Q.
WACCの計算で資本構成(D と E)を測るとき、理論上は簿価(帳簿価額)ではなく時価(市場価値)を用いるのが望ましいとされる。その主な理由として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はBです。資本コストは投資家が現時点で要求するリターンを表すため、重みも現在の市場価値(時価)で測るほうが理論的に整合します。簿価は過去の取得額に基づく値で、現在の投資家の期待を反映しないからです。そのため理論上は時価ウェイトが望ましいとされます。
ポイント
この問題の核心は、「コストが現在の期待リターンなら、重みも現在の価値で揃える」という整合性です。コストと重みの基準時点を合わせる考え方が背景にあります。実務では時価が得にくい場合に簿価で代用することもありますが、理論上の望ましさは時価にあります。
ワンポイントアドバイス
WACCの前提を点検するときは、「重みは時価か簿価か」を確認してみましょう。コストが現在の期待リターンである以上、重みも現在価値で揃っているかを意識すると、計算の妥当性を一段深く検討できます。
解説詳細
コストと重みの基準時点を揃える
資本コストは、投資家が「今」その会社に資金を出すなら求めるであろう期待リターンです。これに対し、簿価は資金を調達した過去の時点の金額であり、現在の市場の評価を反映していません。コストが現在の期待を表すなら、それに掛ける重みも現在の市場価値で測るほうが、時点の整合がとれます。そのため理論上は時価による構成比が望ましいとされます。Bがこの理由を正しく述べています。
他の選択肢が誤りである理由
Aの「計算が簡単で誰でも同じ値」は逆で、時価は変動し推定も要るため簿価より扱いが難しいことが多く、理由として不適切です。Cの「簿価は法律で禁止」は事実ではなく、実務では簿価を代用することもあります。Dの「時価はWACCを高く見せられる」は意図的な操作を前提とした誤りで、時価を使う目的は整合性であって見せ方ではありません。正しい理由は基準時点の整合です。