Q.
株主資本コストを推定するときに広く使われる代表的なモデルはどれか。
解説まとめ
正解はAです。株主資本コストの推定には、CAPM(資本資産価格モデル)が代表的に用いられます。CAPMは、リスクの大きさ(β)に応じて投資家が要求するリターンを説明するモデルだからです。リスクが高い株式ほど高いリターンが求められる、という考え方を数式に落とし込んでいます。
ポイント
この問題の核心は、株主資本コストが「観察しにくいリスク対価」であり、それを推定する道具としてCAPMがある、という点です。負債コストが利率から比較的見えやすいのに対し、株主の期待リターンは直接観察できないため、モデルで推定します。CAPMという名前と用途をセットで覚えておきましょう。
ワンポイントアドバイス
株主資本コストという言葉が出たら、まず「CAPMで推定する数字だ」と結びつけてみましょう。負債コストは利率から、株主資本コストはCAPMから、と入り口を分けて覚えると、WACCの2部品を取り違えにくくなります。
解説詳細
CAPMは株主の期待リターンを推定する
株主資本コストは、株主がその株式に求める期待リターンですが、利率のように契約で決まっているわけではないため、直接は観察できません。そこで、リスク資産の期待リターンをリスクの大きさ(β)から説明するCAPMが広く使われます。CAPMはリスクが大きいほど高いリターンが要求されることを表現でき、株主資本コストの推定に適しています。Aが正解です。
他の選択肢が誤りである理由
Bの損益分岐点分析は、固定費・変動費から採算点を求める手法で、資本コストの推定とは目的が異なります。Cの在庫回転率モデルは在庫効率を測る指標で、株主の期待リターンとは無関係です。Dの配当性向を固定するという発想は配当割引モデルの一部に関係しそうに見えますが、配当性向そのものは株主資本コストの推定モデルではなく、定義としても不正確です。株主資本コストの定番はCAPMです。