在庫管理入門|過剰と欠品を避け適正在庫を発注点で回す基本 | マナビズ

在庫管理入門|過剰と欠品を避け適正在庫を発注点で回す基本

在庫管理入門|過剰と欠品を避け適正在庫を発注点で回す基本

「足りなくなったら困るから、多めに」。発注のとき、つい頭をよぎるこの一言が、倉庫を少しずつ埋めていきます。気づけば奥には古びた在庫が積み上がり、一方で人気品はたびたび欠品して、営業から「またないの?」と催促される。多めに持っているはずなのに、肝心なものは足りない——在庫担当なら、一度は経験する光景ではないでしょうか。

ここで最初にお伝えしたいのは、在庫管理の基本は「多いほど安心」でも「少ないほど良い」でもない、という一点です。在庫は、少なすぎれば品切れで販売機会を失い、多すぎれば保管費がかさむ。中小機構の解説でも、在庫管理は「二律背反の性格をもっている」とされています(出典:J-Net21「仕入品を管理するには」)。つまり在庫管理とは、過剰在庫と欠品の両方を避けて、適正な量を保つ仕事なのです。

そして、その適正な量は、勘で決めるものではありません。出ていく量(1日にどれだけ売れる・使うか)、届くまでの時間(発注してから入荷するまでの日数)、そしてばらつき(売れ行きや納期がどれだけ揺れるか)。この3つから決めていきます。本講座は、この「モノの量を適正に保つ運用」だけを扱います。在庫が会社の資金をどれだけ縛っているかをお金の流れとして読む視点はキャッシュフロー経営(kouza-134-cashflow-management)が、在庫を金額に換算して製品やサービスの原価を出す計算は原価計算入門(kouza-141-cost-accounting)が、それぞれの正本です。本講座は資金繰りや原価計算の手法そのものには踏み込みません。

この講座を終えると、次の3つができるようになります。1つ目は、過剰在庫と欠品それぞれが会社に与える不利益を、具体例を挙げて説明できること。2つ目は、ある商品について適正在庫の量と発注のタイミング(発注点)を決められること。3つ目は、棚卸しで帳簿と現物のズレを見つけ、その原因を切り分けられることです。共通の題材として、ある定番商品——たとえば1日に決まった数だけ出荷される消耗品——を全章で使います。この商品について「いつ・どれだけ発注するか」を、最後には自分で決められるようにしていきましょう。

この講座のポイント

  • 過剰在庫と欠品それぞれが会社に与える不利益を、具体例を挙げて説明できる。
  • ある商品について「適正在庫の量」を決める考え方を説明できる。
  • ある商品について発注のタイミング(発注点)を決められる。
  • 棚卸しで帳簿と現物のズレを見つけ、その原因を切り分けられる。

在庫管理が必要なのはなぜか(過剰在庫と欠品の両面)

この章のゴール

過剰在庫と欠品それぞれが会社に与える不利益を、具体例を挙げて説明できる。

在庫管理の基本は「持ちすぎ」と「足りなさすぎ」の両方を避けること

在庫管理を「欠品さえしなければいい仕事」だと思っていると、片方の問題しか見えません。在庫は、少なすぎると品切れを起こして販売機会を失い、多すぎると保管費が増える。中小機構はこれを二律背反の性格と表現しています(出典:J-Net21「仕入品を管理するには」)。大事なのは、過剰と欠品はトレードオフの関係にあり、片方だけを見て動くと、もう片方の問題が必ず顔を出す、ということです。「欠品が怖いから多めに」と動けば過剰在庫になり、「在庫を減らせと言われたから絞る」と動けば欠品が増える。だから両面を同時に見て、ちょうどの量を狙う必要があります。

過剰在庫が生む不利益——保管・手間・売れ残り・滞留する資金

「在庫はあれば安心、余る方が足りないよりまし」。この感覚が見落としているのが、過剰在庫の不利益です。中小機構は、製品在庫を多めに持つことには「収益悪化のリスク、在庫維持費用の増加、キャッシュフローの減少といった普段はあまり気づかない悪影響もある」と指摘しています(出典:J-Net21「在庫を多めにもつことの悪影響」)。具体的には、こうした形で表れます。

まず、売れ残った在庫は、値下げして安売りするか、それでも売れなければ廃棄することになります。当初見込んだ売上や利益が得られないばかりか、仕入れに使った資金の元本も回収できず、損失が出ます(出典:J-Net21「在庫を多めにもつことの悪影響」)。次に、保管している間に商品は劣化し、あるいは時代遅れになって(陳腐化して)価値が下がります(出典:同)。さらに、在庫には倉庫の賃借料・光熱費・保険料・固定資産税、運搬や入出庫・棚卸といった付帯作業の人件費など、維持のための費用が次々とかかります(出典:同。在庫費用の種類として、仕入代金・保管費用・減耗費用・金利・保険料・運搬費用・返品費用が挙げられています〔出典:J-Net21「小売業の在庫費用削減策」〕)。

そして見落とされがちなのが、資金への影響です。中小機構は「在庫は棚卸資産であり、その企業の資金が形を変えたもの」だとし、在庫を抱えることは自由に使える資金が減ること、つまりキャッシュフローが減少して資金繰りを圧迫することだと説明しています(出典:J-Net21「在庫を多めにもつことの悪影響」)。倉庫に積まれた在庫は、ただ置いてあるだけに見えて、実は会社の資金をそこに縛りつけているのです。この資金の流れとしての読み方を深めたい方は、キャッシュフロー経営(kouza-134-cashflow-management)へ進んでください。

欠品が生む不利益——販売機会の損失と信頼低下

一方の欠品も、もちろん放置できません。在庫を持つことのメリットは、裏を返せば欠品の不利益です。中小機構は、在庫があれば「受注後すぐに納品でき、品切れを防ぐことができる(欠品の回避、受注機会損失の回避)」とし、需要が急に増えても在庫でまかなえると述べています(出典:J-Net21「在庫を多めにもつことの悪影響」)。逆に欠品すれば、本来得られたはずの売上を逃し、受注したのに商品がなければ販売店からクレームを受けます。営業からの催促も、信頼の揺らぎの表れです。

「あれば安心」と過剰を軽視するつまずき

ここでのつまずきは2つです。1つは、「在庫はあれば安心」と過剰在庫の不利益を軽く見ること。実際には、売れ残り・保管費・滞留した資金という形で、静かにコストが積み上がります。もう1つは、欠品の損失を「次に売れるからゼロ」と過小評価すること。その場で逃した受注は戻らず、信頼の低下まで含めれば損失は一度きりではありません。過剰も欠品も、どちらも避けるべき問題——この両面の視点が、適正な量を狙う出発点になります。

この章の確認(演習)

自分の職場で「過剰在庫になっている品」と「よく欠品する品」を1つずつ挙げてください。そのうえで、それぞれの不利益を2点ずつ書き出します。過剰の側は保管・売れ残り・資金などの観点から、欠品の側は逃した売上や信頼の観点から考えてみましょう。

適正在庫の考え方(どれだけ持つか)

この章のゴール

ある商品について「適正在庫の量」を決める考え方を説明できる。

適正在庫は「いつもの売れ行き分」+「想定外に備える安全在庫」

では、ちょうどの量はどう決めるのでしょうか。考え方はシンプルで、適正在庫は「いつもの売れ行きをまかなう分」と「想定外に備える安全在庫」を合わせたものです。中小機構は、適正在庫を受注チャンスと在庫費用が均衡するポイントと位置づけ、目安として「年間平均適正在庫=年間販売高予想÷年間予定商品回転率」という式も示しています。ただしこれはあくまで平均値であり、商品ごとに季節や時間的な要因、安全在庫を考慮して決める必要がある、と注意を添えています(出典:J-Net21「小売業の在庫費用削減策」)。平均はスタート地点にすぎず、そこに現実の揺れを織り込んでいくわけです。

適正在庫を決める3つの材料——出ていく量・届くまでの時間・ばらつき

決めるための材料は3つです。1つ目は、出ていく量。共通例の定番商品でいえば、1日にいくつ売れる・使うか、です。2つ目は、届くまでの時間。発注してから入荷するまでの日数で、これをリードタイムと呼びます(出典:J-Net21「小売業の在庫費用削減策」)。発注したその日に届くわけではないので、届くまでの間に売れる分を切らさないよう、あらかじめ持っておく必要があります。3つ目は、ばらつき。売れ行きや納期がどれだけ揺れるか、です。

この3つ目のばらつきに備えるのが、安全在庫です。中小機構は安全在庫を、出庫予測のミスや作業ミスなどで在庫が過少になっても品切れを起こさないための在庫量と定義し、「発注日から納品日までのリードタイム内で、出庫スピードが早くなった場合を想定して数量を決定する」と説明しています(出典:J-Net21「小売業の在庫費用削減策」)。共通例でいえば、いつもは1日に決まった数しか出ない商品でも、繁忙期に急に出が増えることがある。その「想定より早く減る」事態に備える上乗せ分が、安全在庫です。

ばらつきが大きいほど安全在庫を厚くする

ここから導けるのが、安全在庫の厚みの決め方です。売れ行きや納期の揺れが大きい商品ほど、安全在庫は厚めに。揺れが小さく安定している商品ほど、薄くできます。繁忙期のように出荷が増えてばらつく時期は安全在庫を上乗せし、動きが落ち着いている時期は減らす。共通例の定番商品でも、平常月と繁忙月では持っておく量が変わってよいのです。なお、安全在庫を何個にするかという具体的な計算式は商品や状況で変わるため、本講座では「ばらつきが大きいほど厚く」という考え方までを押さえます。

平均だけで決めて繁忙期に欠品するつまずき

ここでのつまずきは2つあります。1つは、平均だけで決めて繁忙期に欠品すること。月の平均出荷数だけを見て発注量を決めると、出荷が集中する時期に足りなくなります。中小機構も、平均値はひとつの目安にすぎず季節要因を考慮すべきだとしています(出典:J-Net21「小売業の在庫費用削減策」)。もう1つは、逆に「不安だから」と安全在庫を盛りすぎて、第1章で見た過剰在庫に逆戻りすること。安全在庫は「想定外に備える分」であって、「とにかく多めに」ではありません。ばらつきの大きさに見合った厚みにとどめるのがコツです。

この章の確認(演習)

共通例(例)の定番商品で、1日の出荷量とリードタイム(届くまでの日数)から「最低限切らさない量」を見積もってください。そのうえで、安全在庫をどれだけ足すかを、その商品のばらつき(繁忙期があるか、納期は安定しているか)を理由として添えて書き出しましょう。

発注のタイミングを決める(いつ・どれだけ頼むか)

この章のゴール

ある商品について発注のタイミング(発注点)を決められる。

発注を勘でなく仕組みにする——2つの代表的なやり方

適正在庫の量が決まっても、「いつ発注するか」が勘のままでは、毎回ヒヤヒヤが続きます。発注のたびに数を勘で決めるのではなく、ルールにしてしまう。中小機構は、発注業務は品切れ防止と過剰在庫の回避を念頭に行うべきだとし、販売や在庫の状況に応じて「いつ・どのくらいの量を・どこへ」発注するかを標準化・ルール化した補充発注システムを構築すべきだと述べています(出典:J-Net21「仕入品を管理するには」)。

その代表的なやり方が2つあります。1つは定量発注方式。在庫がある一定水準まで減ったら、あらかじめ決めた一定量を発注する方式です。中小機構は「毎日在庫量をチェックし、ある在庫量(発注在庫量)を下回った時に定量発注をかける」もので、売れ筋商品など出入りの激しい商品に向くと説明しています(出典:J-Net21「小売業の在庫費用削減策」)。もう1つは定期発注方式。毎週月曜や毎月25日のように一定の周期で、必要な量をその都度決めて発注する方式で、在庫管理の手間が小さく、量があまり出ない買い回り商品に向きます(出典:同)。動きの速い定番商品なら定量発注方式が合わせやすいでしょう。

発注点は「届くまでに売れる量」+「安全在庫」で決める

定量発注方式で鍵になるのが、「在庫がいくつまで減ったら発注するか」というライン。これを発注点と呼びます。発注点を決めるときに思い出したいのが、第2章の2つの事実です。1つ、発注しても商品はリードタイム(届くまでの日数)の分だけ遅れて入荷する。2つ、その間に出荷が想定より早まっても切らさないために安全在庫がある。この2つを合わせると、発注点は「商品が届くまでの間に売れる量」と「安全在庫」を見込んで決める、という形になります。届くまでに売れる分を下回る前に発注をかけ、万一出荷が早まっても安全在庫でしのぐ——だから届く前に欠品しません。共通例でいえば、「在庫がこの数まで減ったら発注する」というラインを引き、発注のたびに勘で数を決めず、そのラインで判断します(具体的な個数はすべて例です)。

発注1回あたりの量をどう決めるか——多すぎれば過剰、少なすぎれば発注頻発

発注点が「いつ頼むか」なら、もう1つ決めるのが「発注1回あたりの量」です。ここにもトレードオフがあります。1回の発注量を大きくすれば発注の回数は減って手間は軽くなりますが、一度にたくさん入ってくるぶん在庫が膨らみ、第1章の過剰在庫に戻ります。逆に小さくすれば在庫は抑えられますが、発注の手間が頻発し、欠品の心配も増えます。どちらかに振り切るのではなく、過剰と発注頻発のあいだでバランスを取った量を決めるのが現実的です。共通例の定番商品なら、まずは「発注点まで減ったら、一定量をまとめて頼む」という形から始め、過剰や頻発が起きていないかを見ながら量を調整していくと、無理なく仕組みに乗せられます(個数はすべて例です)。

リードタイムを忘れて届く前に欠品するつまずき

ここでのつまずきは2つです。1つは、発注点を「1日の出荷量」だけで決めて、リードタイムを忘れること。届くまでの日数を見込まないと、発注した直後に在庫が尽きて、入荷を待つ間に欠品します。発注点には必ず「届くまでに売れる量」を含めます。もう1つは、1回の発注量が大きすぎて過剰在庫に戻ること。欠品が怖いからと毎回たくさん頼むと、第1章の不利益がそのまま戻ってきます。発注のまとめ買いが資金繰りに与える影響まで含めて考えたい場合は、資金繰り入門(kouza-135-funding-basic)が参考になります。

この章の確認(演習)

共通例(例)の定番商品について、発注点を「届くまでに売れる量+安全在庫」の考え方で見積もってください。そのうえで、「在庫がいくつになったら、何個発注するか」を1文で書き出します。発注量を決める際は、過剰になりすぎないか・発注が頻発しすぎないかも一言添えましょう。

在庫を正しく数える(棚卸しとズレの原因)

この章のゴール

棚卸しで帳簿と現物のズレを見つけ、その原因を切り分けられる。

棚卸しとは——現物を数えて帳簿と突き合わせる作業

ここまでで、適正在庫を決め、発注点で回す流れができました。ところが、この仕組みには前提があります。それは、帳簿の数と実際の数(現物)が合っていること。帳簿が「100個ある」と言っているのに本当は95個しかなければ、発注点の判断も狂います。そこで必要になるのが棚卸しです。棚卸しとは、現物を実際に数えて帳簿と突き合わせる作業のこと。中小機構は、実地棚卸しの目的を「在庫の正確な数量を把握すること」に加え、「帳簿上の在庫数量を修正して、実地棚卸しの数量に合わせること」だと説明しています(出典:J-Net21「棚卸しの目的とその重要性」)。数えて、合わせる。これが棚卸しの中身です。

帳簿と現物がズレる主な原因

中小機構は、棚卸しで帳簿を修正しても「時間が経過すると再び差異が生じてくるので、実地棚卸しは定期的に行われるようになった」としています(出典:J-Net21「棚卸しの目的とその重要性」)。つまりズレは、放っておけば必ず生じるもの。だからこそ、ズレを見つけたら原因を切り分けることが大事です。共通例で「帳簿は100個なのに現物は95個」だったとき、原因はおおむね次の4つに分けられます。1つ目は記録漏れ。出荷や入荷を台帳に付け忘れた。2つ目は置き違い。別の棚に紛れていて数え落とした。3つ目は破損・紛失。途中で壊れたり失われたりした。4つ目は数え間違い。単純なカウントミスです。出荷の記録漏れか、別棚に紛れたか、破損か——と順に当たって原因を絞っていきます。

そして、こうしたズレを減らす基本は、日々の記録と置き場所にあります。中小機構は、在庫管理は在庫場所を明確にすることから始まり、入出荷のたびに「どの製品が・いつ・何個動いたか」を台帳に正確に記録し続ける仕組みを確立することが重要だとしています(出典:J-Net21「現場での在庫管理の方法と、適正な在庫量の考え方」)。記録を付け続ければ、現在の在庫量が常に分かり、ズレそのものが起きにくくなります。

ズレの原因を切り分けて運用を直す

ズレの原因が分かったら、そこで終わりにせず、運用を直すところまで進めます。記録漏れが原因なら、入出荷の担当と記録のタイミングを決める。置き違いが原因なら、置き場所を「この商品はこの棚」と明確にする。こうして原因に応じて運用を直すことで、次の棚卸しでのズレが小さくなります。なお、扱うアイテム数が多くて棚卸しが月末に集中して大変な場合は、巡回棚卸し(循環棚卸し)という工夫があります。全アイテムをいくつかのグループに分け、毎月1グループずつ順番に数えて、1年で全体を一巡する方法です(出典:J-Net21「棚卸しの目的とその重要性」)。これなら作業の山をならせて、ズレにも早く気づけます。在庫を金額に換算して製品の原価を計算する手順は、原価計算入門(kouza-141-cost-accounting)で扱います。本章はあくまで、現物と帳簿を合わせる運用に絞ります。

ズレを「誤差」で片づけるつまずき

ここでのつまずきは2つです。1つは、ズレを「誤差」で片づけて原因を追わないこと。原因を放置すれば同じズレが繰り返し起き、帳簿はだんだん信用できなくなります。2つ目は、棚卸しの結果を発注の見直しに反映しないこと。せっかく現物を数えて正しい在庫量が分かっても、それを発注点や発注量の調整に使わなければ、棚卸しは数えるだけの作業で終わってしまいます。数えて、合わせて、運用に返す。ここまでやって初めて、第3章までの仕組みが正しく回り続けます。

この章の確認(演習)

共通例(例)の定番商品で、帳簿と現物にズレがある状況を1つ想定してください。そのズレの原因を「記録漏れ/置き違い/破損・紛失/数え間違い」の4分類のどれかに切り分け、再発を防ぐために運用をどう直すかを1つ書き出しましょう。

まとめ

在庫管理とは、「多いほど安心」でも「少ないほど良い」でもなく、過剰在庫と欠品の両方を避けて適正な量を保つ仕事でした。過剰在庫は売れ残り・保管費・滞留する資金という不利益を生み、欠品は販売機会の損失と信頼低下を招く。どちらも避けるべき問題です。そのうえで、適正な量は勘ではなく、出ていく量・届くまでの時間・ばらつきの3つから決める。揺れが大きいほど安全在庫を厚くし、発注点は「届くまでに売れる量+安全在庫」で引いて、定量発注方式や定期発注方式で回す。そして棚卸しで帳簿と現物を合わせ続け、ズレの原因を切り分けて運用に返す。過剰と欠品の両面を見る→適正在庫を決める→発注点で回す→棚卸しで合わせ続ける、というこの流れが、在庫管理の背骨です。在庫は、多すぎても少なすぎても損。狙うのは、ちょうどです。

明日の一歩として、担当する定番商品を1つ選び、「1日の出荷量・リードタイム・発注点」を1枚に書き出してみてください。それが、勘の発注から仕組みの発注へ変わる最初の一歩になります。さらに進んで、この在庫が会社の資金をどれだけ縛っているかを読む視点を身につけたい方は、キャッシュフロー経営(kouza-134-cashflow-management)へ進むのが次のステップです。

本講座の特典として、適正在庫・発注点・棚卸しの確認ポイントを1枚にまとめた「在庫管理セルフチェックシート」をご用意しています。担当商品ごとに「出荷量・リードタイム・発注点・棚卸しのズレ」を書き込んで使えるシートです。配布のご案内は、メルマガ登録でお届けします。

よくある質問

在庫は多めに持っておけば安心ではないのか

安心とは限りません。過剰在庫は売れ残り・保管費・劣化に加え、資金を在庫に固定してキャッシュフローを圧迫します(出典:J-Net21「在庫を多めにもつことの悪影響」)。欠品も過剰も避け、適正な量を狙うのが基本です。

適正在庫はどうやって決めればいいのか

出ていく量・届くまでの時間(リードタイム)・ばらつきの3つから決めます。いつもの売れ行きをまかなう分に、想定外に備える安全在庫を足す、という考え方です。平均だけで決めず季節要因も見込みます。

発注点と発注量はどう違うのか

発注点は「いつ頼むか」、発注量は「1回にどれだけ頼むか」です。発注点は届くまでに売れる量と安全在庫で決め、発注量は過剰在庫と発注頻発のバランスで決めます。

安全在庫はどれくらい持てばいいのか

売れ行きや納期のばらつきが大きいほど厚く、安定しているほど薄くします。安全在庫は想定外に備える上乗せ分なので、「とにかく多め」にすると過剰在庫に戻る点に注意します。

棚卸しで帳簿と現物がズレたらどうすればいいのか

原因を「記録漏れ/置き違い/破損・紛失/数え間違い」に切り分けます(出典:J-Net21「棚卸しの目的とその重要性」)。原因に応じて記録や置き場所の運用を直し、結果を発注の見直しにも反映します。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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