緩やかなインフレが続く局面で、利息のつかない現金をそのまま手元に置き続けた場合、その現金の購買力(実際に買える量)は時間とともにどうなると考えられるか。最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は B です。インフレでは物価が継続的に上がるため、額面が変わらない現金で買える量は次第に減っていきます。利息がつかない現金は、増えも減りもしない金額のままなので、物価が上がるほど相対的に価値が目減りします。つまり、現金を寝かせておくだけだと、インフレの分だけ実質的な購買力が失われていく、というのがこの問題の要点です。
ポイント
この問題の核心は「インフレ下では、利息のつかない現金の実質価値が下がる」という点です。額面という名目の金額は変わらなくても、物価上昇によって同じ金額で買える量(実質的な購買力)が減っていくからです。名目(額面)と実質(購買力)の違いと、インフレ=お金の価値の低下、という二つの基礎が組み合わさった応用論点です。
ワンポイントアドバイス
「インフレのときは、ただ現金を持っているだけでも実質的に目減りする」という関係を、まず理屈として理解しておきましょう。額面が変わらないこと(名目)と、買える量が減ること(実質)を切り分けて考えるのがポイントです。なお、ここでの話はあくまで購買力という概念の理解が目的であり、特定の運用方法を勧めるものではありませんので、原理として押さえておきましょう。
解説詳細
インフレ下では現金の購買力が目減りする
正解はBです。インフレとは物価が継続的に上がる状態であり、同じ金額で買える量が減ること、すなわちお金の価値(購買力)が下がることを意味します。利息のつかない現金は、額面という名目の金額が増えも減りもしません。しかし物価のほうは上がり続けるため、時間が経つほど、その変わらない金額で買えるモノやサービスの量は減っていきます。これが「現金の購買力が目減りする」という現象です。名目の金額(額面)は一定でも、実質の価値(購買力)は物価上昇の分だけ下がる、という名目と実質の違いがここに表れています。
他の選択肢が誤りである理由
Aの「買える量が増え、購買力が高まる」は、物価が下がるデフレの局面で起こり得る話であり、インフレの説明としては逆ですので誤りです。Cの「購買力はまったく変化しない」は、物価が上がっている以上、同じ金額で買える量は確実に変わるため誤りです。Dの「額面そのものが自動的に増える」は、現金の額面は物価とは無関係に一定であり、勝手に増えることはないため誤りです。インフレで変わるのは額面という名目ではなく、その金額で買える量という実質の購買力であり、それが目減りする、というのが正しい理解です。