「キャッシュフロー経営」が重視するものとして、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はAです。キャッシュフロー経営とは、損益計算書(PL)に表れる帳簿上の利益だけを見るのではなく、実際の現金の出入りと手元残高を経営判断の軸に据える考え方を指します。利益が出ていても現金が回らなければ事業は止まるため、現金の流れを重視します。「もうけ」と「手元のお金」は別物だ、という前提に立つ経営です。
ポイント
鍵は「利益とキャッシュは一致しない」という認識です。利益は発生主義で計算されるため、売上を計上しても入金は先、という時間差が生まれます。キャッシュフロー経営は、この時間差まで含めて現金の流れを管理する姿勢のことだと押さえておきましょう。
ワンポイントアドバイス
月次で損益(利益)と現金の動き(キャッシュ)を別々に確認する習慣をつけてみましょう。利益が出ているのに現金が減っている月があれば、その差がどこから生まれたかを追うと、自社の資金構造が見えてきます。まずは今月分から二つを並べて見てみてください。
解説詳細
なぜAが正解か
キャッシュフロー経営の出発点は、利益(PL上のもうけ)と現金(手元のキャッシュ)が必ずしも一致しないという事実です。発生主義では、商品を引き渡せば入金前でも売上が計上され、その分の現金はまだ手元にありません。Aは、利益という帳簿上の数字だけでなく、実際の現金の出入りと残高を経営の軸に据える姿勢を正しく述べており、これがキャッシュフロー経営の核心です。
なぜ他の選択肢が誤りか
Bの売上拡大の最優先は、増収局面ほど運転資金が膨らんで現金が苦しくなることがあるため、現金重視という趣旨とむしろ逆方向になり得ます。Cの残高を大きく見せることは外観の話であり、現金の流れを管理する経営姿勢とは関係がありません。Dの規模拡大は経営目標の一つにはなり得ても、それ自体は現金の流れを軸に据える考え方ではありません。いずれも「現金の出入りを経営の軸にする」という核心を外しています。