AIで企画書を作る講座|目的と核は人が決め、骨子はAIと組んで作る企画書の作り方 | マナビズ

AIで企画書を作る講座|目的と核は人が決め、骨子はAIと組んで作る企画書の作り方

AIで企画書を作る講座|目的と核は人が決め、骨子はAIと組んで作る企画書の作り方

「AIを使った企画書の作り方を知りたい」——そう思ってこの講座にたどり着いたあなたは、たぶん一度はこんな経験をしています。「来月の販促企画、企画書にまとめておいて」と任され、まっさらなドキュメントを開いたものの、そこから一文字も進まない。何を書けばいいのか分からず、過去の企画書をコピーして体裁だけ似せてみるけれど、上司には「で、結局なにがやりたいの?」と差し戻される。あるいは、AIに「企画書を作って」と頼んでみたものの、返ってきたのは当たり障りのない一般論で、そのままでは使えなかった——。

手が止まる原因も、AIの答えが薄い原因も、実は同じところにあります。「AIへの頼み方の前に、人が決めるべきことを決めていない」のです。AIは便利な道具ですが、あなたの企画の核(誰に・何を・なぜやるか)を知りません。だから核を渡さなければ、一般論しか返せないのです。

この講座でお伝えしたい背骨は、たった一つです。AIで企画書を作るとは「丸投げ」ではなく「相棒として使う」こと。目的と核は人が決め、骨子はAIと組み、事実と筋は人が確かめる。AIは白紙を埋める相棒であって、企画を決める人ではありません。

最初に、この講座が扱う範囲と扱わない範囲をはっきりさせておきます。本講座は「企画書という1つの成果物の“骨子”を、AIを相棒にゼロから組み上げる」ことに一点集中します。できあがった骨子を「見せる資料・スライド」に仕上げる作法はAI資料作成入門が正本です。相手の課題に売り込む「提案書」を課題→解決策→効果の型で組むことは提案書の作り方入門へ、事業そのものを立案する手順は新規事業の作り方入門へ、アイデアを発散して量を広げることはAIブレスト入門へ送客します。AIへの頼み方(役割・前提・出力形式)を体系的に深めたい場合はAIプロンプトの基本、対話型AIそのものの使い始めはChatGPT入門が正本です。これらの深掘りには、本講座では踏み込みません。

この講座を終えると、次の3つができるようになります。企画書に必要な構成要素と、提案書との違いを説明できること。目的と核を自分で決めたうえで、AIに各項目を埋めさせて企画書の骨子(見出し+各項目の要点)を作れること。そして、AIの出力を鵜呑みにせず、数字・固有名詞の裏付けと、目的と施策がつながっているかを自分で確かめて整えられること。

全章を通して、同じ1つの題材を追いかけます。

(例)あなたは小売店の企画担当で、「社内向けの販促企画」を企画書にまとめるよう任されました。これを、白紙の状態から「企画書の骨子」に組み上げるまでを、第1章から最終章まで一本の糸で追っていきます。

なお、この講座では生成AI(ChatGPT・Claude・Gemini などの対話型AI)を、特定の製品名ではなく機能ベースで「AI」と呼びます。どのツールを使うかではなく、どう頼んでどう確かめるか、という普遍的な進め方に集中するためです。

この講座のポイント

  • 企画書に必要な構成要素を説明でき、提案書との違いを説明できる。
  • AIに渡す前に、目的と核(誰に・何を・なぜやるか)を自分で決められる。
  • 第2章で決めた核を渡し、AIに各構成要素を埋めさせて企画書の骨子(見出し+各項目の要点)を作れる。
  • AIが出した骨子を鵜呑みにせず、数字・固有名詞の裏付けと、目的と施策がつながっているかを確かめて整えられる。

AIでの企画書の作り方は「何を書くか」から始まる

この章のゴール

企画書に必要な構成要素を説明でき、提案書との違いを説明できる。

白紙の前で手が止まるのは、あなたの才能やセンスの問題ではありません。単に「埋めるべき項目(構成要素)を知らない」だけです。逆に言えば、何を書く箱があるのかさえ分かれば、手は動き始めます。そしてこの「箱を並べる」段階は、AIに頼む前に人がやる仕事です。

企画書は「やりたい施策を社内で“やろう”と判断してもらう文書」

まず、企画書が何のための文書かをはっきりさせます。企画書は、アイデアを実行に移すために、社内のコンセンサス(合意)を取るために作る文書です(出典:J-Net21〔中小企業基盤整備機構〕「商品開発・市場開拓のための企画書の書き方」)。つまり読み手は社内の上司や決裁者で、ゴールは「この企画、やろう」と判断してもらうこと。ここがブレると、書く項目もブレます。

だから企画書を書き始める前に、まず2つを決めます。「この企画書を読むのは誰か」(例:直属の上司と、その上の決裁者)と、「読み終えて何を判断してほしいか」(例:この販促企画にゴーサインを出すかどうか)です。共通例の販促企画なら、「店長と販促予算を握る部長に読んでもらい、来月この施策にGOを出してもらう」と言葉にしておきます。読み手と判断のゴールが決まると、必要な箱が見えてきます。

手が止まるのは才能ではなく「埋める項目」を知らないだけ

企画書に求められる中身として、出典では、企画趣旨や目的、詳細な内容説明に加え、現状分析・将来予想・影響・メリット/デメリットなど、さまざまな観点からの検証が挙げられています(出典:J-Net21「企画書の書き方」)。さらに、企画書はデータに裏打ちされ、効果予測(予想売上などの経済的効果)が入っていることが重要だとされています(同)。

これを実務で使いやすい「箱」に並べ直すと、(例)次のような構成要素になります。

  • 背景——なぜ今この企画なのか
  • 目的——何を達成したいのか
  • ターゲット——誰に向けた施策か
  • 施策——具体的に何をやるのか
  • 期待効果——やると何が良くなるのか
  • スケジュール——いつ、どんな順で進めるのか
  • 体制・予算——誰が、いくらでやるのか

ここで大切なのは、この一覧を「唯一の正解」として丸暗記しないことです。構成要素の呼び方や数は、会社や企画の中身によって変わります。だからこれは(例)として押さえ、各項目に「ここで答える問い」を1つずつ添えるのがコツです。背景なら「なぜ今やるのか?」、目的なら「何を達成するのか?」、ターゲットなら「誰に届けるのか?」という具合です。問いの形にしておくと、後でAIに渡すときにも、自分で確かめるときにも、ぐっと使いやすくなります。

なお、5W2H(なぜ・何を・誰が・誰に・いつ・どこで・どのように・いくらで)のようなフレームワークを、構成要素を漏れなく洗い出すチェックリストとして使うのも有効です。ただしこれも「整理のための一般的な道具(例)」であって、企画書の決まった型ではありません。自分の企画に当てはめて、抜けがないか確認する程度に使いましょう。

企画書と提案書は読み手も目的も違う

ここで一つ、混同しやすい文書との線引きをしておきます。企画書とよく似た言葉に「提案書」がありますが、この2つは別物です。ざっくり言うと、企画書は社内に向けて「この施策をやろう」と通すための文書、提案書は社外(顧客)に向けて「あなたの課題はこう解決できます」と売り込むための文書です。読み手が違えば、書くべき中身も力点も変わります。

本講座が扱うのは企画書のほうです。相手の課題を起点に、課題→解決策→効果の型で売り込む提案書の作り方は、提案書の作り方入門が正本なので、提案書を書きたい人はそちらへ進んでください。また、そもそも「どんな事業・施策をやるか」を種から立ち上げる手順は新規事業の作り方入門が扱います。本講座は「すでに考えた企画を、企画書という文書の骨子に落とす」ところに降りていきます。

ありがちなつまずきが2つあります。1つは、いきなり「やりたいこと(施策)」から書き始めてしまい、目的が後付けになるパターン。これだと「で、何のためにやるの?」に答えられません。もう1つは、提案書の型をそのまま流用して、社内向けの企画書なのに社外向けの売り込み調になってしまうパターンです。読み手と目的を最初に決めておけば、どちらも避けられます。

この章の確認(演習)

自分が今書く(または最近見た)企画書を1つ思い浮かべ、必要な構成要素を5〜7項目書き出してください。そのうえで、各項目に「ここで答える問い」を1つずつ添えてみましょう。問いがすぐ書ける項目と、詰まる項目が見えてくるはずです。

人が先に決める——目的と核を固めてからAIに渡す

この章のゴール

AIに渡す前に、目的と核(誰に・何を・なぜやるか)を自分で決められる。

第1章で「箱」を並べました。けれど、箱を並べただけではまだAIに渡せません。なぜなら、AIに「企画書を作って」と丸投げしても一般論しか返ってこないからです。その理由はシンプルで、AIはあなたの企画の核を知らないから。ここを人が先に決めて渡すことが、相棒として使うための分かれ目になります。

AIが一般論しか返さないのは「あなたの企画の核」を知らないから

AIに「販促の企画書を作って」とだけ頼むと、たいてい「SNSを活用しましょう」「クーポンを配りましょう」といった、どこかで見たような一般論が返ってきます。AIが無能なのではありません。あなたが「誰に・何を・なぜ」を渡していないので、AIは万人向けの平均的な答えを出すしかないのです。

そこで、骨子をAIに組ませる前に、人が目的・ターゲット・なぜ今やるかの3点を一言ずつ決めます。出典でも、企画書は「言いたいメッセージが明確に伝わる」「会社の立場や要望に沿っている」ことが採用のコツだとされています(出典:J-Net21「企画書の書き方」)。この「明確なメッセージ」を決めるのは、AIではなくあなたの仕事です。

目的・ターゲット・なぜ今を一言で言い切る

共通例の販促企画で、3点を実際に言い切ってみます。

  • 目的=(例)休眠顧客に、もう一度来店してもらう
  • ターゲット=(例)3か月以上来店のない既存客
  • なぜ今=(例)閑散期に入り、新規獲得より再来店のほうが費用対効果が高いから

たったこれだけですが、これが企画書全体の背骨になります。背景はここから書けますし、施策も「休眠顧客を呼び戻すには?」という問いから具体化できます。期待効果も「再来店した休眠顧客の数」と定義できます。核が決まると、以降の全項目が一本の線でつながるのです。

この3点は、AIに渡す前提(背景・条件)として、短いメモにまとめておきます。次の章で、このメモをそのままAIに渡します。

漠然語のまま渡すとAIも漠然と返す

ここで気をつけたいのが、漠然とした言葉のまま決めた気になってしまうことです。「売上を向上させる」「ブランドを強化する」——一見それっぽいですが、これは何も決めていないのと同じです。「向上」「強化」「アップ」のような漠然語は、読み手によって意味が変わり、AIに渡しても漠然とした答えしか返ってきません。

「売上を向上」ではなく「休眠顧客の再来店を月◯件増やす」、「ブランドを強化」ではなく「3か月以上来ていない既存客にもう一度来てもらう」。このくらい具体に言い切れて、はじめて核が決まったと言えます。なお、ここで挙げた数値はすべて(例)であって、実際の数字は自分の状況に合わせて、根拠を持って決めてください。

アイデアそのものがまだ足りない、案を広げたいという段階なら、AIでアイデアを発散させる手もあります。その量稼ぎのやり方はAIブレスト入門が扱います。本章はあくまで、広げた案の中から核を1つに絞り込んで言い切る側です。また、AIへの頼み方そのもの(役割・前提・出力形式の設計)を体系的に学びたい人はAIプロンプトの基本へ進んでください。

この章の確認(演習)

共通例(または自分の題材)で、目的・ターゲット・なぜ今を各1文で書いてみてください。書けたら、その3文に「向上」「強化」「アップ」のような漠然語が混じっていないかを自己チェックし、混じっていたら具体的な言葉に書き直しましょう。

AIで骨子を組む——構成要素を埋めて見出しと要点を出す

この章のゴール

第2章で決めた核を渡し、AIに各構成要素を埋めさせて企画書の骨子(見出し+各項目の要点)を作れる。

いよいよAIの出番です。ただし、いきなり「完成した企画書」を頼むのではありません。ここで作るのは骨子——各構成要素の「見出し」と「そこに何を書くかの要点」までを先に固めたもの、いわばアウトラインです。骨子を先に固めておくと、後の肉付けで迷子になりません。

骨子を先に固めると肉付けで迷子にならない

文章を書くとき、いきなり完成形を目指すと、どこをどう直せばいいのか分からなくなります。先に骨組み(見出しと各項目の要点)を作り、それから肉をつけていく。この順番だと、全体の筋を見ながら一部分ずつ詰められるので、途中で迷いません。企画書も同じで、まず骨子を作ってから本文に展開するのが、結局いちばん速い道です。

骨子の材料はもう揃っています。第1章で並べた構成要素(箱)と、第2章で決めた核(目的・ターゲット・なぜ今のメモ)です。この2つをAIに渡して、各箱の中身の要点を埋めてもらいます。

AIには「完成文」ではなく「各項目の要点を3行で」と頼む

AIへの頼み方には、ちょっとしたコツがあります。「企画書を作って」ではなく、核と構成要素を渡したうえで、出力の形を指定するのです。たとえばこう頼みます。

(例)「次の前提で、販促企画書の骨子を作ってください。目的=休眠顧客の再来店、ターゲット=3か月以上来ていない既存客、なぜ今=閑散期対策。構成要素は『背景・目的・ターゲット・施策・期待効果・スケジュール』の6つ。各項目について、完成した文章ではなく、要点を3行ずつ箇条書きで出してください。」

ポイントは、「完成文ではなく、各項目の要点を3行で」と出力の形を指定しているところです。出典でも、効果的なプロンプトには「やってほしいこと」と「出力の形(長さや箇条書きの個数など)」といった要素を含めるとよいとされています(出典:IPA「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」)。要点の箇条書きで受け取れば、後から自分で取捨選択しやすく、丸ごと貼って終わりにもなりません。

一度で完璧を求めず、薄い項目だけ対話で詰める

最初の出力が完璧であることは、まずありません。それでいいのです。骨子全体を見て、中身が薄い項目だけを「ここをもっと具体的に」と追加で頼みます。たとえば「施策の項目が抽象的なので、休眠顧客向けに具体的な施策案を3つ、それぞれ一言の狙い付きで出して」といった具合に、対話で足していきます。

ありがちなつまずきは2つ。1つは、最初から完成文を頼んでしまい、どこをどう直せばいいか分からなくなるパターン。もう1つは、一発で良い答えが出ないのを見て「AIは使えない」と諦めてしまうパターンです。骨子は対話で育てるもの、と最初から思っておけば、どちらにもはまりません。

この「役割・前提・出力形式を渡して、安定した出力を得る」頼み方そのものを深めたい人はAIプロンプトの基本へ、そもそもAIツールの基本操作から学びたい人はChatGPT入門へ進んでください。本章では、企画書づくりに必要な最低限の頼み方だけを扱いました。

この章の確認(演習)

第2章で決めた核を使って、AIに「目的・ターゲットを前提に、◯個の構成要素の要点を各3行で」と頼む頼み方を1つ書き出してください。可能なら、実際にAIに出力させてみて、どの項目が薄かったかをメモしておきましょう。次の章で、その出力を点検します。

人が確かめて整える——事実の裏付けと、目的と施策の筋

この章のゴール

AIが出した骨子を鵜呑みにせず、数字・固有名詞の裏付けと、目的と施策がつながっているかを確かめて整えられる。

AIが骨子を出してくれました。でも、ここで「できた!」と提出してはいけません。AIの出力はもっともらしいけれど、事実とは限らないからです。最後に人が確かめて整える——この一手間こそが、「丸投げ」と「相棒として使う」を分ける決定的な違いです。

AIの骨子は「もっともらしいが事実とは限らない」

生成AIには、事実に基づかない誤った情報を、もっともらしく生成してしまう性質があります。これをハルシネーション(幻覚)と呼びます(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書|生成AIが抱える課題」)。やっかいなのは、AIの文章が流暢で自信ありげなので、間違っていても気づきにくいことです。特に、数字・固有名詞・事例といった「具体的に見える情報」ほど、もっともらしい嘘が紛れ込みやすいので注意が要ります。

しかも、このハルシネーションは技術的な対策が進められているものの、現状では完全には抑えられません。だからこそ、生成AIを使うときは、ハルシネーションが起こりうることを前提に、検索を併用するなどして、ユーザー自身が出力された答えが正しいかどうかを確認することが望ましい、とされています(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)。生成物には現実には存在しない情報や事実と異なる内容が含まれる場合があるため、常にその正確性を確認する必要があります(出典:IPA「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」)。要するに、確かめるのは人の仕事なのです。

数字・固有名詞・事例は「出どころはあるか」を問う

では具体的に何を確かめるか。第一に、骨子に書かれた数字・固有名詞・事例に「出どころはあるか」を一つずつ問います。たとえばAIが「(例)このキャンペーンで来店が◯%増えます」と書いてきたら、その数字の根拠は何かを確認します。根拠が見当たらなければ、その数字は落とすか、自分で裏を取って確かな数字に置き換えます。出どころのない数字を企画書に残したまま提出すると、上司に一発で見抜かれますし、最悪その数字を根拠に判断が下されてしまいます。

ちょうど、企画書はデータに裏打ちされ、効果予測が入っていることが重要だと第1章で確認しました(出典:J-Net21「企画書の書き方」)。だからこそ、その数字がAIの作文ではなく、確かな根拠を持つものかを人が見極める必要があるのです。

各施策を目的と1対1で照合し、つながらない施策は削る

第二に、筋が通っているかを確かめます。具体的には、骨子に並んだ各施策を、第2章で決めた目的と1対1で照らし合わせます。「この施策は、休眠顧客の再来店という目的に、まっすぐつながっているか?」と一つずつ問い、つながらない施策は思い切って削ります。

ありがちなのが、「施策は多いほど良い」と思って、目的とずれた施策まで盛り込んでしまうことです。新規客向けのSNS広告は、それ自体は良い施策でも、「休眠顧客の再来店」という今回の目的とはつながりません。目的に効かない施策は、企画書を厚くするだけで、かえって「結局なにがやりたいの?」を招きます。核に効く施策だけを残すことで、企画書はぐっと締まります。

機密情報・個人情報を無料AIに入れていないか最後に確認する

最後にもう一つ、安全面の確認です。骨子づくりの過程で、社外秘の情報や顧客の個人情報をAIに入力していないかを振り返ってください。生成AIに入力したプロンプトが学習データとして利用されると、第三者が生成AIを使ったときの出力に、その情報が紛れ込んでしまう可能性があります。そのため、個人情報(氏名・住所・電話番号など)や組織の機密情報(社内文書・秘密保持契約を結んだ情報など)は、入力を制限することが推奨されています(出典:IPA「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」)。公的機関も、生成AIサービスの利用について注意喚起を行っています(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)。実際、社内の機密情報を誤ってAIに入力してしまった情報流出の事例も報告されています(出典:IPA、同ガイドライン)。

実務では、会社ごとに生成AIの利用ルールが定められていることが多いので、何を入れてよくて何を入れてはいけないのか、自社のルールを必ず確認しましょう。共通例の販促企画でも、実在する顧客の名簿や個別の取引情報はそのまま貼らず、「3か月以上来ていない既存客」のように条件で抽象化して扱うのが安全です。

ここまで確かめて整えたら、骨子は完成です。あとは、この骨子を「見せる資料・スライド」に仕上げていきます。スライド化や資料の見栄え、1スライド1メッセージといった作法はAI資料作成入門が正本なので、次のステップとしてそちらへ進んでください。

この章の確認(演習)

第3章で出した骨子から、裏付けの怪しい数字・固有名詞を1つ見つけて印を付けてください。次に、骨子の各施策が、第2章で決めた目的につながっているかを○×で自己チェックし、×がついた施策をどう直す(削る・つなげ直す)かを一言メモしましょう。

まとめ

AIで企画書を作るとは、「丸投げ」ではありません。順番にたどれば、こうなります。①構成要素を押さえ、②目的と核を人が決め、③AIで骨子を組み、④事実と筋を人が確かめる。 構成要素という箱を知り、誰に・何を・なぜやるかを自分で言い切り、その核をAIに渡して骨子を組ませ、最後に数字の裏付けと目的との筋を人が点検する。この一本の流れが、白紙で固まっていた手を動かし、薄い一般論を「自分の企画書」に変えます。

覚えて帰ってほしいのは、この一言です。「AIは白紙を埋める相棒。決めるのと確かめるのは、あなた。」

明日からの一歩は簡単です。次に企画書を任されたら、白紙を開く前に、まず「目的・ターゲット・なぜ今」を各1文で決めてみてください。その3行をAIに渡して骨子から作れば、もう白紙の前で固まることはありません。そして、できあがった骨子を「見せる資料・スライド」に仕上げるコツはAI資料作成入門で学べます。

【無料会員登録特典】この講座で使った進め方をそのまま実践できる「企画書の骨子テンプレート」を配布しています。構成要素の一覧、AIに渡す前提メモ欄(目的・ターゲット・なぜ今)、そして「数字に裏付けはあるか/施策は目的につながっているか」を確認する2点チェックがセットになっています。無料会員登録して、次の企画書づくりにそのままお使いください。

よくある質問

AIに企画書を全部作らせることはできますか

できません。AIは核を渡さないと一般論しか返さず、出力も人の確認が必要です。目的決めと事実確認は人の仕事です。

企画書と提案書はどう違いますか

企画書は社内で施策を通す文書、提案書は社外の顧客に課題解決を売り込む文書です。読み手と目的が異なります。

AIが出した数字はそのまま使ってよいですか

いけません。生成AIは誤情報をもっともらしく出すこと(ハルシネーション)があるため、数字や固有名詞は出どころを必ず確認します。

企画書づくりでAIに入れてはいけない情報はありますか

個人情報や社内の機密情報は入力を控えます。入力が学習に使われ第三者の出力に含まれる恐れがあるため、自社ルールも確認しましょう。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

上部へスクロール