経営
契約・ビジネス法務問題集
Q.
損害賠償のうち「填補賠償」と「遅延賠償」の違いとして、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は D です。填補賠償は、履行が得られないこと(履行に代わるもの)に対する賠償です。遅延賠償は、履行が遅れたことによって生じた損害の賠償です。「履行の代わり」か「遅れによる上乗せ」かで区別します。何の損害を埋めるのかを押さえましょう。
ポイント
核心は「填補=履行の代替」「遅延=遅れによる損害」という対比です。両者を逆に覚える、あるいは同一視するのがつまずきどころです。履行そのものが得られない損害なのか、遅れたことの損害なのかで、賠償の中身が変わります。
ワンポイントアドバイス
相手の不履行で損害を請求するときは「履行が得られないこと自体の損害か、遅れによる損害か」を切り分けて整理してみましょう。区別して主張すると、請求の根拠が明確になります。発生した損害を時系列で書き出すと、どちらにあたるか整理しやすくなります。
解説詳細
填補賠償と遅延賠償の対比
填補賠償とは、履行に代わる賠償、すなわち履行が得られないことそのものによる損害を埋める賠償です。遅延賠償とは、履行が遅れたことによって生じた損害を埋める賠償です。前者は「履行の代わり」、後者は「遅れの上乗せ」と捉えると、違いがはっきりします。
何の損害を埋めるのかで分かれる
両者は、埋めようとする損害の性質が異なります。填補賠償は、本来の履行が実現しないことの損害をカバーします。遅延賠償は、履行自体はあっても(あるいは後でなされても)、遅れたことで余分に生じた損害をカバーします。目的が違うため、別個に整理する必要があります。
ほかの選択肢が誤りである理由
Aは填補と遅延の説明を入れ替えており、定義が逆です。Bは両者を同一視していますが、埋める損害の性質が異なるため誤りです。Cは填補賠償を契約成立前に限定していますが、賠償は不履行を前提とする話で、成立前という限定は成り立ちません。履行の代替と遅れの損害を正しく対応させたDが正解です。