仕事の進め方入門
仕事の進め方入門
「ちゃんとやったのに、『そうじゃない』と言われた」。任され始めたばかりの頃、こんな経験はありませんか。
入社して2〜3ヶ月。「これ、お願いね」と頼まれるたびに、心の中ではこう思っているかもしれません。「何から始めればいいか分からない」「いつも締切ギリギリで、抜け漏れる」。そして勇気を出して仕上げて出すと、「ちょっとこれ違うんだよな」と直される。やる気はあるのに、空回りしている感じ。これは、あなたの能力が足りないからではありません。手を動かす前の「握り」と「段取り」が、まだ渡されていないだけです。
指示されたらすぐ手を動かす。一見、まじめで偉いように見えます。でも実は、着手前にゴールを握って段取りを決めることのほうが、その仕事の出来をぐっと左右します。準備で大部分が決まる、という意味のことわざに「段取り八分」という言葉もあるくらいです。この講座でお伝えする仕事の進め方は、特別な才能の話ではありません。「受ける → 段取る → 進める → 見直す」という、たった4つの順番です。
読み終えたあなたは、次の3つができるようになります。
- 任された仕事のゴール・完成条件・締切・背景を、着手前に確認して言える
- 仕事を小さな作業に分解し、順番と所要時間を見積もって段取りできる
- 「受ける → 段取る → 進める → 見直す」の型を説明し、自分の仕事に当てはめられる
この講座は最後まで、上司に頼まれた「来週の会議資料を作っておいて」という、たった1つの仕事だけで説明します。では、その仕事を受け取った瞬間から始めましょう。
第1章:仕事は「受け方」で決まる
「来週の会議資料を作っておいて」。上司にそう言われて、あなたは元気よく「分かりました!」と返事をしました。さあ、ここからが本番です。多くの人が、この返事の直後につまずきます。
この章のゴール
この章を読み終えると、頼まれた仕事のゴール・完成条件・締切・背景を、その場で復唱して確認できるようになります。
1-1 「分かりました!」のあと、何から手をつけるか分からない
「分かりました!」と返事はしたものの、自分の席に戻った瞬間、こう思いませんでしたか。「……で、結局なにを作ればいいんだろう」。
何の会議なのか。誰が見るのか。いつまでに出すのか。何ページくらいのものなのか。よく考えると、何も決まっていません。それでも「もう一度聞きに行くのは気が引ける」「できる新人だと思われたい」という気持ちから、とりあえず手元のパソコンを開いて、それっぽい資料を作り始めてしまう。
これが、手戻りの始まりです。方向が分からないまま走り出すと、たいてい上司の頭の中にあったものとは別の場所に着いてしまいます。そして「そうじゃないんだよな」と言われ、また最初から作り直し。まじめに頑張ったのに、です。
ここで順番を入れ替えましょう。手を動かす前に、まず「何を作るのか」を握る。これがこの章のテーマです。
1-2 どんな指示にも隠れている「4点」
実は、どんな指示にも、必ず確認しておきたい「4点」が隠れています。一般にビジネスマナーの基本として、指示を受けるときは内容や目的、納期などを抜け漏れなく聞き取るよう勧められています。それを新人向けに、次の4つにまとめておきましょう。
- 目的……なぜこの仕事をするのか(何の会議で、その資料は何に使うのか)
- 完成イメージ……何を作るのか(誰向けに、どんな形で、どれくらいの分量か)
- 期限……いつまでに出すのか(「来週」は何曜日の何時までか)
- 条件……どこまでやるのか、どんな形で出すのか(紙か、データか。前回の流用はありか)
「来週の会議資料を作っておいて」という一言を、この4点で開いてみます。
- 目的:何の会議? その資料で何を決める/伝えるの?
- 完成イメージ:誰が見る? スライド? 1枚の表? 何ページくらい?
- 期限:「来週」って、月曜の朝まで? 会議の前日まで?
- 条件:前回の資料を直せばいい? ゼロから作る? データの出どころは?
こうして並べると、最初の「来週の会議資料を作っておいて」が、いかに何も決まっていなかったかが見えてきます。曖昧なまま着手していたら、ほぼ確実にどこかがズレていました。
1-3 受けたら「復唱して握る」
では、この4点をどうやって確認するのか。むずかしいことはしません。受けたら、自分の言葉で言い直して、相手に確かめる。これだけです。
たとえば、こんな一言を添えます。
「来週水曜の営業会議で使う、先月の売上をまとめた資料を、A4で2〜3枚、前回のフォーマットを直す形で、火曜の夕方までに——という理解で合っていますか?」
この「〜という理解で合っていますか?」が、握りの決め台詞です。声に出して言い直すと、お互いの認識のズレに、その場で早く気づけます。上司も「あ、売上じゃなくて来期の計画ね」と、その場で直してくれます。指示を受けたあとに要点を復唱して確認する、というのは、ビジネスマナーの基本としてよく勧められるやり方です。特に、期限や数量などの数字、会議名や商品名などの固有名詞、そして結論は、復唱でずらさないようにします。
ここでつまずきやすい
「質問したら、できない新人だと思われそう」——そう感じて、分かったふりで着手してしまう人がとても多いです。でも、ここは考え方を入れ替えてください。質問は、能力不足の露呈ではなく、段取りの一部です。あいまいなまま進めると、上司が期待していたものから外れやすくなります。あとで丸ごと作り直すより、最初に30秒確認するほうが、結局は早く終わります。「確認する=段取りの第一歩」と覚えておきましょう。
ここで握った「誰向け・何を・いつまでに・どんな形で」は、このあとずっと使う完成条件です。この章で握ったこの条件を、第4章でもう一度取り出します。だから、メモに残しておいてください。
この章の確認(演習)
手を動かしてみましょう。読むだけだと、わかった気になって、すぐ抜けてしまうからです。
お題:「来週の会議資料を作っておいて」を、4点に分解して、上司に投げる復唱の一文を書いてみてください。
次の4つの空欄を、自分の想像で埋めてみます。
- 目的(なぜ/何の会議):( )
- 完成イメージ(誰向け/形/分量):( )
- 期限(いつまで):( )
- 条件(どこまで/どんな形):( )
埋まったら、それを「〜という理解で合っていますか?」の一文につなげてみてください。この一文がスラスラ書けたら、この章のゴールは達成です。あなたはもう、任された仕事のゴールと完成条件を、着手前に言葉にできます。
第2章:段取りする(分解 → 順番 → 見積もり)
完成条件を握れました。「来週水曜の営業会議用に、先月の売上をまとめた資料を、A4で2〜3枚、火曜の夕方まで」。よし分かった、と、ここでパソコンを開いて1ページ目から作り始める——ちょっと待ってください。その前に、もうひと手間あります。
この章のゴール
この章を読み終えると、仕事を小さな作業に分解し、順番と所要時間を見積もれるようになります。
2-1 「段取り八分・仕事二分」——いきなり手を動かさない
「段取り八分、仕事二分」という言葉を聞いたことはありますか。仕事の出来は、本番の作業そのものよりも、その前の準備(段取り)で大部分が決まる、という意味のことわざです。本番の作業が2割、事前の段取りが8割、というたとえですね。
この言葉の由来には、歌舞伎など芝居の段(場面)の進行を整えることから来たという説や、石段を傾斜に合わせて設計したことから来たという説など、諸説あります。特定の誰かの名言というわけでもなく、現場や職人の世界で受け継がれてきた言葉のようです。だから、由来そのものは「諸説ある」とだけ受け取って、大事なのは中身——準備で、仕事の成否の大部分が決まる、というほうを覚えてください。
会議資料も同じです。完成条件を握ったら、すぐ1ページ目を作り始めるのではなく、まず「どう作るか」の段取りを先に組みます。
2-2 大きな仕事を「小さな作業」に割る
なぜ、いきなり手を動かすと詰まるのでしょうか。それは、「会議資料を作る」が、ひとかたまりの大きな仕事のままだからです。大きすぎて、どこから手をつけていいか分からない。だから固まってしまう。
そこで、ひとかたまりを小さな作業に割っていきます。「会議資料を作る」を分解すると、たとえばこうなります。
- 構成案を作る……どんな順番で、何を載せるかを決める
- データを集める……先月の売上の数字を集める
- ドラフトを作る……構成案に沿って、実際に資料を書く
- 見直す……抜け漏れがないかチェックする
「会議資料を作る」という1つの山が、4つの小さな作業に分かれました。こうなると、最初の一歩が「構成案を作る」だと、はっきり見えます。一気に頂上を目指すのではなく、まず1合目だけを見る。これだけで、固まらずに動き出せます。
2-3 順番を決めて、ざっくり所要を見積もる
作業に割れたら、次は順番と所要時間です。
順番は、割ったときにだいたい見えています。データがないと中身は書けないので「データ集め → ドラフト」。構成が決まっていないと何を集めるか分からないので「構成案 → データ集め」。こうして並べると、自然な流れができます。
そこに、各作業がどれくらいかかりそうかを、ざっくり仮置きします。
| 順番 | 作業 | ざっくり所要 |
|---|---|---|
| 1 | 構成案を作る | 30分 |
| 2 | データを集める | 1時間 |
| 3 | ドラフトを作る | 2時間 |
| 4 | 見直す | 30分 |
(この30分・1時間といった数字は、考え方を示すための仮置きです。実際の時間は、仕事や人によって変わります。)
これで、合計でだいたい4時間くらいかかりそうだ、と見えました。火曜の夕方が締切なら、月曜のうちに着手しておけば間に合いそうだ、と逆算もできます。この1枚を、段取りメモと呼びましょう。手を動かす前に、この1枚を作る。それが「段取り八分」の正体です。
ここでつまずきやすい
分解せずに、いきなり完成形を一気に作ろうとして、途中で「あれ、このデータがない」「順番がぐちゃぐちゃだ」と詰まる——これがいちばん多い失敗です。先に全部きれいに作ろうとしなくて大丈夫。まずは割って、順番をつける。それだけで十分です。なお、作業の管理を細かく仕組み化するやり方や、所要時間の見積もりの精度を上げるコツは、それぞれ別の講座でお伝えします。この章は「割って、順番をつける」までで大丈夫です。
この章の確認(演習)
お題:「来週の会議資料」を、3〜5個の作業に分解して、段取りメモを1枚作ってみてください。
- 「会議資料を作る」を、3〜5個の小さな作業に割ります。
- その作業に、やる順番をつけます。
- 各作業に、ざっくりの所要時間を仮置きします。
| 順番 | 作業 | ざっくり所要 |
|---|---|---|
| 1 | ( ) | ( ) |
| 2 | ( ) | ( ) |
| 3 | ( ) | ( ) |
この表が埋まったら、それがあなたの段取りメモです。手を動かす前に、これが1枚あるかないかで、進み方がまるで変わります。
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第3章:進める・こまめに確認する
段取りメモができました。「構成案 → データ集め → ドラフト → 見直し」。さあ、いよいよ作り始めます。ここで一気に最後まで仕上げてしまいたくなりますが、その前に、進め方にひとつコツがあります。
この章のゴール
この章を読み終えると、着手後、要所で方向を確認し、前提が崩れたら早めに動けるようになります。
3-1 完成させてから見せる、が一番こわい
いちばんやってしまいがちで、いちばんこわいのが、全部作り込んでから、初めて上司に見せることです。
「中途半端な状態で見せたら、いいかげんだと思われる」「完成させてから、どうだ、と出したい」。その気持ちはよく分かります。でも、想像してみてください。2時間かけてドラフトまで仕上げて、自信満々で上司に出したら、「あ、これ売上じゃなくて来期の計画の話だったんだよ」と言われたら——。2時間が、まるごとやり直しです。
長い時間をかけて作ったのに、上司が思っていたものとは違うものができてしまう。これは、どんな仕事でも起こりがちなトラブルです。そして、全部作ってから気づくほど、やり直しは大きくなります。
3-2 早い段階で一度、「方向、合ってますか?」
これを防ぐ方法は、シンプルです。全部作る前に、一度だけ方向を確認する。
おすすめのタイミングは、段取りメモの早い段階——たとえば構成案ができた時点です。本文をびっしり書き込む前、まだ「目次」と「載せる項目」だけができたところで、上司にこう見せます。
「先に構成だけ作ってみました。この流れで進めて、方向は合っていますか?」
ここで方向が合っていれば、安心して残りを作り込めます。もしズレていても、まだ構成案しか作っていないので、直すのは一瞬です。早い段階で一度確認を入れるほど、もし直しが必要でも、その負担は小さくて済みます。終わってから全部やり直すより、ある程度形になった時点で一度見せるほうが、ずっと軽いのです。
「何割できたところで見せるのが正解ですか?」と聞かれることがありますが、厳密な正解の数字があるわけではありません。完成させきる前の、まだ直しやすい早めの段階で一度——そう覚えておけば十分です。会議資料なら、構成案ができたところが、ちょうどいい一回目です。
3-3 前提が変わったら、抱え込まず早めに共有
もうひとつ。進めている途中で、前提が変わることがあります。たとえば、データを集めていたら「先月分の数字がまだ確定していない」と分かった。あるいは、会議そのものが1日早まった。
こういうとき、新人がやりがちなのが、ひとりで抱え込むことです。「自分で何とかしなきゃ」「相談したら迷惑かも」と思って黙っているうちに、締切が来て、最後の最後に「実は……」と切り出す。これがいちばん、まわりを困らせます。
着手した時点と、進んでいる途中とで、状況がずれることはよくあります。前提が変わったと気づいたら、抱え込まずに、その時点で早めに一言伝える。「データの確定が遅れていて、この部分は仮の数字になりそうです。どうしましょう?」——困ってからではなく、節目で軽く共有する。これだけで、上司は早く手を打てます。
ここでつまずきやすい
「ちゃんとできてから報告しよう」と抱え込んで、締切間際に問題が表に出る——これが、いちばん避けたいパターンです。困りきってからではなく、節目で一度、軽く確認や共有を挟む。なお、報告・連絡・相談そのものの型(誰に・どのタイミングで・どう伝えるか)は、次の講座「報連相の基本講座」でじっくりお伝えします。この章では、「節目で一度、方向を確認する」習慣だけ持って帰ってください。
この章の確認(演習)
お題:第2章で作った段取りメモの上で、「どこで一度、方向確認を入れるか」を1か所決めて、印をつけてください。
段取りメモの作業の並びを見て、「ここまでできたら、一度上司に見せて方向を確かめよう」という場所を、1か所だけ選んで○をつけます。
- 例:「構成案を作る」の直後に○。ここで「この流れで合っていますか?」と確認する。
1か所決まったら完成です。この○が、全部作り直しになるのを防ぐ「安全装置」になります。
第4章:見直して次に活かす
構成案で方向を確認し、データを集め、ドラフトを作り込みました。ついに会議資料が完成です。すぐにでも上司に「できました!」と持っていきたくなりますが、提出ボタンを押す前に、あと30秒だけ待ってください。この最後のひと手間で、結果が大きく変わります。
この章のゴール
この章を読み終えると、第1章で握った完成条件と照合して、抜け漏れを自分で見つけて直せるようになります。
4-1 提出前のひと手間で、抜け漏れに気づける
完成すると、人は「やりきった」という満足感でいっぱいになります。そして、その勢いのまま、見直しゼロで提出してしまう。これが、最後の最後でつまずくポイントです。
作っている最中は、目の前の作業に集中しているので、全体が見えなくなりがちです。だから、完成した直後に一度、手を止めて全体を眺め直す。提出前にこのひと手間を挟むだけで、「あ、日付が先月のままだ」「ページ番号が抜けてる」といった抜け漏れに、自分で気づきやすくなります。
ただ、ここで「どこを見直せばいいんだろう」と迷う必要はありません。見直しの基準は、もう手元にあります。
4-2 「握った完成条件」と照らし合わせる
思い出してください。第1章で、あなたはこの仕事の完成条件を握りました。「来週水曜の営業会議用に、先月の売上をまとめた資料を、A4で2〜3枚、火曜の夕方まで」。
この最初に握った条件が、そのままチェックリストになります。完成した資料を、1項目ずつ照らし合わせていきましょう。
- 来週水曜の営業会議用になっている? → 会議名・用途は合っているか
- 先月の売上をまとめている? → 中身のテーマはズレていないか
- A4で2〜3枚? → 分量は条件どおりか
- 火曜の夕方に間に合う? → 締切は守れるか
こうして1つずつ照合すると、見直しは「何を見ればいいか分からない作業」ではなくなります。第1章で握った条件に戻るだけです。だから、第1章で完成条件をメモしておくことが、ここで効いてくるのです。受け方をていねいにやっておくと、最後の見直しまでラクになる——「受ける」と「見直す」は、実は1本でつながっています。
そして、すべての項目に「合っている」と言えたら、提出です。第1章で握った条件をすべて満たしているので、上司から「そうじゃない」と返ってくる可能性は、ぐっと下がります。一度で「OK、ありがとう」をもらえる——それが、この4ステップのゴールです。
ここでつまずきやすい
「見直しって、なんだか面倒な追加作業だ」と感じて、つい飛ばしてしまう人がいます。でも、見直しは新しい作業ではありません。第1章で握った条件に戻って、照らし合わせるだけです。ゼロから何かを点検するのではなく、最初に決めたゴールに帰る。そう考えると、ぐっと気が楽になります。
4-3 終わったら、一言メモで次に渡す
最後にもう1つ。提出して終わり、ではもったいないです。仕事が終わったら、ちいさな振り返りを一言だけ残しておきましょう。
たとえば、「データ集めに思ったより時間がかかった。次は1時間半で見積もろう」「構成案を早めに見せたら、一発でOKが出た。これは続けよう」。たった一行で構いません。この一言メモが、次に似た仕事を受けたときの、段取りメモの精度を上げてくれます。
こうした振り返りには、PDCA(計画・実行・評価・改善)や、KPT(続けること・問題点・次に試すこと)といった、よく知られた型もあります。名前は今は覚えなくて大丈夫です。大事なのは、終わったあとに一言だけ振り返って、次の段取りに渡すという習慣のほうです。
ここで、4ステップが1周します。今回の「見直し(振り返り)」が、次の仕事の「段取り」を良くする。終わりが、次の始まりにつながっている。これが「受ける → 段取る → 進める → 見直す」が、1本の輪になっているということです。
この章の確認(演習)
お題:自分の直近の仕事を1つ選んで、「完成条件チェックリスト」を3項目作ってみてください。
- いま自分が抱えている仕事、または最近やった仕事を、1つ選びます。
- 第1章でやったように、その仕事のゴール・完成条件を思い出します。
- それを、提出前に確かめるチェック項目を3つ書き出します。
- チェック1:( )は合っているか
- チェック2:( )は満たしているか
- チェック3:( )は間に合うか
この3項目が書けたら、それがあなた専用の見直しリストです。次にその仕事を出すとき、提出前にこのリストを上から順に見るだけで、抜け漏れに自分で気づけます。
まとめ:「受ける → 段取る → 進める → 見直す」を1枚で
おつかれさまでした。最後に、この講座で歩いてきた道のりを、1本の輪につなぎ直します。
私たちはずっと、「来週の会議資料を作っておいて」という、たった1つの仕事だけで話してきました。その仕事を、4ステップでたどってみましょう。
- 受ける(握る)……「分かりました!」のあと、目的・完成イメージ・期限・条件の4点を、「〜という理解で合っていますか?」と復唱して握る(第1章)。
- 段取る(割る・順番)……いきなり作り始めず、「構成案 → データ集め → ドラフト → 見直し」と小さな作業に割り、順番と所要を見積もって段取りメモを1枚作る(第2章)。
- 進める(節目で確認)……全部作り込む前に、構成案ができた早めの段階で一度「方向、合ってますか?」と確認し、前提が変わったら抱え込まず共有する(第3章)。
- 見直す(条件と照合)……提出前に、第1章で握った完成条件と1項目ずつ照らし合わせ、抜け漏れを直してから出す。終わったら一言メモを残す(第4章)。
ここで、大事なことに気づいてください。最後の「見直す」は、第1章で「受ける」ときに握った完成条件に戻ることでした。そして、見直しで残した一言メモは、次の仕事の「段取る」を良くします。つまり、この4つは一直線ではなく、最後が最初に戻る1本の輪なのです。
そして、この講座でいちばん覚えてほしいひと言は、これです。
手を動かす前に、ゴールを握る。
仕事は、いきなり手を動かす前に、ゴールと段取りを先に決めると、速く、正確になります。「受ける → 段取る → 進める → 見直す」——この4つの順番を思い出すだけで、もう「何から始めればいいか分からない」と固まることはありません。
明日の最初の一歩:明日、次に何か頼まれたら、すぐ手を動かす前に、「ゴールと締切」を上司に一度復唱してみてください。「〇〇を△△までに、という理解で合っていますか?」——たったこの一言です。第1章の演習を、実際の仕事で1回やってみる。それが、進め方を自分のものにする最初の一歩です。
次の講座へ:この講座で、あなたは仕事を進める「全体の型」を手に入れました。次に深掘りしたいのは、その型の中の「進める・こまめに確認する」——つまり、報告・連絡・相談です。誰に、どのタイミングで、どう伝えるか。その具体的な動き方は、次の講座 kouza-003「報連相の基本講座」 でお渡しします。進め方の輪をつかんだ今が、報連相を学ぶいちばんいいタイミングです。
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