件が課されるのか
相手方は約款の細部を逐一読まないことが多いため、無条件にすべてを押し付けると不当な不利益を被るおそれがあります。そこで、合意や表示といった手続を前提とし、相手方が約款の存在を前提に取引に入ったといえる状況を求めることで、利用者保護と取引の円滑さの両立を図っています。
ほかの選択肢が誤りである理由
Bは事業者が作れば当然全部組み入れられるとしますが、組入れには要件があり誤りです。Cは口頭のみ有効としますが、書面やデータでの提示が無効になる理由はなく、むしろ表示が組入れの前提です。Dは一字一句の読み上げ・復唱を求めますが、そこまでの形式は必要とされません。合意や表示など要件を要すると述べるAが正解です。