新規事業の作り方入門|作る前に確かめる、種から提案までの立案手順 | マナビズ

新規事業の作り方入門|作る前に確かめる、種から提案までの立案手順

新規事業の作り方入門|作る前に確かめる、種から提案までの立案手順

「何か新しいことを考えて」と任されたものの、アイデアはあるのに次の一手が決められない。思い切って企画書を書いて上司や役員に出すと、「それ、誰が欲しいの?」「儲かるの?」「本当に売れる根拠は?」と返されて止まる——新規事業の担当に指名された人が、最初にぶつかる壁です。差し戻されるたびにゼロから手探りになり、自分のアイデアの良し悪しさえ自分で判断できなくなっていきます。

ここで足りないのは、たいていの場合「センス」ではありません。足りないのは、最初から最後まで一本で通せる手順です。新規事業は、「誰のどんな困りごと(種)」から始め、解決案を仮説として置き、作り込む前に小さく確かめ、検証を経てから事業の骨格を整理して提案する——この順番をたどる仕事です。順番を守ることが、成否を分けます。

本講座は、この「立案手順を一本で通すこと」だけに絞ります。アイデアの発想法そのもの(共感から課題定義、発想へ)はデザイン思考入門が、「先に仮の答えを立てて検証する」思考プロセスそのものは仮説思考入門が、それぞれの正本です。本講座はそれらを「手順の1ステップ」として位置づけるだけで、各論の技法には踏み込みません。

この講座を終えると、次の3つができるようになります。新規事業の立案手順を、順番とその意味とともに自分の言葉で説明できること。自分のアイデアを各段に当てはめて「いま自分はどの段にいて、次に何を確かめるべきか」を判断できること。そして検証を根拠にした1枚の立案メモ(誰の困りごと・解決案・確かめたこと・骨格・次の一手)を作成できることです。覚えて帰る型は「種を見つける → 解決案を仮説で立てる → 小さく検証する → 骨格を整理して提案する」。本講座では、「社内の経費精算が面倒」という困りごとから、新しい経費精算サービスのアイデアを1案、立案手順に沿って少しずつ形にしていく場面を、全章で追いかけます。

この講座のポイント

  • 新規事業の出発点が「アイデアの良さ」ではなく「誰のどんな困りごと(種)」であることを説明でき、自分の身近な困りごとを種として書き出せる。
  • 種に対する解決案を「確かめる前の仮の答え(仮説)」として立てられ、その仮説が成り立つ前提を言葉にできる。
  • 一番あやしい前提を「小さく・お金をかけずに」確かめる方法を選べ、検証結果から仮説を「進める/直す/やめる」を判断できる。
  • 検証を経たアイデアを「誰の困りごと・解決案・確かめたこと・事業の骨格・次の一手」の1枚にまとめ、意思決定者に手順つきで説明できる。

新規事業の種を見つける——誰のどんな困りごとから始めるか

この章のゴール

新規事業の出発点が「アイデアの良さ」ではなく「誰のどんな困りごと(種)」であることを説明でき、自分の身近な困りごとを種として書き出せる。

新規事業は「商品」ではなく「誰の困りごと」から始まる

新規事業をいきなり「こういう商品を作ろう」から始めると、たいてい途中で止まります。理由はシンプルで、取り扱う技術や商品・サービスがどんなに素晴らしくても、市場にニーズがなければビジネスは成立しないからです(出典:J-Net21「市場や業界の調べ方」)。だから出発点に置くべきは、商品アイデアではなく「誰が・何に困っているか」という困りごとのほうです。

公的な起業支援でも、出発点は身近な困りごとに置くことがすすめられています。やりたいことがなかなか見つからないときは、これまでの人生で感じた違和感や世の中の課題を解決するビジネスを考えるのも一つの手で、誰かの困りごとを解決することは、それだけでビジネスになる可能性を秘めている、と紹介されています(出典:J-Net21「アイデア発想の事例」)。新規事業の「種」とは、まだ十分に解けていない、繰り返し起きる困りごとのことだと考えてください。

ここで一点、注意があります。顧客が本当に求めているのは、商品そのものではなく「困りごとが解けること」です。よく引かれる例ですが、ドリルを買う人が求めている価値はドリルそのものではなく、穴をあけることです(出典:J-Net21「事業コンセプトの作り方」)。穴があくなら、手段はドリルでなくても構わない。だから種を探すときは、売り手として「何を作れるか」ではなく、顧客の視点で「誰の何が解けていないか」を考え抜きます。

もう一つ押さえておきたいのは、「自分がやりたいこと」と「ビジネスとして成り立つこと」は別だ、という点です。これまでの経験や強みから事業を始めるのはよくあるパターンですが、趣味や嗜好で取り組むことと、顧客から金銭を受け取って提供することはまったく異なり、「自分のやりたいこと」が顧客に支持されてはじめてビジネスとして成り立つ、と指摘されています(出典:J-Net21「アイデア発想の事例」)。つまり、種を選ぶときの判断軸は「自分が作りたいか」ではなく「誰かが本当に困っているか」です。この軸を最初に握っておくと、後の章で「誰も欲しがらないものを作り込む」失敗を避けられます。

良い種は「特定の誰か」と「具体的な場面」がはっきりしている

共通例で考えます。「社内の経費精算が面倒」——これだけだと、まだ種としては弱いです。誰が、いつ、何に困っているのかがぼやけているからです。これを、誰が(例:外回りの多い社員)、いつ(例:月末)、何に困っているか(例:たまった領収書の入力に時間がかかる)まで具体化します。すると「外回りの多い社員が、月末に、領収書の入力で時間を取られている」という、輪郭のある種になります。

種を具体化するときの注意は、対象を「みんな」にしないことです。顧客のニーズが多様化した現代では、起業の時から万人受けする商品・サービスを開発することは困難で、誰に対して提供するかを明確にすることで、商品開発や広告宣伝の焦点が定まる、とされています(出典:J-Net21「事業コンセプトの作り方」)。対象を絞る方法として、想定する相手を「究極の一人」にまで絞り、その人物像(ペルソナ)を詳細に作り上げていくやり方も紹介されています(出典:J-Net21「事業コンセプトの書き方」)。「みんなが困っている」は、裏を返せば「誰の困りごとも具体的につかめていない」状態です。

解決策に飛びつかない——まず困りごとを言い切る

この章でいちばんつまずきやすいのは、困りごとを言い切る前に「こういうアプリを作ろう」と解決策へ飛びついてしまうことです。解決策から入ると、その商品ありきで物事を見るようになり、本当はそこまで困っていない相手に売り込もうとして止まります。

手順はこうです。まず、身近で「面倒・不便・繰り返し起きる」困りごとを挙げる。次に、それは「誰の」「どんな場面の」困りごとかまで言葉にする。そして、解決策に飛びつかず、まずは困りごとそのものを一文で言い切る。困りごとを掘り下げて発想へつなげる技法そのもの(共感から課題定義、発想への流れ)を深めたい場合はデザイン思考入門へ、「誰に・どんな価値を届けるか」という顧客起点の全体像はマーケティングの基礎へ進んでください。本講座は、種を「立案手順の出発点」として置くところまでを担います。

この章の確認(演習)

自分の身近にある「繰り返し起きる困りごと」を1つ選び、「誰が・いつ・何に困っているか」を1〜2文で書き出してください。このとき、解決策(こういう商品を作る)は書かず、困りごとだけを言い切ります。対象が「みんな」になっていないか、特定の誰かと具体的な場面まで絞れているかを確認しましょう。

解決案を仮説として立てる——まだ正解にしない

この章のゴール

種に対する解決案を「確かめる前の仮の答え(仮説)」として立てられ、その仮説が成り立つ前提を言葉にできる。

解決案は「正解」ではなく「これで解けるはず」という仮の答え

種が決まったら、いよいよ解決案を考えます。ただし、ここで立てる解決案は「正解」ではありません。「これで解けるはず」という、確かめる前の仮の答え——つまり仮説として置きます。

公的な起業支援でも、思いついたアイデアをそのまま実行に移すのではなく、いったん評価・検討にかける段取りが示されています。新規事業の分野を選ぶときは「事業アイデアの発見・抽出 → アイデアのスクリーニング → 事業コンセプトの確立」という3つのステップで進めるとよく、2つ目のスクリーニングとは「アイデアをふるいにかけ、評価・検討・調査する」段階だとされています(出典:J-Net21「新分野選定のポイント」)。アイデアを思いついた直後は、まだ「ふるいにかける前」の状態だ、と捉えるわけです。

共通例で言えば、「領収書をスマホで撮るだけで入力が終わるサービス」という解決案が浮かんだとして、この段階ではそれを正解にしません。「撮るだけで入力が終わるようにすれば、外回り社員の月末の負担が解けるはず」という仮の答えとして、いったん横に置きます。なぜ正解にしないのかというと、この時点ではまだ何も確かめていないからです。良さそうに見えるアイデアでも、ふるいにかけて評価・検討・調査する段階を飛ばすと、確かめないまま走り出すことになります。「仮の答え」と呼ぶのは、確かめるまでは判断を保留する、という構えを自分に課すためです。

どんな仮説にも前提がある——当たるために何が本当でなければならないか

仮説には、必ず「それが当たるために本当でなければならないこと」=前提があります。スクリーニングでも、アイデアを評価するときには複数の観点から検討します。たとえば、その事業に魅力度(市場の規模・成長性・収益性)があるか、参入の実現性があるか、競合や代替手段が現れるリスクはないか、といった視点で調査・検討して評価する、とされています(出典:J-Net21「新分野選定のポイント」)。

本講座では、この「評価の観点」を、自分の解決案に引き寄せて「この案が当たるためには、何が本当でなければならないか」という前提の形に翻訳します。共通例なら、「撮るだけ入力」というサービスが当たるための前提は、たとえば次のように書き出せます。①外回り社員にとって、入力の手間は本当に大きい。②撮るだけで済むなら、面倒くさがらずに使ってもらえる。③その負担を、お金を払ってでも減らしたいと思っている。どれも、いまの時点では「そうだといいな」という願望でしかありません。

一番あやしい前提(外れたら全部崩れる)に印をつける

前提を並べたら、最後に一つだけやることがあります。そのなかで「一番あやしい前提」——外れたら解決案ごと崩れてしまう前提に、印をつけることです。共通例なら、「そもそも入力の手間が、本当にそこまで大きいのか」が外れると、サービス自体が成り立ちません。これが、次の章で真っ先に確かめにいく相手になります。

前提に印をつけておくことには、もう一つの効用があります。次の章でやる検証は、手間も時間もかかります。前提を3つ4つすべて一度に確かめようとすると、検証だけで疲れてしまいます。だから「外れたら全部崩れる前提」を1つに絞り、そこから確かめにいくのです。共通例なら、「撮るだけなら使ってもらえるか」より先に、「そもそも入力の手間が本当に大きいか」を確かめます。土台の前提が崩れれば、その上の前提を確かめても意味がないからです。

ここでのつまずきは2つです。1つは、解決案を「正解」と思い込んで前提を疑わないこと。良いアイデアほど、自分で惚れ込んでしまい、前提を確かめずに先へ進みたくなります。もう1つは、前提を挙げないまま、いきなり作り込みに入ってしまうことです。前提を言葉にしていないと、何を確かめればよいかが分からず、結局「全部作ってから世に問う」ことになります。なお、「先に仮の答えを立てて、検証で確かめにいく」という思考プロセスそのものを深めたい場合は仮説思考入門が正本です。本講座は、それを立案手順の1ステップとして使うところまでを担います。

この章の確認(演習)

第1章で選んだ困りごとに対する解決案を、「〜することで、〜の困りごとを解く」という1文で書いてください。次に、その案が当たるための前提を3つほど挙げます。最後に、そのなかで一番あやしい(外れたら全部崩れる)前提に印をつけましょう。

小さく検証する——作り込む前に確かめる

この章のゴール

一番あやしい前提を「小さく・お金をかけずに」確かめる方法を選べ、検証結果から仮説を「進める/直す/やめる」を判断できる。

失敗の多くは「確かめる前に作り込む」こと

新規事業でいちばん避けたいのは、誰も欲しがらないものを、確かめる前に作り込んでしまうことです。前の章でも触れたとおり、どんなに素晴らしい商品でも、市場にニーズがなければビジネスは成立しませんし、ニーズがあっても価格が妥当でなければ受け入れられません(出典:J-Net21「市場や業界の調べ方」)。だからこそ、市場にニーズが本当にあるか、価格は妥当かを「見極める」ことが先で、そのために市場を知る=調査が必要だとされています(出典:J-Net21「市場や業界の調べ方」)。

検証とは、完成品を作ることではありません。前の章で印をつけた「一番あやしい前提」が本当かどうかを、最小の手間で確かめる行為です。共通例なら、いきなりアプリを作るのではなく、まず「入力の手間が本当に大きいのか」を確かめにいきます。

検証とは完成品づくりではなく、前提を最小の手間で確かめること

では、どうやって確かめるか。確かめる手段としてもっとも広く行われているのは、面接調査(インタビュー)と質問紙調査だとされています(出典:J-Net21「市場や業界の調べ方」)。共通例なら、アプリを作る前に、まず(例)数人の経理担当や外回り社員に直接話を聞いてみます。「月末の入力にどれくらい時間がかかっているか」「それを面倒だと感じているか」を、相手の言葉で確かめるわけです。

市場調査は、「事実の発見 → 事象の説明 → 企業の行動指針の提供」という段階で進み、現状を把握するだけでなく、消費者がなぜそう行動するのかの背景まで掘り下げ、今後どう動くべきかの判断材料を得るものだとされています(出典:J-Net21「市場や業界の調べ方」)。つまり、「困っていますか」と聞くだけでなく、「いまどうやって対処しているか」「なぜそれが面倒なのか」まで聞き、判断の材料にします。話を聞いた結果、「思ったほど困っていない」と分かれば、それは失敗ではなく収穫です。種や解決案に戻って直せば、無駄な作り込みを避けられます。

なお、検証にどれだけの人数が必要か、どんな数字が出れば「成功」と言えるかといった具体的な基準は、事業や相手によって変わります。新規事業の成功率や失敗率を表す一般的な数字も、本講座では扱いません(信頼できる出典で裏が取れないものは、本文では断定しないためです)。本講座が示すのは、「作り込む前に、最小の手間で確かめる」という手順そのものです。

確かめる前に合否の目安を決めておく

検証でつまずきやすいのは、都合のよい結果だけを見て「やっぱり正しい」と思い込んでしまうことです。これを防ぐには、確かめる前に「どんな結果なら前提が正しいと言えるか」の目安を、自分で先に決めておきます。たとえば「聞いた相手の多くが、月末の入力を負担だと答え、いまも手作業で苦労している」と言えたら前提は正しい、というように、合否のラインを先に置いてから確かめにいくわけです。

そして、出てきた結果を見て、「進める/直す/やめる」を判断します。前提が確からしければ次の章(骨格の整理)へ進む。前提が外れたら、種や解決案に戻って直す。場合によっては、その種からはいったん手を引く判断もあります。大事なのは、どの結果が出ても次の動きが決まっている状態をつくっておくことです。合否の目安を先に決めておけば、「思ったほど困っていなかった」という結果も、迷いなく「直す」へつなげられます。確かめる手段や、何を仮説として何を検証で確かめにいくかという思考の組み立てそのものは仮説思考入門で深められます。本講座は、検証を「作り込む前に置く1ステップ」として扱います。

この章の確認(演習)

第2章で印をつけた「一番あやしい前提」を1つ選び、それを「お金をかけずに確かめる方法」(例:数人に直接話を聞く)と、「どんな結果なら前提が正しいと言えるか」の目安を、1セットで書き出してください。確かめる前に目安を先に決めておくのがポイントです。

事業の骨格を整理し、提案に乗せる——立案メモを1枚にする

この章のゴール

検証を経たアイデアを「誰の困りごと・解決案・確かめたこと・事業の骨格・次の一手」の1枚にまとめ、意思決定者に手順つきで説明できる。

検証で手応えが出てから、初めて事業の骨格を整理する

検証で前提が確からしいと分かったら、ここでようやく事業の骨格を整理します。順番が大事です。公的な起業支援でも、いきなり事業計画書を書き始めるのではなく、アイデアを評価・選定し、事業コンセプトに整理してから計画書を作るとスムーズだとされています。事業コンセプトはアイデアをカタチにするときの「骨格になる部分」で、事業計画書のベースになり、ここがしっかりしていれば部分的な変更があっても大きな後戻りがない、と説明されています(出典:J-Net21「事業コンセプトの作り方」「事業コンセプトの書き方」)。検証を飛ばして立派な企画書から作り始めると、土台が確かめられていないぶん、後戻りが大きくなります。

事業の骨格は「誰に・何の価値・どのように」をラフに

事業の骨格は、難しく考えず「誰に・何を・どのように」の3つで整理できます。事業コンセプトを固めるときは、対象市場や標的顧客(誰に)、提供する商品・サービスの内容(何を)、顧客へのアプローチ方法(どのように)を明確にし、競合に対してどこで優位に立つかも検討する、とされています(出典:J-Net21「新分野選定のポイント」「事業コンセプトの作り方」)。

共通例なら、骨格をこうラフに1行ずつ書きます。誰に=外回りの多い社員(と、その経費精算を回す経理)。何を=月末の領収書入力の負担を減らす価値。どのように=撮るだけで入力が終わる仕組みで届ける。ここで、儲けの仕組み(誰に・何の価値を・どう収益化するか)を一枚に図解する型そのものはビジネスモデル入門が正本です。本講座では骨格をラフに置くにとどめ、図解の手順や、どの市場でどう戦うかの事業戦略入門へは、ここから先で送ります。

提案で効くのは完成度ではなく「どこまで確かめたか」——次の一手を必ず添える

ここまで来たら、提案・意思決定に乗せます。提案で効くのは、立派な完成度ではなく、「どんな根拠で、どこまで確かめたか」という手順の透明性です。事業コンセプトをしっかり作ると、創業時の仲間や金融機関などの関係者から理解と協力が得られやすくなり、考え方にブレがなくなって意思決定もしやすくなる、とされています(出典:J-Net21「事業コンセプトの作り方」)。先を見通しにくい時代には、しっかりと経営課題を見極めて進むべき道を描くことが必要で、第三者が経営者に寄り添って取り組むことが求められる、とも指摘されています(出典:中小企業庁「2022年版 中小企業白書」)。だからこそ、提案では「この順で確かめてきました」と手順で語ることが効きます。

そして最後に、必ず「次の一手」を添えます。次に確かめる前提は何か、を書いておくのです。検証を飛ばして数値を作り込み「完成した企画書」のように見せると、そこで止まります。むしろ「ここまで確かめた/次はここを確かめる」と示すほうが、相手は安心して前に進めてくれます。立案メモは、「種 → 解決案 → 確かめたこと → 骨格 → 次の一手」を1枚で見せる形にまとめます。

この章の確認(演習)

自分のアイデアを、「誰の困りごと・解決案・確かめたこと・骨格(誰に・何を・どのように・どう稼ぐかを1行ずつ)・次の一手」の形で、1枚に書き出してください。骨格は完璧でなくてかまいません。「次の一手(次に確かめる前提)」を必ず添えるのが、この演習の核です。

まとめ

新規事業は、センスではなく手順です。「種を見つける → 解決案を仮説で立てる → 小さく検証する → 骨格を整理して提案する」を、最初から最後まで一本で通す。困りごと(種)から始め、解決案は正解にせず仮の答えとして前提を書き出し、作り込む前に一番あやしい前提を小さく確かめ、手応えが出てから骨格を整理して提案に乗せる。提案では完成度より「どこまで確かめたか」を語り、次の一手を必ず添える——この順番を守ることが、差し戻されない立案につながります。

明日の一歩として、自分のアイデアが「いまどの段にいるか」を1つ決め、次に確かめる一番あやしい前提を1つ書き出してみてください。それが、立案手順を回し始める最初の実務です。手応えのある案の「儲けの仕組み」を一枚に図解する段階に進むなら、ビジネスモデル入門が次のステップになります。

本講座の特典として、「種 → 解決案 → 確かめたこと → 骨格 → 次の一手」を1枚で埋められる「新規事業 立案メモ・テンプレート」をご用意しています。テンプレートの入手案内と、新規事業の立て方に役立つ実務情報のお届けは、メルマガ登録からどうぞ。

よくある質問

新規事業はアイデアの良さで決まるのですか

決まりません。出発点は商品アイデアの良さではなく、誰のどんな困りごとかです。困りごとから始め、確かめながら順番に進める手順が成否を分けます。

解決案はすぐ企画書にまとめてよいですか

まだ早いです。解決案は「これで解けるはず」という仮の答えとして置き、当たるための前提を書き出し、一番あやしい前提を確かめてから骨格を整理します。

検証では何を確かめればよいですか

一番あやしい前提が本当かを確かめます。作り込む前に、数人に直接話を聞くなど最小の手間で、合否の目安を先に決めてから確かめるのがコツです。

上司や役員への提案で何を見せれば説得力が出ますか

完成度より「どこまで確かめたか」です。種から検証までの手順と、次に確かめる一手を1枚で見せると、根拠が伝わり意思決定が進みやすくなります。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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