「今日ロープレやるから、お題考えといて」——そう言われて手が止まっていませんか。
毎回同じ設定になってしまう、何を練習させればいいか分からない、そもそもロープレが気まずい茶番で終わる——。
この記事は、そのまま使える営業ロープレのお題を40個、シーン別に用意しました。各お題に「設定」と「見るべき評価ポイント」を添えてあるので、コピーして配るだけで練習が始められます。後半では、ロープレを上達につながる時間に変える回し方も解説します。
🎓 コーチ・マナ:「はじめまして、伴走役のマナです。ロープレって“やらされ感”が出やすいですよね。でも設計次第で、いちばん安全に失敗できる最高の練習になります。まずはお題を選んで、短く・具体的に・1点だけ見る。それだけで空気が変わりますよ。」
ロープレのお題を選ぶ3つの軸
やみくもに設定を作る前に、次の3軸で選ぶと練習効果が上がります。
【Point】①フェーズ(商談のどの段階か)×②難易度(相手の出方)×③1点集中(今日鍛える1スキル) の3つを決めてからお題を選ぶ。全部を一度に練習しようとすると、何も身につかない。
- ①フェーズ:アポ取り/ヒアリング/提案/クロージング/アフターのどこか
- ②難易度:素直な客/忙しい客/値切る客/不満のある客
- ③1点集中:今日は「質問だけ」「沈黙を待つだけ」など1スキルに絞る
シーン別 営業ロープレお題40選
各お題は「設定」=客役の状況、「評価ポイント」=営業役で見る点。まずは1回3〜5分で回します。
A. 新規開拓・アポ取り(1〜7)
- 飛び込みの第一声/設定:受付で門前払いモード/評価:30秒で「会う価値」を伝えられたか
- テレアポの断り切り返し/設定:「今は間に合ってます」と即断り/評価:食い下がらず次につなぐ一言が出たか
- 紹介からの初回接触/設定:知人紹介だが警戒気味/評価:紹介者への配慮と本題移行のバランス
- 展示会で立ち止まった客/設定:情報収集だけのつもり/評価:一方的な説明でなく質問から入れたか
- 問い合わせフォーム経由の初電話/設定:資料請求しただけ/評価:ニーズを決めつけず確認できたか
- 受付突破/設定:担当者名が分からない/評価:感情的にならず要件を端的に
- 再アプローチ/設定:半年前に断られた客/評価:前回を踏まえた変化球を出せたか
B. ヒアリング・課題把握(8〜16)
- 寡黙な客からの引き出し/設定:「別に困ってない」/評価:オープンクエスチョンで広げられたか
- 要望が漠然としている客/設定:「なんかいい感じにして」/評価:具体化する質問ができたか
- 決裁者でない担当者/設定:現場担当で予算権限なし/評価:決裁構造を聞き出せたか
- 競合検討中の客/設定:他社と比較中/評価:比較軸を聞き、優位点に接続できたか
- 予算を言いたがらない客/設定:金額を濁す/評価:レンジで探る質問ができたか
- 課題を自覚していない客/設定:現状で満足/評価:気づきを促す質問ができたか
- 話が脱線する客/設定:雑談が長い/評価:自然に本題へ橋渡しできたか
- 専門用語で武装する客/設定:知識をアピール/評価:知ったかぶりせず確認できたか
- キーマンが複数いる商談/設定:担当と上長が同席/評価:それぞれの関心に配慮できたか
C. 提案・商品説明(17〜24)
- 機能を価値に翻訳する/設定:スペック好きな客/評価:「つまり御社は」で便益に変換できたか
- 短時間プレゼン/設定:「5分で」と言われる/評価:結論ファーストで要点を絞れたか
- 既存のやり方に愛着がある客/設定:現状維持志向/評価:否定せず乗り換え負担を下げられたか
- 価格が高いと感じている客/設定:「高いね」/評価:値引きでなく価値で応えたか
- 複数プランの提示/設定:選択肢が欲しい/評価:迷わせず推奨を示せたか
- 導入後の不安が強い客/設定:「うまく使えるか心配」/評価:サポート体制で安心を作れたか
- 数字で説明を求める客/設定:ROIを知りたい/評価:具体的な効果を数字で示せたか
- 沈黙が続く客/設定:反応が薄い/評価:焦って話し続けず間を待てたか
D. 価格交渉・クロージング(25〜32)
- 値引き要求/設定:「もう少し安く」/評価:下げる前に条件を並べられたか
- 他社の見積もりを見せられる/設定:「A社はこの値段」/評価:価格以外の価値に話を戻せたか
- 即決を渋る客/設定:「持ち帰って検討」/評価:次のアクションを具体的に握れたか
- 条件交換/設定:値引き可能だが交換条件を出したい/評価:「◯◯のかわりに」で交換できたか
- 決裁の後押し/設定:担当は乗り気だが上長が渋い/評価:決裁を通す理由を渡せたか
- クロージングの一言/設定:合意寸前/評価:小さな次の一歩に落とせたか
- 予算オーバー/設定:あと一歩予算が足りない/評価:段階導入など代替案を出せたか
- 契約直前の不安蒸し返し/設定:土壇場で迷う/評価:不安を否定せず受け止められたか
E. クレーム・アフター対応(33〜40)
- 納期遅延の謝罪/設定:こちらの落ち度/評価:言い訳より先に事実と対応を伝えたか
- 感情的なクレーム/設定:客が怒っている/評価:反論せずまず受け止められたか
- こちらに非がないクレーム/設定:客の誤解/評価:否定せず事実を丁寧に整理できたか
- 既存客への追加提案/設定:満足度は高い/評価:押し売りでなく困りごとから入れたか
- 解約の申し出/設定:「やめようと思って」/評価:理由を聞き、引き止めでなく改善提案ができたか
- 請求ミスの報告/設定:自社の請求誤り/評価:バッドニュースを先に、早く出せたか
- 担当引き継ぎの挨拶/設定:前任者から交代/評価:不安を与えず信頼を引き継げたか
- 定期フォローの電話/設定:特に用件なし/評価:近況を聞き、次の芽を拾えたか
【解説】お題は「難易度」を少しずつ上げるのがコツです。まず素直な客で型を通し、次に忙しい客・値切る客・怒っている客へ。最初から最難関をやると、型が身につく前に心が折れます。
ロープレを「茶番」で終わらせない回し方
お題があっても、回し方が悪いとただの気まずい時間になります。上達させる5つのルールです。
ルール1:今日鍛える1スキルを宣言してから始める
「今日は質問だけ見ます」と先に決める。評価軸が1つだと、フィードバックが具体的になり、演者も守りに入りません。
ルール2:1本は3〜5分で短く
長いロープレはダレて茶番化します。短く区切り、回数を増やすほうが身につきます。
ルール3:良い点を先に、ダメ出しは1つだけ
いきなり全否定されると、次から本気で演じなくなります。「良かった点1つ→直す点1つ」の順で。人格でなく行動にコメントします。
ルール4:「なぜその一言を?」を止めて聞く
その場で止めて意図を問うと、本人の思考のクセが見えます。答えを教えるより、気づかせるほうが定着します。
ルール5:同じお題をもう一度回す
1回で終わらせず、直した形で即再挑戦。「できた」で終わると自信になり、次のお題に進めます。
🎓 コーチ・マナ:「ロープレで大事なのは、うまくやることじゃなくて“安全に失敗すること”です。本番の客相手に初めて試すより、練習で一度こけておくほうがずっといい。だから演者を笑わない、責めない。挑戦したこと自体を、まず認めてあげてください。」
お題別・練習の深掘りに使える記事
各シーンをもっと鍛えたいときは、専用記事もどうぞ。
- 提案・商品説明 → プレゼンが苦手な営業へ
- 価格・条件交渉 → 交渉ができない営業へ
- 商談前の雑談・アイスブレイク → 営業の雑談が苦手な人へ
- 上司への案件報告 → 営業で報連相ができない人へ
まとめ:お題は「フェーズ×難易度×1点集中」で選ぶ
- ロープレのお題は、商談フェーズ×相手の難易度×今日鍛える1スキルで選ぶ。
- この記事の40選は設定と評価ポイント付き。コピーして配るだけで始められる。
- 回し方の肝は 1点に絞る/短く/良い点を先に/なぜを問う/もう一度。
- ゴールは上手さでなく「安全に失敗して、直して、もう一度できる」こと。
まずは今日、お題を1つだけ選んで3分回してみてください。「1点に絞って、良い点を先に」——それだけで、ロープレは茶番から練習に変わります。
🎓 コーチ・マナ:「40個もお題があると迷うかもしれませんが、全部やる必要はありません。今のチームがいちばん苦手な1シーンから。1つのお題を、直しながら3回。それだけで、次の商談の景色が変わりますよ。」