Q.
「所要運転資金」を表す式として、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はCです。所要運転資金は「売上債権(売掛金・受取手形)+棚卸資産(在庫)−仕入債務(買掛金・支払手形)」で表します。販売済みでも未回収の債権と、未販売の在庫によって現金が拘束され、その一方で未払いの仕入債務が現金の流出を抑える、という構造を示した式です。事業を回すために常時立て替えている資金を表します。
ポイント
運転資金=売上債権+棚卸資産−仕入債務です。債権と在庫は現金を縛る要素、仕入債務は流出を抑える要素、という役割の違いをあわせて覚えておきましょう。何を足して何を引くのか、符号の向きが要点です。
ワンポイントアドバイス
自社の月次の貸借対照表から、売掛金・在庫・買掛金の金額を拾い、この式で所要運転資金を一度出してみましょう。金額の大きさと、どの項目が膨らんでいるかが見えてくると、資金繰りの勘所がつかめます。まずは直近1か月分で計算してみてください。
解説詳細
なぜCが正解か
所要運転資金は、事業を継続的に回すために常時立て替えている資金を表し、「売上債権+棚卸資産−仕入債務」で計算します。売上債権は回収前の立替、棚卸資産は販売前に拘束された現金で、いずれも現金を縛ります。仕入債務は支払い前の債務で、その分だけ現金流出を繰り延べているため控除します。Cはこの式を正しく示しています。
なぜ他の選択肢が誤りか
Aは手元資金(即時に使える現金性資産から短期借入を引いたもの)を計算したもので、運転資金とは別概念です。Bは営業利益を計算した式であり、利益であって資金ではありません。Dは流動資産から固定資産を引いた意味のない差で、運転資金の定義ではありません。いずれも「債権+在庫−仕入債務」という運転資金の構造を表していません。