Q.
EV/EBITDA倍率の「EV(企業価値)」を表すものとして、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は D です。EV(企業価値・Enterprise Value)は、株主に帰属する株式時価総額に、債権者に帰属する純有利子負債(有利子負債から現金同等物を控除したもの)を加えて近似します。株主と債権者の双方の取り分を含む、事業全体の価値を表します。
ポイント
この問題が問うのは、EV が「株主+債権者」両方の価値である点を押さえているかです。EBITDA も利息を引く前の利益で、株主と債権者の双方に配分される源泉です。だからこそ EV と EBITDA は分子分母として整合し、EV/EBITDA倍率は資本構成の違いを比較しやすくします。
ワンポイントアドバイス
企業価値を見るときは、株式時価総額だけでなく、借入や手元現金まで含めて考えてみましょう。買収では借入も引き継ぐため、純有利子負債を加えた EV の方が実態に近くなります。「株価だけが企業価値ではない」と意識すると、買収価額の見方が現実的になります。
解説詳細
EVは株主と債権者の取り分の合計
EV は、その事業を丸ごと手に入れるのに必要な価値を表します。具体的には、株主の取り分である株式時価総額に、債権者の取り分である純有利子負債(有利子負債から現金同等物を引いたもの)を加えて近似します。買収では対象会社の借入も引き継ぐ一方、手元現金は実質的に買い手の負担を減らすため、純額で加えるわけです。
ほかの選択肢が誤りである理由
A の営業利益は利益の一種であって、企業価値ではありません。B の1株当たり利益(EPS)は株主視点の収益指標で、EVとは別物です。C の純資産の簿価は会計上の自己資本で、市場が評価する企業価値とも、債権者の取り分を含む点とも一致しません。株式時価総額に純有利子負債を加えた D が、EV の近似として正しい説明です。