Q.
WACCを「ハードルレート」として使うとき、ある投資案件の期待リターンが8%、WACCが10%だった。この案件についての判断として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はBです。WACCをハードルレートとして使う場合、期待リターン(8%)がWACC(10%)を下回る案件は、資金の出し手の期待に応えられず、原則として企業価値を損なうと判断されます。投資は資本コストを上回って初めて価値を生むからです。8%<10%なので、この案件は採用が見送られるのが基本です。
ポイント
この問題の核心は、「期待リターン>WACCなら価値創造、<WACCなら価値毀損」という判断基準です。リターンがプラスであるだけでは不十分で、資本コストを超えているかが分かれ目になります。8%という絶対値ではなく、WACCとの大小で評価する点を押さえましょう。
ワンポイントアドバイス
投資の可否を考えるときは、「期待リターンはWACCを超えているか」を最初のチェックにしてみましょう。プラスかどうかではなく、ハードルレートを超えているかで判断すると、価値を生む案件を見極めやすくなります。
解説詳細
WACCを超えないと価値を生まない
WACCは資金の出し手に平均して返すべきリターンであり、投資判断のハードルレートになります。期待リターンがWACCを上回れば、出し手の期待を超える分だけ企業価値が増えますが、下回れば期待に届かず価値を損ないます。本問では期待リターン8%がWACC10%を下回っているため、原則として企業価値を毀損する案件と判断され、採用は見送られるのが基本です。Bが正しい判断です。
他の選択肢が誤りである理由
Aの「プラスなら無条件で実行」は誤りで、プラスでも資本コストを下回れば価値を損ないます。Cの「売上が立てば価値を生む」も誤りで、売上の有無ではなくリターンがWACCを超えるかが基準です。Dの「リスクと無関係で判断材料にならない」は誤りで、WACCはリスクを反映した資本コストであり、まさに判断の中心的な材料になります。基準はWACCとの大小です。